• 作成日 : 2026年5月7日

賃貸を共同名義にすると住宅手当はどうなる?名義や支給条件について解説

Point賃貸の共同名義と住宅手当の関係

賃貸の共同名義でも住宅手当は受給可能ですが、支給条件は各社の就業規則に委ねられます。

  • 支給の判断:会社の賃金規程次第。住民票上の「世帯主」が条件となるケースが多い。
  • 二重受給の禁止:夫婦やパートナーが別会社からそれぞれ受給することは、規程違反や不正受給のリスク。
  • 公務員の基準:国家公務員等は「主たる生計維持者」1名のみが支給対象と明確に規定。

同棲で共同名義にしている場合、住宅手当を申請できるのは原則として、どちらか一方のみです。

多くの企業が「1世帯1名」を条件としており、双方が受給すると「二重受給」として全額返還や懲戒処分の対象となる恐れがあります。必ず双方の就業規則を確認し、世帯主がいずれか一方で申請するのが安全です。

「賃貸を共同名義で契約すると住宅手当はどうなるのか」は、同棲・内縁・共働き夫婦などが直面しやすい疑問です。住宅手当(家賃補助・居住補助手当)は法律で定められた制度ではなく、各企業が就業規則で自由に条件を設定できる法定外福利厚生です。そのため、共同名義の賃貸住宅に対する扱いは会社ごとに大きく異なります。本記事では名義と支給条件の関係を体系的に整理します。

住宅手当とは?法律上の位置づけは?

住宅手当(家賃手当・居住手当)は、従業員の住居費用を補助するために企業が任意で支給する法定外福利厚生です。導入するかどうか、支給条件・支給額のすべてを企業が自由に決定できるため、制度の有無や内容は会社ごとに異なります。

厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」によると、住宅手当など居住費補助を支給している企業は45.7%で、月平均の支給額は約1万8,700円です。導入企業は約半数にとどまり、支給条件は千差万別です。

参照:厚生労働省|就労条件総合調査

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住宅手当の一般的な支給条件の種類

会社が設定する支給条件には以下のようなパターンがあります。

条件の種類 代表的な内容
雇用形態 正社員のみ、または正社員と同等の非正規も含む
世帯主要件 世帯主であること(非世帯主は減額・不支給の場合あり)
居住形態 賃貸のみ、または持ち家も含む
契約名義 本人単独名義の賃貸借契約であること
勤務地からの距離 通勤圏内(例:50km以内)に居住していること
他からの受給状況 配偶者等が別の会社から住宅手当を受給していないこと
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賃貸の共同名義とは?単独名義とどう違うの?

賃貸の共同名義とは、1つの賃貸借契約を2人以上が連名で締結し、複数名を契約者(賃借人)とする契約形態です。単独名義が1人だけを借主とするのに対し、共同名義では2名以上が対等な借主の立場に立ちます。

同棲カップルや共働き夫婦が家賃を折半して負担している場合に、公平性や家賃滞納リスクの分散などを目的として選択されることがあります。一方で、住宅手当の申請において「誰の名義か」という問いに対する答えが曖昧になりやすい点が、制度利用上の論点となります。

共同名義・単独名義・連帯保証人の違い

契約形態 契約上の立場 住宅手当の申請可能性
単独名義(本人) 唯一の借主 高い(多くの企業で支給対象)
共同名義(2名以上) 共同の借主 会社規定による(双方または一方のみ等)
連帯保証人 保証人(借主ではない) 低い(名義がないため対象外が多い)

共同名義の賃貸で住宅手当はもらえるの?

共同名義の賃貸で住宅手当が支給されるかどうかは、会社の就業規則・賃金規程の定め方によります。法律上の統一ルールはなく、企業ごとの判断が分かれます。

「本人名義の賃貸契約に限る」と明記している会社では、共同名義の場合に名義人の一方しか申請できないか、または支給対象外とされることがあります。一方、「家賃を事実上負担していること」を要件とする会社では、共同名義でも実際の負担割合に応じて申請できる場合があります。

企業の規程別・共同名義の住宅手当の扱いパターン

企業規程の内容 共同名義の場合の扱い
「本人単独名義の賃貸に限る」 共同名義者は原則支給対象外
「世帯主が賃貸契約者であること」 世帯主の一方のみ申請可
「家賃を事実上負担していること」 実質負担者として申請できる場合あり
「負担比率に応じて按分支給」 各自の負担割合に応じた金額を支給
規程に明記なし 会社への確認・交渉が必要

共同名義の賃貸で双方が住宅手当を受給できるの?

共同名義の賃貸に住む2人がそれぞれの勤務先から住宅手当を受給することは、双方の会社の規程が許可している場合に限り可能です。ただし、多くの企業では「1世帯1名への支給」または「世帯主のみへの支給」を基本方針としており、二重受給を禁止しています。

二重受給が発覚した場合、受給額の全額返還・支給停止・就業規則上の懲戒処分の対象となる可能性があります。金銭的な得を求めて不正受給することは、キャリアへの影響を含む深刻なリスクを伴います。

二重受給が生じやすいケースと注意点

  1. 共同名義の賃貸契約で双方が世帯主として住民票を持っている
  2. それぞれの会社に住民票のみを提出し、相手方の受給状況を申告していない
  3. 申請書類として賃貸借契約書を提出させない会社で、実態確認がない

二重受給は不正受給にあたるため、「バレなければよい」という判断は極めて危険です。会社への正直な申告と、事前の規程確認が必須です。

公務員の場合、共同名義の賃貸で住居手当はもらえるのか?

国家公務員の場合、住宅手当に相当する「住居手当」は人事院規則(人事院規則9-4)によって支給条件が定められています。民間企業の住宅手当とは異なり、ルールが統一されています。

人事院規則では、職員本人と配偶者等が「共同して借り受けている住宅」に同居し家賃を支払っている場合、「その生計を主として支えている職員に限り」住居手当の支給対象に含まれると規定されています

参照:人事院|住居手当の運用方針

状況 住居手当の支給
職員と配偶者が共同名義で借り受け・同居・家賃支払い 生計を主として支える職員のみに支給
職員以外の者が名義で借り受けた住宅に同居するだけ 原則支給対象外
職員の扶養親族名義の住宅に居住・家賃支払い 支給対象に含まれる場合あり

つまり国家公務員の場合、共同名義であっても家賃を事実上負担しており、かつ生計を主として支えている職員であれば支給対象となりますが、あくまでも1名のみが受給対象になります。

住宅手当の申請に必要な書類は?

住宅手当の申請に必要な書類は会社によって異なりますが、賃貸の場合は一般的に以下の書類が求められます。共同名義の場合は、双方の名前が記載された賃貸借契約書の写しが証拠書類となるため、名義の状況を正確に申告することが重要です。

書類の種類 確認される内容
住民票 申請者の居住地・世帯主かどうか
賃貸借契約書の写し 契約名義・家賃額・物件所在地
家賃の振込明細・領収書 実際に家賃を負担しているかどうか
申請書(所定様式) 手当申請の意思表示と申告内容

共同名義の賃貸契約書には、共同名義人として複数名の氏名が記載されています。申請先の会社に「共同名義だが申請できるか」を事前に確認し、必要な書類・申告事項を把握してから申請するのが確実です。

関連記事|住宅手当申請書(ワード) テンプレート

共同名義の賃貸で住宅手当を正しく受給するための手順は?

共同名義の賃貸に住む場合の、住宅手当の受給手順について解説します。

STEP 1:自社の就業規則・賃金規程を確認する

会社の就業規則または賃金規程にある住宅手当(家賃補助・居住手当)の条項を確認し、「契約名義の要件」「世帯主要件」「二重受給の禁止規定」の有無を把握します。

STEP 2:賃貸借契約書の名義状況を整理する

現在の賃貸借契約書を確認し、単独名義か共同名義かを確認します。共同名義の場合、各自の家賃負担割合が書面で確認できるかどうかも確認します。

STEP 3:世帯主の確認をする

住民票を確認し、どちらが世帯主になっているかを確認します。世帯主のみが支給対象となる会社では、非世帯主は申請できないか減額される場合があります。

STEP 4:相手方の勤務先の規程も確認する

同棲・共働きの場合、相手方の会社が住宅手当を支給しているかを確認します。双方の会社の規程を照らし合わせ、二重受給に当たるリスクがないかを事前に整理します。

STEP 5:会社の人事・総務担当者に確認・申告する

不明点は自社の人事・総務部門に正直に状況を伝えて相談します。共同名義の賃貸契約であること、相手方の受給状況などを適切に申告した上で支給の可否と条件を確認します。

STEP 6:申請書類を揃えて申請する

会社が指定する書類(住民票・賃貸借契約書の写し・その他)を揃えて申請します。申告内容と実態が一致していることを確認し、虚偽申告にならないよう注意します。

同棲・内縁・共働き夫婦のケース別・住宅手当の注意点は?

未婚の同棲カップルの場合

多くの企業では「世帯主かつ賃貸契約者」を支給条件としており、同棲カップルの場合は原則として一方のみが受給対象です。単独名義であれば名義人が申請でき、共同名義であれば世帯主として住民票に登録されている側が申請できる会社が多いです。二人がそれぞれ世帯主として住民票を持つことは可能ですが、二重受給は会社規程違反となるリスクがあります。

共働き夫婦(それぞれ別会社に勤務)の場合

夫婦双方が別の会社に勤める場合、それぞれが自社の規程に基づいて申請することは可能です。一方、「配偶者が別の会社から住宅手当を受給していないこと」を要件とする会社もあります。共同名義の場合に負担比率に応じて按分支給する企業もあるため、双方の会社規程を確認した上で対応を決めることが重要です。

社内結婚・同一会社の夫婦の場合

同じ会社に勤める夫婦の場合、「世帯主のみへの支給」または「世帯主は満額・被世帯主は減額」という形で整理している会社が多いです。共同名義の賃貸でも、世帯主として住民票に登録されている従業員が申請できることが一般的です。

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賃貸の共同名義と住宅手当の関係を正しく把握しトラブルを防ごう

賃貸の共同名義と住宅手当の関係は、法律ではなく各社の就業規則・賃金規程によって決まります。共同名義の賃貸借契約に対して「双方が申請できるか」「一方のみ申請可か」「按分支給か」は企業ごとに異なるため、会社の規程確認と正直な申告が不可欠です。二重受給による不正受給リスクを避けるためにも、事前に人事・総務部門へ状況を説明し、適切な手順で家賃補助の申請を行うことが、長期的なキャリアを守る最善策です。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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