- 作成日 : 2026年1月14日
会社の種類4つの特徴を一覧でわかりやすく解説!有限会社との違いや迷わない覚え方も
起業や法人成りを検討する際、重要な決定事項の一つが「どの会社形態を選ぶか」です。日本の会社法における会社の種類は、大きく分けて株式会社・合同会社・合名会社・合資会社の4種類が存在します。
本記事では、これら4つの会社形態の違いや特徴を一覧でわかりやすく比較し、初心者でも迷わない最適な選び方を解説します。
目次
会社の種類は全部で4つ!特徴を一覧で比較
日本の会社法で定められている会社の種類は、「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4つです。これらは出資者の責任範囲(有限責任か無限責任か)や、経営の自由度によって分類されています。
| 会社の種類 | 分類 | 責任の範囲 | 設立費用(目安) |
|---|---|---|---|
| 株式会社 | 株式会社 | 有限責任 | 約20万〜25万円 |
| 合同会社 | 持分会社 | 有限責任 | 約6万〜10万円 |
| 合資会社 | 持分会社 | 無限+有限 | 約6万〜10万円 |
| 合名会社 | 持分会社 | 無限責任 | 約6万〜10万円 |
※設立費用は「法定費用」の目安です。電子定款の有無、資本金、司法書士依頼の有無などで増減します。
株式会社
株式会社とは、株式を発行して資金を集め、その資金で事業を行う一般的な会社形態です。
最大の特徴は「所有と経営の分離」です。お金を出す「株主」と、経営を行う「取締役」が法的に分かれており、株主は出資額の範囲内でのみ責任を負う「有限責任」となります。
「代表取締役」という肩書きや、「株式会社」という名称そのものが持つブランド力により、一般に、4つの中で最も選ばれており、取引上も説明しやすい傾向があります。。銀行融資やベンチャーキャピタルからの資金調達、将来的な株式上場(IPO)を目指す企業にとっては、最も適した選択肢と言えます。
合同会社
合同会社とは、出資者と経営者が同一であり、低コストかつ迅速な意思決定が可能な会社形態です。
株式会社と同様に「有限責任」でありながら、設立費用が安く、決算公告の義務がないためランニングコストも抑えられるのが特徴です。Appleの日本法人が合同会社であることは有名ですが、近年ではフリーランスの法人化や、小規模ビジネスでの採用が急増しています。
「持分会社」という分類に属するため、株主総会を開く必要がなく、利益配分も出資比率に関係なく自由に決められるなど、経営の自由度が非常に高い点がメリットです。
合名会社
合名会社とは、出資者(社員)全員が「無限責任社員」で構成される、最も責任が重い会社形態です。
「無限責任」とは、会社が倒産した際に、個人の全財産を投げ打ってでも負債を返済しなければならない責任のことです。実質的には個人事業主の共同経営に近い性質を持ち、現物出資や信用出資(労働力の提供)も認められています。
かつては家族経営の商店などで見られましたが、現在ではリスクが高すぎるため、あえて合名会社を新規で設立するメリットはほぼありません。
合資会社
合資会社とは、「無限責任社員」と「有限責任社員」の両方で構成される会社形態です。
経営を行い無限の責任を負う社員(主に創業者)と、お金だけを出資し有限責任を負う社員(スポンサー的な親族など)に分かれているのが特徴で、歴史ある酒造メーカーなどで見られます。
以前は「小規模で有限責任を取り入れたい場合」に使われていましたが、全員が有限責任で設立できる「合同会社」が登場して以降、新規設立のニーズは減っています。無限責任社員が欠けると会社を継続できなくなるリスクもあります。
(参考)有限会社はすでに廃止済み
有限会社は、2006年の会社法施行に伴い廃止されたため、現在は新しく作ることができません。
現在存在している有限会社は、法律が変わる前に設立され、特例として存続している「特例有限会社」です。実質的には株式会社と同じ扱いを受けますが、社名変更の手続きをしていないため、そのまま「有限会社」と名乗っています。
歴史が長い企業である証拠として信用される側面もありますが、これから起業する方の選択肢には入りませんので注意してください。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気のガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
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補助金をまるっと理解!会社設立時の補助金ガイド
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株式会社と合同会社はどちらがおすすめ?
新規設立の9割以上を占めるのは「株式会社」と「合同会社」です。どちらも「有限責任」である点は共通していますが、コストや運営ルールに明確な差があります。
以下の比較表で主要な相違点を確認し、ご自身の事業プランに合わせて検討しましょう。
| 比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 設立費用(法定費用) | 約20万〜24万円 | 約6万〜10万円 |
| 社会的信用度 | 高い | 一般的 |
| 意思決定 | 株主総会が必要 (所有と経営の分離) | 出資者同士で決定 (所有と経営の一致) |
| 維持費(決算公告) | 義務あり(官報掲載費等) | 義務なし |
| 役員の任期 | 原則2年(最長10年) | 任期なし(重任登記不要) |
| 利益配分 | 出資比率に応じて配当 | 定款で自由に設定可能 |
設立費用・維持費で選ぶなら合同会社
「とにかく初期費用を抑えたい」という方には、合同会社がおすすめです。
合同会社は株式会社に比べて、設立時の法定費用を約14万円安く抑えることが可能です。株式会社の設立には登録免許税(最低15万円)に加え、公証人による定款認証(約5万円)が必要です。一方、合同会社は登録免許税が最低6万円で済み、定款認証も不要です(ただし、定款の作成自体は必要です)。
また、株式会社には役員の任期があり、重任する場合でも登記費用がかかりますが、合同会社には任期がないため、長期的なランニングコストも節約できます。
- 飲食店・小売店・美容室:店名やサービスブランドが重要視されるため、「株式会社」か「合同会社」かの違いが売上に影響しにくい業種です。
- フリーランス・副業の法人化:アフィリエイターやコンサルタントなど、自身が商品となるビジネスでは、コストの安い合同会社が合理的です。
- プライベートカンパニー(資産管理会社):外部からの資金調達を必要とせず、家族内での相続対策や節税を目的とする場合に適しています。
社会的信用と拡張性で選ぶなら株式会社
将来的に事業を大きくしたい、あるいはBtoB取引がメインになる場合は、株式会社が有利です。
大規模な融資やベンチャーキャピタルからの出資を受ける際、株式会社であることが前提条件となるケースが多いためです。また、一般消費者や取引先に対しても、「代表取締役」という肩書きや歴史ある株式会社という名称は安心感を与えます。
合同会社から株式会社へ組織変更することも可能ですが、最初から上場や規模拡大を見据えているなら株式会社を選ぶことをお勧めします。
- スタートアップ企業:投資家は株式と引き換えに出資を行うため、合同会社では外部資本を入れにくい構造にあります。
- 従業員を多数雇う予定がある場合:採用活動において、株式会社の知名度や信用力がプラスに働きます。
- BtoB事業がメイン:大手企業との新規取引において、株式会社であることが口座開設の条件になる場合があります。
会社以外の法人形態はある?
営利(利益の追求)を第一の目的としない場合、株式会社以外の選択肢として「NPO法人」や「一般社団法人」があります。これらは厳密には「会社」ではありませんが、法人格を持って活動を行う主体です。
NPO法人(特定非営利活動法人)
社会貢献活動を主目的とし、ボランティア要素の強い事業を行う場合に適しています。
設立には所轄庁の認証が必要で、申請から設立まで数ヶ月かかりますが、設立費用(実費)は非常に安く済みます。ただし、「非営利」であるため、事業で得た利益を構成員(役員や会員)に配当として分配することは法律で禁止されています。介護事業や子育て支援など、公益性の高い分野で選ばれることが多いです。
一般社団法人
事業の公益性や営利性を問わず、登記のみで手軽に設立できる非営利法人です。
株式会社と同様に法務局への登記だけで設立でき、認証は不要です。会員制の協会ビジネスや、同窓会組織、学術団体などでよく利用されます。収益事業を行うこと自体は可能ですが、NPO法人と同様に利益の分配(配当)はできません。利益が出た場合は、次年度の活動費や事業投資に回す必要があります。
事業のビジョンに合わせて最適な法人格を選ぼう
会社の種類には主に4つありますが、これから起業する方の実質的な選択肢は「株式会社」か「合同会社」の2択です。
- 株式会社:上場や外部調達を目指す、信用重視のビジネス向け。
- 合同会社:初期費用・維持費を抑えたい、スモールビジネスや個人の法人化向け。
会社設立はゴールではなく、事業のスタートラインです。目先の設立費用だけでなく、5年後、10年後にどのような会社にしていきたいかというビジョンと照らし合わせ、最適な形態を選定してください。
もし迷っている場合は、まずはコストの低い合同会社でスタートし、事業が軌道に乗ってから株式会社へ組織変更するというステップアップも有効な戦略の一つです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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