• 更新日 : 2026年1月6日

長期投資は儲からない?よくある誤解と失敗しないための方法を解説

「長期投資は儲からない」という話を聞き、資産運用をためらったり、すでに始めている方は不安を感じたりしていないでしょうか。確かに、長期投資は短期間で大きな利益を生む手法ではなく、やり方を間違えると「長期投資のワナ」にはまり、期待した成果が出ないこともあるでしょう。しかし、長期投資が安定しやすいといわれるのには明確な理由があります。

この記事では、長期投資が儲からないといわれる背景と、経営者やビジネスパーソンが知っておくべき運用の実態をわかりやすく解説します。

広告

なお、マネーフォワード クラウド確定申告では、副業をしている人が確定申告する際に知っておきたい基礎知識や、確定申告の準備、確定申告書の作成方法・提出方法などを1冊にギュッとまとめた「副業の確定申告パーフェクトガイド」を無料で用意しております。

この記事を読む方におすすめ 副業の確定申告パーフェクトガイド
内容を見る 無料登録でもらう

税理士監修のワンポイントアドバイス付きで、はじめて副業の確定申告を行う人でもわかるように解説しています。

広告
副業の確定申告をラクに行う方法

副業の売上・経費入力や、申告書の作成から申告作業まで、1つで完結するのが「マネーフォワード クラウド確定申告」。家計簿感覚で簡単に使えるので、初めての方にも多くご使用いただいています。

スマホのほうが使いやすい方は、アプリからも副業の確定申告が可能です。

マネーフォワード クラウド確定申告
詳細はこちら 無料で使ってみる

長期投資は儲からない?

長期投資が儲からないかどうかは、何を期待するかによります。短期間で資産を数倍にすることを儲かると定義するなら、長期投資は向いていません。しかし、10年、20年という単位で、経済成長の恩恵を受けながら資産形成を目指すなら、実績のある手法です。

そもそも長期投資とは

長期投資とは、その名のとおり、長期的な視点で資産を保有し続ける投資手法です。一般的に「長期投資は何年以上」という厳密な定義はありませんが、多くの場合は5年、10年、あるいは20年以上を指します。

日々の株価の変動に一喜一憂せず、配当や利息を受け取りながら、投資先の企業や経済全体の成長とともに資産価値が上がるのを待ちます。これは、数分から数日のうちに売買を繰り返す「デイトレード」や「スイングトレード」とは対極にある考え方です。

「長期投資は儲からない」と言われる背景

長期投資が儲からないと言われる最大の理由は、成果が出るまでに時間がかかるためです。投資を始めた直後や数年間では、市場の変動によって元本(投資したお金)を下回ることも珍しくありません。

たとえば、2022年の米国市場のように、S&P500指数が一時約20%近く下落するような局面では、「インデックス投資を始めたのに儲からない」と感じる人が増えます。短期間の成果だけを見ると「儲からない」という結論になりがちですが、これは長期投資の特性を理解していないことからくる誤解ともいえるでしょう。

短期投資との期待値の違い

短期投資は、市場の価格変動を予測し、その差額で利益(キャピタルゲイン)を狙います。うまくいけば短期間で大きなリターンを得られますが、予測が外れれば大きな損失を被るリスクもあります。ゼロサムゲーム(誰かの利益が誰かの損失になる)に近い側面を持つでしょう。

一方、長期投資は、投資先の経済活動が生み出す価値(配当や利息=インカムゲイン)と、経済成長にともなう価値の上昇(キャピタルゲイン)をじっくりと受け取るものです。世界経済全体が成長することで「パイ」そのものが大きくなるため、プラスサムゲーム(参加者全体の利益がプラスになる)になりやすいのが特徴で、期待する利益の性質そのものが短期投資とは異なります。

長期投資が儲からないと感じる4つの理由とは?

長期投資を実践していても「儲からない」と感じる場合、いくつかの共通した原因が考えられます。多くの場合、投資手法そのものの問題ではなく、コストや心理面、商品選定に原因があります。

投資期間がまだ短い

最も多い理由が、投資期間の短さです。長期投資は、複利の効果(後述)が働くまでに時間がかかります。始めてから数年程度では、期待したほどの利益が出ないか、マイナスになることもあります。

特に「インデックス投資は儲からない」と感じる場合、相場が下落しているタイミングかもしれません。長期投資は、良いときも悪いときも市場に居続けることで平均購入単価を下げ、将来的な上昇局面で利益を出しやすくする手法です。10年未満の期間で判断するのは早計かもしれません。

手数料(コスト)の高い商品を選んでいる

見落としがちなのが、手数料です。たとえば、投資信託を保有している間、継続的に発生する「信託報酬」というコストがあります。

仮に、年率3%の運用リターンが期待できる商品でも、信託報酬が年率2%かかっていたら、実質的なリターンは1%になってしまいます。一方で、信託報酬が年率0.1%の商品なら、実質的なリターンは2.9%です。この差は、長期間になるほど雪だるま式に大きくなります。金融機関の窓口で勧められるがままに商品を選んだ場合、コストが割高になっていないか確認が必要です。

分散投資ができていない

「卵は一つのカゴに盛るな」という格言のとおり、投資先を一つに集中させると、その投資先が不調になったときに大きな打撃を受けます。たとえば、特定の国の株式だけに投資したり、過去に大きな成果を出した「長期株式投資 17銘柄」のような特定の優良銘柄群だけに集中投資したりする手法もありますが、その選定やタイミングには高度な判断が求められます。

初心者や、本業で忙しい経営者・担当者にとっては、特定の銘柄に集中するよりも、全世界の株式や債券に幅広く分散投資するほうが、リスクを抑えやすくなります。分散が不十分だと、市場全体の成長の恩恵を受けられず、結果として「儲からない」と感じる一因になります。

市場の変動に耐えられず売却してしまう

長期投資で失敗する典型的なパターンが「狼狽(ろうばい)売り」です。株価が暴落すると、「これ以上損をしたくない」という心理が働き、恐怖から保有資産をすべて売却してしまうことがあります。

しかし、歴史的に見れば、市場は暴落を繰り返しながらも長期では成長を続けてきました。最も価格が下がった底値圏で売却してしまうと、損失を確定させることになり、その後に訪れる回復局面の恩恵を受けられません。市場に居続けることをやめてしまうことこそ避けるべき「長期投資のワナ」です。

長期投資はなぜ安定するといわれるのか?

「長期投資は儲からない」という声の一方で、「長期投資は安定しやすい」ともいわれます。これは、短期的な価格変動のリスクを、時間をかけて低減させていく仕組みに基づいています。

複利の効果

複利とは、投資で得た利益(利息や配当)を元本に加えて再投資し、その合計額に対してさらに利益が生まれる仕組みです。

たとえば、100万円を年利5%で運用できた場合、単利(利益を再投資しない)なら10年後の利益は50万円です。しかし、複利(利益を再投資する)なら、10年後には約163万円(利益約63万円)になります。20年後には、単利では利益100万円ですが、複利では約265万円(利益約165万円)となり、差は歴然です。

この複利の効果は、期間が長くなるほど加速度的に威力を発揮します。長期投資が安定的に資産を増やすといわれる、最大の根拠です。

時間によるリスク分散(ドル・コスト平均法)

投資において価格変動リスクを完全に避けることはできません。しかし、時間を味方につけることで、その影響を和らげられます。代表的な手法が「ドル・コスト平均法」です。

これは、毎月1万円ずつ、というように、定期的に一定金額を買い付ける手法です。価格が高いときには少なく、価格が安いときには多く買い付けることになるため、平均購入単価を平準化できます。

一括で投資した場合、最高値で買ってしまう(高値掴み)と、回復までに時間がかかります。しかし、積立投資であれば、その後の下落局面でも買い続けることで、平均単価が下がり、市場が回復したときに利益が出やすくなります。これが、長期の積立投資が「安定」しやすいといわれる理由の一つです。

世界経済の長期的な成長

私たちが投資する株式や債券の価値は、企業活動や経済成長が源泉です。短期的には戦争や金融危機などで大きく落ち込むことがあっても、世界経済は長期的には成長を続けてきました。

たとえば、全世界の株式に分散投資するインデックスファンドを保有することは、世界経済全体の成長の恩恵を受けることにほかなりません。特定の企業が倒産するリスクはあっても、世界経済全体がゼロになることは考えにくいでしょう。この長期的な経済成長を信じることが、長期投資の基本的な考え方です。

長期投資の失敗パターン3つと対策方法は?

長期投資は安定しやすいとはいえ、やり方を間違えると失敗し、儲からない結果に終わることもあります。よくある失敗パターンと、それを避けるための対策を理解しておく必要があります。

失敗パターン1:流行やブームに乗る

「今、このテーマが熱い」「この銘柄が急騰している」といった情報に飛びつき、高値で買ってしまうのは典型的な失敗例です。長期投資のつもりが、実際には短期的な値上がり益を狙った投機になってしまっています。

ブームが去った後、価格が急落して塩漬け(売るに売れない状態)になり、結果として大きな損失を抱えることになります。

投資の基本は、自分が理解できるものに投資することです。短期的な流行ではなく、長期的な経済成長が見込める対象(全世界株式のインデックスファンドなど)を、投資の核に据えるべきです。

失敗パターン2:コストを軽視する

先述のとおり、手数料(コスト)は長期的なリターンを確実に蝕みます。特に、購入時に高額な手数料がかかる商品や、信託報酬が年率1.5%を超えるようなアクティブファンド(市場平均を上回る成果を目指すファンド)は注意が必要です。

アクティブファンドの中には市場平均を上回るものもありますが、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社の調査(SPIVA)など多くのデータが、長期的には8割以上のアクティブファンドがインデックスファンドの成績を下回っている事実を示しています。

投資信託を選ぶ際は、信託報酬が低いインデックスファンド(たとえば0.2%以下)を優先的に検討しましょう。NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用する場合も、対象商品のコストは必ず比較します。

失敗パターン3:「株価を気にしない」の誤解

長期投資では「日々の株価を気にしない」ことが推奨されます。これは、短期的な変動に一喜一憂して狼狽売りをしないための心構えです。

ただし、これは「完全に放置してよい」という意味ではありません。たとえば、経済構造の変化など、投資先の前提条件が大きく変わった場合や、自分の資産配分(アセットアロケーション)が当初の計画から大きく崩れた場合には見直しが必要です。

少なくとも年に1回は、自分の投資状況を確認しましょう。株価が上がって株式の比率が高くなりすぎたら、一部を売却して債券を買う(リバランス)など、当初決めたリスク許容度の範囲内に収める調整が求められます。

長期投資は何年以上が理想?10年・20年の実績から考える

「長期投資は何年以上続ければいいのか」という疑問は、多くの人が持つでしょう。過去の実績データを見ると、投資期間が長くなるほど、運用成果のブレ(リスク)が小さくなり、元本割れの可能性が低くなる傾向が明確に示されています。

投資10年でもマイナスの可能性は残る

たとえば、1985年以降のデータを用いて、国内外の株式と債券に均等に分散投資し、積立を続けた場合の運用成果を見てみましょう。

金融庁が公表している資料によれば、保有期間が5年の場合、運用成果は年率マイナス8%からプラス14%程度と、大きな幅があります。つまり、5年間の積立投資では、タイミングが悪ければ元本割れする可能性が十分にあることを示しています。

10年間保有した場合でも、成果のブレは小さくなるものの、一部の期間ではマイナスリターンとなる可能性が残ります。「長期投資 10年」は一つの目安ですが、それでも儲からない(元本割れする)リスクはゼロではないのです。

参考:金融庁「NISA早わかりガイドブック」

投資20年で元本割れのリスクはほぼ消滅する

同じ試算で、保有期間を20年に延ばした場合、過去の実績では、運用成果は年率2%から8%の範囲に収まり、元本割れしたケースはありませんでした。

これは、20年という期間があれば、複利の効果が十分に働き、途中にあった数々の経済危機(ITバブル崩壊、リーマンショックなど)による下落を乗り越え、世界経済の成長の果実を享受できたことを示しています。

もちろん、これは過去の実績であり、将来を保証するものではありません。しかし、「長期投資は何年以上」という問いに対して、「少なくとも10年、理想をいえば20年以上」というのが、過去のデータから導き出される一つの答えといえるでしょう。

参考:金融庁「NISA早わかりガイドブック」

長期投資で儲からないときの見直しポイントは?

「長期投資を10年続けても儲からない」「インデックス投資なのに成果が出ない」と感じた場合、感情的に売却する前に、冷静に見直すべき点が3つあります。

アセットアロケーション(資産配分)は適切か

期待するリターンに対して、とっているリスクが小さすぎる(または大きすぎる)のかもしれません。たとえば、安定志向で国内債券の比率を極端に高くしている場合、大きな値上がりは期待できません。逆に、リスクをとりすぎて株式100%にしていると、下落局面での精神的な負担が大きくなります。

自分がどれくらいのリスクをとれるのか(リスク許容度)を再確認し、それに見合った資産配分(株式、債券、不動産などの比率)になっているかを見直しましょう。年齢や家族構成、事業の状況によって、最適な配分は変わっていきます。

保有商品のコストは高くないか

改めて、保有している投資信託や保険商品の手数料を確認してください。特に、信託報酬(保有中にかかるコスト)です。

もし信託報酬が年率1%を超えるような商品で運用成績が振るわない場合、同じ投資対象(たとえばS&P500や全世界株式)で、より低コストのインデックスファンドに乗り換える(買い替える)ことも選択肢になります。長期投資において、コストはリターンを押し下げる要因といえます。

投資の目的を再確認する

そもそも、何のために投資を始めたのかを思い出しましょう。老後の資金、子どもの教育費、あるいは会社の将来のための資産防衛かもしれません。

目的が明確であれば、途中の株価変動は単なる過程にすぎません。「長期投資は株価を気にしない」というのは、日々の価格ではなく、自分の目的に向かって資産が育っているかという大局を見ることです。目的と期間が明確になれば、短期的に儲からないからといって焦る必要はないはずです。

「長期投資が儲からない」は誤解

「長期投資は儲からない」という言葉は、多くの場合、投資期間の短さや、手数料の高い商品を選んでいるといった「長期投資のワナ」にはまった結果論です。過去の実績データが示すとおり、10年、20年と期間が長くなるにつれて、複利の効果と時間分散が働き、安定したリターンが期待できるようになります。

もちろん、投資である以上リスクはあり、インデックス投資であっても元本割れする期間はあります。しかし、世界経済の長期的な成長を前提とするならば、コストを抑え、分散を効かせ、市場に居続けることが、長期投資で失敗しないための本質といえるでしょう。儲からないと感じる時期こそ、自らの投資目的を再確認する良い機会ではないでしょうか。

広告
ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

マネーフォワード クラウド確定申告の導入事例

データ連携機能を使って、銀行やクレジットカードの明細データを自動で取り込むようになってからは、会計ソフトへの入力作業が減ったので、作業時間は1/10くらいになりましたね。

ハンドメイド作家・ブロガー 佐藤 せりな 様

右矢印アイコン もっと読む

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事

広告