- 更新日 : 2023年8月25日
赤字経営とは?潰れない理由・わざと赤字にする理由も解説!
会社を経営している方にとって「赤字経営」という言葉は、あまり良いイメージがないのではないでしょうか。対外的にも会社経営が上手くいっていないという印象を与えがちですからなおさらです。
今回は、「赤字経営とは何か?」「赤字経営がなぜ潰れないか?」「赤字経営から事業を立て直すにはどうすればいいか?」などについて解説します。
目次
赤字経営とは?
「赤字経営」とは会社の損益がマイナスの状態を指します。経営状況が悪化したり特別な損失を計上したりするなどの原因で、収益と費用の差引がマイナスすなわち儲けが出ていない状態です。
退職金の支払や売掛債権の貸倒など多額の費用を計上した結果、一時的に赤字経営となるケースと、原価計算や固定経費等に問題を抱えた慢性的な赤字経営の2パターンがあります。
赤字経営と黒字経営の違い
赤字、黒字という呼び方の由来は帳簿の記載方法から来ているという説があります。簿記の帳簿を作成する際、マイナスを「赤字」プラスを「黒字」で記載することから利益がマイナスの経営=赤字経営、利益がプラスの経営=黒字経営というものです。
由来はともかくとして、一般的に「赤字経営」と「黒字経営」の違いは、利益がマイナスかプラスかということです。赤字経営が収益と費用の差額がマイナスであるのに対し、黒字経営は収益と費用の差額がプラスの状態を指します。
赤字経営でも会社が潰れない理由
利益が出ない会社は必ず潰れるかというと、そうでもありません。利益(儲け)がない状態で事業を継続していけるのかという疑問がありますが、赤字経営になった原因によっては会社経営を続けるのに支障がないケースもあるのです。
原因としては次のようなことが考えられます。
赤字とは儲けが出ない状態を指します。儲けが出ないということは、手持ち資金が目減りしていくことを意味します。しかし、手持ち資金に余裕があったり金融機関から融資を受けられたりすれば、赤字経営であっても会社を存続させることができます。
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わざと赤字経営にする会社の理由は?
一般的に黒字経営を続けることは理想ですが、場合によってはわざと赤字経営にする会社もあります。赤字経営にする理由とは何かについて解説します。
法人税の還付や軽減目的
税金の還付や軽減を目的としてあえて赤字経営にするパターンです。例えば、前期において法人税を納付しているケースや、当期において法人税の前払いである「予定納税」をしているケースなどが考えられます。当期の決算が赤字になることで、法人税の還付を受けられる可能性があるからです。
また、本来は黒字経営でもあえて費用を計上し赤字経営とすることで、当期の法人税を軽減するパターンもあります。
赤字分の繰り越し・相殺目的
翌期以降の将来、大幅な黒字経営が見込まれる場合、当期の赤字を将来の黒字と相殺できるケースがあります。青色申告の承認を受けている法人は、当期に発生した赤字を翌期以降10年間にわたって繰り越すことができます。これを「繰越欠損金」と呼びます。
赤字を繰り越すことで、将来発生する黒字と相殺し法人税を軽減することが可能です。注意点としては、10年間が経過してしまうと繰越欠損金は消えてしまいますので、11年以上先の黒字を見越して赤字を計上しても意味がないということです。
赤字経営の種類
ひとことで「赤字経営」といっても、決算書上の赤字がどの部分で発生しているかで意味合いが変わってきます。赤字経営の種類をケース別に解説していきます。
営業損失
営業損益を簡単にいうと「商品を仕入して販売する」過程で、どれだけ儲けを出しているかを表す数値です。この営業損益がマイナス、すなわち営業損失を計上しているということは、会社経営の基本である販売の部分で採算がとれていないということを意味します。
赤字経営の種類のなかでも最も深刻な状態ですから、採算性について早急に検討することをおすすめします。
経常損失
経常損益は、上記の営業損益に営業外の損益を加えた数値です。具体的には、金融機関に対する支払利息や受取利息、本業以外の不動産収入、補助金や助成金の収入などが営業外の損益に該当します。
将来にわたって会社を経営できるかを示す数値ですが、経常損失でマイナスを計上するケースでは、支払利息が事業規模に合っていないケースがよく見受けられます。多額の借入金にかかる支払利息が経営を圧迫しているような場合、返済計画や金利について見直しをする必要があるでしょう。
当期純損失
当期純損益は、会社にかかる収益や費用を全てトータルした全体の損益を表す数値です。上記の経常損益にプラスして、一時的・臨時的に発生したイレギュラーな収益や費用を加減算して求めることができます。
法人税等を控除する前の損益を「税引前当期純損益」と呼びますが、これは法人税を計算するときの標準となる数値にもなります。イレギュラーな要素が含まれることがありますので、多額の当期純損失が計上されていても、必ずしも経営状態が悪いとは判断できませんので注意してください。
現金収支の赤字
現金収支のことを「キャッシュフロー」と呼びます。現金の増減を原因別に分析し、当期における現金の増減がなぜ起こったかを調べることができる数値です。金融機関が重視する数値の一つであり、現金収支が赤字になった原因次第では会社の評価が下がることもあるので、なるべく黒字にしておきたい数値でもあります。
赤字経営を立て直す方法
赤字経営でもすぐ潰れるとは限りませんが、それでもやはり、長期にわたり赤字経営を続けていればやがて資金が尽きて経営が立ち行かなくなります。赤字経営を立て直す方法を考えなければなりません。
キャッシュフローの見直し
手持ち資金は会社の「血液」のようなものですから、万が一資金が枯渇すれば会社経営は回らなくなります。まずは、赤字経営に陥った原因を見つけるために「キャッシュフロー計算」を行い、資金の流れを見直すことをお勧めします。キャッシュフローは大きく分けて3つの要素があります。
- 営業キャッシュフロー(営業活動にかかる資金の増減)
- 投資キャッシュフロー(固定資産など投資にかかる資金の増減)
- 財務キャッシュフロー(借入金など金融取引にかかる資金の増減)
要素別の分析方法の解説は割愛しますが、キャッシュフロー計算内のどの要素で手持ち資金を減らしてしまったかを知ることができます。
コストの見直し
赤字経営ということは、収益に対して費用(コスト)がかかり過ぎている状態を表しています。したがって、収益に対して発生している費用が適切なのかを精査する必要があるでしょう。例えば、「販売価額に対する仕入価額が採算に合っているのか?」「営業活動で計上した儲けに対して固定的に発生する費用(固定経費)が過大ではないか?」などを一つひとつ検討していきましょう。
赤字経営に関するよくある疑問
最後に、赤字経営についてよくある疑問について、個別に解説していきます。
法人の場合は赤字でも7万円の税金が発生する?
税法の原則として、一般的に赤字の場合に税金は発生しません。しかし、法人については例外的に赤字であっても必ず税金が発生します。都道府県に納める「都道府県民税均等割額」と市区町村に納める「市区町村民税均等割額」は、赤字であっても必ず納付しなければなりません。
資本金等の額や従業員数によって変わりますが、都道府県の均等割額は最低2万円から、市区町村の均等割額は最低5万円からです。したがって、赤字の法人でも最低7万円の税金が発生することになります。
赤字経営のデメリットは?
先に述べましたが、赤字経営はイコール手持ち資金の減少を意味します。たとえ潤沢な自己資金があったとしても、赤字経営を続ける限り資金を溶かし続けることになりますので、やがて会社の存続が厳しくなることが予想されます。
また、赤字経営が続けば金融機関の評価も下がり、最終的に融資を受けることができなくなるといったリスクも想定されます。一時的なメリットはあっても赤字経営はやはりデメリットのほうが大きいといえます。
赤字経営に対して冷静な分析をしましょう
赤字経営に転落したからといって必ずしも慌てる必要はありませんが、長い目でみれば赤字経営はやはり事業継続に良いことではありません。まずは赤字となった原因を冷静に分析するところから始めてみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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