• 更新日 : 2025年11月11日

工事請負契約書の収入印紙の金額はいくら?軽減措置や不要なケースも解説

工事請負契約書の収入印紙について「この金額で合っている?」「軽減措置はいつまで?」といった疑問はありませんか?本記事では、2025年の印紙税額一覧表を冒頭で分かりやすく解説。さらに、印紙が不要になる3つの例外ケースからペナルティ、実務で役立つFAQ(よくある質問)まで、徹底的に掘り下げます。正しい知識を身につけ、コスト削減とトラブル回避を実現しましょう。

目次

【2025年最新一覧】工事請負契約書の収入印紙の金額はいくら?

印紙税法で定められている通り、工事請負契約書に貼る収入印紙の金額は、契約書に記載された契約金額に応じて決まります。

特に、建設工事の請負に関する契約書は現在、税負担を軽くするための印紙税の軽減措置が適用されています。次の項目で、具体的な税額を一覧で確認していきましょう。

契約金額ごとの印紙税額一覧(軽減措置対応|令和9年3月31日まで)

以下の表では、契約金額ごとに現在適用される印紙税額をまとめています。本来の税額(本則)も併記していますので、軽減措置によってどれくらい負担が軽くなっているかの目安としてご参照ください。

契約書に記載の契約金額本来の税額(本則)軽減後の税額
請負契約で金額の記載がないもの200円200円
1万円未満非課税非課税
1万円以上~100万円以下200円200円
100万円超~200万円以下400円200円
200万円超~300万円以下1,000円500円
300万円超~500万円以下2,000円1,000円
500万円超~1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円超~5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超~1億円以下6万円3万円
1億円超~5億円以下10万円6万円
5億円超~10億円以下20万円16万円
10億円超~50億円以下40万円32万円
50億円超~60万円48万円

【重要】印紙税の軽減措置はいつまで?法改正の経緯

この印紙税の軽減措置は、建設投資の後押しなどを目的として「租税特別措置法」に定められています。

もともとは平成26年4月1日から始まった時限的な措置でしたが、景気動向などに応じてこれまで複数回(直近では平成30年、令和2年、令和4年)にわたり2年ずつ適用期間が延長されてきました。

そして直近の令和6年度税制改正により、適用期限が令和9年(2027年)3月31日まで3年間、再延長されています。この期限を過ぎると、原則として本来の高い税額(本則税率)に戻ります。ただ、これまでも景気動向などに応じて延長されてきた経緯があるため、高額な契約を予定している場合は、常に最新の情報を確認するよう心がけましょう。

参考:e-Gov 法令検索 印紙税法
参考:e-Gov 法令検索 租税特別措置法
参考:国税庁 印紙税額の一覧表(第1号文書から第20号文書まで)
参考:国税庁 「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の印紙税の軽減措置の延長について

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収入印紙が不要になるのはどんな時?原則と3つの例外ケース

結論から言うと、工事請負契約書には原則として収入印紙の貼付が必要です。これは、工事請負契約書が印紙税法上の「第2号文書(請負に関する契約書)」に該当する課税文書だからです。

ただし、法律で定められた特定の条件下では印紙が不要になります。具体的に見ていきましょう

ケース1. 契約金額が1万円未満の場合

契約書に記載された契約金額が1万円未満の場合、印紙税は非課税となり、収入印紙を貼る必要はありません。

これは印紙税法で定められているルールです。例えば、9,900円(税込)の小規模な修繕契約書などでは印紙は不要です。

ケース2. 電子契約で締結する場合

電子契約で工事請負契約を締結する場合、契約金額にかかわらず収入印紙は不要です。 その理由は、印紙税法の課税対象が「紙の文書」を前提としているからです。具体的には、以下の2つの法的解釈に基づいています。

  1. 課税対象となる「文書」に電子データが含まれないこと:印紙税法でいう課税対象の「文書」とは、紙などの物理的な媒体を指します。そのため、PDFなどの電子データで作成された契約書は、そもそも課税対象の「文書」に該当しません。
  2. 課税原因となる「作成」に該当しないこと:印紙税法上の課税タイミングである「作成」とは、紙の文書を相手方に交付することを指します。電子契約では、物理的な「交付」という行為が発生しないため、課税原因が成立しないとされています。

このように、電子データそのものは課税対象外ですが、一つ重要な注意点があります。それは、契約書の電子ファイルを紙に印刷し、双方の署名や押印があるものを相手方に交付した場合です。このケースでは、その「紙の書面」が課税文書とみなされ、印紙税が必要になるため覚えておきましょう。

電子契約について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ケース3. 国や地方公共団体などが作成する契約書の場合

契約の当事者の一方が国、地方公共団体、またはその他印紙税法で定められた非課税法人である場合、これらの団体が作成・保管する契約書については収入印紙が不要です。

これは、国や地方公共団体などが自身の業務のために作成する文書は非課税であると、印紙税法第5条で定められているためです。

工事請負契約書の印紙の貼り方

印紙を貼り付ける場所について法的な定めはありませんが、一般的には1枚目の左上に貼付します。署名欄に貼付するケースもあります。

工事請負契約書の印紙の貼り方

印紙を貼付した際には、消印が必要です。消印は印章か署名で行い、いずれも場合も書類と印紙の彩紋(模様)の上にかかるようにします。

印紙に消印の押し方

印紙を貼り付けていたとしても、消印がないものは無効であり印紙税を納付したことにならないため注意しましょう。

工事請負契約書に印紙がないとどうなる?

工事請負契約書に印紙がない場合、ペナルティが発生する可能性があるため注意が必要です。ここでは、工事請負契約書に印紙がないとどうなるのかを解説します。

契約内容は無効にならない

工事請負契約書に印紙がない場合でも、契約自体の効力には影響しません。つまり、印紙の有無にかかわらず、契約内容は有効です。

これは、印紙税の納税が契約の成立要件ではないためです。印紙を貼付する義務がある契約書に印紙を貼っていない、すなわち納税の義務を怠っていることについては違法行為に該当しますが、その効力は契約自体には及びません。

消印をし忘れた場合も同様です。

過怠税が徴収される

印紙が必要な契約書に印紙を貼らなかった場合、契約が無効になることはないものの印紙税法違反になるため、過怠税が徴収されます。過怠税は、本来納付すべき印紙税額にその税額の2倍の金額、つまり元の税額の3倍相当です。消印忘れの場合は、印紙税額に相当する過怠税が徴収されます。

ただし、納税忘れを自ら税務署に申告した場合は、本来の税額プラス税額の10%に過怠税が軽減されます。

契約書に印紙が貼られていない場合について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

参考:e-Gov 法令検索 印紙税法

工事請負契約書の割印のやり方

工事請負契約書に割印を押す目的は、契約書が複数の文書になった際にその文書が同一の内容であることを担保することです。割印に使用する印章についての定めは特になく、その契約書に捺印した印章をそのまま使用するケースが多い傾向があります。

縦長の割印専用の印章も販売されていますが、必ずそれを使用しなければならない、というわけではありません。ただ、3枚以上の文書に割印をする場合は縦長の割印が使いやすいでしょう。

割印専用の印章の一般的なサイズは、以下の3種類です。書体は篆書体、古印体、印相体が多く用いられています。

【割印専用印章の一般的なサイズ】
  • 12.0mm×30.0mm
  • 13.5mm×33.0mm
  • 15.0mm×36.0mm

割印として認められる方法

割印は、押し方についての法的な定めはありません。文書全体に押されていれば効力が認められます。

割印として認められる押し方

工事請負契約書に割印を押す際には、文書を上下に少しずらし、すべての文書に印影がかかるように押印しましょう。割印は契約の当事者双方が行うのが一般的ではありますが、片方の割印のみでも割印としての効力は有効です。

割印として認められない方法

割印は実印である必要はなく認印で問題ありませんが、一般的に契約書にはインク内蔵型の印章の使用は不可とされていることが多く、その場合は認められません。また、すべて文書に印影が確認できない場合はその契約書の同一性が担保されないため、割印としては無効です。

なお、割印が正しい方法で押されておらず有効性が認められない場合であっても、契約書の法的効力に影響はありません。割印がなくても、契約そのものは成立します。

工事請負契約書の印紙税を節税するポイント

契約金額が大きくなると、印紙税の負担も増します。少しでも節税できるよう、ここでは工事請負契約書の印紙税を節税するためのポイントを紹介します。

 契約金額を「税抜表示」にして基準額を下げる

契約書の金額表示を工夫することで、印紙税額が変わる場合があります。印紙税は、消費税額が明確に区分されていれば、税抜きの契約金額を基準に算定されるためです。

【具体例:契約金額が1,100万円(税込)の場合】
  • 悪い例:契約金額1,100万円とだけ記載
    • → 1,000万円超に該当し、印紙税は 1万円(軽減後)
  • 良い例:契約金額1,000万円、うち消費税額110万円 と記載
    • → 税抜1,000万円と見なされ、1,000万円以下に該当。印紙税は 5,000円(軽減後)

このように記載を分けるだけで、5,000円の節税になります。ただし、トラブル防止のため、契約相手には事前にこの記載方法について説明し、合意を得ておきましょう。

複数の契約書を1つにまとめて印紙を節約する

もし設計契約と工事契約などを個別に締結している場合、それらを一つの「設計・施工請負契約書」としてまとめることで、印紙税を節約できる可能性があります。

特に、設計業務委託契約書は印紙税の軽減措置の対象外のため、一体化するメリットは大きくなります。

【具体例:設計費3,000万円、工事費3億円のケース】
  • 別々に契約する場合:
    • 設計契約書(3,000万円):印紙税 2万円
    • 工事請負契約書(3億円):印紙税 6万円(軽減後)
    • → 合計:8万円
  • 1つにまとめる場合:
    • 設計・施工請負契約書(3億3,000万円):印紙税 6万円(軽減後)
    • → 合計:6万円 (2万円の節約)

このように、契約全体を一つにまとめることで節税につながるケースがあるため、複数の契約を交わす際は検討してみましょう。

工事請負契約書の無料ひな形・テンプレート

マネーフォワード クラウド契約では、無料でご利用いただける工事請負契約書のテンプレートをご用意しています。ダウンロードして必要事項を記載するだけですぐにお使いいただけますので、ぜひご利用ください。

工事請負契約書の詳しい書き方やポイント、工事請負契約締結時の注意点などについては、こちらの記事で紹介しています。

工事請負契約書の印紙に関するFAQ

Q. 印紙代は発注者と受注者のどちらが負担しますか?

実務上は、契約当事者(発注者と受注者)がそれぞれ保管する契約書1通分の印紙代を各自で負担するケースが一般的です。

A. 法律(印紙税法)では、契約書を作成した当事者全員が「連帯して」納税する義務があると定められています。これは「どちらか一方が代表して全額を納めても、折半して納めてもよい」という意味です。

法律には負担割合の定めがないため、契約書を2通作成して1通ずつ保管する場合、各自が自分の保管分を負担するという慣習が最もスムーズでしょう。トラブルを避けるため、契約時に双方で負担方法を確認しておくことをおすすめします。

参考:e-Gov 法令検索 印紙税法
参考:国税庁 質疑応答 課税文書の作成時期及び作成者

Q. 契約書を2通作成した場合、両方に印紙は必要ですか?コピーの場合は?

A. はい、契約の当事者がそれぞれ保管するために契約書を2通作成した場合、その2通ともが課税文書となるため、両方に収入印紙の貼付が必要です。

一方で、一方の当事者が正本(原本)を保管し、もう一方がそれを単にコピーして控えとして持つ場合は、そのコピーに印紙は不要です。ただし、コピーであっても「原本と相違ない」といった文言や、契約当事者双方の署名・押印があるなど、契約の成立を証明するものとして作成された書面は課税文書に該当しますのでご注意ください。

Q. 変更契約書や覚書にも印紙は必要ですか?

A. はい、多くの場合で必要です。

契約金額の増額など、元の工事請負契約の重要な事項を変更する内容の「変更契約書」や「覚書」は、新たに作成された課税文書とみなされ、収入印紙が必要になります。

貼付する印紙税額は、その文書に記載された金額によって決まります。例えば「工事代金を100万円増額する」とだけ記載されていれば、100万円に対する印紙税額(200円)が必要です。

Q. 金額を間違えて貼ってしまった場合、還付は受けられますか?

A. はい、還付を受けられる可能性があります。

本来の金額より高い収入印紙を貼ってしまった場合や、不要な文書に貼ってしまった場合は、「印紙税の過誤納(かごのう)」として、所轄の税務署で還付手続きをすることができます。その際は、印紙を貼った文書の原本や印鑑、本人確認書類などが必要になります。

なお、未使用の収入印紙であれば、郵便局で1枚5円の手数料を支払うことで、他の額面の収入印紙と交換してもらえます。

Q. 収入印紙はどこで購入できますか?

A. 収入印紙は、主に以下の場所で購入できます。

  • 郵便局
  • 法務局
  • 一部のコンビニエンスストア(200円など、よく使われる額面のものが中心です)
  • たばこ屋や酒屋などの「印紙売りさばき所」の標識がある店

Q. 収入印紙を貼る以外の納税方法はありますか?

A. はい、特定の条件を満たす事業者向けに、「申告納付」という特別な制度があります。

これは、日常的に多量の課税文書を作成する企業(金融機関のほか、保険、製造、商社、リース業など)が、事前に税務署長の承認を受けることで利用できる制度です。

承認を受けると、個別の契約書に収入印紙を貼る代わりに、特定の印(「申告納付印」)を押印し、1ヶ月分の印紙税額を翌月末までにまとめて金銭で納付します。

ただし、これは非常に多くの契約書を扱う大企業向けの制度であり、ほとんどの事業者にとっては、従来通り収入印紙を購入して貼付する方法が一般的です。

工事請負契約書の収入印紙と金額を正しく理解し、コストの最適化へ

工事請負契約書の収入印紙の金額は、契約金額によって決まります。令和9年3月31日までは軽減措置が適用されるため、まずは一覧表で正しい金額を確認しましょう。

また、契約金額が1万円未満の場合や、金額にかかわらず非課税となる電子契約など、印紙が不要になる例外ケースも重要です。

貼り忘れには重いペナルティがあるため、この記事で得た正しい知識を活かし、不要なコストやトラブルを回避してください。


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