- 更新日 : 2026年1月29日
三文判とは?実印やシャチハタなど他の印鑑との違いを解説
三文判は既製品の印鑑で、安価かつ大量生産された汎用的な認印です。
- 印影が他人と同じになる可能性あり
- シャチハタより法的効力は高い
- 実印登録には不向きでリスク大
三文判を実印として印鑑登録することは可能ですが、本人確認力に乏しく、重要書類には専用の印鑑を使うべきです。
印鑑には三文判やシャチハタ、実印などさまざまな種類があり、用途に合わせて使い分ける必要があります。この記事では印鑑の種類を整理できるよう、特に「三文判」について言及し、他の印鑑との違いなどを説明します。
また三文判がどのようなシーンで利用できるのか、利用時の注意点なども解説します。
目次
三文判とは?
三文判とは、日常生活で広く使われている印鑑の一種で、主に大量生産された既製品のハンコを指します。契約書や各種手続きで目にする機会も多いものの、その性質や位置づけを正しく理解していない人も少なくありません。ここでは、三文判の基本的な特徴や、実印・認印との関係について整理します。
大量生産され店頭で販売されている既製の印鑑
三文判は、オーダーメイドで作成される印鑑とは異なり、あらかじめ氏名などの文字が刻印された状態で店頭に並んでいる印鑑です。大量生産されることを前提としており、刻印は機械によって行われます。そのため、同じ製造元で作られ、同じ文字が刻まれている三文判であれば、印影(押したときの形)が同一になるという特徴があります。価格も比較的安価で、文房具店やホームセンターなどで気軽に購入できる点が特徴です。
「三文判」は用途ではなく流通形態によって呼ばれる名称
三文判は、「実印」「認印」といった用途による分類とは異なる概念です。三文判という言葉は、印鑑の使い道を示すものではなく、大量生産され、広く流通している安価な印鑑であることを表す呼び方にすぎません。そのため、理論上は三文判を実印として使うことも、認印として使うことも可能です。
もっとも、三文判は印影が他人と同一になる可能性が高く、本人確認や意思表示の証明力という点では弱いと評価されがちです。そのため、重要な契約や公的手続きでは、三文判ではなく、個別に作成した印鑑を使用するのが一般的とされています。
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印鑑の種類とそれぞれの違いは?
印鑑と一口に言っても、その種類は多岐にわたり、使用場面や目的によって適した印鑑が異なります。ここでは、主な印鑑の種類とその違いについて整理します。
シャチハタや角印など構造や形状に基づく印鑑の種類
シャチハタは、朱肉を使わずに押せる便利なスタンプ式の印鑑です。内部にインクが内蔵されており、ゴム製の印面で押印する仕組みですが、印影が劣化しやすく、簡単に複製されやすい点から、重要書類や契約には不向きとされています。なお、シャチハタの可否は手続・書類・金融機関等によって取扱いが異なり、重要な手続では不可とされることがあります。
角印は、印影が四角い印鑑で、主に法人・会社用の印鑑として使われ、「会社印」として見積書・請求書などに押されます。これは認印的に使用されることが多いものの、取引書類で広く使われますが、重要な契約では相手方から代表者印(丸印)を求められることも多いため、用途は書類の性質に応じて使い分ける必要があります。
実印・銀行印・認印など用途に応じた法的分類
印鑑は使用目的により、以下のように分類されます。
- 実印:市区町村で印鑑登録した印鑑。契約書・登記などの重要な法的手続きに使用され、印鑑証明書とセットで用いられることで本人性が法的に保証されます。
- 銀行印:銀行口座の開設や取引に使用される印鑑。銀行に届け出ることで、預金の出し入れや口座の管理に用いられます。
- 認印:特に登録されていない、日常的な押印に使われる印鑑。郵便物の受け取りや、社内文書への押印など、軽微な意思表示に利用されます。
なお、実印や銀行印を認印代わりに使うことも可能ですが、リスクが高く、印影が複製される可能性や悪用の懸念があるため避けたほうがよいとされています。
押し方の違いで分類される印
用途に応じて、押印の方法による印鑑の種類もあります。
- 訂正印:書類の誤記を修正する際に使用。署名欄に使う印鑑より小さめのものが用いられることが一般的です。
- 割印:2枚以上の契約書が同一内容であることを示すため、それらにまたがって押される印鑑。改ざん防止にもつながります。
- 契印:契約書が複数ページにわたる場合に、ページの間に押すことで一体の文書であることを示す印鑑。
なお、契約の成立や有効性は押印の有無だけで決まるものではなく、必要な手続や書類の要件はケースにより異なります。
三文判とシャチハタの違いは?
三文判とシャチハタは、どちらも手軽に入手できる印鑑であり、日常的な押印に多く使われていますが、その構造や使用目的、法的な扱いには違いがあります。
三文判は朱肉を使う木製やプラスチック製の印鑑
三文判とは、大量生産され、店頭でよく見かける既製品の印鑑を指します。主に木やプラスチックなどの素材で作られ、使用時には朱肉が必要です。印影は機械彫刻で作られるため、同じ名前・同じメーカーであれば印影が全く同一になることがあるのが特徴です。
このため、印鑑としての証明力には限界があり、実印や銀行印として登録するのはリスクがあります。ただし、朱肉を使うため、「シャチハタ不可」とされる書類でも使える場合があるという利点があります。価格も安価で、文具店・コンビニ・ホームセンターなどで簡単に手に入ります。
シャチハタはスタンプ式でインク内蔵型の印鑑
シャチハタとはシヤチハタ株式会社が販売する「インク内蔵型スタンプ式印鑑」のことで、商品名が一般名化したものです。ゴム製の印面にインクがしみ込んでおり、朱肉なしで連続して押印できるという利便性が最大の特徴です。
しかし、シャチハタの印影は劣化しやすく、使用によって印面が変形することもあるため、法的な証明力は低く、公的な書類や重要な契約では使用が認められないことが多いです。また、インクのにじみや薄れにより、印影の鮮明さが保てないというデメリットもあります。
シャチハタについて詳しくはこちらの記事で触れています。
三文判を利用できる場面は?
三文判は安価で気軽に使える印鑑として広く流通していますが、用途を誤ると法的なトラブルや信頼性の問題につながるおそれもあります。ここでは、三文判の利用が適しているシーンと、注意すべき場面について整理します。
主に社内文書や日常的な受領確認などに使われる
三文判は、印鑑登録をすれば実印として使うことも理論上は可能ですし、銀行印や会社印として使うことも一応は禁止されているわけではありません。しかし、同じ印影の印鑑が大量に出回っているため、他人に偽造されやすいという重大なリスクがあります。
そのため、対外的な契約書や重要な法的文書への押印には適していません。代わりに、社内での回覧書類や稟議書、経費精算の申請書など、内部手続き用の書類への押印には十分利用できます。押印そのものが確認の意味を持つ場面では、三文判の使用でも特に問題にならないケースがほとんどです。
また、宅配便の受領印や荷物の授受、来客対応の確認書など、リスクの少ない日常的なやり取りにおける認印としても三文判は便利です。印鑑そのものに高い信頼性が求められない場面では、コストや入手のしやすさといったメリットが活かせます。
緊急時や印鑑を持っていないときの代用としても有効
外出先で急に押印が必要になった場合など、手元に登録済みの印鑑がないときにも、三文判は一時的な代用品として役立ちます。コンビニや文具店で簡単に入手できるため、緊急対応が求められる場面で活躍することがあります。
ただし、その後正式な印鑑に差し替える必要がある場合や、三文判で押印したことによる不利益が生じる可能性がある契約には注意が必要です。
三文判を使用する際の注意点は?
三文判は安価で手軽に使える印鑑として便利ですが、使用方法を誤ると、後々重大なトラブルを招く可能性もあります。法的な証明や重要な契約に関わる場面で使用する際には、そのリスクと限界を理解した上で、印鑑の選択を慎重に行う必要があります。
三文判は利便性がある一方で、なりすましリスクが高い
三文判は店頭で容易に入手でき、朱肉を使って押印するため、シャチハタが使えない書類にも対応できるという点では優れています。しかし、大量生産されており、同じ名前・同じデザインの印影が他人の手にも簡単に渡る可能性があるため、本人性の証明という観点では非常に脆弱です。
押印には「この書類に当人が合意した」という法的効果が伴うため、印影が同一の印鑑が複数存在する状況では、後のトラブル時に「本人が押したかどうか」の立証が難しくなります。
そのため、対外的な契約や法的効力を持つ書類に三文判を使用するのは避けた方がよく、使用する場面は社内文書や非重要なやり取りに限定すべきです。
三文判を実印として登録することは非常に危険
理論上、三文判を市区町村に印鑑登録して「実印」として使用することは可能ですが、これは極めてリスクが高く推奨されません。実印は、契約書・不動産登記・遺産分割協議書などの重要書類に使われるものであり、その印影が他人に知られたり、複製されたりすることは重大なリスクにつながります。三文判のような誰でも買える印鑑を登録してしまえば、第三者が同じ印影の印鑑を使って契約行為を行うことも技術的には可能です。
実印として使用する印鑑は、印影が他人と重なりにくいものを作成し、管理も厳重に行うことが重要です。唯一無二の印影を持つように、オーダーメイドで作成するケースが一般的です。そのうえで、印鑑登録証明書とセットで使用することで、法的な本人確認が確立されます。
実印や銀行印に使う印鑑はどこで買える?
実印や銀行印は、法的効力や金銭の管理に直結する重要な印鑑です。だからこそ、購入時には信頼できる場所を選び、品質の高いものを選ぶ必要があります。ここでは、実印・銀行印に適した印鑑を購入できる主な場所と、特徴や注意点について解説します。
実印や銀行印は印鑑専門店やオンラインショップで購入できる
まず、もっとも安心なのは印鑑専門店の店頭での購入です。専門店では材質やサイズ、彫刻のスタイルなどを相談しながら決めることができ、フルオーダーの印鑑を作ることができます。また、作成時に印鑑登録の用途であることを伝えれば、実印として適したサイズ・形状で彫刻してもらえるため安心です。
近年では、印鑑専門店が運営するオンラインショップでも実印や銀行印を購入できます。インターネットを介して注文できるため、店舗に足を運ばずに自宅でゆっくり選べるのが利点です。ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなど)にも多くの専門業者が出店しており、比較的リーズナブルな価格帯から高級品まで幅広いラインナップがあります。
文具店やホームセンターでも実印用の印鑑を注文できる
印鑑専門店でなくても、大型文具店やホームセンターの印鑑作成サービスで実印・銀行印を作ることも可能です。地方ではこうした店舗の印鑑カウンターを利用する方も多く、対面で相談しながら作成できます。ただし、専門性や材質の選択肢は専門店に比べるとやや限られる傾向にあります。
価格面では比較的安価に済むこともありますが、実印や銀行印として登録・使用する前提であれば、耐久性や印影の独自性に配慮して選ぶことが大切です。
三文判など印鑑の使い分けには注意しよう
三文判は100円ショップや近くのスーパーなどでも売っていることがあり、低コストですぐに手に入れることができます。しかし、使い方には十分注意しなければならず、重要な書面への押印は避けるべきです。また、三文判を実印として登録することも避けたほうがよいでしょう。印鑑の種類に変わる性質や使用する場面を理解し、上手く使い分けていくことが大切です。
よくある質問
三文判とは何ですか?
一般的に大量生産された安価な印鑑のことを三文判といいます。詳しくはこちらをご覧ください。
三文判を利用できるシーンについて教えてください。
同じ印鑑を用意することや同じ印影を再現することが容易なので、重要度の低い書類への押印や荷物の授受などのシーンでの利用に限定すべきです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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