- 更新日 : 2026年9月17日
電話のデメリットとは?メリットと業務での使い分けは?
電話は話が早く進む一方、相手の時間を使う点と、内容が記録に残らない点が課題になります。
- 受け手の作業が中断される
- 伝えた内容の認識がずれる
- 同じ連絡を人数分繰り返す
通話後に決定事項をメールやチャットで共有しておくと、あとから確認できる状態になります。
電話のデメリットは、相手の時間を使うことと、話した内容が記録に残らないことに集約されます。ただし急ぎの用件はその場で結論まで持っていける電話が最短で、相手が普段どの連絡手段を主に見ているかによっても、選ぶべき方法は変わります。この記事では、電話のメリットとデメリットを業務の視点から整理し、メール・チャットとの使い分け方までまとめます。
業務での電話の使われ方はどう変わってきた?
急ぎの一報は電話、決まったことの記録はチャットやメールという役割分担が進み、電話は使いどころが絞り込まれてきました。
外出先の担当者に急ぎを伝えるには今も電話が一番速い
移動中の相手にその場で判断してもらいたいとき、電話より速い手段は今のところありません。
訪問先へ向かう途中の営業担当に、見積の条件変更を伝えたいとします。メールを送っても、次の商談が終わるまで開かれないかもしれません。チャットの通知も、運転中や打ち合わせ中なら気づかれないままです。着信音は相手の手元で鳴り、出てもらえればその場で結論まで持っていけます。
先方との商談中に条件を詰めなければならない、当日中に返事が要る。こうした場面では、この速さが判断を左右します。マナーとして電話をかけるというより、もっとも確実に届く経路として選ぶ、という考え方です。
電話で伝えたあとは、メールやチャットで文字にして残す
通話で決めた金額や納期は、電話を終えたあとに文書化しておきます。
通話には、話した内容がどこにも残らないという難点があります。伝えた側と聞いた側で記憶が食い違っても、確かめる材料がありません。そこで、通話が終わったらすぐ、決まった内容を短くまとめてメールやチャットで送ります。
「先ほどお電話でご相談した件、単価は◯◯円、納品は◯月◯日で進めます」といった数行で足ります。相手にとっては確認の材料になり、自社にとっては後から参照できる記録になります。社内であれば、案件ごとのチャットルームに共有しておくと、電話に出ていない担当者にも同じ内容が届きます。
急ぎの用件は電話で伝え、内容は文字で残す。この流れを定着させておくと、電話の速さを活かしながら後から参照できる状態も保てます。
メールを送ったあとに電話で一報を入れる習慣も続いている
見落とされると困る重要な連絡では、メール送信後に電話を掛ける必要があります。
メールを送ってから電話で知らせる進め方は、形式的なマナーや礼儀にためだけではありません。相手がどの連絡手段を主に見ているか、こちらからはわからないからです。
一日に何百通も受け取る担当者のもとでは、こちらのメールが埋もれます。初めて取引する相手なら、返信の速さも読めません。締切のある依頼、金額の変わる連絡、先方の社内稟議が絡む案件では、送った事実を電話で伝えておくと確認漏れを防げます。
一方、日常のやり取りが続いている相手や、チャットですぐ既読がつく関係では、この一報を省いても支障はありません。相手との距離感と用件の重さで決めるところです。
急ぎではない連絡はチャットに移り、電話の件数自体は減った
相手のタイミングで読めば済む用件はチャットへ移り、電話は急ぎの場面に絞られてきました。
日程の候補出し、資料の共有、進捗の報告。すぐ返事がなくても困らない連絡は、チャットのほうが向いています。相手は手が空いたときに読めばよく、やり取りはそのまま記録として残ります。
在宅勤務や直行直帰が広がり、席で電話を待つ前提も崩れました。その結果、社内の連絡をほとんど電話に頼らない部署も出てきています。ただ、これは電話が要らなくなったのではなく、用途が絞り込まれた状態と見るのが近いはずです。判断を急ぐ場面、相手の反応を確かめたい場面には、今も電話が残っています。
電話のデメリットとその対策は?
電話で生じる支障は、相手の作業を止めてしまうことと、やり取りを後から追えなくなることに分けられます。業務で起きやすい場面と、すぐ取り入れられる対策を並べます。
かかってきた時点で相手の作業が止まる
電話は相手の予定を確かめずに割り込むため、集中していた作業が中断されます。
資料を作っている途中で着信が入れば、手を止めて出るしかありません。通話そのものが3分で終わっても、元の作業に頭を戻すまでにはさらに時間がかかります。1日に何度も繰り返されると、まとまった作業時間が取れなくなります。
対策としては、かける前にチャットで「10分ほどお電話してもよいですか」と聞いておく方法があります。相手は都合のよいタイミングを返せますし、断られたときは用件を文字で送れば済みます。社内なら、集中したい時間帯をカレンダーに入れておき、その枠は電話を控えるという取り決めも効きます。
話した内容が文字で残らない
通話は記録が残らないため、認識のずれが起きても確かめる材料がありません。
「そんな金額では聞いていない」「納期は来週と言ったはず」。電話だけで進めた案件では、こうした食い違いが後から出てきます。どちらかが悪いというより、記憶に頼る進め方そのものに無理があります。
先に触れたとおり、通話後に要点を文字で送るのが基本の対策になります。聞き漏らしが心配な内容なら、録音機能のある電話機やクラウド型の電話サービスを使う手もあります。通話内容を自動で文字起こしするサービスもあり、議事録づくりの手間まで減らせます。いずれも相手の了解を得たうえで使うのが前提です。
一度にひとりとしか話を進められない
電話は1対1が基本のため、同じ内容を複数人へ伝えるには人数分の手間がかかります。
会議の日程変更を5人に伝えるとして、電話なら5回かけ直すことになります。つながらない相手には折り返しを待つ時間も加わります。チャットで一度投稿すれば済む内容に、何十分も使いかねません。
複数人への共有はチャットやメールへ寄せ、電話は個別に詰めが必要な相手だけに絞る。この線引きをしておくと、連絡にかかる時間がかなり変わります。全員に同じ情報を届けたうえで、確認が要るひとりにだけ電話をかける、という順番も取れます。
出社していないと受けられない場合がある
オフィスの固定電話に依存していると、在宅勤務や外出中の担当者に電話がつながりません。
代表番号にかかってきた電話を、出社している人が受けて用件を聞き、担当者へ転送する。この流れは、全員が席にいる前提で成り立っていました。在宅勤務が混ざると、受けた側は本日は不在ですと伝えるほかなくなります。
固定電話をスマートフォンで受けられる仕組みを整えると、この問題は小さくなります。クラウド型の電話サービスなら、会社の番号のまま自宅や外出先で着信を取れます。導入が難しい場合でも、転送設定を使う、担当者の携帯番号をあらかじめ先方へ伝えておくといった運用で対応できます。
取次と折り返しで時間が細切れになる
取次と折り返しが重なると、用件が片づくまでに何度も手を止めることになります。
担当者が席を外していれば伝言を預かり、戻ったら伝え、折り返してもらう。1件の用件に3人の手が入り、それぞれの作業が中断されます。相手が不在で折り返しがさらに続くと、半日かけても話が終わらないこともあります。
折り返しの電話は時間帯をまとめる、伝言は口頭ではなくチャットで担当者へ送る。こうした工夫で往復の回数を減らせます。問い合わせの内容が毎回似ているなら、よくある質問をサイトに載せる、フォームで受け付けるといった方法で、電話そのものを減らす方向も考えられます。
ビジネスで電話をするメリットは?
電話が残っているのは、ほかの手段では代わりにならない強みがあるからです。デメリットと合わせて見ておくと、使いどころの判断がしやすくなります。
急ぎの用件はその場で結論まで持っていける
電話は往復のやり取りをその場で終えられるため、判断の要る用件が一度で片づきます。
メールで条件を確認し、返信を待ち、また質問する。この往復が3回続けば、返事がそろうまでに2日かかることもあります。電話なら、疑問が出たその場で聞き返し、5分で結論まで届きます。
トラブルの一報、当日中の判断、条件の詰め。時間が限られている場面ほど、この速さが効いてきます。
声のトーンで温度感やニュアンスが伝わる
声の調子や間の取り方から、文字だけでは読み取れない相手の温度感が伝わります。
謝罪やお礼は、文面より声のほうが届きます。「問題ありません」と書かれたメールが、本当に納得しているのか渋々なのかは判断がつきません。電話なら、返事までの間や声の張りから、相手の受け止め方が見えてきます。
込み入った相談や、言いにくい話を切り出すときにも、この情報量が助けになります。
相手の理解度を確かめながら話を進められる
相手の反応を見ながら説明を調整できるのは、通話ならではの利点です。
説明が伝わっていないと感じたら、その場で言い方を変えられます。メールでは、読んだ相手が理解できたかどうか、返信が来るまでわかりません。
初めての取引先への説明、手順の複雑な依頼、認識合わせが要る場面では、確かめながら進められる電話が向いています。
電話とメール・チャットはどう使い分ける?
判断の軸になるのは、急ぎかどうか、記録を残す必要があるか、伝える相手が何人か、といったところです。用件の性質から手段を選ぶと迷いにくくなります。
急ぎで判断が要る相談は電話に向く
その日のうちに結論が要る用件は、電話で直接やり取りするのが確実です。
納期に間に合わない見込みが出た、先方から急な条件変更が入った、システムが止まった。相手の返信を待っている余裕がない場面では、電話をかけます。
つながらなければ留守番電話にメッセージを残し、あわせてチャットでも同じ用件を送っておきます。相手がどちらに先に気づいても内容が伝わる状態にしておくと、行き違いが起きにくくなります。
複数人への共有と記録はチャット・メールに向く
同じ内容を何人にも届ける連絡や、後から見返す前提の内容は文字のほうが確実です。
会議の案内、資料の展開、決定事項の共有。こうした連絡は一度書けば全員に届き、あとから検索もできます。その場にいなかったメンバーが後日読み返すこともできます。
案件ごとにチャットのルームを分けておくと、経緯がひとつながりで追えるようになります。担当が変わったときの引き継ぎも楽になります。
社外への正式な連絡や条件確認はメールで残す
金額や納期など、後で証拠が要る内容はメールに残しておきます。
見積の提示、契約条件の確認、納品日の確定。認識の食い違いが損害につながる内容は、口頭だけで済ませません。電話で話した場合も、直後にメールで内容をまとめて送ります。
件名に案件名を入れておくと、後から探すときに見つけやすくなります。
用件ごとの目安をまとめます。
| 場面 | 向いている手段 | あわせて行うこと |
|---|---|---|
| 当日中に判断が要る | 電話 | 通話後に要点をメールで送る |
| 複数人へ同じ連絡 | チャット | 反応がない相手にだけ個別に確認 |
| 金額・納期の確定 | メール | 急ぐときは電話で一報を入れる |
| 移動中の相手へ連絡 | 電話 | 決まった内容をチャットにも残す |
| 経緯を後から追いたい | チャット | 決定事項は別途まとめて共有 |
電話のデメリットを踏まえて連絡手段を選ぶには
電話のデメリットは、相手の作業を止めてしまうことと、話した内容が文字で残らないことに行き着きます。ただ、これは電話を使わない理由にはなりません。移動中の担当者に急ぎを伝える、込み入った条件をその場で詰めるといった場面では、今も電話がいちばん速い手段です。
大事なのは、電話とメール・チャットのどちらかを選ぶことではなく、組み合わせ方を決めておくことです。急ぎの一報は電話で入れ、決まったことは文字にして残す。複数人への共有はチャットへ寄せ、金額や納期はメールで確定させる。この使い分けが職場で共有されていれば、電話の速さを活かしながら、記録が残らない点も補えます。まずは通話後に決定事項を共有する運用から整えていくとよいでしょう。
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