- 更新日 : 2025年7月3日
源泉徴収の計算方法と対象となる所得
わたしたちが払っている税金は、1年間の総収入から基礎控除や社会保険料などを差し引きした後、その残額に税率を掛けることにより計算されます。
一般的なサラリーマンの場合、勤め先の会社側が税額を計算するので給料からあらかじめ天引きされています。この天引きされた税額が源泉徴収です。
給与所得の源泉徴収税額表とは
給与から源泉徴収される額は、給与所得の源泉徴収税額表を使って計算します。
この税額表には「月額表」、「日額表」、「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」があります。給与が毎月支払われる場合(半月ごとや半年後などの給与の支払いも含む)は「月額表」、働いた日ごとに給与が支払われる、または1週間ごとや日割り計算で給与が支払われる場合は「日額表」が使われます。「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」は、ボーナスを支払う場合に用いますが、前月中に支払われる給与がない場合や、ボーナスが前月中の給与の10倍を超えている場合は、月額表を使用します。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
算定基礎届の手続き完全ガイド
算定基礎届(定時決定)の手続きは、社会保険に加入する全従業員が対象になるため作業量が多く、個別の計算や確認事項の多い業務です。
手続きの概要や間違えやすいポイントに加え、21の具体例を用いて記入方法を解説します。
社会保険・労働保険の実務完全ガイド
これ1冊でしっかり網羅!社会保険および労働保険は、従業員の生活上・労働上のリスクに備えるための公的保険制度です。
本資料では社会保険・労働保険で発生する各種手続き方法を、入社・退職時や妊娠・出産時などのシーン別にまとめました。
健康保険・厚生年金保険 実務ハンドブック
健康保険・厚生年金保険の基本ルールをはじめ、手続きの仕方やよくあるミスへの対処方法について解説した実用的なガイドです。
年間業務スケジュール一覧も掲載しているので、ぜひご活用ください。
社会保険の手続きでよくあるミス 対処方法と防止策10選
社会保険の手続きは、ひとたびミスが生じると適切な対処方法がわからず対応に苦慮するケースが多いものです。
本資料では社会保険手続きでよくあるミスをシーン別に取り上げ、対処方法をステップにわけて解説しています。
税額表の「甲欄」「乙欄」「丙欄」について
所得税は、使用する税額表にある「甲欄」「乙欄」または「丙欄」を参照して税額を計算します。
給与を受け取る側が、その給与について配偶者控除や扶養控除、障がい者控除などの控除を受ける場合に提出する申告書は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と呼ばれ、この申告書が提出されている場合は「甲欄」を使用し、提出がない場合は「乙欄」を使用します。また、短期のアルバイトや日雇いに対する給与を支払う場合は「丙欄」を用いて計算して税額を求めます。
税額表を参照した給与等の金額
税額表を参照する際は、当該月または日分の給与の総額から厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料を差し引いた金額が使われます。
たとえば、給与所得者で扶養家族がいる場合、月額表の「その月における社会保険料等控除後の給与等の金額」から社会保険料等を差し引いた後の金額がある行を見つけます。
その金額がある行と、「控除対象配偶者」や「控除対象扶養親族家族の数」などの扶養者数をすべて加えて計算した数字に該当する税額表中の「甲欄」が交わったところにある金額が、源泉徴収される金額となります。
参考:国税庁|令和3年分 源泉徴収税額表

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出済みで配偶者がいる給与所得者の令和3年度分の源泉徴収税を例に見てみましょう。
この給与所得者の社会保険料等を差し引いた後の金額が月27万円の場合、給与所得の源泉徴収税の「月額表」の27万円を含む金額がある行と、「甲欄」の「扶養親族等の数」の「1人」が交わるところにある5,670円が源泉徴収税額となります。

源泉徴収の対象となる所得
- 源泉徴収の対象となる所得には、次のようなものがあります。
- 給料や賃金、賞与などの給与、役員や使用人に対する手当(残業手当や休日出勤手当、住宅手当など)※1
- 弁護士や税理士などへの報酬、原稿料など※2
- 公社債や預貯金などの利子
- 株式などから生じる配当
- 退職金
- 支払われた側に経済的利益を生む現物給与(無償または低価額で譲渡された物品や土地、家屋など)
※1 パートやアルバイトの税額も、一般の社員と同様、「給与所得の源泉徴収税額表」の「月額表」や「日額表」の「甲欄」または「乙欄」を使って計算されます。
※2 だれも雇っていない個人の場合、支払う報酬について源泉徴収は不要です。
源泉徴収で差し引かれた税金は、差し引いた側(源泉徴収義務者)によって税務署に納付され、対象となる給与などが支払われた月の翌月10日までに納付することになっています。
期限までに納付されない場合、源泉徴収義務者に延滞税や不納付加算税などのペナルティが課されることがありますので、十分な注意が必要です。
なお、給与等の支払いを受ける者が10人未満の場合、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を所轄の税務署長に提出して許可を受けることにより、源泉徴収税の納付を2回(1月から6月までの分は7月10日が納入期限、7月から12月までの分は翌年1月20日が納入期限)に分けることが可能です。
源泉徴収税額表の見方を理解し、正しく所得税等を徴収しよう
毎月の給料から源泉徴収する所得税等の金額は、正確なものでなければいけません。もし間違えてしまうと、年末調整で多くの徴収が発生し従業員の負担になってしまう可能性があります。正しく所得税等を源泉徴収するためにも、源泉徴収税額表の見方をしっかりと理解しましょう。
よくある質問
毎月の給与から源泉徴収される額は、どのように計算しますか?
給与所得の源泉徴収税額表を使って計算します。 詳しくはこちらをご覧ください。
源泉徴収税額表の甲欄とは何ですか?
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している従業員の源泉徴収税額の計算に使う欄です。 詳しくはこちらをご覧ください。
従業員から源泉徴収した所得税等は、いつ国に納めますか?
原則、給与などが支払われた月の翌月10日までに納付することになっています。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
雇用保険適用事業所番号とは?必要なケースや取得・確認方法を解説
雇用保険適用事業所番号とは、雇用保険に加入している企業に対して割り当てられる番号です。ハローワークで雇用保険に関連する手続きを行う際に雇用保険適用事業所番号が必要になります。 従業…
詳しくみる介護保険法とは?わかりやすく解説!保険料や介護サービスを受けるまでの流れ
介護保険法とは、介護を必要とする人への保険給付について定めた法律です。介護保険の対象者には第1号被保険者と第2号被保険者があり、保険料の計算方法や納付方法、利用できるサービスが異な…
詳しくみる年金制度改正法とは?2022年4月施行に備えて徹底解説!
「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が2020年5月に成立し、2022年4月から施行されます。この改正により厚生年金の加入の対象となる被保険者が増加するほ…
詳しくみる厚生年金の平均受給額はいくら?
日本の年金制度には、20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する「国民年金」と会社員などが加入する「厚生年金」があります。厚生年金の加入者は自動的に国民年金にも加入しており、国民年…
詳しくみる税法上の扶養と健康保険の扶養に分けることはできる?子どもの扶養はどちらがお得か
税法上の扶養と健康保険の扶養は夫婦で分けることができます。共働きの場合、子どもをどちらの扶養に入れるべきか、悩まれる方もいらっしゃるかと思いますが、税法上の扶養と健康保険の扶養を適…
詳しくみる雇用保険被保険者証とは?紛失したときの再発行なども解説!
雇用保険被保険者証とは、雇用保険に加入していることを示す証明書のことです。雇用保険に加入できる条件を満たしている従業員について会社からハローワークに加入の申請を行います。紛失した場…
詳しくみる



