- 作成日 : 2024年11月29日
根抵当権確定期日変更契約書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
根抵当権確定期日変更契約書とは根抵当権の確定期日を変更する際に締結する契約書です。この契約はどういった時に締結するのでしょうか。この記事では根抵当権確定期日変更契約書を作成するケースや書き方についてご紹介します。
目次 [非表示にする]
根抵当権確定期日変更契約書とは
根抵当権確定期日変更契約書はその名の通り根抵当権の確定期日を変更するために、根抵当権者(融資をする債権者)と根抵当権設定者(担保を提供して融資を受ける債務者)との間で締結する契約書です。
根抵当権の確定期日とは、根抵当権によって担保されるべき元本が決定する期日です。根抵当権者と根抵当権設定者は双方の合意によってこの期日を決定し、後から変更することも可能です。
ただし、確定期日は変更する時点から5年以内に設定する必要があります。また、変更前の期日より前に登記手続きを行っていなかった場合、元本は変更前の期日で確定することになります。
根抵当権確定期日変更契約書を締結すべき場面
根抵当権確定期日変更を行い、契約を締結するタイミングとしては、以下が挙げられます。
追加の融資を受ける場合
抵当権の確定期日を迎えると、担保される元本の金額も確定してしまいます。確定期日を変更することで、根抵当権設定者はその担保で新たに借り入れをすることが可能となります。
返済計画を変更する際
当初予定していた返済計画に変更が生じて今後も新たな借入が見込まれる場合、あらかじめ確定期日を変更することで、引き続き担保が利用できるようになります。
債権者の方針変更
債権者都合で確定期日を変更するケースもあります。例えば債務者のキャッシュフローが良好で、今後も継続的な取引が期待できる場合、債権者が債務者に対して確定期日変更を打診することがあります。
根抵当権確定期日変更契約書のひな形・無料テンプレート
当サイトでは初めて契約書を作成される方のために、根抵当権確定期日変更契約書のひな形をご用意しました。内容を書き換えるだけで活用できるので、ぜひ参考に根抵当権確定期日変更契約書を作成してみましょう。
根抵当権確定期日変更契約書の書き方・記載すべき内容
ここからは根抵当権確定期日変更契約書に盛り込むべき内容について、ひな形をもとにご紹介します。
契約者
まずは根抵当権者と根抵当権設定者の氏名もしくは法人名を明記し、根抵当権確定期日変更契約を締結する旨を記載します。根抵当権者を「甲」根抵当権設定者を「乙」というように置き換えましょう。
確定期日の変更
両者の合意によって根抵当権確定期日を変更する旨を記載します。どの根抵当権が対象なのか特定できるよう、根抵当権設定契約を締結した日付や根抵当権の受付番号などを明記しておきましょう。
また、変更前と変更後の確定期日を、それぞれ「令和〇年〇月〇日」というように具体的に明記します。
登記手続きについて
根抵当権の確定期日変更の登記手続きを行う旨と、その登記費用の負担者について明記します。
署名押印欄
契約書の末尾には両当事者が契約書を保有する旨を記載します。さらに、契約書の締結日、両者の住所、氏名を記入する欄と押印欄を設けます。ここに署名押印した時点で契約に同意したとみなすことができます。
根抵当権確定期日変更契約書を作成するときの注意点
根抵当権確定期日変更契約書を作成あるいは契約する際は以下のような点に注意しましょう。
根抵当権設定者と根抵当権者がしっかりとすり合わせをしておく
根抵当権確定期日の変更は根抵当権設定者と根抵当権者の合意によって行われます。双方がリスクを鑑みて、根抵当権の確定期日を決めましょう。期日が短過ぎると再度変更の必要が出てくる可能性があり、逆に長過ぎると担保管理が難しくなってしまいます。
対象となる根抵当権や期日は明確にする
どの根抵当権の確定期日を変更するのか、何日から何日に変更するのか、可能な限り明確にしましょう。根抵当権は根抵当契約を締結した日付や法務局での受付番号などの情報を記載することで特定可能です。今回のテンプレートに基づいて作成すれば問題ありません。
再設定や手続きにかかる費用を考慮する
根抵当権の確定期日を変更するためには変更登記手続きが必要です。法務局に支払う登記手続きの手数料や登録免許税、手続きのサポートや代行を司法書士に依頼する際の報酬などを考慮して確定期日を変更するか否かを判断しましょう。また、これらの費用を根抵当権設定者、根抵当権者のどちらが負担するのかについても取り決めておく必要があります。
専門家の助言を得る
根抵当権の確定期日を変更するためには法的な知識が必要となります。確定期日を決める際、契約書を作成する際、登記手続きを行う際など、必要に応じて司法書士や弁護士などのサポートを受けましょう。
必要に応じて確定期日の変更も検討しましょう
根抵当権確定期日は根抵当権設定者と根抵当権者が合意すれば根抵当権確定期日変更契約によって変更することも可能です。例えば新たな借入が必要となった場合、事業計画や返済計画を変更する場合は、根抵当権確定期日の変更が必要になるケースもあるかもしれません。
根抵当権確定期日を変更される際には、今回ご紹介した書き方や注意点も意識し、ひな形を参考にして契約書を作成しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
土地建物贈与契約書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
土地建物贈与契約書とは、土地や建物を贈与する際に作成する契約書のことです。土地建物贈与契約を締結する具体例として、会社の役員が自社に不動産を提供するケースが挙げられます。 土地建物贈与契約書に記載する条項は、贈与の合意・引渡し・費用の負担な…
詳しくみる実験同意書とは?効力や書き方・例文(無料テンプレート)
実験同意書とは、被験者が実験に協力することに同意した旨が記載された書類を指します。実験を行う教育機関や研究機関、企業などは、被験者と実験同意書を締結しておくことが望ましいです。この記事では、実験同意書の必要性や書き方・例文を紹介します。 ▼…
詳しくみる秘密保持義務とは?ひな型をもとに契約書(NDA)の書き方や注意点を解説
秘密保持義務とは、企業間の取引や労働者の職務などで知り得た相手の秘密情報を、外部に漏えいしたり不正利用したりしてはならないという義務です。秘密情報の流出は大きな損害につながります。情報を開示する前に秘密保持契約を締結して、重要な情報を保護し…
詳しくみる委任事務の状況報告請求書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
委任事務の状況報告請求書は、依頼者が業務の進捗状況を把握し、受任者とのコミュニケーションを図るためのツールです。適切に作成された報告書は、依頼者の不安解消につながり、プロジェクトの透明性を高めます。進捗不安の解消と円滑な事務遂行のために、状…
詳しくみる紛争における和解契約書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
紛争における和解契約書とは、何らかのトラブルが生じている当事者間において、互いに譲歩してトラブルを解決する旨の合意書面です。和解の内容が適正であること、および後日のトラブルを予防できる内容であることをチェックする必要があります。 本記事では…
詳しくみる覚書とは?契約書・念書との違いや書き方を簡単に解説【テンプレート付き】
ビジネスの現場では契約書をもって契約を取り交わすのが一般的ですが、それとは別に「覚書」を取り交わすこともあります。実際に取引先や上司から覚書を作成するよう言われた方もいらっしゃるかもしれません。 この記事では、覚書の意味や契約書・念書との違…
詳しくみる