• 作成日 : 2026年2月16日

事業年数とは?意味や数え方、事業年度(会計年度)との違い、決め方の例を徹底解説

Point事業年数とは?

事業開始から現在までの「継続期間(業歴)」と、決算の区切りとなる「事業年度」の2つの意味を持つ言葉です。

  • 創業(開始日)と設立(登記日)で起算点が異なる
  • 融資審査では「3期(3年)の実績」が信用の境界線
  • 法人は決算月を任意設定できるが、個人は12月固定

法人成りした場合、銀行融資では個人事業主時代の年数が通算されるのが一般的ですが、建設業等の許認可申請では法人設立時からと見なされ、リセットされるケースがあるため注意が必要です。

事業年数とは、その事業が実質的に活動を開始してから現在までに経過した期間のことです。この言葉には、会社が歩んできた歴史を示す「業歴」としての側面と、税金計算の区切りとなる「事業年度(会計期間)」としての側面があります。

本記事では、事業年数の正しい定義や数え方はもちろん、創業年数・設立年数との違い、融資審査で重視される理由、そして法人・個人事業主別の事業年度の決め方についてわかりやすく解説します。

事業年数とは?

事業年数とは、事業が開始してから現在までに経過した期間のことです。単なる書類上の日付だけでなく、ビジネスとしての実態がいつ始まったかを示す指標であり、金融機関からは業歴として信頼性の尺度に用いられます。

創業年数・設立年数との違い

事業に関わる年数には複数の呼び方があり、それぞれ起算点が異なります。

  • 事業年数:事業活動を実質的に開始してからの経過年数
  • 創業年数:事業を開始(創業)してからの経過年数(個人事業時代も含むことが多い)
  • 設立年数:法人として法務局に登記された日(設立日)からの経過年数

一般的に「事業年数」は「創業年数」と同じ意味で使われますが、融資審査などの実質的な判断の場では、個人事業時代も含めた通算の活動期間を事業実績として評価するケースが増えています。

事業年数の正しい数え方は?

事業年数の数え方は、個人事業主か法人かによって、何を客観的な証拠とするかが異なります。

個人事業主の場合

個人事業主の事業年数は、原則として税務署に提出した「開業届」の提出日が基準となります。 実質的な開始日(最初の売上日など)を主張することも可能ですが、融資などの公的な場面では、開業届や確定申告書などの客観的な証拠がない期間は実績として認められないケースが多いため注意が必要です。

法人の場合

法人の事業年数(設立年数)は、法務局に登記申請を行った「会社設立日」が0日目となります。 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)に記載された日付が全てであり、準備期間にどれほど時間をかけていても、登記前は法人としての年数には含まれません。

個人から法人化(法人成り)した場合

個人事業主から法人化(法人成り)した場合、銀行融資では期間を通算して評価されるのが一般的ですが、許認可申請ではリセットされることがあります。

  • 融資審査:事業の連続性が証明できれば「業歴5年の個人+1年の法人=業歴6年」とみなされます。
  • 許認可(建設業など):法人としての実績が問われる場合、個人時代の年数はカウントされず、設立1年目として扱われる厳しいケースがあります。

参考:個人で事業を始めたとき/法人を設立したとき|国税庁

銀行融資やローン審査で事業年数が重視される理由は?

銀行融資やローン審査において、事業年数は企業の存在を証明するために重要な指標であり、特に3期(3年)分の実績があるかどうかがポイントとなります。 

1期や2期の結果だけでは偶然の要素を排除できませんが、3期連続で事業を継続し決算書を提出できれば、ビジネスモデルの再現性と持続性が客観的に証明されるため、プロパー融資(保証協会を通さない直接融資)を受けやすくなります。

創業間もない(事業年数が3年未満)場合でも、創業融資や自治体の制度融資を活用することで資金調達は可能です。 実績がない分、これからの収益性を示す「事業計画書」が審査結果を左右します。

また、補助金申請においても、事業年数が短い事業者を対象とした「創業枠」などの優遇措置が用意されていることがあります。

会計上の事業年度の決め方とおすすめ設定例は?

事業年度(会計年度)とは、経営成績を把握するために区切られた1年以内(最長1年)の期間のことで、法人と個人事業主では設定の自由度が異なります。

法人と個人事業主の事業年度の違い

  • 法人:1年以内であれば、開始月や決算日を会社の都合で自由に設定できます。
  • 個人事業主:法律により「1月1日〜12月31日」の暦年と決まっており、自由に変更することはできません。

法人の事業年度の設定ポイント

決算月は、以下の時期を避けて設定するのがおすすめです。

  • 繁忙期:決算前後には棚卸しや税務申告などの事務作業が集中するため、本業が忙しい時期と重ねない工夫が重要です。
  • 資金繰りが厳しい時期:決算月から2ヶ月以内に納税による支出があるため、キャッシュフローに余裕がある時期を決算の数ヶ月後に持ってくるのが理想的です。

また、設立日と最初の決算日が近すぎるとすぐに決算作業が発生するため、あえて初年度を1年未満に設定し、第2期から本格的に1年間回せるよう調整するのが一般的です。

履歴事項全部証明書で事業年数を確認する方法は?

法人の正確な事業年数を確認・証明するには、以下の手順で履歴事項全部証明書を確認します。

1. 履歴事項全部証明書を取得する

まず、管轄の法務局窓口、郵送、またはオンライン(登記・供託オンライン申請システム)で「履歴事項全部証明書」を取得します。最新の登記情報だけでなく、過去の変更履歴も含まれるため、事業の継続性を証明するのに最適です。

2. 「会社設立の年月日」の欄を確認する

書類の冒頭付近にある「設立」の項目を確認します。ここに記載されている日付が、法人としての事業年数の起算点となります。

3. 現在の年月日までの経過期間を算出する

「設立年月日」から現在までの期間を計算します。例えば、2015年に設立された法人の場合、2024年時点での設立年数は「9年」となります。

履歴事項全部証明書で事業年数を確認する時の注意点は?

公的書類で確認する際には、実態との乖離に注意が必要です。

個人事業時代は登記簿に載らない

履歴事項全部証明書で確認できるのは、あくまで法人設立した日以降の期間です。個人事業主として創業した日は登記簿には記載されません。

融資審査などで個人時代を含めた「通算の事業年数」を証明したい場合は、登記簿に加えて個人時代の「確定申告書」や「開業届」の控えを提示する必要があります。

許認可申請での取り扱い

建設業などの許認可申請では、ルールがより厳格です。法人としての実績が要件の場合、いくら個人事業時代が長くても、登記簿上の設立日からカウントされ、個人時代の実績はリセットされるケースがあります。

休眠期間の有無

登記簿上は会社が存在していても、実際には活動していない「休眠期間」がある場合、その期間を事業年数に含めてアピールすると、決算書の内容と矛盾が生じ、金融機関からの不信感に繋がる恐れがあります。

正確な事業年数の把握が信頼への第一歩

事業年数(業歴)は、単なる時間の経過ではなく、企業が社会に提供してきた価値と信頼の蓄積を証明する数字です。

特に「設立3年」や「設立5年」といった節目は、対外的な信用が大きく変化するタイミングです。 創業年数や設立年数の違いを正しく理解し、自社の正確な経過年数を把握しておくことは、融資交渉や補助金申請を有利に進めるための基礎知識となります。

ご自身の事業が現在何年目にあたるのか、改めて公的書類で確認してみることをおすすめします。


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