• 作成日 : 2026年1月14日

一般社団法人の作り方ガイド!条件や設立手順、必要書類、費用、使える助成金など徹底解説

一般社団法人は、株式会社やNPO法人と比較して、設立のハードルが低く、スピーディーに法人化できるのが特徴です。設立費用は、電子定款を利用して自分で手続きを行えば、法定費用として最低約11万円から設立可能です。

本記事では、一般社団法人の設立条件から設立後の手続きまでの手順、株式会社やNPO法人との違い、メリット・デメリットまで詳しく解説します。これから非営利型の法人設立を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも一般社団法人とは?

一般社団法人とは、人の集まりに法人格を与えた団体です。 利益を出すこと自体は可能ですが、株式会社のように社員へ配当(剰余金分配)できない点が大きな特徴です。

営利を目的としない非営利法人ですが、事業内容に制限はなく、収益事業を行うことも可能です。

非営利と営利の違いは?

非営利とは、利益を出してはいけないという意味ではありません。利益を分配(配当)してはいけないという意味です。

  • 株式会社(営利):利益を株主に配当できる。
  • 一般社団法人(非営利):利益を分配できず、次の活動資金や給与・報酬に充てる。

行政庁の認可が不要なため、要件さえ満たせば誰でも登記のみで設立できるのが大きなメリットです。

一般社団法人の設立に必要な条件は?

一般社団法人の設立において、最も特徴的な要件は「社員2名以上」と「資本金不要」の2点です。社員は法人格でも問題ありません。

  • 社員(構成員): 設立時に2名以上必要です(個人・法人のどちらでも可)。法人の最高意思決定機関である社員総会で議決権を行使します。
  • 資本金: 株式会社のような資本金制度がないため、出資義務はありません。活動資金は基金として募るか、会費等で賄います。

一般社団法人・株式会社・NPO法人の違いは?

設立を迷われている方のために、主要な法人格の違いを整理しました。一般社団法人は「スピード」と「初期費用の安さ」でバランスが取れています。

※ここでいう「社員」は一般社団法人の構成員で、議決権を有します。

項目一般社団法人株式会社NPO法人
設立目的非営利
(適法なら広く認められる)
営利
(利益追求)
非営利
(社会貢献活動)
設立期間2週間~1ヶ月程度2週間~1ヶ月程度3ヶ月~半年程度
資本金不要
(0円でも可)
1円以上不要
最低人数社員2名以上発起人(設立時社員)1名以上社員10名以上
監督官庁原則なしなし所轄庁
(都道府県など)
利益分配不可(配当禁止)可(株主配当)不可
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一般社団法人の作り方・自分で設立する手順は?

ここでは、一般社団法人の具体的な作り方・設立の流れを解説します。

1. 基本事項の決定

まずは2名以上の社員を確保し、法人の骨格となる基本ルールを決定します。社員は定款に沿って意思決定を行う重要な役割を担います。

この段階で確定させるべき事項は以下の通りです。

  • 名称:前後に必ず「一般社団法人」を入れる必要があります。
  • 事業目的:何を行う法人なのかを明確にします。収益事業の内容も記載可能です。
  • 主たる事務所の所在地:登記上の住所を決めます。自宅やレンタルオフィスも可能です。
  • 役員構成:理事(業務執行を行う人)を最低1名選任します。

2. 定款の作成

法人の憲法である「定款」を作成します。紙ではなく電子定款にすることで印紙代4万円を節約できます。

定款には、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」があります。

絶対的記載事項
  • 目的と運営実態
  • 名称
  • 主たる事務所の所在地
  • 設立時社員の氏名(または名称)及び住所
  • 社員の資格の得喪に関する規定
  • 公告方法
  • 事業年度

また、非営利型一般社団法人として税制優遇を受ける場合は、「剰余金の分配を行わない」旨や「解散時の残余財産を国や公益団体に贈与する」旨を定款に明記する必要があります。

3. 公証役場での定款認証

作成した定款は、公証役場で公証人の認証を受けることで初めて法的な効力を持ちます。株式会社と同様に、一般社団法人もこの認証手続きが必須です。

  1. 事前確認:作成した定款案を公証役場へFAXやメールで送り、内容に不備がないか事前チェックを受けます。
  2. 認証予約:内容が確定したら、訪問日時を予約します。
  3. 当日の認証:電子定款の場合は、CD-Rなどの媒体やオンラインシステムを使用します。設立時社員が公証役場へ出向くか、代理人(行政書士など)に依頼します。

参考:9-4 定款認証 | 日本公証人連合会

4. 法務局への登記申請

定款認証が終わったら、管轄の法務局へ書類を提出します。この申請日が法人の設立日となります。土日祝日は法務局が休みのため、設立日に指定できませんのでご注意ください。

申請には「登記申請書」のほか、認証済み定款、設立時理事の就任承諾書、印鑑証明書(理事全員分)、法人の実印を押印した印鑑届書などが必要です。 これら一式を揃えて窓口へ持参するか、郵送にて提出します。

書類に不備がなければ、申請から概ね1週間〜10日程度で登記が完了します。

参考:商業・法人登記の申請書様式|法務局

5. 設立完了後の諸手続き

登記が完了し、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)や印鑑証明書が取得できるようになったら、速やかに税務署や銀行での手続きを行います。登記完了だけでは事業を開始するための環境は整っていません。

具体的には以下の手続きが必要です。

  • 税務署・都道府県税事務所:法人設立届出書」「青色申告の承認申請書」「給与支払事務所等の開設届出書」などを提出します。
  • 銀行口座の開設:登記事項証明書と印鑑証明書を持参し、法人口座を開設します。一般社団法人の口座開設は審査に時間がかかる場合があります。
  • 年金事務所:社長1名のみの法人であっても、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入は義務ですので、実際に設立する際は社労士等に確認することをお勧めします。

一般社団法人の設立費用は?

一般社団法人を自分で設立する場合の法定費用は約11万2,000円ですが、専門家に依頼する場合は追加で10万〜15万円程度の報酬が発生します。

設立コストを抑えるポイントは、電子定款の利用です。紙の定款で認証を受ける場合は収入印紙代(4万円)が必要ですが、電子定款であれば不要になります。

設立費用の内訳
  1. 定款認証手数料: 50,000円(公証役場へ支払い)
  2. 定款の謄本交付手数料: 約2,000円(ページ数による)
  3. 登録免許税: 60,000円(法務局へ支払い)
  4. 収入印紙代: 0円(電子定款の場合)または40,000円(紙の定款の場合)

司法書士などの専門家に依頼すると、電子定款作成に対応しているため印紙代4万円を節約でき、実質的な依頼コストの負担感を減らすことができます。

一般社団法人の登記申請の必要書類は?

手続きには多くの書類が必要です。「定款認証時」と「登記申請時」で必要なものが異なります。

定款認証に必要な書類(公証役場へ提出)

  • 定款(電子定款の場合はデータ)
  • 設立時社員全員の印鑑証明書(発行3ヶ月以内のもの)
  • 実質的支配者となるべき者の申告書
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • ※代理人が行う場合は委任状

登記申請に必要な書類(法務局へ提出)

  • 設立登記申請書
  • 定款(認証済みのもの)
  • 設立時理事の就任承諾書
  • 印鑑証明書(理事のもの)
  • 印鑑届書(法人の実印を登録する書類)
  • 設立時代表理事選定書(理事会設置時など必要な場合のみ)

一般社団法人を設立するメリットは?

一般社団法人を設立するメリットは、行政庁の許認可なしで法人格を取得でき、対外的な信用と税制メリットを享受できる点です。

1. 非営利型なら税制優遇が受けられる

定款に「剰余金の分配を行わない」旨などを定め、要件を満たした「非営利型一般社団法人」となれば、収益事業から生じた所得のみが課税対象となります。会費や寄付金などは非課税となるため、税負担を大きく軽減できます。

2. 資本金0円・行政許可不要で設立可能

株式会社のような資本金の概念がなく、0円からスタートできます(活動資金として基金を募ることは可能)。また、NPO法人のような所轄庁の認証期間がないため、登記手続きのみでスピーディーに設立できます。

参考:一般社団法人・一般財団法人と法人税|国税庁

3. 事業内容の制限が少ない

非営利といっても、ボランティア活動に限られるわけではありません。法に触れない限り、収益事業をメインに行うことも可能です。株式会社と同じようにビジネスを展開し、得た利益を次の活動資金に回すことができます。

一般社団法人を設立するデメリットは?

デメリットは、利益を構成員に分配(配当)できない点と、登記手続きの手間とコストがかかる点です。

1. 剰余金の分配(配当)は一切禁止

事業で大きな利益が出ても、社員(構成員)や設立者に配当という形で還元することは法律で禁止されています。利益はあくまで法人の活動資金や、役員報酬・従業員給与として支払う必要があります。

3. 役員の任期管理と重任登記のコスト

理事(取締役相当)の任期は原則2年です。同じ人が続ける場合でも、2年ごとに法務局で「重任登記」を行う必要があり、原則的にはその都度登録免許税(1万円または3万円)と司法書士報酬等のコストが発生します。

3. 個人事業主のような事業主貸は不可

法人のお金を私的に流用することは厳禁です。会計処理が厳格になり、個人事業主時代のように「事業用の財布から生活費を出す」といった曖昧な資金管理は許されません。

一般社団法人の設立に関してよくある質問

最後に、一般社団法人の設立に関してよくある質問とその回答をまとめました。

一般社団法人の設立時に活用できる助成金・補助金はありますか?

設立そのものに対する助成金はほとんどありませんが、設立後の事業運営に使える補助金は存在します。

一般社団法人は、株式会社と同様に「小規模事業者持続化補助金」や「IT導入補助金」などの対象になる場合があります。。また、非営利活動を行う場合は、民間財団などの助成プログラムに応募できるチャンスも広がります。設立段階から、将来的に申請可能な助成金をリサーチしておくことを推奨します。

参考:小規模事業者持続化補助金IT導入補助金

一般社団法人の設立までにかかる期間はどれくらいですか?

スムーズに進めば、準備開始から2週間〜1ヶ月程度で設立可能です。

定款の作成や事前確認に1週間程度、公証人の認証予約に数日、そして法務局への登記申請から完了までに1週間〜10日程度かかります。NPO法人の設立には3ヶ月〜半年かかるのと比べると、非常にスピーディーに法人格を取得できるのが一般社団法人の強みです。

一般社団法人の設立に向けて第一歩を踏み出そう

一般社団法人は、許認可が不要で比較的短期間かつ低コストで設立できるため、非営利活動やコミュニティ運営の法人化に適した選択肢です。株式会社とは異なり利益配当はできませんが、社会的信用の獲得や税制優遇の可能性があります。手続きは「定款認証」と「登記」が大きな山場となりますが、電子定款を活用すれば費用を抑えることも可能です。

まずは2名以上のメンバーを集め、基本事項の決定から始めてみてはいかがでしょうか。


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