- 更新日 : 2024年9月2日
割印とは?契印との違いと正しい押し方を解説
割印とは、複数の文書にまたがって捺す(おす)押印方法のことです。また、割印と混同されやすい押印方法に、契印があります。今回は割印と契印の違いや、割印の正しい押し方・位置、失敗しないためのコツなどを解説します。
目次
割印とは
割印(わりいん)とは、複数の文書にまたがって捺す(おす)押印方法のことです。印影が各文書に割れて押されるため、割印と呼ばれています。

割印の目的は、文書の改ざんやコピーを防ぐことです。割印を押した各文書を照らし合わせると、文書が同一または関連しているものであることを証明できます。
割印は、複数人で契約を締結してそれぞれが契約書を1部ずつ保管する場合や、領収書を作成する場合に利用します。
【割印の特徴】
| 押し方 | 複数の文書にまたがるように押す |
| 目的 | 同一文書であることを証明し、文書内容の改ざんやコピーを防ぐこと |
| 対象の文書 | ・各当事者が作成した契約書の原本 ・領収書と控え |
| 使用する印章 | 署名・捺印したものと別のものでもOK |
| 割印する人 | 契約書に署名・捺印した人全員 |
| 適した書体 | 篆書体(てんしょたい) 古印体(こいんたい) |
| 適したサイ | 12×30mm 13.5×33mm 15×36mm |
割印に適した書体
割印に使用する書体に特別な決まりはありません。一般的に割印は契約書に使用するため、複製しにくく風格のある書体が適しています。
おすすめは、篆書体(てんしょたい)や古印体(こいんたい)です。
篆書体とは、印鑑で使われる書体の中でも実印としてよく使われる書体です。私たちにとって身近な書体であり、日本銀行が発行する紙幣にも使用されています。
篆書体のメリットは、現代の文字とは少し異なるため偽造しにくいことと、文字が印鑑の枠に接する部分が多いため、落としても欠けにくいことです。
古印体は、線が太く丸みのある字体を特徴とする書体です。
線の太さが均一でないため、複製しにくく、実印や銀行印として用いられます。現代の日本人にとってなじみがある書体なので読みやすく、認印として使われることもあります。
割印に適したサイズ
割印に適したサイズは、以下の3つです。
12×30mm
13.5×33mm
15×36mm
印章は、サイズによって入る文字数が異なります。改行が必要な法人名や20文字以上など、文字数が多い場合は15×36mmがおすすめです。
サイズを選定する際に文字数と改行を考慮すると、バランスの良い印章を作成できます。
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割印と契印の違い

押印には複数の種類がありますが、その中でも割印と契印はどちらも複数の文書にまたがって押す方法なので、混同されがちです。
割印と契印の大きな違いは、押印する場面と目的です。
割印は、2部以上の契約書や領収書作成時に使用します。割印を押す目的は、同一内容の文書であることを証明し、文書の改ざんや複製を防ぐことです。
契印は、1つの契約書が複数ページにわたる時に使用します。契印を押す目的は、ページの連続性を示して文書の抜き取りや差し替えを防ぐことです。
使用できる印章の規定による違い
割印と契印は、使用できる印章の規定も異なります。
割印に使用する印章には法的な規定がないため、契約書の署名・捺印で使用した印章と別のものを使用することもできます。そのため、サイズの規定もありません。
一方で、契印に使用できる印章は、契約書の署名・捺印で使用したものに限られます。
一般的に法人が押印する場合は、契約書には代表印(実印)を使用します。代表印には「辺の長さ1㎝~3㎝の正方形に収まるもの」という規定があるため、契約書に代表印を押す際は規定に沿った印章が使用されます。
法人で作成する印鑑の種類については以下の記事で解説しているので、併せてご覧ください。
割印の正しい押し方
一般的な割印のビジネスマナーを押さえておくと、取引の際にスムーズに対応できるでしょう。ここでは割印で失敗しないために、正しい押し方や位置について解説します。
契約書と写しに押す方法

契約書の原本と写しの関連性を示すために、文書にまたがって割印を押す方法です。書類を重ねた状態から、少しずらして割印を押します。
3通以上の契約書に押す方法

契約書が3通以上の場合、すべてに印影を残す必要があります(図左)。印章の長さが足りない場合は、2箇所に割印を押すこともできます(図右)。
印鑑の販売店では、縦に長い割印専用の印章を作成できます。割印専用の印章は必須ではありませんが、3通以上の契約書に押す場合に備えて作成しておくことをおすすめします。
領収書と写しに押す方法

領収書の割印は、領収書と控えの切り取り線にまたがるように押します。
領収書は代金を支払った側が受け取るものですが、発行した側が控えを持っておくことでお互いに取引の記録を残せます。
領収書に割印を押しておけば、取引先から「金額が間違っていた」と連絡があった場合など、控えと照らし合わせる際に役立ちます。
割印をきれいに押すポイント
割印は印を押す面に段差ができやすいため、きれいに押せなかったり、かすれたりすることがあります。
割印に失敗しても、割印としての効果に影響はありません。とはいえ契約書への押印は大切な場面で行われるものなので、できれば失敗したくないですよね。
そこで、割印をきれいに押すポイントを紹介します。
捺印面の高さを揃える
割印で失敗する主な原因は、捺印面の高さが揃っていないことです。割印を押す際は、捺印面の高さを揃えるときれいに押せます。
割印を押す箇所の下に印鑑マットを敷き、高さが揃っていない場合は厚紙などを利用して調整しましょう。
均一に朱肉をつける
割印の印影がかすれてしまう主な原因は、朱肉が均一についていないことです。
朱肉をつける際は、印章を回しながら全体にまんべんなくつけます。この時、印鑑を朱肉に強く押しつけないように注意しましょう。力を入れず、印鑑の重みで朱肉をつけてください。
朱肉をつける際に力を入れると、朱肉が印章に詰まることがあるため注意が必要です。
複数ページの契約書の場合はページを開いて重ねる
契約書に厚みがある場合は、割印をなかなかきれいに押せません。複数ページの契約書は、1ページ目だけを開いてから重ねると、紙1枚に割印を押す時と同じように押しやすくなります。
契約書の製本に使用するのは割印?契印?
契約書の製本に使用するのは、契印です。割印と契印は、どちらも契約書にまたがるように押す方法なので、よく間違えられます。
割印とは異なり、契印に使用する印章は契約書の署名・捺印に使用した印章と同じものでなければなりません。間違えないように気をつけましょう。
割印に使う印鑑の種類は?
割印に使う印鑑の種類に決まりはないため、契約書の署名欄に実印を押し、割印には認印を使うこともできます。
ただし、印影が丸いと3部以上の契約書に割印を押す場合、長さが足りなくなることがあります。そのような場合に備えて、縦に長い割印専用の印章を作成しておくと良いでしょう。
割印は一方の文書のコピーや改ざんを防ぐ目的で使われる
契約書に割印がないからといって、契約が無効になるわけではありません。しかし当事者がそれぞれで文書を保管する場合、割印がないとコピーや改ざんによるトラブルが生じるおそれがあります。
割印によって、相手方の文書と自分の文書の関連性を証明することができます。
公正な取引を行う上で、割印は重要な役割を果たしているのです。
よくある質問
割印で使用する印章のルールは?
割印で使用する印章に法律上の決まりはないため、契約書の署名欄に実印を押し、認印で割印を押してもかまいません。割印を押す機会が多い法人や事業者は、割印専用の印章を作成しておくと便利です。 詳しくはこちらをご覧ください。
割印がなくても契約は有効?
割印がなくても契約は有効です。ただし、割印は文書の改ざんやコピーを防ぐ役割があるので、トラブル防止のために押しておくことをおすすめします。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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