• 作成日 : 2026年10月29日

請求書の内税の書き方は?計算方法やインボイスの記載例も解説

Point請求書の内税はどう書く?

内税の請求書は、税込金額と適用税率・消費税額等を併記して記載します。

  • 内税の消費税は税込金額×10/110で計算
  • インボイスは登録番号など法定事項が必須
  • 端数処理は税率ごとに請求書単位で1回のみ

Q. 内税でインボイスを発行する際の記載事項は?
A.インボイス発行先の氏名または名称・ 発行者の氏名又は名称・登録番号・取引年月日 ・取引内容・税率別の税込対価・適用税率・10%と8%それぞれの消費税額等の記載が必要です。

請求書を作成するとき、「内税の場合は消費税をどう書けばよいのか」「税込金額だけでも問題ないのか」と迷うことがあります。内税とは、商品やサービスの価格に消費税を含めて表示する方法です。

この記事では、請求書の内税の書き方や外税との違い、インボイス制度に対応した記載例などを解説します。

請求書の内税とは?

請求書の「内税」とは、消費税を商品・サービスの価格に含めて表示する方法です。たとえば、本体価格10,000円、消費税等1,000円の商品を「11,000円(税込)」と表示する形が内税にあたります。

内税とは消費税を含んだ金額を表示する方法

内税では、消費税を含めた税込価格を請求金額として表示します。「税込」「消費税込み」などの表現が使われるほか、「11,000円(うち消費税額等1,000円)」のように税込金額と税額を併記する方法もあります。たとえば、標準税率10%の商品について、本体価格が10,000円であれば消費税等は1,000円となり、税込価格は11,000円です。この11,000円を商品価格や請求金額として表示するのが内税方式です。

内税と外税の違いは消費税を価格に含めるかどうか

内税と外税の違いは、表示価格の中に消費税を含めるかどうかです。最終的な支払額が同じであれば、内税と外税の違いによって税負担そのものが変わるわけではありません。

たとえば、本体価格10,000円、消費税等1,000円の場合は次のように整理できます。

表示方法 記載例 支払総額
内税 11,000円(税込) 11,000円
内税・税額併記 11,000円(うち消費税額等1,000円) 11,000円
外税 10,000円+消費税等1,000円 11,000円

事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合には、原則として税込価格を表示する総額表示のルールがあります。事業者間取引の請求書については、「すべての商品単価を必ず税込表示にしなければならない」という意味ではありません。

参考:No.6902 「総額表示」の義務付け|国税庁

請求書では内税と外税どちらの表記がおすすめ?

内税と外税のどちらを使っても問題ありませんが、取引内容や相手先に合わせて選ぶのがおすすめです。インボイスでは、税率ごとに区分した対価の額について「税込」「税抜」のどちらでも記載できます。

金額のわかりやすさを重視するなら内税がおすすめ

支払総額をわかりやすく示したい場合は、内税表記が向いています。たとえば「11,000円(税込)」と記載すれば、取引先は実際に支払う金額をすぐ確認できます。個人向けサービスや税込価格で料金を設定している事業では、請求書の明細も内税に統一すると価格表示とのズレが生じにくくなります。

ただし、インボイスとして発行する場合は、税込総額だけを記載すればよいわけではありません。税率ごとに区分した税込対価の額や適用税率、消費税額等など、所定の事項を記載します。

参考:No.6625 適格請求書等の記載事項|国税庁

税抜価格と消費税を明確に分けたいなら外税がおすすめ

事業者間取引などで本体価格と消費税を明確に区別したい場合は、外税表記がわかりやすいでしょう。「商品代100,000円、消費税10,000円、請求額110,000円」のように表示できるため、税抜価格を基準に見積書や契約書を管理している場合にも適しています。

インボイスでは税率ごとの対価について、税抜金額と税込金額のどちらを採用しても差し支えありません。内税と外税のどちらが制度上優れているということではなく、既存の料金設定や見積書・会計処理と表記方法をそろえると分かりやすいでしょう。

内税の請求書はどのように書く?

内税の請求書では、税込金額を記載したうえで、消費税額等がわかるように表示するとわかりやすくなります。

税込金額と消費税額等を分けて表示する

初心者にもわかりやすい書き方は、「税込金額」と「うち消費税額等」を併記する方法です。標準税率10%の商品だけを請求する場合であれば、たとえば次のように記載できます。

項目 金額
商品・サービス代(税込) 11,000円
10%対象(税込) 11,000円
うち消費税額等 1,000円
ご請求金額 11,000円

商品明細についても「商品A 11,000円(税込)」のように税込価格で記載できます。

10%と8%の商品がある場合は税率ごとに区分する

標準税率10%と軽減税率8%の取引が混在する場合は、それぞれの税率ごとに税込金額と消費税額等を分けて表示します。たとえば請求額の内訳が10%対象11,000円、8%対象10,800円であれば、次のように表示できます。

区分 税込金額 消費税額等
10%対象 11,000円 1,000円
8%対象 10,800円 800円
合計 21,800円 1,800円

軽減税率の対象商品については、その商品が軽減税率の対象であることも判別できるようにします。商品名の横に「※」を付け、「※は軽減税率対象」と記載する方法のほか、税率別に商品をまとめる方法も認められています。

請求金額は最後に税込総額を示すとわかりやすい

内税の請求書では、最終的に支払う税込総額を「ご請求金額」などとして明示すると、取引先が支払額を確認しやすくなります。たとえば10%対象11,000円、8%対象10,800円であれば、請求書の上部や下部に「ご請求金額21,800円(税込)」と記載し、その下に税率別の内訳を表示する形です。

インボイスについては、一枚の書類だけですべての記載事項を示す方法に限られません。請求書と納品書など、相互の関連が明確な複数の書類によって必要事項を満たす方法もあります。

内税の請求書をインボイスにするには何を記載する?

適格請求書発行事業者が内税方式でインボイスを発行する場合でも、税込価格を利用できます。ただし、登録番号や取引内容、税率別の税込対価、適用税率、消費税額等など、適格請求書として定められた情報を盛り込む必要があります。

税込価格でも適格請求書を作成できる

インボイスでは、税率ごとの対価額を「税抜金額」で記載することも「税込金額」で記載することもできます。通常の適格請求書では、おおむね次のような内容を確認できる状態にします。

記載内容 内税での記載例
発行者 株式会社○○
登録番号 T1234567890123
取引年月日 2026年9月25日
取引内容 コンサルティング料
税率別対価 10%対象 110,000円(税込)
適用税率 10%
消費税額等 10,000円
取引先 株式会社△△ 御中

「インボイスだから税抜表示にしなければならない」というルールはありません。税込表示を採用しながら、適用税率と消費税額等を明示できます。

内税の消費税はどのように計算する?

税込金額から消費税額等を求める場合、10%対象は「税込金額×10÷110」、8%対象は「税込金額×8÷108」で計算できます。

10%の内税は税込金額に10/110を掛ける

標準税率10%の税込金額から消費税額等を求める基本式は「税込金額×10÷110」です。

税込11,000円の場合は、

11,000円×10÷110=1,000円

となります。

税抜価格は、

11,000円-1,000円=10,000円

です。

「11,000円×10%=1,100円」と計算してしまうと誤りです。11,000円にはすでに消費税が含まれているため、税込価格から税額を逆算する際には110分の10を使います。消費税の申告上も、標準税率の税込価額から課税標準額を求める場合には、原則として税込価額に110分の100を掛ける考え方が採られています。

8%の内税は税込金額に8/108を掛ける

軽減税率8%の税込金額から消費税額等を求める場合は「税込金額×8÷108」で計算します。

たとえば、軽減税率対象商品の税込価格が10,800円の場合は、

10,800円×8÷108=800円

となり、税抜価格は10,000円です。

標準税率10%と軽減税率8%の商品を同時に扱っている事業者は、すべての税込売上をまとめて税額計算するのではなく、税率ごとに区分して管理します。請求書でも税率別に整理しておけば、会計ソフトへの入力や消費税申告時の確認を行いやすくなります。

内税の請求書で端数が出た場合はどうする?

インボイスに記載する消費税額等に1円未満の端数が生じた場合は、一つの適格請求書につき税率ごとに1回、端数処理を行います。切り捨て、切り上げ、四捨五入など、どの方法を採用するかは事業者が決められます。

インボイスでは税率ごとに1回だけ端数処理する

商品ごとに税額を計算して端数処理し、その税額を合計する方法は、適格請求書に記載する消費税額等の計算方法としては認められていません。たとえば、10%対象の商品が複数ある場合には、それぞれの商品ごとに1円未満を切り捨てるのではなく、10%対象の対価額を合計してから消費税額等を計算し、そこで1回端数処理します。8%対象の商品があれば、8%分についても別途1回処理します。

端数処理方法については、切り捨て、切り上げ、四捨五入のいずれを採用しても差し支えありません。請求書ごとに処理方法がばらつくと経理上わかりにくくなるため、社内ルールや請求書作成ソフトの設定を統一しておくと管理しやすくなります。

内税の単価と請求書の税額に差が出る場合がある

税込単価から商品ごとの消費税相当額を逆算した金額と、請求書全体で計算した消費税額等が一致しない場合があります。これは、商品ごとの端数と、税率別合計額に対する端数処理のタイミングが異なるためです。

請求書上の商品単価を税込で表示していても、インボイスに記載する消費税額等については、請求書単位・税率単位で計算します。そのため、「各商品の税込価格から算出した税額を足せば必ず請求書記載税額になる」とは限りません。

会計ソフトや請求書発行システムを利用する場合も、インボイス制度に対応した端数処理設定になっているか確認しておくと計算差異を抑えられます。

内税の請求書で値引き・割引をした場合、消費税はどう計算する?

内税の請求書で値引きする場合は、原則として値引き後の税込金額を基に消費税額等を計算します。 10%対象と8%対象の商品が混在している場合は、値引額を税率ごとに区分したうえで計算します。値引きのタイミングによってインボイスの記載方法も変わるため、あわせて確認しておきましょう。

請求時に値引きする場合は値引き後の税込金額から計算する

請求書を発行する時点で値引きする場合は、値引き後の対価に対して消費税額等を算出します。たとえば、10%対象の商品が税込11,000円で、請求時に1,100円値引きする場合、値引き後の金額は9,900円です。内税として含まれる消費税額等は「9,900円×10÷110=900円」となります。

10%と8%の商品をまとめて値引きする場合は、値引額を取引価額の比率など合理的な方法で各税率に振り分け、それぞれについて税額を計算します。

請求後に値引きした場合は消費税額の調整が必要になる

請求後に売上値引きや割戻しを行った場合は、「売上げに係る対価の返還等」として、その値引額に対応する消費税額を調整します。適格請求書発行事業者には原則として適格返還請求書の交付義務がありますが、返還・値引額が税込1万円未満の場合は交付義務が免除されます。

請求書の内税の書き方を理解して正しい消費税額を記載しよう

請求書を内税で作成する場合は、税込金額を示したうえで、適用税率と消費税額等が確認できる形にするとわかりやすくなります。10%の税込金額から内税を求める場合は10/110、8%では8/108を使って計算します。

インボイスとして発行する場合は、税込表示か税抜表示かにかかわらず、登録番号、取引内容、税率ごとの対価額、適用税率、消費税額等といった法定事項を満たさなければなりません。複数税率がある場合は税率別に区分し、端数処理も請求書単位・税率単位で行います。

請求書の内税の書き方を見直す際は、取引時点の税率と最新制度を確認しながら作成しましょう。


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