• 更新日 : 2026年9月17日

テレワーク研修の内容とは?準備・進め方・スケジュールを解説

Pointテレワーク研修は何をどう進めればいい?

テレワーク研修は、対象者ごとに扱う内容を分け、半日から1日の枠で組み立てます。

  • 一般社員と管理職で内容を分ける
  • 事前に現場の困りごとを集める
  • 15分ごとに区切って進行する

終了後の行動計画とフォローアップまで決めておかないと、当日の学びが現場に残りません。

テレワーク研修は、離れた場所で働く前提での仕事の進め方とマネジメントを扱う研修です。在宅勤務が制度として定着した一方で、進捗が見えない、報告が遅れるといった声が残ったままの職場も少なくありません。この記事では、テレワーク研修で扱う内容と準備、当日の進め方、時間割の組み方までをまとめます。

テレワーク研修とは?

テレワーク研修は、オフィス以外で働くときに必要になる自己管理やコミュニケーション、部下のマネジメント方法を身につける研修です。制度としてテレワークを導入しただけでは埋まらない、運用面のずれを直す場になります。

離れて働く前提のスキルを補う研修

テレワーク研修では、対面なら自然に補えていた情報共有や進捗の把握を、意識した行動に置き換える方法を学びます。

オフィスにいれば、隣の席の様子や通りがかりの雑談から相手の状況が伝わっていました。在宅勤務ではその情報が入らないため、自分のタスクを分解して見える形にする、報告のタイミングをあらかじめ決めておくといった行動が必要になります。

テレワークは感染症対策として広がったあとも働き方の選択肢として残り、出社と組み合わせて運用する企業が増えました。一時的な措置ではなくなった分、仕事の進め方そのものを学び直す機会が求められています。

導入後に不具合が出ている企業ほど効果が出やすい

制度は動いているのに成果や報告にばらつきが出ている段階が、研修の効果を感じやすいタイミングです。

導入前だけの実施は想定の話に終わりがちですが、運用が始まっていれば「報告が上がってこない」「会議が長い」といった具体的な材料が現場にそろっています。その材料を持ち寄り、自社のルールに落とすところまでやると、研修が実務の改善につながります。

テレワーク研修ではどんな内容を扱う?

扱う内容は受講者の立場で大きく変わります。同じ資料を全員に配ると、管理職には物足りず、若手には抽象的すぎるという状態になりがちです。

一般社員向けは自己管理とタスクの可視化が軸になる

一般社員向けでは、1日の予定を自分で組み立て、進捗を相手に見える形で出す方法を扱います。

朝のうちにその日のToDoを書き出す、着手前に見積り時間を置く、終業時に残りを記録する、といった手順を実際に手を動かして練習します。チャットでの報告も、結論から短く書く形に慣れておくと確認の往復が減ります。

仕事とプライベートの切り替えが難しいという声も多いため、始業と終業の合図を決める話も入れておきたいところです。

管理職向けはルールづくりと1on1が中心になる

管理職向けでは、連絡手段や勤怠のルールを決める作業と、1on1で部下の状況をつかむ進め方を扱います。

「何時までに返信するか」「急ぎのときはどの手段を使うか」を決めていないと、メンバーは通知を気にし続けることになります。評価も、見えている時間ではなく成果と過程の記録で判断する形への切り替えが要ります。放置と過干渉のどちらにも寄らない距離感は、定期的な1on1の枠を先に押さえておくと保ちやすくなります。

新入社員や中途入社者にはオンボーディングを足す

入社間もない受講者には、業務スキルの前に人間関係と社内の情報のありかを案内する時間を足します。

誰に何を聞けばよいかわからないまま在宅で働くと、質問すること自体のハードルが上がります。担当者の一覧、気軽に話せる場、最初の1か月の相談相手を明示しておくと立ち上がりが変わります。

全員共通で自宅環境の情報セキュリティを押さえる

共有回線や家族と使う端末など、自宅ならではのリスクへの対応は立場を問わず共通で扱います。

社外での画面の見え方、私物端末での業務データの扱い、公衆Wi-Fiを使ってよいかなど、判断に迷う場面を具体例で示します。ルールを配って終わりにせず、「この場合はどうするか」を受講者に答えてもらう形式にすると記憶に残ります。

テレワーク研修の準備では何をそろえる?

準備で決めるのは、扱うテーマの絞り込みと実施形態、そして当日の環境です。ここが曖昧なまま日程だけ押さえると、内容が総花的になります。

現場の困りごとを事前に集めて内容を絞る

企画で最初に取りかかるのは、受講予定者へのアンケートで実際に起きている困りごとを集めることです。

「テレワークで困っていること」を自由記述で20〜30件も集めれば、報告のタイミング、会議の進め方、評価への不安といった塊が見えてきます。

件数の多い順に2つか3つへ絞り、それ以外は資料の巻末に回します。すべてを扱おうとすると、どれも表面をなぞって終わります。

自社実施か外部委託かを費用と工数で決める

外部の公開講座は1日あたり3万円台から7万円台が目安で、受講人数が増えるほど自社実施との差が開きます。

数名なら外部の講座に送るほうが早く、部署単位で数十名になると自社実施か講師派遣が現実的です。自社の制度やルールに沿った内容にしたい場合も、自社実施が向いています。

ただし資料づくりと進行に担当者の時間がかかるため、その工数も費用として見ておきます。

使用ツールと通信環境は前日までにテストする

画面共有、グループ分け、録画の動作は、当日と同じ環境で前日までに確かめます。

参加者側の環境は各自ばらばらで、カメラが映らない、音が出ないといったつまずきは必ず起きます。開始15分前から接続確認の時間を設け、その案内を事前メールに書いておくと本編の遅れを防げます。

資料とワークシートは事前に配布する

資料は前日までに配り、書き込むワークシートは印刷や複製ができる形で渡します。

画面共有だけだと手元にメモが残らず、後から見返せません。ファイル名に実施日と対象者を入れておくと、次回以降の使い回しも楽になります。

テレワーク研修はどんなスケジュールで組む?

半日で基本を押さえるか、1日でマネジメントまで扱うかで組み立てが変わります。当日の流れを時間割の形にしておくと、抜けや詰め込みすぎに気づけます。

半日3時間なら基本と自己管理までを扱う

半日の枠では、テレワークの前提整理と自己管理、オンラインでの伝え方までが入ります。

受講者を集めやすく、業務への影響も小さいため、最初の1回に選ばれることの多い形です。当日の流れは次のようになります。

時間 内容 ねらい
09:00〜09:15 接続確認・オープニング 環境の不具合をここで解消する
09:15〜09:45 テレワークで起きている課題の共有 自分の困りごとを言葉にする
09:45〜10:30 自己管理とタスクの可視化 1日の組み立て方を身につける
10:30〜10:40 休憩 画面から離れる時間を取る
10:40〜11:30 報告とオンラインでの伝え方 チャットと会議での書き方を練習する
11:30〜12:00 自社ルールの確認と行動計画 翌日から実行することを決める

1日6時間ならマネジメントとワークまで入れられる

1日の枠では、午前に全員共通の基礎、午後に管理職向けのマネジメントとグループワークを配置します。

午後は受講者が手を動かす時間を多めに取り、聞くだけの時間が続かないようにします。

時間 内容 ねらい
09:30〜10:00 オープニング・現状の共有 課題認識をそろえる
10:00〜11:00 テレワークで求められる働き方 対面との違いを整理する
11:00〜12:00 自己管理とタスクの可視化 進捗を見せる方法を身につける
12:00〜13:00 昼休憩 在席の合図の出し方も試す
13:00〜14:00 オンラインコミュニケーション チャットと会議の使い分けを知る
14:00〜15:00 部下のマネジメントと1on1 見えない相手への関わり方を学ぶ
15:00〜15:15 休憩 集中を切り替える
15:15〜16:15 グループワーク(自社ルールづくり) 部署ごとの運用に落とし込む
16:15〜16:30 行動計画の作成とまとめ 実行する行動を1つに絞る

導入前・導入直後・定着期で扱うテーマを変える

同じテレワーク研修でも、導入前は制度とルール、導入直後は仕事の進め方、定着期は評価とマネジメントへ重心が移ります。

導入前に評価の話をしても実感が湧かず、定着期に基本操作を扱っても退屈です。半年から1年おきに、そのときの課題へ合わせて内容を差し替える形にすると、繰り返し実施しても飽きられません。

一度に詰め込まず複数回に分けて実施する

画面越しの受講は集中が続きにくいため、3時間を超える内容は2回か3回に分けます。

集中の波はおよそ15分周期といわれ、長時間の一方通行は画面越しだと特に苦しくなります。1回2時間ほどに区切り、間に実践の期間を挟むと、次回に持ち寄る材料も生まれます。

テレワーク研修の当日はどう進める?

オンラインで実施する場合、対面と同じ進行をそのまま持ち込むとうまくいきません。時間の区切り方と役割分担、発言のしやすさを設計しておきます。

15分単位で区切って集中が切れないようにする

講義は15分前後で区切り、その都度チャットへの書き込みや短い問いかけを挟みます。

自宅には周囲の目がなく、手元のスマートフォンにも簡単に手が伸びます。受講者には、視界に入る場所に気の散るものを置かないよう事前に伝えておきます。

進行役とサポート役を分けて突発対応に備える

進行役のほかに、接続トラブルや質問対応を引き受けるサポート役をもう1人置きます。

進行役は話しながらチャットを追い続けられません。「入れない」「音が聞こえない」といった連絡の窓口を分けておけば、本編を止めずに済みます。よくある質問と回答を手元に用意しておくと、対応も早くなります。

話し合いは4人以下の小グループにする

グループ分けは4人以下にすると、発言のタイミングがつかみやすくなります。

人数が多いと同時に話し始めて譲り合う場面が増え、黙って聞くだけの人も出てきます。4人程度なら全員の顔が画面に収まり、話していない人にも気づけます。時間は10分から15分で区切り、戻ったあとに各グループから一言ずつ共有してもらいます。

終盤に自社ルールへ落とす時間を確保する

終わりの20分から30分は、学んだ内容を自部署の運用に当てはめて決める時間に使います。

「報告は毎朝チャットで」「会議は45分まで」のように、その場で言葉にしておくと翌日から動けます。決めた内容はその場で文書に残し、参加できなかったメンバーにも共有します。

テレワーク研修の内容を現場に定着させるには?

当日の満足度が高くても、1か月後に行動が変わっていなければ効果は測れません。終了時点で次の行動と確認の場まで決めておきます。

終了時に行動計画を各自で書き出す

受講者一人ひとりが、翌週から実行することを1つか2つに絞って書き出します。

抽象的な意気込みではなく、「毎朝9時にその日のタスクをチャットへ投稿する」のように、いつ何をするかまで決めてもらいます。上司にも共有しておくと実行が続きやすくなります。

1か月後にフォローアップの場を設ける

研修から1か月後に30分ほどの振り返りを入れ、続いていることと止まったことを確認します。

止まった行動には、たいてい仕組みの側に原因があります。通知設定や会議体の見直しといった、個人の努力では解けない部分を拾い上げる場になります。

決まったルールは文書化して見られる場所に置く

研修で決めたルールは口頭の合意で終わらせず、社内の誰でも開ける場所に文書として置きます。

新しく配属された人や中途入社者は、その文書を見れば運用がわかる状態になります。更新日と決めた経緯を残しておくと、後から見直すときの手がかりにもなります。

テレワーク研修を成果につなげるために

テレワーク研修は、対象者ごとに扱う内容を分け、現場で実際に起きている困りごとへ絞り込むところから始まります。一般社員には自己管理とタスクの可視化、管理職にはルールづくりと1on1、入社間もない人にはオンボーディングと、必要な内容は立場で変わります。準備の段階でアンケートを取り、実施形態と当日の環境まで決めておけば内容が散らかりません。

当日は、半日なら基本と自己管理まで、1日ならマネジメントとグループワークまでを時間割に落とします。

15分単位で区切り、話し合いは4人以下、進行役とサポート役は分ける。終盤に自社ルールを決める時間を取り、1か月後の振り返りまで最初から予定へ入れておけば、テレワークの研修が現場の運用として残ります。

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