- 更新日 : 2025年11月25日
産休・育休ガイド|期間、条件、手当の計算方法、いつもらえるかを徹底解説【2025年最新】
産休や育休は、子どもを迎えるにあたり、家計やキャリアプランに直結する非常に重要なライフイベントです。特に2025年の法改正によって、男女ともに育児休業が取得しやすくなる今、制度を正しく理解し計画的に活用することの重要性は増しています。
いつから休めるのか、休業中の収入はどうなるのか、手続きは何をすればよいのか、といった疑問や不安を感じている方も多いでしょう。
この記事では、産休・育休の制度概要から、手当の計算、社会保険料の免除、男性育休の最新情報、そして復職後も安心して働ける両立支援制度までわかりやすく解説します。
目次
産休・育休(産前産後休業・育児休業)とは?
産休(産前産後休業)と育休(育児休業)は、どちらも子育てを支える制度ですが、その目的や対象者、根拠となる法律が異なります。まずは、この2つの基本的な違いを理解しておきましょう。
| 産休(産前産後休業) | 育休(育児休業) | |
|---|---|---|
| 目的 | 出産前後の母体の保護 | 子の養育 |
| 根拠法 | 労働基準法 | 育児・介護休業法 |
| 対象者 | 出産する女性労働者 | 1歳未満の子を養育する労働者 (男女問わず) |
| 期間 | 出産予定日の6週間前~産後8週間 | 原則、子が1歳になるまで (最長2歳まで延長可) |
産休・育休を取得することで、安心して休業できるだけでなく、経済的な負担を軽減するためのさまざまな手当や給付金を受け取ることができます。
産休の期間はいつからいつまで?
産休は、出産予定日を基準に「産前休業」と「産後休業」の2つの期間に分かれています。
産前休業
産前休業は、出産予定日の6週間前から、本人が請求すれば取得できる休業です。もし双子以上の多胎妊娠の場合は、母体への負担を考慮し、より早い14週間前から取得することが可能です。産前休業の取得は任意であるため、本人の希望があれば出産ぎりぎりまで働くこともできます。
産後休業
産後休業は、出産の翌日から8週間、法律で就業が禁止されている期間です。これは母体の回復を最優先にするための制度であり、本人が働きたいと希望しても、原則として勤務することはできません。ただし、産後6週間が経過した後、本人が就業を希望し、医師が業務に支障がないと認めた場合に限り就労が可能です。
育休の期間はいつからいつまで?
育休は、原則として子どもが1歳になる誕生日の前日まで取得できます。男女ともに取得可能で、父親の場合は、母親の産休期間中にも育休を取得できます。
パパ・ママ育休プラスとは
父母がともに育児休業を取得する場合、「パパ・ママ育休プラス」という制度を利用することで、子どもが1歳2ヶ月になるまで休業期間を延長できます。ただし、1人あたりの休業期間の上限(母親は産後休業含め1年、父親は1年)は変わりません。
育休を延長できるケース
保育園に入所できないなどの特定の理由がある場合、育休は最長で子どもが2歳になるまで延長できます。育休の延長は、まず1歳6ヶ月まで、それでも状況が変わらなければ2歳までと、2段階で申請するのが一般的です。
- 認可保育園への入所申込みをしたが、当面入所できない場合
- 子どもを養育する予定だった配偶者が、死亡、負傷、疾病などにより養育が困難になった場合
延長を申請する際には、市区町村が発行する「保育所入所不承諾通知書(いわゆる保育園空き待ちの証明書)」など、延長理由を証明する書類が必要となります。
産休・育休の取得条件は?雇用形態で違いはある?
産休は、雇用形態にかかわらず、出産するすべての女性労働者が取得できる権利です。一方で育休には、雇用期間などいくつかの条件があります。
産休の対象者
産休は、正社員、パート、アルバイトといった雇用形態や勤続期間にかかわらず、出産するすべての女性労働者が取得できる権利です。会社は、従業員からの産休の申し出を拒否することはできません。
育休の対象者
育休は、性別を問わず、1歳未満の子どもを養育するすべての労働者が原則として取得できます。ただし、日々雇用される方や、労使協定によって以下の労働者が対象外とされている場合があります。
- 入社1年未満の労働者
- 申出の日から1年(1歳以降の休業の場合は6か月)以内に雇用期間が終了することが明らかな労働者
- 週の所定労働日数が2日以下の労働者
また、有期契約労働者(契約社員やパートなど)が育休を取得するには、子どもが1歳6ヶ月になる日まで(2歳まで延長する場合は2歳になる日まで)の雇用見込みがあることが条件となります。
産休・育休中にもらえる手当と給付金
休業中に受け取れる主な手当・給付金は、「出産手当金」「出産育児一時金」「育児休業給付金」の3つです。原則として休業中に会社からの給与支払いは義務付けられていないため、これらの給付が生活の支えとなります。
| 手当・給付金の名称 | 内容 | 支給額の計算(目安) |
|---|---|---|
| 出産手当金 | 産休中に給与が支払われない場合に、生活を保障するために支給される手当。 | (支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額の平均額 ÷ 30日)× 2/3 × 休んだ日数 |
| 出産育児一時金 | 出産にかかる費用の負担を軽減するために支給される一時金。 | 子ども1人につき50万円(産科医療補償制度の対象外の場合は48.8万円) |
| 育児休業給付金 | 育休中に給与が支払われない場合に支給される給付金。 | (休業開始時賃金日額 × 支給日数)× 67% (育休開始から181日目以降は50%) |
※支給額は個人の収入や条件により変動します。
各種手当・給付金は、申請してから支給されるまでに一定の期間がかかります。一般的に、申請から1〜2ヶ月後が目安となりますが、手続きの状況によって前後するため、早めに申請準備を進めましょう。
育児休業給付金の注意点
育児休業給付金は、受給するために雇用保険に関する条件を満たす必要があり、誰でも自動的にもらえるわけではありません。以下の2つの条件を両方満たす必要があります。
- 休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(または労働時間が80時間以上の月)が12ヶ月以上あること。
- 育児休業中に、休業開始前の1ヶ月あたりの賃金の8割以上が支払われていないこと。
特に、転職直後の方や、勤務日数が少ないパート・アルバイトの方は、1つ目の条件を満たせない不支給ケースに該当する可能性があるため、自身の勤務状況を事前に確認することが重要です。
【2025年改正】育休中の給付が手取り10割相当に
働きながら子どもを育てやすい環境を実現するため、2025年4月1日から育児休業給付制度が拡充されました。
出生後休業支援給付金の新設
子どもの出生直後に両親がそろって育休を取得しやすくするため、「出生後休業支援給付金」が新設されました。以下の条件を満たす場合に、従来の育児休業給付金に上乗せされる形で支給されます。
- 両親がそれぞれ14日以上の育児休業を取得すること
- 男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内に育休を取得すること
出生後休業支援給付金は、育児休業給付金(67%)に最大28日間・13%を上乗せし、合計80%が支給されます。さらに非課税であることや社会保険料の免除と合わせることで、実質的な手取り額が休業前の給与とほぼ同等(10割相当)になります。
【男性育休】産後パパ育休で柔軟な休み方が可能に
近年、男性の育休取得率は上昇しており、国も法改正を通じて取得を後押ししています。
出生時育児休業(産後パパ育休)制度
2022年10月から始まった「出生時育児休業(通称:産後パパ育休)」は、従来の育休とは別に、子どもの出生後8週間以内に最大4週間まで取得できる新しい制度です。この制度の大きな特徴は、2回に分割して取得できる点や、労使協定を結んでいれば休業中に働くことも可能である点など、柔軟な働き方に対応していることです。
参考:産後パパ育休|厚生労働省
男性育休の取得率と今後の見通し
厚生労働省の雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は年々上昇しています。2025年の法改正による給付率の引き上げなどを追い風に、今後さらに多くの男性が育休を取得しやすい環境が整っていくことが期待されます。
産休・育休の申請手続きと必要書類
産休・育休を取得するためには、勤務先への申請が必要です。
- 勤務先への報告
妊娠がわかったら、できるだけ早い段階で直属の上司に報告し、産休・育休の取得意向を伝えましょう。体調の変化なども考慮し、安定期に入る頃までには伝えておくと、業務の引き継ぎなどがスムーズに進みます。 - 申請書の提出
会社の規定に従い、産休申請書や育児休業申請書を提出します。
産休・育休の申請書類のテンプレート
マネーフォワード クラウドでは、産休・育休に関連する申請書類のテンプレートをご用意しています。
産休申請書のテンプレート
産休を取得するためには、職場へ産休申請書を提出します。産休申請書には下記の事項を記載します。
- 所属部署名
- 社員番号
- 氏名
- 出産予定日
- 産休の開始予定日
- 産休の終了予定日
職場に指定の産休申請書がなければ、下記のリンクからテンプレートをダウンロードしてご活用ください。
育児休業申請書のテンプレート
育休を取得するためには、職場へ育児休業申請書を提出します。育児休業申請書には下記の事項を記載します。
- 所属部署名
- 社員番号
- 氏名
- 子の氏名
- 子の生年月日
- 申請書本人と子の続柄
- 育休の開始予定日
- 育休の終了予定日
- 育休中の連絡先
職場に指定の育児休業申請書がなければ、下記のリンクからテンプレートをダウンロードしてご活用ください。
育休からの復帰後に仕事と育児の両立を支える制度
育休からの復帰後も、育児・介護休業法では、仕事と育児の両立をサポートするための制度が定められています。
育児短時間勤務(時短勤務)制度
子どもが3歳になるまでの間、労働者の希望に応じて、1日の所定労働時間を原則6時間とする短時間勤務制度を利用できます。これは法律で定められた制度であり、フルタイムでの勤務が難しい場合でも、育児と仕事の両立を図りながらキャリアを継続できる仕組みです。なお、業務上短時間勤務の実施が困難な場合には、テレワークなどの代替措置が認められています。
子の看護等休暇
小学校に入学するまでの子どもが病気やケガをした際に、年に5日まで(子どもが2人以上の場合は10日まで)、1日または時間単位で休暇を取得できます。急な子どもの体調不良にも対応しやすくなります。
これらの制度は法律で定められた労働者の権利です。勤務先に制度が整っているかを確認し、必要に応じて活用しましょう。
産休・育休中についてよくある質問(FAQ)
最後に、産休・育休中についてよくある質問とその回答をまとめました。
パート・アルバイトや扶養内でも産休・育休は取れる?
はい、取得できます。産休は雇用形態にかかわらず、すべての女性労働者に認められている権利です。育休についても、同一事業主のもとで1年以上働いていることなどの条件を満たせば取得可能です。
ただし、扶養内で働いている場合には注意が必要です。ご自身が会社の健康保険に加入していなければ「出産手当金」は支給されませんが、出産育児一時金は被扶養者であれば配偶者の加入する公的医療保険から受け取ることができます。また、「育児休業給付金」は、雇用保険の加入要件を満たしている場合に支給対象となります。
雇用保険に入っていなくても産休・育休は取れる?
はい、休業自体は取得可能です。産休は労働基準法で、育休は育児・介護休業法で定められた労働者の権利であり、雇用保険の加入は要件ではありません。ただし、雇用保険から支給される「育児休業給付金」は受け取ることができません。
個人事業主(フリーランス)に産休・育休制度はある?
個人事業主には会社員のような産休・育休制度はありません。ただし、加入している公的医療保険(国民健康保険、国保組合、健康保険の任意継続、配偶者の被扶養者など)から出産育児一時金を受け取ることができます。さらに、国民年金保険料の免除制度を活用することで経済的な負担を軽減できます。休業期間については、事業主本人の裁量で柔軟に設定可能です。
制度を正しく理解し、計画的に産休・育休を取得しよう
産休・育休は、安心して子どもを迎え、育てるために法律で認められた大切な権利です。特に2025年の法改正は、男女がともに育児に参加しやすい社会への大きな一歩となるでしょう。
休業中の収入を支える給付金には、健康保険や雇用保険の加入状況などの条件が関わってきます。ご自身の状況を事前にしっかりと確認し、勤務先とも早めに相談しながら、計画的に準備を進めることが何よりも大切です。
この記事が、あなたのライフプランに合わせた最適な産休・育休の取得をサポートできれば幸いです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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