• 更新日 : 2026年2月17日

フリーランスWebデザイナーになるには開業届が必要?職業欄の書き方や節税メリットも解説

PointフリーランスWebデザイナーになるには?

Webデザイナーがフリーランスとして独立する際は、事業開始から1カ月以内に税務署へ「開業届」を提出することが法律で義務付けられています。

  • 職業欄は「Webデザイナー」と記載すれば基本的に受理される
  • 青色申告の承認申請書とセット提出で最大65万円控除
  • 初受注日などを任意に「開業日」として設定可能

開業届を提出しなくても直接的な罰則はありませんが、最大65万円の節税メリットが受けられないほか、屋号での事業用口座開設や小規模企業共済への加入ができなくなるため、早期の提出が不可欠です。

フリーランスのWebデザイナーとして独立を検討している方にとって、開業届の提出は避けて通れない重要なステップです。

この記事では、Webデザイナーが開業届を出すべき理由、具体的な書き方、そして提出によって得られるメリットを詳しく解説します。

フリーランスWebデザイナーになるには開業届が必要?

Webデザイナーが個人事業主(フリーランス)として独立する場合、税務署への開業届の提出は必須です。

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出典:個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁

そもそも開業届とは?

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)とは?

開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)は、個人が新しく事業を開始したことを税務署に知らせるための書類です。

会社員は所得税が給与から天引きされますが、個人事業主は自ら所得を計算し、確定申告を行う必要があります。開業届を提出することで、税務署は「この人は個人事業主として納税する」と認識し、確定申告に必要な情報の通知や管理を行えるようになります。

参考:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

開業届の提出期限は?

開業届の提出期限は、原則として事業を開始した日から1カ月以内です。

個人事業主の場合は明確なルールはなく、本人が「この日から事業を始めた」と考える日を開業日として設定できます。Webデザイナーであれば、最初の受注を受けた日や、事業の準備が完了した日などを設定することが考えられます。

開業届を提出しないとどうなる?

開業届を提出しなかったことによる直接的な罰則はありません。実際、出しそびれたまま活動しているケースも見られますが、節税メリットや補助金の活用ができなくなるため、事業を円滑に進める上では必ず提出すべきです。実質的には1カ月の期限に縛られすぎる必要はありませんが、事業を開始した年の内には必ず提出しましょう。

フリーランスWebデザイナーの開業届の書き方は?

ここでは、開業届の項目の中でもWebデザイナーの人が迷ってしまいがちな「職業」と「屋号」の書き方に絞って解説します。開業届全体の書き方については、以下の記事をご参照ください。

職業欄の書き方

職業欄には、第三者が一目で事業内容を理解できる具体的な名称を記入します。Webデザイナーの場合は、そのまま「Webデザイナー」と記載すれば基本的に問題ありません。もしUI/UXデザインやコーディングも幅広く行う場合でも、代表的な職種名で受理されます。

屋号の書き方

屋号とは、個人事業における店舗名や事務所名のことです。

  • 「〇〇デザイン事務所」などの屋号を使う場合:その名称を記入します。
  • 個人名のみで活動する場合:空欄のままでも構いません。

屋号があると、事業用の銀行口座を屋号名義で作れるなどのメリットがあります。

Webデザイナーが開業届を提出するメリットは?

フリーランスWebデザイナーが開業届を提出すると、様々なメリットを受けられます。

1. 青色申告で最大65万円の控除が受けられる

開業届と併せて「青色申告承認申請書」を提出することで、節税効果の高い青色申告を選択できるようになります。青色申告の特典である「青色申告特別控除」を利用すれば、所得から最大65万円を控除できるため、納める税金を抑えることが可能です。ただし、青色申告承認申請書の提出は期限が決まっており、青色申告しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以降に開業した場合は2カ月以内)です。期限が過ぎるとその年は青色申告ができません。

2. 事業に必要な支出を経費にできる

Webデザイナーの業務で必要となる支出を経費として計上できるようになります。経費を正しく申告することで、課税所得が減り、結果として節税につながります。

Webデザイナーが経費にできる支出の例
  • パソコン、周辺機器、ソフトウェア(Adobe CC等)の購入費
  • 自宅で作業する場合の家賃や光熱費やインターネット通信費の一部(家事按分が必要)
  • 参考書籍代、打ち合わせの飲食代

3. 融資や補助金を受けやすくなる

創業時に金融機関から融資を受けたり、自治体などの助成金・補助金を申請したりする際、開業届の控えの提出を求められることが多くあります。特に開業直後は資金繰りに苦労することも少なくないため、スムーズな資金調達のためにも開業届は必須の書類といえます。

参考:創業融資のご案内|日本政策金融公庫

Webデザイナーが開業届を提出するデメリットは?

実質的なデメリットはほとんどありませんが、事務作業の手間がやや増加します。

  • 青色申告(65万円控除)を受ける場合は複式簿記による帳簿付けの手間
  • 毎年の確定申告を期限内に行う管理能力

ただし、確定申告や納税は開業届の有無にかかわらず個人事業主の義務です。開業届を出すこと自体で新たな税負担が増えるわけではないため、メリットの方が圧倒的に大きいといえます。

Webデザイナーの開業届作成における悩みの実態とは?

Webデザイナーとして独立する際、多くの人が手続きに不安を感じています。マネーフォワード クラウドでは、開業届の作成・提出経験者を対象にアンケート調査を実施しました。

調査の結果、手続き全体を通して最もハードルが高いと感じた点は、「青色申告などの関連書類の理解(必要性や違いの判断)」で21.4%、次いで「記入内容の判断(職業欄の書き方、開業日の設定、屋号など)」で20.2%でした。一方で、「書類の作成・入力作業自体」を挙げた人は11.3%にとどまりました。

この結果から、多くのフリーランスが手を動かす作業そのものよりも、職業欄に何を書くべきかという判断や、青色申告などの制度理解に時間を要していることがわかります。

また、開業届と同時に「青色申告承認申請書」を提出した人は66.0%でした。多くの人が開業当初から節税メリットを意識して手続きを行っています。

出典:マネーフォワード クラウド、手続きで「面倒・ハードルが高い」と感じた点、青色申告承認申請書の提出状況【開業届に関する調査データ】(回答者:805名、集計期間:2026年1月実施)

Webデザイナーが開業届の提出以外に必要な手続きは?

フリーランスWebデザイナーとして独立する場合に、開業届以外に必要な手続きをご紹介します。状況に応じて、忘れずに手続きを行いましょう。

国民健康保険・国民年金への切り替え

会社を退職してフリーランスになる際は、それまでの健康保険・厚生年金から、国民健康保険・国民年金へ切り替える必要があります。手続きは市区町村の役場で行いますが、その際に勤務先から発行される離職票などの書類が必要になるため、大切に保管しておきましょう。

青色申告承認申請書の提出

節税メリットを受けるためには、開業届を提出する際に「青色申告承認申請書」もセットで提出するのが一般的です。これを出しておくことで、開業した年から青色申告による特典を受けることが可能になります。

参考:A1-8 所得税の青色申告承認申請手続|国税庁

インボイス制度への登録検討

2023年以降、多くのフリーランスが検討すべきなのがインボイス制度への登録です。取引先が消費税の課税事業者の場合、登録がないと相手側の税負担が増える可能性があるため、自身の売上規模や取引先との関係などを勘案して登録の要否を判断しましょう。

参考:インボイス制度について|国税庁


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