- 更新日 : 2025年12月18日
【面接官向け】質問力を磨く!押さえるべき採用面接の流れや基本を徹底解説
採用面接において、面接官が投げかける質問は、単に応募者の情報を集めるためだけでなく、企業と応募者の双方にとって最良の選択をするための重要なプロセスです。面接官は、自社の採用基準に合った人材を見極める「評価者」であると同時に、会社の魅力を正確に伝える「広報担当」としての側面も持ち合わせています。
応募者のスキルや経験、あるいは潜在能力を客観的に評価し、入社後のミスマッチを防ぐための土台を築くことが、面接官の責務と言えるでしょう。
目次
【目的別】採用面接で使える効果的な質問集
採用面接で真に聞くべきことは、応募者の「過去の行動事実」です。未来の可能性は、過去の行動から推測できます。質問の意図をはっきりさせて、具体的なエピソードを引き出しましょう。
特に面接に不慣れな場合は、以下の質問集を活用し、質問の引き出しを増やすことをおすすめします。
「経験・スキル」を確認する質問
- これまでの活動で、特に工夫した点や困難を乗り越えた方法を詳しく教えてください。
- 前職で達成した最も大きな成果について、あなたの貢献度を具体的な数値を交えて説明してもらえますか。(新卒の場合は学業や活動で達成したことを尋ねる)
- あなたの強みである〇〇(スキル/経験)を、弊社のこのポジションでどのように活かせるとお考えですか。
過去の経験や具体的なスキルは、募集ポジションでの再現性を測る重要な指標となります。成果だけでなく、プロセスや考え方にも焦点を当てた質問をしましょう。新卒の場合は学業やサークル活動、インターンシップでの行動を尋ねるようにします。
「志向・価値観」を確認する質問
- 仕事をする上で、最も大切にしたいことは何ですか。また、その理由も教えてください。
- 5年後、どのような自分になっていたいですか。そのために弊社でどのような経験を積みたいですか。
- もし、あなたの意見が上司や同僚と衝突した場合、どのように対応し、何を学びますか。
企業への定着やモチベーションの維持には、応募者の内面的な志向や価値観の適合性が重要となります。仕事に対する考え方を深掘りしましょう。
アルバイト採用で活用できる質問例
- 弊社でアルバイトをしようと思った一番の理由は何ですか。
- 希望するシフト以外に、急な欠員が出た際に対応できる日や時間帯はありますか。
- 仕事でミスをした時、あなたはまずどうしますか。
アルバイト採用の場合、長期的な定着と職務への意欲がとくに重要になります。働く時間帯や責任感を確認する質問を中心に組み立てましょう。
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面接官に求められる4つの役割
面接官は、採用活動を成功に導くための四つの大きな役割を担っています。これらを意識するだけで、面接の質を大きく向上させることができるでしょう。
1. 評価者
応募者が自社の求めるスキル、経験、あるいはポテンシャル、そして価値観を持っているかを、客観的な基準に照らして判断します。主観や印象に頼るのではなく、事前に設定された評価項目に基づいて公平に評価する必要があります。
2. 判断材料提供者
質問を通じて得られた具体的な事実や行動特性に関する情報を、最終的な採用決定者に提供します。採用の根拠となる情報をいかに正確かつ具体的に引き出せるかが問われます。
3. 広報
応募者に企業文化、仕事の魅力など、会社のありのままの姿を伝え、入社意欲を高めます。面接官の態度や言葉遣い一つで、応募者が会社に持つ印象が大きく変わるでしょう。
4. 企業側のリスクヘッジ
採用後に問題につながりかねない懸念点や不適切な行動特性を早期に発見し、企業側のリスクを回避する役割も担います。
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面接開始から終了までの基本的な流れ
一般的な採用面接は、以下の五つのステップで進めます。各ステップで意識すべき点が異なるため、時間配分にも注意が必要です。
【STEP1】導入・アイスブレイク(5分)
応募者に対して感謝の言葉を伝え、面接の目的と時間を伝えます。緊張を和らげるための簡単な雑談を挟むことで、応募者が本来の力を発揮しやすい雰囲気を作り出せます。
【STEP2】企業説明・ポジション紹介(10分)
募集しているポジションの具体的な業務内容や、企業が目指すビジョンを簡潔に説明します。一方的にならないよう、応募者の興味を引き出すよう工夫しましょう。
【STEP3】応募者への質問・深掘り(25分)
準備した質問リストに基づき、応募者の経験や志向を深掘りします。質問の意図を明確にし、具体的なエピソードを求めることで、再現性のある情報を得られます。
関連資料|採用面接チェックシート
関連資料|面接評価シート
【STEP4】応募者からの質疑応答(10分)
応募者からの質問を受け付けます。ここで寄せられた質問は、応募者の企業への関心度や入社意欲を測る良い機会にもなるでしょう。
【STEP5】クロージング(5分)
選考スケジュールや今後の流れを再度伝え、面接の場を設けてくれたことに感謝を述べて終了します。
関連資料|採用内定書
面接で確認すべきチェックポイント
質問を通じて確認すべき重要なチェックポイントは、応募者の回答内容だけでなく、入社後の行動を予測させる「態度」や「振る舞い」にもあります。これらは、質問では聞き出せない、応募者の基本的な資質を測る裏付けとなるでしょう。
面接官は、以下の五つに意識を向けることで、応募者のビジネスパーソンとしての適性を深く見極めることができます。
集合時刻への意識
指定された面接開始時間を正確に守っているかは、基本的な勤怠意識を判断する基準になります。万が一遅れる場合の報告や対応にも、責任感が現れるでしょう。
清潔感のある身だしなみ
服装や髪型に乱れがないか、清潔感が保たれているかを確認します。これは、他者へ不快な印象を与えないよう配慮する、ビジネスマナーの有無を測る要素です。
面接中の様子
待機中の姿勢や、面接官と対話している際の表情や態度に問題がないかを観察します。終始、真摯で前向きな姿勢を保てているかは、ストレス下での対応力や対人スキルを示すことになります。
スムーズな会話
質問を正確に聞き取る力と、自分の考えをスムーズに伝える力があるかを見ましょう。質問意図から逸れていないか、会話のペースが適切かといった点は、実務におけるチームワークに直結する能力です。
仕事への関心度
企業に対する質問や入社後の展望を語る際に、強い意欲や真剣さが感じられるかを確認します。熱意の有無は入社後の活躍や定着を左右するためです。
面接官がしてはいけないNG質問
面接する側は、法律や社会規範に照らして不適切な質問を避ける必要があります。
個人情報の不適切な取得や、差別的と受け取られかねない質問は、企業の信頼を損なうだけでなく、法的リスクを伴うこともあります。採用の可否は、業務遂行能力や適性に基づいて判断することが原則です。
厚生労働省は、応募者の適性・能力とは関係ない事項で採用選考を行うことは就職差別につながるおそれがあるとして、質問の制限を設けています。特に注意が必要なカテゴリーを確認しましょう。
本人に責任のない事項
本籍地や出身地、家族構成や健康状態、思想・信条や信仰に関する質問は避けましょう。
本来自由であるべき事項
支持政党、購読新聞・雑誌、尊敬する人物、労働組合への加入状況に関する質問はしてはいけません。
性別や配偶者に関する事項
結婚や出産の予定に関する質問は、男女雇用機会均等法の観点からも厳に避けるべきでしょう。
これらのプライベートに踏み込みすぎる質問は、応募者に不快感を与えるだけでなく、企業のコンプライアンス意識が低いと判断される原因にもなります。
面接する側の質問力を磨き採用成功につなげよう
採用面接を成功させるためには、面接官の役割を深く理解し、事前の準備を徹底することが大切です。流れを把握し、評価基準をはっきりさせることで、質の高い面接ができるようになります。
また、面接する側の質問力や対応の質を見直すことは、単に優秀な人材を採用するためだけでなく、企業そのものの信頼を高めることにつながります。応募者は、面接官を通してその企業を評価しています。公平で敬意を持った対応を心がけ、ポジティブな企業イメージを醸成します。
これらを意識することで企業の未来を担う人材の採用成功へつながるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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