- 更新日 : 2025年7月28日
【2025年最新】起業・開業時に使える助成金・補助金まとめ|個人事業主や女性におすすめの制度も解説
国や地方自治体による助成金や補助金には、起業や創業を支援する目的のものがあり、開業や起業を考えている人に役立ちます。代表的なのが、経済産業省による事業再構築補助金やIT導入補助金、厚生労働省によるキャリアアップ助成金、そのほか国や地方自治体による創業補助金や創業助成金です。
今回は、助成金や補助金はどのような制度なのか、起業や開業でおすすめの助成金や補助金は何か、注意点も含めて解説していきます。
目次
そもそも助成金・補助金とは
助成金や補助金とは何か、それぞれ解説していきます。
助成金とは
助成金とは、国や地方自治体が支給する返済不要なお金のことです。基本的には、それぞれの助成金で定める要件を満たすことで受給できます。
補助金とは
補助金も、国や地方自治体などが支給するもので基本的に返済は不要です。多くが公募の形を取っています。国や自治体が公共団体や会社、個人などに対して、特定の産業を育てたり、施策を推し進めたりなどの一定の目的を達成するために支給するお金です。経済産業省、農林水産省、中小企業庁などの官公庁などが実施しています。
起業・開業時に使える助成金・補助金
起業や開業時に使える助成金や補助金の概要を紹介します。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、今後行われる制度変更に向け、生産性向上や持続的発展に取り組む小規模事業者を支援する補助金です。補助対象になるのは販路開拓や業務効率化に資する取り組みに要した費用です。具体的には、ネット販売システム構築の費用、新商品の開発費、商品PRイベントに要した費用などが対象になります。
2025年度においては、一般型として、補助枠50万円(補助率2/3等)をはじめ、さらに50万円の上乗せがある「インボイス特例」や150万円上乗せがある「賃金引き上げ特例」などが設けられました。また他に、創業型、共同・協業型、ビジネスコミュニティ型などの公募もあります。
最新の情報については、下記等を参考にしてください。
参考:小規模事業者持続化補助金【一般型・通常枠】 申請について(商工会地区)|小規模事業者持続化補助金事務局
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。働き方改革や賃上げ、インボイス制度などの相次ぐ制度変更に対応できるように、中小企業や小規模事業者を支援するための制度です。
2025年度においては、2つの申請枠が設けられました。①製品・サービス高付加価値化枠、②グローバル枠については、それぞれ下記のとおりです。
申請枠 | 概要 |
---|---|
製品・サービス高付加価値化枠 対象:中小企業者等 |
|
グローバル枠 対象:中小企業者等でグローバル要件を満たす者 |
|
※海外事業とは、海外への直接的な投資に関する事業、輸出に関する事業、インバウンド対応に関する事業、海外企業との共同で行う事業をいいます。
なお、申請枠は社会情勢に合わせて変動することが予想されますので、常に最新情報をチェックすることが大事です。
IT導入補助金
IT導入補助金は、業務効率化や売上アップなどを目的にITツールを導入する中小企業や小規模事業者を支援する制度です。ソフトウェア費やクラウド利用料など、ITツールの導入にかかった費用の一部について補助を受けられます。
デジタル化社会において、さまざまな業種でシステム化やクラウドサービスの利用が拡大してきました。会社設立時にITツールの導入も考えている場合は、IT導入補助金の活用がおすすめです。
IT導入補助金について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご確認ください。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、ポストコロナ時代の社会変化に対応する中小企業などを支援するための制度です。事業転換、業種転換、新分野展開など思い切った事業再構築をサポートします。既存の事業を展開していることが前提になりますが、既存の事業を畳んで新たに別分野などで起業・開業する場合も対象になります。
2025年においては、次のような申請枠が設けられており、上乗せ措置として「卒業促進上乗せ措置」、「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」などがあります。
- 成長分野進出枠(補助額は最小規模のものを表示)
- 通常類型 補助上限 1,500万円等(補助率1/2等)
- GX進出類型 補助上限 3,000万円等(補助率1/2等)
- コロナ回復加速化枠
補助上限 500万円等(補助率3/4等)
それぞれ利用できる事業者や補助上限・補助率が異なりますので注意してください。
事業承継・M&A補助金
事業承継・M&A補助金は、事業承継などを機に経営革新に取り組む中小企業や小規模事業者をサポートする制度です。所定の取り組みを行った際に発生した経費の一部について、補助を受けられます。事業承継や事業の引継ぎなどによる開業を考えている場合に活用できる制度です。
2025年度においては、専門家活用枠の募集があり、「買い手支援類型(補助率2/3以内)」及び「売り手支援類型(補助率1/2または2/3以内)」の2類型があります。
起業・開業時に従業員を雇う場合に使える助成金・補助金
厚生労働省は、雇用維持や再就職支援、雇用環境整備、人材開発などを目的に、事業者向けにさまざまな雇用関係助成金の取り組みを行っています。雇用関係助成金の中でも起業や開業時におすすめなのが、「キャリアアップ助成金」「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)」です。
キャリアアップ助成金
非正規雇用の労働者に対して、正規雇用や人材育成、処遇改善などを実施した事業主に対して交付されるものです。正社員への登用で交付されるほか、OFF-JTやOJTとOFF-JTの組み合わせなどによる訓練を行うことで交付されます。
2025年度においては、キャリアアップ計画書の取り扱いを簡素化するほか、正社員化コースや賃金規定等改定コースにおいて改正が行われました。
- 正社員化コース
- 障害者正社員化コース
- 賃金規定等改定コース
- 賃金規定等共通化コース
- 賞与・退職金制度導入コース
- 社会保険適用時処遇改善コース
人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)
人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)は、雇用管理改善により離職率低下に資する取り組みを行い、業務負担軽減機器等を導入する事業者を支援する助成金です。
受給要件となる雇用管理改善には、諸手当制度の導入、研修制度の導入、健康づくり制度の導入、メンター制度の導入が挙げられます。起業や開業に伴い、社員に支給する諸手当を整備したい、人材育成のためにメンター制度を取り入れたい、と考えている事業者におすすめです。
参考:人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース) |厚生労働省
起業・開業する地域によって使える助成金・補助金
経済産業省や厚生労働省以外にも、国や地方自治体にはさまざまな助成金や補助金の制度があります。
起業支援金
起業支援金とは、自治体がその地域の課題解決のための社会的事業を起業する人を対象にして、起業経費の一部を助成し、必要な相談や事業計画の確認等を提供する制度です。東京圏以外の自治体等、または東京圏内の条件の不利地域において社会的事業の起業を行った場合等に最大200万円が支給されます。
事業としては、「子育て支援」「地域産品を活用した飲食店」「買い物弱者支援」「まちづくり推進」など幅広い課題が想定されます。
創業助成金
創業助成金は、創業者を支援するための助成金です。さまざまな自治体で創業者を対象にした助成金の取り組みが行われています。
代表的なのが東京都中小企業振興公社の創業助成金です。都内で創業を予定している人、または創業して5年未満の中小企業者のうち、東京都制度融資(創業)利用者など一定の要件を満たす人を対象にした制度です。対象者は、創業に必要な賃借料や広告費、市場調査、器具備品の購入費、人件費などの経費に対して一部助成を受けられます。
創業補助金
創業補助金も、創業者を支援するためのものです。全国には、地方自治体が実施している創業者向けのさまざまな補助金があります。
東京都江東区の創業支援事務所等賃料補助金(家賃の1/4補助等)、東京都八王子市の八王子市空き店舗改修費補助金(上限50万円)、東京都多摩市の多摩市ビジネス支援施設創業者利用料補助制度(施設利用料の1/2補助等)などがその例です。
参考:
創業支援事務所等賃料補助金|東京都江東区
空き店舗改修費補助金|八王子市、空き店舗改修費補助金チラシ
多摩市ビジネス支援施設創業者利用料補助制度|多摩市
対象者別|起業・開業時におすすめの助成金・補助金
多くの助成金や補助金をご紹介してきましたが、対象者別のおすすめの制度を見てみましょう。ここでは、個人事業主、女性、東京都についてまとめてみました。
個人事業主・フリーランスにおすすめの助成金・補助金
個人事業主等におすすめの助成金や補助金は次のとおりです。
- 目的: 販路開拓・新商品開発
- 補助上限等: 最大250万円
- おすすめの理由: 申請要件が比較的緩やか。販路拡大のための多様な販路開拓費用に活用できるため、売上アップ策を立てやすい。
- 目的: ITツール導入
- 補助上限等: 最大450万円
- おすすめの理由: 会計ソフト等のクラウドサービス導入を支援。補助率が高く、また、インボイス対応類型が個人事業主向けに充実している。
- 目的: 新製品等の開発、試作品作成、生産プロセスの改善
- 補助上限等: 最大2,500万円
- おすすめの理由: 製品開発や設備更新等、付加価値向上に直結する投資を支援。個人事業主でも申請可能であり、革新的な事業展開には高額補助を受けられる。
- 目的: 大規模な事業転換・再構築
- 補助上限等: 1,500万円等
- おすすめの理由: 新規事業や業態転換時に使える成長枠は、要件も少なく、高額支援を得られる。
- 目的: 非正規社員の正社員化や待遇改善等
- 補助上限等: 1人あたり80万円等
- おすすめの理由: 社会保険・雇用保険適用事業所であれば個人事業主も申請可能
女性の起業におすすめの助成金・補助金
個人事業主やフリーランスで女性の方の起業におすすめの助成金等の一例は次のとおりです。これらは起業者が「女性」と限定されているわけではありません。
- 目的: 販路開拓・新商品開発
- 補助上限等: 最大250万円
- おすすめの理由: 販路開拓やPR、人材確保等、幅広く経費を支援するため、女性らしい事業投資にも活用可能
- 目的: 都内商店街での新規開業
- 補助上限等: 最大844万円
- おすすめの理由: リーダーとなり得る女性等の新規事業のための工事費、設備・備品導入費、店舗賃借料等の経費の一部を助成
※女性従業員のいる個人事業主等
- 目的: 仕事と育児・介護等を両立できる職場環境づくり
- 補助上限等: 支給額には種々あります
- おすすめの理由: 以下の取組を行った中小企業事業主を支援
- 男性の育児休業取得促進
- 仕事と介護の両立支援
- 円滑な育児休業取得支援 ほか
東京都で開業する場合におすすめの助成金・補助金
東京都で開業する場合におすすめの助成金等は次のとおりです。東京都ではこの他にも種々の支援があります。
- 目的: 都内における中小企業者等の創業を支援
- 補助上限等: 最大400万円
- おすすめの理由: 都内で創業予定の個人または創業から5年未満の中小企業者等の創業に係る経費の一部を助成
- 目的: 都内商店街での開業、事業多角化、事業承継を支援
- 補助上限等: 最大694万円
- おすすめの理由: 新規店舗の開業、既存と異なる事業としての多角化、事業承継のいずれかの経費を支援
- 上記、「女性の起業におすすめの助成金・補助金」をご参照ください。
起業・開業時に助成金・補助金を申請するメリット
起業するとき、事業を立ち上げるときに助成金・補助金を活用することには、次のようなメリットがあります。
- 返済不要のため資金繰りの圧迫がない
- 自己資金が少なくても比較的調達しやすい
- 申請過程で事業計画がブラッシュアップできる
- 信用力が向上する
各メリットの詳細は、以下の通りです。
返済不要のため資金繰りの圧迫がない
起業・開業時には、設備投資や運転資金など多くの資金が必要になるでしょう。このときの資金調達で「融資」を選択した場合、返済の負担が重くのしかかり、資金繰りを圧迫する可能性が高くなります。事業が軌道に乗るまでの間、この返済の負担は経営者にとって大きなプレッシャーとなりますし、最悪の場合事業が継続できなくなる恐れもあります。
一方で、助成金や補助金は返済不要な資金であるため、このような資金繰りの問題とは無縁です。返済に追われることなく事業の成長に集中できるのは大きなメリットといえるでしょう。
返済の心配がない分、事業の拡大や新たな挑戦に資金を投じることができ、事業成長の加速が期待できます。
自己資金が少なくても比較的調達しやすい
助成金や補助金を活用した資金調達に関しては、自己資金の多さが融資などに比べてあまり重視されていません。
融資だと、金融機関は事業計画の妥当性や担保の有無など、さまざまな要素を総合的に判断して認否を決定します。特に、起業・開業間もない事業者は十分な担保を用意できなかったり、信用力が低かったりしますので、融資を受けるのが難しい傾向にあります。
一方、助成金や補助金の申請にあたって担保や保証人は基本的に不要です。審査基準は、事業計画の内容や将来性、公共性などが重視され、自己資金が少なくても形式的な要件を満たしていれば採択される可能性も十分にあります。
申請過程で事業計画がブラッシュアップできる
申請を行うにあたって事業計画を策定することがあります。これまで抽象的・感覚的に経営をしてきたという方は、これを機に自社の事業計画を見直すことができるでしょう。
またその過程では、事業の目的やターゲット顧客、提供価値などを明確化し、事業のコンセプトも洗練させることができます。市場分析の掘り下げにより競合他社の状況や市場のニーズを正確に把握するなど、仮に申請が通らなかったとしても事業計画がブラッシュアップされるという副次的な効果は期待できます。
そして事業計画の質が上がるということは、助成金や補助金以外の手法による資金調達の成功率向上にも寄与します。金融機関からの融資であったり、投資家からの出資であったり、さまざまな場面で事業の将来性や実現可能性をアピールしやすくなるでしょう。
信用力が向上する
助成金や補助金の獲得には「信用力の向上」というメリットもあります。
「国や地方自治体などが実施する公的な支援制度における審査に通過した」という事実は、金融機関や投資家など、外部のステークホルダーに対して事業の信頼性をアピールするよい材料として使えるためです。
特に、起業・開業間もない時期は、事業の実績や信用力が乏しいため、資金調達に苦労することも多いのですが、助成金や補助金の交付実績があれば信用を得やすくなり、少しは資金調達のハードルを下げることが期待できるでしょう。
起業・開業時に助成金・補助金を申請するデメリット
助成金・補助金の活用にメリットしかないということではありません。例えば次のようなデメリットも考慮すべきです。
- 条件が厳格に定められている
- 申請手続きが煩雑で手間がかかる
- 受給までの期間が長く後払いになる
- 受給後の実績報告が必要なケースが多い
助成金や補助金による資金調達だからこその難点もありますので、以下で確認をしておいてください。
条件が厳格に定められている
助成金や補助金は、国や地方公共団体が特定の政策目的を達成するために交付される資金であり、その目的を達成できる事業に対してのみ交付されます。
そのため融資などと比べて、交付対象となる事業者や事業内容、費用の使途などが厳格に定められています。
融資の場合、事業計画や担保、信用力などを総合的に審査したうえで融資の可否や融資額が決定されます。金融機関側には裁量がありますので、事業者の状況に合わせて柔軟に対応してもらえるケースもあるということです。
一方、助成金や補助金は定められた要件を満たしているかどうかが特に重視され、融資と比べて裁量の幅が狭いといえます。例え事業内容が優れていても、形式的な要件を満たしていないのなら交付を受けられません。
ただ、見方を変えれば「資金調達を成功させるための要件がはっきりしている」とも考えられます。
申請手続きが煩雑で手間がかかる
助成金や補助金の要件の厳格さに伴い、申請手続きも煩雑で、手間がかかることも多いようです。
例えば事業規模や業種、従業員数、設備投資の内容などについて指定されている場合、要件を満たしていることの説明ができないといけませんので、そのための資料を準備しなくてはなりません。
起業・開業時など、事業の立ち上げで忙しい時期にはこの煩雑な手続きが大きな負担となるかもしれません。また、専門的な知識が必要となることもありますので、行政書士などの専門家に依頼するケースも珍しくないようです。
受給までの期間が長く後払いになる
助成金や補助金の交付は後払いとされていることが一般的です。
申請から交付決定、そして実際の入金までに少なくとも数か月以上、1年以上の期間を要することも珍しくありません。公的な財源を活用していることからできるだけ適正な執行を確保しなければならず、審査のプロセスが厳格であることに由来します。
このようなタイムラグは、特に起業・開業時など、資金繰りが厳しい時期には大きな負担となりますので要注意です。「後払い」ということは、何かに取り組むための資金がすでに存在していなければならず、自己資金が十分に確保できていないときは助成金や補助金のみを頼りに事業をスタートさせられない可能性もあるということです。
受給後の実績報告が必要なケースが多い
助成金や補助金は、融資のように調達後の返済負担はありませんが、審査に通ってからも「実績報告書の提出」などの負担が発生するケースは多々あります。
交付された資金が申請通りの目的に沿って適切に使用されているのか、事業が計画通りに進んでいるのか、などを確認するためです。
報告の必要性やその期間、報告書にかかる手間などは、申請する制度によって異なりますので事前によく確認しておきましょう。定められた報告期限に遅れたり、不備があったりすると、助成金や補助金の返還を求められる危険性もあることは覚えておかなくてはなりません。
起業・開業時に助成金・補助金を受給するまでの流れ
助成金や補助金について、受給までの流れには共通点があります。ここで、開業を思い立った個人事業主が助成金や補助金を受給するまでの大まかな流れを見ていきましょう。
情報収集|自分に合う制度を探す
自分の事業やニーズに合った制度を見つけることが重要です。中小企業庁や厚生労働省などの各省庁サイトや自治体の公式サイト等で制度を確認しましょう。
また、商工会議所の各公式サイトや、公的なミラサポPlus、J-Net21などのポータルサイトの活用も効果的です。地域限定の制度も多くあるので、その自治体独自の支援制度も見逃さないように注意が必要です。
参考:ミラサポPlus|中小企業庁、J-Net21|中小企業基盤整備機構
計画策定|公募要領を読み、事業計画書を作成する
それぞれの公募要領により、補助金の目的や申請要件等を詳細に確認します。事業計画書の作成においては、実現可能性や波及効果を具体的に示すことが重要です。
審査基準を満たすための具体的な数値計画を事実に基づいて盛り込む必要があります。市場分析や競合分析を含め、創業から3〜5年の中長期的な事業計画として策定するほうがよいでしょう。
申請手続き|必要書類を揃え、期間内に申請する
申請には多数の書類が必要となります。電子申請システム(jGrants等)を利用する場合は、事前に「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要なため、早めの準備が重要です。
書類に不備があると審査の対象外となるので、チェックリストを活用して入念に書類を確認しましょう。申請期間はあまり長くないため、期限内の確実な提出が求められます。
審査・採択|審査期間を経て、採択・不採択が決定する
それぞれの補助金により審査期間は異なるものの、数ヶ月を要するのが一般的です。書類審査では、事業計画の実現可能性、社会的意義、財務状況などが総合的に評価されます。
審査期間中に事務局から申請内容について確認や質問される場合もあるため、根拠資料を保管しておきましょう。申請者数が多い場合は審査により時間がかかる傾向にあります。
事業実施|計画に沿って事業を行う
交付決定後は、計画に沿って補助事業を実施します。対象となる経費等については、領収書や証拠書類を確実に保管し、他の経費と区別して管理しましょう。事業内容の変更等があった場合には、所定の手続きを経て承認を得る必要があります。補助事業の進捗状況について、担当者より説明を求められる場合もあります。
報告|事業実施の完了後に実績を報告する
補助事業完了後は、提出期限までに実績報告書を提出する必要があります。実績報告には、支出内訳表や請求書・領収書等をはじめとする証拠書類一式が必要です。事務局による審査を経て補助金額が確定し、請求手続き後に補助金が交付されます。
その後、一定期間にわたり毎年の効果報告が義務付けられることが一般的で、取得した資産についても適切な管理が求められます。
起業・開業時に助成金・補助金を申請する際の注意点
開業する際に使える補助金や助成金は、公募回数の決まりはなく、予算によっては支給のチャンスは1回限りのものもあります。また、公募期間が短い場合もありますので、毎年設定されている補助金などに関しては、前年度の募集要項や、内容を事前に確認し、準備をしておく必要があります。
こまめに関係省庁・団体・機関のホームページなどをチェックしておき、募集がかかったら見逃さないようにしましょう。
事業内容に適した助成金・補助金を申請しましょう
経済産業省や厚生労働省の助成金や補助金をはじめ、地方自治体においても助成金や補助金が実施されています。中には予算の関係で1回しか実施されないこともありますので、起業や開業前にどのような助成金や補助金が利用できそうか広くリサーチしておくことをおすすめします。助成金や補助金の申請には手間がかかります。事業内容に合わせて最大限活用できるものに絞って申請するのがコツです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
助成金・補助金の関連記事
新着記事
創業融資を成功させる役員報酬の決め方は?金額や審査のポイント、届出の流れも解説
創業融資の審査において、役員報酬の設定は非常に重要な要素です。単に経営者の生活費を決めるというだけでなく、融資の可否、借入可能額、さらには設立後のキャッシュフロー、税負担、そして経営者自身の生活設計にまで影響を及ぼします。 本記事では、創業…
詳しくみる役員変更の法人登記ガイド|必要書類・役員変更登記申請書のテンプレート・費用も解説
会社の運営において、役員の変更は事業の成長や組織体制の変化に伴い、避けて通れない事象の一つです。そして、役員に変更があった場合、法務局への法人登記申請が法律で義務付けられています。この手続きを怠ると、過料の制裁を受ける可能性があるだけでなく…
詳しくみる創業融資の返済期間は何年がベスト?日本政策金融公庫の制度や返済方法についても解説
創業融資は、事業を軌道に乗せるための重要な選択肢です。創業融資の返済期間を適切に設定することは、事業のキャッシュフローを安定させ、健全な経営を持続させるための鍵となります。 この記事では、創業融資の返済期間に関するあらゆる疑問を解消し、あな…
詳しくみる買取資金調達ガイド|M&Aの株式買取や、事業承継の自社株買取などのポイントを解説
円滑な事業承継、M&Aにおいて、株式買取をはじめとする買取は避けて通れない重要なプロセスです。しかし、多くの場合は買取に多額の資金が必要となるため、資金調達が成功の鍵を握ります。 本記事では、M&Aや事業承継における株式買取…
詳しくみる自己破産後も創業融資は可能?日本政策金融公庫の再チャレンジ支援融資についても解説
「自己破産したら、もう二度と事業は起こせないのだろうか…」過去に自己破産を経験された方にとって、再び起業し、創業融資を受けることは非常に高いハードルに感じられるかもしれません。 しかし、自己破産後であっても、創業融資を受けられる可能性はあり…
詳しくみる創業融資の審査に年収は影響する?種類別の審査ポイントや年収が低い場合の対策も解説
創業融資を申し込むにあたり、「年収は審査にどう影響するのか?」「年収が低いと融資は受けられないのか?」といった不安や疑問を抱く方は少なくありません。 本記事では、創業融資における申込者個人の年収の位置づけ、審査で重視されるポイント、そして年…
詳しくみる