- 更新日 : 2025年12月17日
アジリティとは?意味やビジネスでの使用例を紹介
アジリティとは、もともとは「素早さ」や「敏捷性」を表す単語です。ビジネスでは環境の変化・技術の進化に対応する能力が求められるため、企業の意思決定の速さや行動力を意味するキーワードとして、「アジリティ」が注目を集めています。
なぜ今、アジリティが企業にとって重要となるのか。注目される背景や、意味について解説します。
目次
アジリティとは?
アジリティ(Agility)とは、「敏捷性」「素早さ」「機敏さ」を意味する英単語です。自分の身体を素早く動かせるという意味で、もともとはスポーツの世界で使われていました。運動時に身体をコントロールする能力として、アジリティを高めるためのトレーニングも研究されています。
最近では、めまぐるしい環境変化に対応する必要性から、企業や組織、個人が生き抜くための機敏性を表す単語として注目されています。
ビジネスにおけるアジリティの意味
ビジネスシーンでの「アジリティ」とは、意思決定や行動における「機敏性」を意味します。近年のビジネス環境は、新型コロナウイルス感染症をはじめとした職場環境の変化、AIにより数日にして業界の勢力を塗り替える技術革新など、「予測しえなかった出来事」が起こる不確実性の高い時代といわれます。
前例のない環境変化に対しては、迅速な意思決定と行動が求められます。アジリティとは、そうした時代において、組織の意思決定のスピードや、チーム編成や役割分担の柔軟性など、幅広い概念を含めた企業の対応力の高さを表すキーワードとなっています。
犬の競技名でも使用されている
アジリティの用語は、犬の競技名でも使用されています。これは、飼い主と犬が制限時間内にコース上に設置されたハードルを息を合わせながらクリアしていく障害物競争に用いられます。単なる走る速さ(スピード)を求めるのではなく、判断のスピード、対応力の高さが必要となることを意味しているのでしょう。
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アジリティが企業において求められる場面
アジリティが注目されるようになった背景には、技術革新など目まぐるしいビジネス環境の変化があります。VUCAとよばれる不確実性の高い時代であり、激動で複雑な変化を予測できないからこそ、迅速な判断と行動が組織に求められるのです。以下に、アジリティが企業において求められる2つの場面を紹介します。
外部要因による働き方の変化
IoTの発展とともに、オフィスの外からも仕事ができるテレワーク(リモートワーク・在宅勤務)が広がりました。オフィス出社ではなく、在宅勤務やリモートワークを一般的にしたのは、新型コロナウイルス感染症の影響が一つのきっかけとなっています。
数カ月前には、誰もが想像していなかった速さで、日本社会だけではなく、世界各国が「人との接触を避ける」ことを目的に、ライフスタイルやビジネススタイルの変更を余儀なくされました。この環境変化に対して、アジリティのある企業は、いち早くテレワークを導入し、テレワークの勤務形態に合わせてテレワーク手当を支給したり、外部で仕事をするためにITセキュリティの強化を図ったりするなど、環境への最適化を行いました。
消費者需要の変化
おなじく、新型コロナ感染症の影響を大きく受けたのは旅行業界です。人の動きが制限されたなかで、「宿泊する」というサービスを提供する業態のビジネスは大きな損害を被りました。しかし、そのような変化においても、感染対策の徹底により消費者の信頼を得ることや、自己隔離といった新たな需要にビジネスのあり方を対応させていった企業は、市場の変化に負けることなく生き抜くことができています。
ビジネスにおけるアジリティの使用例
ビジネスでアジリティが発揮された事例を紹介します。
ピンチを変化と捉え成長の機会に
家具の販売を手掛けるニトリでは、コロナ禍で人々の経済活動が停滞した際、一部店舗の休業など経済的に苦しい選択を迫られました。しかし、そのような中でも、兼ねてから投資を行ってきたECサイト「ニトリネット」での需要が急増。結果として、増収増益を達成することができました。
ピンチでも事業成長を達成できた裏側には、同社の人材育成や投資への考え方があります。商品の企画・製造・物流・販売まで一気通貫で行うビジネスモデルであり、システムの企画・開発・導入・運用・管理まで自前で実施。IT人材の育成にも力を入れており、自社のアプリやECサイトへの投資を続けてきたからこそ、予測しなかった変化に柔軟に対応できたといえるでしょう。
参考:NITORI HOLDINGS 統合報告書 2022|株式会社ニトリ
働き方をはじめ採用や商談でも広がるオンライン
国内の緊急事態宣言が解除されたあとでも、オンラインを活用したビジネスシーンは広がりを見せています。営業の商談だけではなく、採用活動でもオンラインが取り入れられたのは、環境の変化に企業が適応した結果といってもよいでしょう。
とくに、これまで対面が「当たり前」であった面接をオンラインで可能としたことは、企業と応募者双方にメリットをもたらしました。オンラインによる面接は、遠方でも会うことができるため、選考初期段階の採用活動におけるハードルを下げることが可能です。また、オンラインでのビジネスを基盤とした、アシスタントや採用代行を行う企業も、昨今では珍しいものではなくなっています。
企業がアジリティを高めるための方法
企業がアジリティを高めるために、組織と個人としてできることを紹介します。
組織としてできるアジリティを高めるポイント
・経営理念の浸透を図る
環境変化に対して、ビジネスとして適切な方向に舵を切るためには、経営ビジョンの共有が欠かせません。全社会や社内広報、ウェブサイトでの発信など、経営理念を社内・社外に日頃から広く伝える取り組みが重要です。また、経営ビジョンと連動した人事制度の構築、評価制度の整備も有効といえます。
・社内コミュニケーションを活性化する
状況判断能力を高めるためには、情報収集が必要です。ITツールの導入により社内コミュニケーションを活性化することで、組織全体に必要な情報がいきわたります。また、ITツールを利用して、社内の意見を広く募り、企業が取り入れる仕組みを作ることも大切です。特定のメンバーが孤立するようなことがあってはならないことはもちろんのこと、勤務形態や職務内容、役職、働き方によって不均等な情報格差が発生しないように注意しましょう。
・個人の裁量を広げる
素早い判断と行動には、個人の裁量の範囲も重要です。適切な方向性を示しつつ、業務での適切な決定権・裁量権を従業員に与えることで、組織のアジリティが向上します。
個人ができるアジリティを高めるポイント
・業務プロセスの見直し、改善を行う
複雑な承認ルートを用いている場合、意思決定が遅れる可能性があります。したがって、非効率な業務を洗い出し、業務フローのデジタル化により業務の効率化を行うことが必要です。また、現場だからこそ分かる視点を盛り込み、改善を行うことも重要です。
・情報共有のためITツールを活用する
組織内外で起きている問題をタイムリーに把握するために、ITツールを活用しましょう。新しいツールを導入すると、なかには使い方に不安を覚える人がいるかもしれません。しかし、ツール導入の際に適切な使い方を学ぶことができれば、情報をスムーズに得られるようになり、業務の効率化やコミュニケーションの活性化が図れるようになります。
不確実性の高い時代を生き抜くためアジリティを高める
今あるサービスが、明日も必要とされるとは限りません。ビジネスを取り巻く環境は、目まぐるしい変化に常にさらされています。
変化する消費者需要へ対応するためには、新たな技術を取り入れ、ビジネスに活用することが必要不可欠です。組織と個人のアジリティを高めることができれば、変化が激しいビジネス環境で生き残ることも、難しい経営課題を乗り切ることもできるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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