- 作成日 : 2023年6月2日
経営陣の役割を知ろう。どこまでが範囲?取締役や役員とはどう違う?
出資者(株主)=経営者というケースもありますが、企業の規模が大きくなると出資者と経営陣が分かれるケースが増えてきます。そもそも経営陣はどういった役割を持っていて、どこからどこまでの範囲を言うのでしょうか。この記事では経営陣の定義や経営陣になるための資質などについて解説します。
目次
経営陣と呼ばれるのはどんな人?
スタートアップやベンチャー企業などは、経営陣が20~40代など比較的若いこともよくあります。副業解禁などで起業しやすくなったこと、若手やベテランの壁を設けず社内で新事業の提案を募る大企業発のスタートアップが増えたこと、スタートアップM&Aの活発化で若くして起業する人が増えたことなどが理由として挙げられます。そもそも経営陣とはどのような役割を持つ人たちのことを指すのか、その定義を見ていきましょう。
経営陣の一般的な定義
経営陣とは、組織としての意思決定を行ったり、組織全体の資金配分を行ったり、一般的に企業経営に責任を持つ集団のことを指します。代表取締役(社長)だけでなく、経営に携わる役員=経営陣とする定義が一般的です。
法律による定義は?
法律上、経営陣についての定義はされていませんが、経営陣と同義の役員については規定があります。
代表的なのが、すべての会社に適用される会社法です。会社法では、取締役、監査役、会計参与を、会社施行規則では理事、監事、執行役その他これらに準ずる者を加えて役員と定めています。取締役の代わりに業務を執行する執行役員については従業員に位置づけられ、会社法上の役員には該当しません。
なお、会社法以外にも法人税法や金融商品取引法などで、それぞれ役員についての規定が設けられています。
経営陣の仕事は?
会社組織の重要なポストである経営陣はどのような役割を担っているのでしょうか。経営陣の役割や仕事について説明します。
会社を動かす
会社が得た利益をどのように活用するか、開発に重点を置くのか、人材育成に重点を置くのか、マーケティングに重点を置くのか、あるいは事業拡大に重点を置くのかなど、資金配分を決定して、会社を向かうべき方向性に動かす役割を経営陣は担っています。
また、会社の販売データや財務データをもとに分析を行い、方向性を修正したり、組織維持のために制度の整備や運用を決定したり、軌道修正を図るのも経営陣の仕事です。
事業や経営に関する計画を立てる
どのようなビジョンや価値を持って、どのような商品やサービスを提供し、どのくらいの売上や利益を目標とするのか、会社の方向性を決定し、目標達成のために計画を立てることも経営陣の仕事です。
短期的な計画だけでなく、中長期的な計画を立てるほか、実行のための販売計画や生産計画を立てていきます。経営陣の間で立てた計画を従業員に共有して社内に浸透させる役割も担います。
※ただし株式会社の場合、役員の選解任、剰余金の配当、定款の変更、解散などの重要な事項については株主が決議します。
組織や人事を司る
目標達成のためにはどのように人的リソースを活用するべきか組織戦略を立て、責任者の配置や人員配置を考えます。人材流出が起こらないように、評価制度や福利厚生を設けるなど働く環境を整えたり、人材雇用や育成の方向性を示したりするのも経営陣の役目です。
現場を知らない人が担当役員になる場合もある
現場を知り尽くした人が経営陣になるとは限りません。別の業界で役員だった人が経営陣に加わったり、M&Aで事業が引き継がれたりなどで、現場を深く知らない人が経営陣になることもあります。
現場に出たことがない経営陣が現場を知ろうとしないでいると、従業員と経営陣との間に溝が生じるばかりでなく、現場にフィットしない指示を経営陣が出してしまうこともあります。経営陣が現場に耳を傾け、従業員としっかりコミュニケーションを取っていくことが重要です。
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経営陣になるメリットやデメリット
経営陣になるメリットは社会的地位の向上と役員報酬の獲得です。デメリットは、職責が重くなり解任の可能性があることが挙げられます。それぞれ詳しく解説していきます。
社会的地位が上がり役員報酬を得られる
経営陣は、会社のトップまたはトップに近い位置で経営に携わることになるため、会社の顔として、その社会的なステータスも向上します。重要な職位であり、会社内部だけでなく会社外部からも評価してもらえる点がメリットといえるでしょう。
また、役員になると、従業員給与とは異なり、役員報酬が支払われるようになります。従業員は労働に対する対価として給与が支払われますが、役員は役員としての職務内容や会社の業績などで役員報酬が決まるため、従業員給与と比べて高額になることもあります。例えば、上場企業の社内役員の場合、平均的な役員の年俸は賞与などを含めて3,000万円前後です。
大きな責任を負い解任もされやすい
経営陣はリターンも多い反面、職責も重くなります。そのため、経営陣は責任を果たすために職務を全うし、会社が破産や債務超過に陥らないように経営に注力する義務があります。
なお、役員には任期があるほか、解任も認められます。業績が回復しない場合は、株主総会の決議により役員解任となることもありますので注意しましょう。
経営陣になるための資質や資格
経営陣になるには特定の資質や資格が必要になるのでしょうか。経営陣に求められる要素について解説していきます。
経営陣に求められる資質
経営陣の舵取りによって、業績が上がることもあれば、業績が悪化することもあります。会社の将来を左右する経営陣には、次のような資質が求められるでしょう。
- 時代に合ったニーズをつかめる先見性
- 変化を取り入れられる柔軟性
- 客観的に状況を分析できる論理的思考力
- 社内全体を見渡せる視野の広さ
- 効果的な戦略を練る力
- ここぞというときの決断力とぶれなさ
- 能力がある人とない人の両方を使える力
経営陣に求められる資格
経営陣になるために資格は必要ありません。資格がなくても、会社に貢献して昇進を続けることによって、あるいは自ら事業を立ち上げることなどによって、経営陣に加わることはできます。
ただし、経営の実務では、組織構築や資金調達力、分析力などの総合力が必要となりますので、資格があると経営に役立つ場面も出てきます。
例えば、財務諸表の読み方に役立つ「日商簿記検定」、戦略を立てるのに役立つ「マーケティング・ビジネス実務検定」、経営コンサル系の「中小企業診断士」などの資格のほか、MBA(経営学修士)のような学位が役立つ可能性があります。
経営陣はやりがいも責任も大きい!
経営陣と聞くと魅力的に感じるかもしれません。経営陣は、会社経営に深く携わるためやりがいを感じやすいこと、業績が上がれば高額の役員報酬を期待できることなど、さまざまなメリットがあります。しかし、リターンが大きい分、職責も重く、株主と経営陣が分かれているケースでは業績悪化などにより解任されるリスクも高いといえます。プラスの面とマイナスの面、両方をよく理解して経営陣を目指すとよいでしょう。
よくある質問
注目の企業に若い経営陣が多いのはなぜ?
副業が解禁されたこと、社内で新規事業を募る大企業発のスタートアップが増えたこと、スタートアップM&Aが活発になったことなどで若い人も起業しやすくなったことが理由として挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
経営陣には敬語を使うべき?
経営陣は会社を動かすだけでなく人事にも権限があります。組織のトップであるという理由もそうですが、経営陣でなくともマナーとしてビジネス上は敬語を使うべきです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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