• 作成日 : 2025年9月25日

キッチンカーの道の駅での出店料はいくら?料金相場と出店方法を解説

キッチンカーで道の駅に出店する場合の出店料は、1日あたり数千円の固定制から売上の10~20%程度の歩合制までさまざまです。出店料は場所の集客力や提供される設備によって変動し、ビジネスの収益性を左右する要素になります。

この記事では、キッチンカーの道の駅での出店料の相場や料金体系、出店方法、経費の考え方まで、経営者が知りたい情報を網羅的に解説します。

キッチンカーの道の駅での出店料はいくら?料金体系を解説

キッチンカーが道の駅に出店する際の料金は、大きく分けて「固定料金制」と「売上歩合制」の2種類、またはその組み合わせで決まることが一般的です。場所や条件によって大きく異なるため、事前の確認が欠かせません。

固定料金制の相場

固定料金制は、売上にかかわらず毎日一定の金額を支払う方式です。道の駅の出店料の相場は、1日あたり3,000円~15,000円程度が目安となります。

平日か土日祝日か、また施設の規模や集客力によって金額は変動します。たとえば、小規模な道の駅の平日であれば数千円、観光客でにぎわう大規模な道の駅の土日祝日であれば1万円を超えることもあります。売上が多ければ利益率が高くなる一方、天候不順などで客足が伸び悩んだ場合でも固定費が発生する点には注意が必要です。

売上歩合制の相場

売上歩合制は、その日の売上に対して決められた料率を乗じた金額を支払う方式です。相場は売上の10%~20%程度とされています。

この方式のメリットは、売上が少なかった場合に出店料の負担を抑えられる点です。とくに出店を始めたばかりで売上の見通しが立てにくい時期には、リスクの少ない選択肢といえるでしょう。

ただし、売上が伸びるほど支払う金額も増えるため、人気メニューがあり高い売上が見込める場合には、固定料金制のほうが高収益になる可能性もあります。

固定料金と売上歩合の複合型

場所によっては、最低保証料金が設定された固定料金制に、売上に応じた歩合が上乗せされる複合型のケースもあります。たとえば、「1日の出店料5,000円、または売上の15%のいずれか高い方」といった契約です。

これにより、道の駅側は最低限の収益を確保しつつ、出店者の売上増加に応じた利益も得られる仕組みになっています。契約内容はよく確認しましょう。

キッチンカーの出店料が高いと感じる理由と相場比較

「キッチンカーの出店料は高い」と感じることがあるかもしれません。とくに道の駅や商業施設は、他の場所に比べて料金設定が高めになる傾向があります。その背景には、安定した集客力や充実した設備といった、出店者側にとってのメリットが存在します。

道の駅の出店料が高い背景

道の駅の出店料が比較的高く設定されているのには、明確な理由があります。

  • 集客力と売上への期待: 道の駅は、旅行者や地元住民が目的地として訪れる場所であり、常に一定の集客が見込めます。とくに週末や観光シーズンには多くの人が集まるため、高い売上が期待できるでしょう。場所を貸す側は、その集客力を提供する対価として出店料を設定しています。
  • インフラの提供: 出店場所によっては、電源や水道、トイレといったキッチンカーの運営に欠かせない設備を利用できる場合があります。これらのインフラコストが出店料に含まれていることも、料金が高くなる一因です。

【場所別】キッチンカー出店料の相場比較

出店場所によって料金相場は大きく異なります。道の駅以外の主な出店場所の料金相場と比較してみましょう。

商業施設(イオンなど)

料金は固定制か売上歩合制で、相場は1日5,000円~数万円、または売上の15%~25%と、道の駅よりやや高めの傾向です。非常に高い集客力が見込める一方、出店審査が厳しいことも特徴です。

イベント・フェス

料金は固定制がほとんどで、1日10,000円から、大規模なものになると数十万円にのぼることもあります。出店料は高額ですが、短期間で大きな売上を上げるチャンスがあります。

マルシェ・朝市

固定料金制が中心で、1日2,000円~10,000円と比較的安価です。地域に密着しており、こだわりの商品を求めるお客さんが集まりやすい場所です。

オフィス街のランチ

固定制または歩合制で、相場は1日1,000円~5,000円、または売上の10%~15%です。平日の昼間にターゲットが絞られますが、常連客をつかみやすいメリットがあります。

キッチンカーで道の駅に出店する方法と流れ

キッチンカーで道の駅に出店するには、いくつかの手順をふむ必要があります。思い立ってすぐに出店できるわけではなく、事前の準備と手続きが求められます。

ステップ1:出店したい道の駅の情報を集める

まずは、出店を希望するエリアにある道の駅の情報を収集します。各道の駅の公式ウェブサイトを確認したり、実際に足を運んで雰囲気を確かめたりしましょう。

ウェブサイトには、キッチンカーの募集情報が掲載されていることがあります。「テナント募集」や「出店者募集」といったページを探してみてください。情報が見つからない場合は、電話で直接問い合わせるのが確実です。その際は、担当部署や担当者名を確認しておくと、その後のやりとりがスムーズに進みます。

ステップ2:申し込みと必要書類の提出

募集が見つかったら、指定された方法で申し込みます。多くの場合、申込書や企画書の提出が求められます。

一般的な必要書類は以下のとおりです。

  • 出店申込書(道の駅の指定様式)
  • 営業許可証のコピー
  • 食品衛生責任者の資格を証明するもののコピー
  • 検便の検査成績書のコピー
  • PL保険(生産物賠償責任保険)の加入者証のコピー
  • 車検証のコピー
  • 提供メニューの写真や説明資料

これらはあくまで一例であり、道の駅によって必要な書類は異なります。募集要項をよく確認し、漏れなく準備しましょう。とくに、コンセプトやメニューのこだわりを伝える企画書は、審査において重要なアピール材料となります。

ステップ3:審査・面談

書類を提出すると、道の駅の運営者による審査が行われます。審査では、主に以下の点がチェックされます。

  • コンセプトの合致: キッチンカーのコンセプトや提供メニューが、道の駅のコンセプトや他の店舗と合っているか。
  • メニューの独自性: 他の出店者とメニューが重複していないか。
  • 衛生管理体制: 食中毒などを防ぐための衛生管理が徹底されているか。
  • 営業実績: 他の場所での出店実績があるか。

書類審査を通過すると、担当者との面談に進むのが一般的です。面談では、出店にかける思いや具体的な運営方法について説明を求められます。

ステップ4:契約の締結

無事に審査と面談を通過すれば、契約手続きに進みます。契約書には、出店料の金額や支払い方法、出店可能な曜日や時間、搬入・搬出のルール、ゴミの処理方法、提供してはならないメニューなど、遵守すべき事項が細かく記載されています。契約内容は隅々まで目を通し、不明な点があれば必ず契約前に確認するようにしてください。

キッチンカーの出店場所探しで失敗しないためのポイント

道の駅は魅力的な出店場所ですが、すべてのキッチンカーにとって最適とは限りません。出店場所探しで失敗しないためには、出店料だけでなく、さまざまな角度から検討することが重要です。

コンセプトと客層の相性を見極める

自分のキッチンカーが提供するメニューやコンセプトと、その場所を訪れる客層が合っているかを見極めましょう。たとえば、平日の道の駅は地元の高齢者やトラックドライバーの利用が多いかもしれません。

一方で、休日は観光客やファミリー層でにぎわいます。平日に若者向けのスイーツを販売しても、期待するほどの売上にはつながらない可能性があります。事前に曜日や時間帯を変えて現地を視察し、どのような人が訪れるのかを自分の目で確かめることが大切です。

集客力と競合のバランスを調べる

集客力が高い場所は魅力的ですが、その分、競合のキッチンカーや常設の飲食店も多い傾向にあります。自分と似たようなメニューを提供するライバルがいないか、いる場合は価格設定や品質で差別化できるかを検討しなくてはなりません。

逆に、集客力はそこそこでも競合がまったくいなければ、独占的に販売できる可能性もあります。人通りの多さだけでなく、競合の状況もふまえて冷静に判断しましょう。

「出店料無料」の場所の注意点

イベントや地域の催しなどで、まれに「出店料無料」で出店できる場所が見つかることがあります。コストを抑えられるため非常に魅力的に見えますが、注意も必要です。なぜ無料なのか、その理由を考えてみましょう。

集客を目的とした主催者側の意図がある場合が多いですが、集客自体が未知数であったり、運営のサポートが手薄だったりするケースも考えられます。契約条件をよく確認し、無料であることのリスクも理解したうえで判断することが求められます。

契約内容は細部まで確認する

出店場所が決まったら、必ず書面で契約を交わします。口約束はトラブルのもとです。契約書では、出店料や期間はもちろん、以下の点も確認しておきましょう。

  • 出店できる正確な場所と広さ
  • 出店時間(準備・片付けの時間を含む)
  • 電源や水道の有無と使用料
  • ゴミの処理方法と費用負担
  • キャンセル規定(悪天候時の対応など)
  • 販売禁止品目

不利な条件がないか、不明瞭な点はないか、契約前にすべてクリアにしておくことが、安心して営業するための基本です。

キッチンカー出店料の勘定科目は?経費計上のポイント

キッチンカーの出店料は、事業運営に必要な経費として計上できます。経理処理を正しく行うことで、正確な損益の把握と適切な節税につながります。

出店料に使う勘定科目

キッチンカーの出店料を仕訳する際に使用する勘定科目は、契約形態によって使い分けるのが一般的です。

  • 地代家賃(ちだいやちん): 固定の場所を継続的に借りて出店する場合に使います。たとえば、特定の道の駅と月契約を結び、決まった区画で営業するようなケースです。場所代としての性格が強い場合にこの勘定科目を用います。
  • 支払手数料(しはらいてすうりょう): 売上歩合制の場合や、イベントなどで単発的に場所を借りる際に適した勘定科目です。場所の利用だけでなく、販売するための手数料という性格が強い場合に用います。
  • 広告宣伝費(こうこくせんでんひ): イベント出店などで、出店料にPRや宣伝の要素が含まれていると考えられる場合に使用することもあります。

どの勘定科目を使うべきか厳密なルールはありませんが、一度決めた科目は継続して使用するのが会計処理の原則です。迷う場合は、税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。

出店料以外の経費

キッチンカー事業では、出店料以外にもさまざまな経費が発生します。主な経費の勘定科目は以下のとおりです。

  • 仕入高: 食材やドリンク、消耗品(容器、割り箸、おしぼりなど)の購入費用。
  • 水道光熱費: 仕込み場所のガス代や水道代、出店場所で電源を使用した際の電気代など。
  • 車両費: ガソリン代、駐車場代、自動車保険料、車検代など。
  • 減価償却費: キッチンカー(車両本体と厨房設備)の購入費用を、耐用年数に応じて毎年経費計上するもの。
  • 雑費: 他のどの勘定科目にも当てはまらない少額の経費。

これらの経費を漏れなく計上することで、事業の利益を正しく計算し、所得税や住民税の納税額を適正に管理できます。日々の取引を記録し、レシートや領収書は必ず保管しておきましょう。

キッチンカーの出店料を正しく理解し事業計画に活かす

キッチンカーの道の駅での出店料は、固定制で1日3,000円から15,000円、歩合制で売上の10%から20%が相場です。この料金は、道の駅が持つ安定した集客力やインフラの対価と考えることができます。出店料は「地代家賃」や「支払手数料」といった勘定科目で経費計上し、正確な損益管理を行うことが経営の基本となります。

出店を成功させるには、料金の比較だけでなく、自身のコンセプトと場所の客層との相性を見極めることが不可欠です。事前のリサーチを徹底し、契約内容を精査することで、出店料という投資を最大限に活かせるようになるでしょう。


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