- 更新日 : 2026年10月22日
原状回復費用の請求書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
原状回復費用の請求書とは、賃貸借契約の終了時に、賃貸人が賃借物件を原状回復させるために工事などして要した費用を賃借人に請求するための書類です。企業がオフィスを借りる場合や工事による損傷などにより、請求されます。
本記事では、原状回復費用の請求書の内容や作成するケース、記載するべき内容、文言の具体例を解説します。
<関連記事>
▶契約書の書き方をテンプレート・例を用いて解説!
<サービス資料>
▶マネーフォワード クラウド契約の詳細はこちら
▶マネーフォワード クラウドAI契約書レビューの詳細はこちら
原状回復費用の請求書とは
そもそも原状回復とは、借主の故意や過失によって賃借物件に生じたキズや汚れ、損傷等を元に戻すことを指します。民法621条により定められています。
原状回復費用の請求書とは、賃貸借契約が終了した際に、賃貸人が賃借物件を原状回復するために要した費用を、賃借人に請求するための書類です。賃貸物件を明け渡す際、賃借人には原状回復義務があり、かかる費用を賃貸人に支払わなければなりません。
原状回復費用の請求書は、通常の経理業務で作成する請求書とは異なり、以下のような特徴があります。
- 費用の内訳を詳細に記載する場合が多い
- 原状回復の必要性や妥当性を示す根拠資料を添付する場合がある
- 賃貸借契約の内容や賃貸物件の状況に応じて、請求内容が異なる
原状回復費用の請求書を作成する際は、これらの点に留意し、賃借人に対して適切かつ説得力のある請求を行うことが重要です。ただし、通常損耗や経年劣化によるものは原状回復の対象とならないため、請求書を作成しても請求が認められない場合があります。
参考:e-Gov法令検索 民法
この記事をお読みの方におすすめのガイド3選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い45個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
実際の契約に合わせてカスタマイズしていただきながら、ご利用くださいませ。
初心者必見!【弁護士監修】電子契約まるわかり4点セット
「電子契約ってよく聞くけど正直よくわかっていない・・・」「なんだか難しそう」そのようなお悩みございませんか?
はじめて電子契約を利用することになった方や、電子契約サービスの導入を検討されている方など、煩雑な契約業務に悩まれている方に、ぜひご覧いただきたい入門編の資料をセットにいたしました。
マネーフォワード クラウド契約サービス資料
マネーフォワード クラウド契約は、紙契約と遠視契約が混在した時代で、「最適な契約業務を実現する」ワンストップ契約管理サービスです。
送信料0円、契約書保管料0円なので送信数が増えても安心してペーパーレスが実現できます。
原状回復費用の請求書を作成するケース
原状回復費用の請求書は、主に賃貸物件の契約終了時に作成されます。物件を退去する際、借主は物件を借りた当初の状態に戻す義務があります。貸主はそのための修繕費用を借主に請求するために作成します。賃借人の原状回復義務は特約によって排除できますが、一般的にはこのような特約は設けないことが多いです。特に、賃貸オフィスや店舗は、ほぼ100%特約を設けずに、むしろ民法が定める通りに原状回復の義務を負うことを確認するケースが多い傾向です。
原状回復費用の請求書を作成するケースは、以下のとおりです。
- オフィスの移転時
- 経年劣化や通常損耗
- 工事による損傷
オフィスを移転する際、借主は賃貸借契約に基づき、原状回復の義務を負います。壁紙や床の張替え、天井の塗装、電球の交換、鉄部の塗装、各種クリーニング作業などが含まれます。原状回復費用は広さや状態により変動しますが、例えば広さ30坪のオフィスで66万~77万円程度が目安です。
また、通常の使用による損耗や経年劣化についても、賃貸借契約に明記されている場合には原状回復費用に含めて請求されることがあります。ただし、一般的には経年劣化や通常損耗については賃貸人の負担となるケースが多いです。
さらに、賃借人がオフィス内で改装や設備の工事を行った場合、その工事によって生じた損傷や変更については原状回復の義務が生じます。例えば、店舗の外装工事や内装の改装工事などが該当し、これらを原状に戻す工事にかかる費用が請求されることがあります。
原状回復費用の請求書のひな形
原状回復費用の請求書を作成する際、ひな形があると記載内容に迷うことなく作成できるため便利です。適切な内容を漏れなく記載することで、借主とのトラブルを未然に防ぎ、円滑に費用を回収できるでしょう。
下記のサイトでは、原状回復費用の請求書のひな形をダウンロードできるため、利用してみてください。
原状回復費用の請求書に記載すべき内容
原状回復費用の請求書に記載すべき内容は、以下のとおりです。
- 期間満了の事実
- 原状回復費用の内容
- 原状回復費用の項目
- 原状回復費用金額
- 振込口座
- 支払期限
原状回復費用の請求書に必要な情報を漏れなく記載することで、借主との間でトラブルが発生するリスクを低減できます。また、明確な根拠に基づいた請求であることを示すことで、借主の理解を得やすくなり、円滑な支払いにつながるでしょう。
期間満了の事実
賃貸借契約の終了に伴う建物の明け渡しを受けた事実を下記のように明記します。
日付に誤記がないように記載しましょう。
原状回復費用の内容
原状回復費用が発生した理由を具体的に説明します。例えば、以下のような文言を使用します。
契約条項に触れながら、原状回復費用の請求根拠を明示します。
原状回復費用の項目
原状回復に要した費用の内訳を項目ごとに記載します。例えば、以下のような項目が考えられます。
| 項目 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| クロス貼替費用 | 5 | ¥2,000 | ¥10,000 |
| クッションフロア貼替費用 | 6 | ¥2,500 | ¥15,000 |
| ハウスクリーニング費用 | 1 | ¥20,000 | ¥20,000 |
具体的な金額を明記することで、請求内容の説得度を高められます。
原状回復費用金額
項目ごとの費用の合計額を記載します。
振込口座
原状回復費用の振込先口座を明記します。
支払期限
原状回復費用の支払期限を設定します。
支払期限を明確にすることで「原状回復の費用が振込まれない」といったトラブルを避けられるでしょう。
原状回復費用の請求書を作成する際の注意点
原状回復費用の請求書を作成する際は、原状回復の内容を明示しておくことが必要です。また、負担割合を答えられるようにすることで、原状回復費用を円滑に回収することにもつながります。
適切な原状回復費用の請求書を作成することで、借主との間でのトラブルを未然に防ぎ、円滑な費用回収につなげられるでしょう。
本項では、原状回復費用の請求書を作成する際の注意点について解説します。
原状回復の内容をしっかりと明示する
賃貸物件の明け渡し後、貸主側は原状回復工事の内容と費用について、借主に対して明確に説明することが求められます。請求書には、以下の情報を詳細に記載しましょう。
- 実施した工事の種類(クロス貼替、フローリング修繕など)
- 各工事の数量(○○㎡、○○枚など)
- 工事単価(1㎡あたり○○円、1枚あたり○○円など)
- 工事の合計金額
これらの情報を具体的に提示することで、借主に原状回復費用の妥当性を理解してもらいやすくなります。また、後日のトラブルを防ぐためにも、明瞭な請求書の作成が重要です。
負担割合を答えられるようにしておく
昨今は、これまでのように「100%借主負担で原状回復費用を支払う」ことは難しくなっています。また、原状回復費用の負担割合について、借主との認識にズレが生じることがあります。トラブルを未然に防ぐためにも、請求書には以下の情報を記載しましょう。
- 借主負担割合(○○%)
- 貸主負担割合(○○%)
- 負担割合の根拠(国土交通省のガイドラインなど)
請求書に負担割合を明記するだけでなく、借主から問い合わせがあった際に費用を支払ってもらえるように、納得のいく根拠資料を準備しておくことも大切です。例えば、以下のような資料が挙げられます。
- 賃貸借契約書
- 物件の引渡し時の状態を撮影した写真
- 原状回復工事の見積書や領収書
これらの資料を整理し、必要に応じて借主に提示できるようにしておきましょう。借主の理解を得ることで、円滑な費用回収が期待できます。
原状回復費用の請求書の内容を理解して手続きをスムーズにしよう
原状回復費用の請求書とは、賃貸借契約の終了時に、賃貸人が賃借物件を原状回復させるために要した費用を賃借人に請求するための書類です。期間満了の事実や原状回復費用の項目、支払期限などを記載する必要があります。
トラブルを防ぐためにも根拠になる資料を提示したり、負担割合を答えられたりするようにしておきましょう。
本記事を参考にして、原状回復費用の請求書をスムーズに作成してください。
作成した書面の送付・保管は「マネーフォワード クラウド契約」で
書面はひな形をもとに作成して終わりではなく、相手方への送付と、その後の保管・検索まで含めて実務です。
マネーフォワード クラウド契約なら、よく使う書式をテンプレートとして登録してバージョンを管理でき、社内の承認を経てから電子署名・タイムスタンプ付きで送信・締結できます。
締結後は契約書と同じ台帳に自動保管され、取引先名や日付、金額で検索が可能。紙でやりとりした書面もAI-OCRで取り込めるため、関連する書類をまとめて一元管理できます。送信料・保管料は0円で、書面の通数が増えても料金は変わりません。
詳しくは、マネーフォワード クラウド契約のサービス資料をご覧ください。
契約関連のおすすめコンテンツ
契約・電子契約関連記事
▶契約とは?民法における成立要件や契約書の種類などを簡単にわかりやすく解説
▶電子契約のメリット・デメリットは?導入が進まない理由や関連する法律もわかりやすく解説
▶電子契約システムとは?導入メリットや注意点を種類別に解説
▶電子契約とは?仕組みやメリット、法的有効性について解説
▶電子契約の導入の流れは?サービスの導入から契約締結までの進め方を解説
契約書関連記事
▶契約書とは?注意すべきポイントを簡単に解説
▶契約書の書き方をテンプレート・例を用いて解説!
▶雇用契約書とは?法的な必要性や項目、作り方をひな形付きで紹介
▶業務委託契約書とは?書き方や個人事業主の注意点を解説
▶印紙が必要な契約書の種類と金額まとめ
おすすめお役立ち資料
▶電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選(合計10ページ)
▶16項目 契約書レビューのチェックポイント(合計12ページ)
▶契約書の作り方 書き方の教科書(合計21ページ)
▶マネーフォワード クラウド契約サービス資料
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
不動産売買契約書の関連記事
新着記事
-
# 企業法務
契約書の1次チェックをどう効率化する?AIレビューを活用した業務の進め方
「契約書の1次チェックに時間がかかり、事業部門から『あの件、まだですか?』と急かされてしまう」――このような経験はないでしょうか。 条項の確認や自社基準との照合といった作業に時間を…
詳しくみる -
# 企業法務
契約条件に潜む経営リスクをどう見える化する?4つのリスクと管理方法
契約更新の直前になって、事業部から「この契約、解約できないか」と相談され、確認するとすでに解約通知期限を過ぎていた――。このような経験はないでしょうか。 契約書を管理していても、自…
詳しくみる -
# 企業法務
営業の無断締結を起こりにくくするには?権限設計でつくる契約統制
営業担当者が、社内承認前に契約書へ押印・調印していたことが後から発覚すると、法務や経営陣は不利な条件や想定外の義務への対応を迫られます。その背景には、急ぎ案件の扱いや決裁者、締結権…
詳しくみる -
# 企業法務
法務専任がいない組織の契約管理を10問でチェック|自社の弱点と改善の優先順位
「契約書はきちんと管理できているはず」と思っていても、いざ確認しようとすると「どこに保管されているか分からない」「更新期限を担当者に確認しないと把握できない」といったことはないでし…
詳しくみる -
# 電子契約
マネーフォワード クラウド契約の活用事例をケース別に紹介!
本記事では、マネーフォワード クラウド契約を導入することでどのような効果が期待できるのかを実際の事例も交えながら分かりやすく解説します。 【関連ページ】マネーフォワード クラウド契…
詳しくみる -
# 電子契約
マネーフォワード クラウドAI契約書レビューとは?機能やできること、どんな企業に向いているかを解説
マネーフォワード クラウドAI契約書レビューとは? マネーフォワード クラウドAI契約書レビューは、各分野の専門弁護士が監修したAIが契約書のリスク箇所を識別し、変更条文例と解説を…
詳しくみる



