- 更新日 : 2026年1月27日
業務委託契約を締結する際の注意点は?特にチェックすべき項目を紹介
企業が外部の法人や個人に業務を発注するとき、「業務委託契約」を締結することがよくあります。作成した業務委託契約書を意義あるものとするためには、適切に契約書が作成されているかどうか、記載すべき事項に漏れがないかどうかをチェックすることが大事です。
契約書の内容すべてに目を通す必要がありますが、ここでは特にチェックしておくべき事項を紹介していきます。
業務委託契約書をチェックする際の注意点
「業務委託契約」は、発注者が仕事の委託を行い、任された業務の遂行に対して報酬が発生することを内容とする契約です。
後述するように、民法上は請負契約や準委任契約などの契約類型に該当するケースもありますが、これらを含む広い概念として「業務委託契約」という言葉が使われています。
業務委託契約そのものについては、下記ページで詳しく説明しています。
業務委託契約は口頭であっても有効に成立する契約ですが、契約書を作成して締結するのが一般的です。業務委託契約書を作成することで、報酬の金額や契約の期間、その他詳細なルールが明確になります。金額をめぐるトラブル、その他様々な紛争が起こるリスクも回避しやすくなります。
ただし適切に契約書が作成されており、必要な事項が明確に記載されていることが前提です。そこで企業の方は、契約が成立する前に、業務委託契約書の内容をしっかりとチェックしておくべきです。
以下で、チェックポイントそれぞれについて説明していきます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い45個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
実際の契約に合わせてカスタマイズしていただきながら、ご利用くださいませ。
【弁護士監修】チェックリスト付き 改正下請法 1から簡単解説ガイド
下請法の改正内容を基礎からわかりやすく解説した「改正下請法 1から簡単解説ガイド」をご用意しました。
本資料では、2025年改正の背景や主要ポイントを、弁護士監修のもと図解や具体例を交えて解説しています。さらに、委託事業者・受託事業者それぞれのチェックリストを収録しており、実務対応の抜け漏れを防ぐことができます。
2026年1月の施行に向けて、社内説明や取引先対応の準備に役立つ情報がギュッと詰まった1冊です。
弁護士監修で分かりやすい! 契約書の作り方・書き方の教科書
弁護士の南陽輔氏(一歩法律事務所所属)が監修している「契約書の作り方・書き方の教科書」ガイドです。
契約書作成の基本知識、作成の流れ・記載項目、作成時の注意点・論点が、分かりやすくまとまっています。手元に置ける保存版としてぜひご活用ください。
自社の利益を守るための16項目 契約書レビューのチェックポイント
契約書レビューでチェックするべきポイントをまとめた資料を無料で提供しています。
契約書のレビューを行う企業法務担当者や中小企業経営者の方にもご活用いただけます。
①契約の内容を確認
契約書のタイトルが「業務委託契約書」と記載されていても、契約の実態が請負契約と評価されることもあれば委任契約・準委任契約と評価されることもあります。契約内容に応じて、民法上のどの契約類型に該当するのかが変わってきます。
その結果、法律上適用されるルールについても変わってきます。
そこで、業務委託契約がどのような契約類型に該当するのかは事前に確認しておくべきです。
業務委託契約書を作成した場合、下表にあるいずれかの契約に該当する可能性が考えられます。
| 契約の種類 | 契約の特徴 |
|---|---|
| 請負契約 |
|
| 委任契約 |
|
| 準委任契約 |
|
| 派遣契約 |
|
契約書の記載から、どの契約に該当するのかがはっきりするように意識しましょう。
②納品物や納品期限の確認
契約書にて、何を納品すべきなのか、「納品物」が明確になっているかどうかもチェックします。
また、「納入期限」の明記も大事です。いつまでに成果物を納めないといけないのか、具体的に記載されているかどうかをチェックします。
さらに、納品に遅れる場合の措置についても規定されていたほうが良いでしょう。“遅延しそうな場合には通知を行わないといけない”など、万が一の場合も想定した契約書になっていることを確認しましょう。
その他、「納品の方法」や「検査の基準」なども明示されているほうがトラブルを避けやすいです。納品に関するルールが十分に定められているかどうかも見ておく必要があります。
③報酬について
業務委託契約により発生する「報酬」について、次の事項が明確になっているかどうかをチェックしましょう。
- 具体的な金額、または金額の計算方法
- 報酬の支払時期
- 報酬の支払方法
- 業務の遂行にかかった費用の負担
費用の負担者については、契約類型により法律上の取り扱いが異なります。
例えば請負契約の場合、報酬の支払い自体は必須ですが、業務を遂行するために必要な費用は受託者の負担を原則としています。これに対して委託契約における費用の負担については、委託者の負担が原則とされています。
このように契約の種類により負担者が変わり、負担者をめぐってトラブルが起こるリスクがあります。そこでどの費用を誰が負担するのか、契約書で明記されていることが望ましいといえます。
④契約解除の要件
どのようなときに業務委託契約を解除できるのか、その要件が記載されているかどうかもチェックします。
やはり、契約類型に応じて取り扱いが異なるためです。例えば請負契約だと、“仕事の完成前なら委託者から契約の解除ができる”とされています。一方、委任契約では“いつでも当事者は契約の解除ができる”ことになっています。
混乱のないよう、契約解除の要件が契約書からはっきり読み取れるかどうかに着目して契約書チェックを進めていきましょう。
「契約違反があったとき」と要件が抽象的に記載されることもありますが、
「差押、仮差押、・・・の申立を受けたとき」
「破産、民事再生、・・・の申立を受けたとき」
「営業許可の取消、・・・の処分があったとき」
などと具体的に事由を列挙しても良いでしょう。
さらに、催告をした上で履行がなければ解除ができる、特定の事由が生じたときは催告なく直ちに解除ができる、などと事由の重大性に応じて措置を分ける方法もあります。
⑤再委託について
委託先がさらに委託(再委託)することを認めるかどうか、この点についても言及されていることをチェックしましょう。
例えば「乙は、本件業務を第三者に対して再委託することはできない。ただし、甲が書面により許可をした場合はこの限りでない。」などと再委託禁止の条項を置くことがあります。
再委託については委託する業務の内容を鑑みて評価する必要があり、再委託を認めて良いケースもあるでしょう。しかし通常は、受託者自身のスキルや実績などを信用して業務委託契約は交わされます。そのため再委託を認めてしまうことで、期待していた成果が得られない可能性が高まるおそれがあります。
また、再委託により個人情報やその他データの漏洩などおリスクも高まってしまいます。そのため業務委託契約書に再委託の条項が置かれているかどうか、その記載内容が適切であるかどうかをよく確認しないといけません。
業務委託契約の実態に注意してチェックを進めよう
業務委託契約を締結するとき、契約書の中身を精査する必要があります。その際、「当該契約は、法律上どの契約類型に該当するのだろうか」とその実態に注目することが大事です。その上で、報酬や納品期限、契約解除の要件などが明記されているかどうかをチェックしましょう。
せっかく契約書を作成しても、報酬の金額がはっきりしない場合などには、結局トラブルが起こってしまうかもしれません。
少なくとも当記事で紹介した事項については目を通しておくようにしましょう。
マネーフォワード クラウド契約では弁護士監修の「業務委託契約書」のテンプレートを用意しています。無料で利用可能ですので、以下のページからダウンロードしてご利用ください。
よくある質問
業務委託契約を締結する際にチェックすべき項目を説明ください。
法律上どの契約にあたるのか、また、報酬や納品期限、契約解除の要件などをチェックすべきです。詳しくはこちらをご覧ください。
業務委託契約にはどのような種類がありますか?
業務委託契約は、「請負契約」に該当することもあれば、「委任契約」、「準委任契約」に該当することもあります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
業務委託契約の関連記事
新着記事
-
# 契約書の種類・書き方
コンサルティング契約と業務委託契約の違いは?契約書の記載事項や注意点を解説
コンサルティング契約と業務委託契約の違いは? コンサルティング契約は専門家への助言依頼、業務委託契約は外部委託全般を指す呼び方です。 コンサルティング契約も業務委託契約の一種 助言…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
個別契約書とは?基本契約書との違い・労働者派遣個別契約書についても解説
個別契約書とは何か? 個別契約書とは、基本契約書を前提に案件ごとの業務内容・金額・納期などを定める契約書です。 基本契約書は共通ルール、個別契約書は案件別条件 派遣では法令に基づく…
詳しくみる -
# 企業法務
脱・属人的な契約書レビュー。「レビュー待ち」を生まない強い法務体制の作り方
「依頼が口頭やメール、チャットで散発的に届くため、案件のステータス管理や優先順位付けが難しい」 「依頼時に必要な情報が不足しており、確認のための手間が発生している」 事業が拡大し契…
詳しくみる -
# 電子契約
Excel契約管理はもう限界?契約管理台帳をDXして「更新漏れ・属人化」から抜け出す方法
Excelは一見シンプルで柔軟なツールであり、契約管理に適した仕組みであるように思えるでしょう。しかし実際には「台帳の更新やメンテナンスの手間」「属人化」という課題を同時に生み出し…
詳しくみる -
# 電子契約
「稟議書のハンコリレー」はもう限界!経営スピードを上げる契約承認ワークフローとは?
電子契約を導入したものの、「稟議の停滞は相変わらず」「契約締結が遅い」という声は少なくありません。 実際、承認の滞留や書類管理の混在など、業務プロセス全体がアナログのままでは、いく…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
個別契約書とは?基本契約書との違い・労働者派遣個別契約書についても解説
個別契約書とは何か? 個別契約書とは、基本契約書を前提に案件ごとの業務内容・金額・納期などを定める契約書です。 基本契約書は共通ルール、個別契約書は案件別条件 派遣では法令に基づく…
詳しくみる




