- 更新日 : 2026年1月6日
請負契約は印紙税・収入印紙が必要?建設工事請負契約書の軽減措置も解説
請負契約書は、印紙税の課税文書として印紙の貼付が必要です。印紙の金額は、数百円から数十万円の範囲で請負金額ごとに異なります。
この記事では、建設工事請負契約書に貼付する印紙の金額や貼付方法、印紙税の軽減措置、印紙が不要になる場合について具体的に解説します。
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請負契約書は印紙税が必要?
請負契約書には、印紙税法の規定により印紙の貼付が必要です。
印紙税とは、契約書や領収書など一定の書類を作成した際に課せられる税金のことで、建設工事の請負契約書は印紙税法上の「課税文書」に該当するため、印紙を貼付しなければなりません。
印紙の金額は請負金額により決められていて、金額の低いものは数百円から、請負金額の大きなものになると数十万円の印紙が必要になります。収入印紙はコンビニや郵便局などで購入できます。
請負契約書に必要な印紙税の金額一覧表
建設工事請負契約に必要な印紙の金額は、印紙税法により決められています。具体的に必要な印紙の金額は下記一覧表の通りです。
| 請負金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上100万円以下 | 200円 |
| 100万円超200万円以下 | 400円 |
| 200万円超300万円以下 | 1,000円 |
| 300万円超500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 1万円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
| 1億円超5億円以下 | 10万円 |
| 5億円超10億円以下 | 20万円 |
| 10億円超50億円以下 | 40万円 |
| 50億円超 | 60万円 |
※契約金額の記載のない場合は200円。
請負金額が1万円未満の場合は不要ですが、1万円以上の場合は印紙の貼付が必要となり、契約金額が大きくなるほど印紙の金額も高くなります。
請負契約書の収入印紙の貼り方
請負契約書に印紙を貼る位置は、法律上ルールが決められているわけではありませんが、見えやすい位置に貼ると良いでしょう。請負契約書の場合は、一般的に左上もしくは右上に貼ることが多いです。
印紙を貼った後は、通常の切手と同じように消印を押す必要があります。この時の注意点として、消印ははっきりと見えるように押しましょう。
1枚の請負契約書に複数の印紙を貼る場合、上下または左右に並べて貼り付け、印紙1枚につきそれぞれ消印を押すか、2枚にまたがって押します。
収入印紙を貼っただけでは印紙税を納付したことにはならないため、消印の押し忘れには注意が必要です。
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建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置とは?
建設工事請負契約の際に必要な印紙の金額は先ほどの一覧表の通りですが、現在、一定の工事に該当する請負契約の場合には印紙税の軽減措置が設けられています。
軽減後の印紙税の金額一覧表
通常の印紙税額と軽減後の印紙税の金額を比較すると次の一覧表の通りです。
| 請負金額 | 印紙税額 | 軽減後の印紙税額 |
|---|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 | 非課税 |
| 1万円以上100万円以下 | 200円 | 200円 |
| 100万円超200万円以下 | 400円 | 200円 |
| 200万円超300万円以下 | 1,000円 | 500円 |
| 300万円超500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
| 1億円超5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
| 5億円超10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
| 10億円超50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
| 50億円超 | 60万円 | 48万円 |
請負金額が100万円以下の場合は同じですが、100万円を超える請負金額の場合は通常の金額よりも印紙税の金額が軽減され、請負金額が大きくなるほど、軽減される金額も大きくなります。
軽減措置の対象となる建設工事請負契約書
印紙税の軽減措置の対象となる建設工事請負契約には一定の条件があり、具体的な条件は次の通りです。
- 請負金額が100万円以上であること
- 2014年4月1日から2027年3月31日までの間に作成される請負契約書であること
- 建設業法第2条第1項に規定する建設工事請負契約であること
これらの条件を満たした場合には印紙税の軽減措置が適用されます。3つ目の建設業法第2条第1項に規定する建設工事とは、一般的な建築、土木工事のほか左官や電気工事などで、建設工事全般が対象となります。一方、建物の設計、建設機械などの保守、船舶の建造などについては印紙税軽減措置の対象外です。
また、建設請負の当初に作成される契約のほか、工事金額の変更や工事請負内容の追加の際に作成される変更契約書などについても、軽減措置の対象とされています。
請負契約書に収入印紙を貼り付けないとどうなる?
請負契約書に収入印紙を貼り忘れた場合は、本来納付すべき印紙の3倍の金額を払わなければなりません。これは過怠税といって、印紙の貼付を行わなかった場合や、消印を行わなかった場合に課される罰則です。
税務調査が行われる前に自主的に印紙の貼り忘れを申し出た場合は、本来納税する金額の1.1倍の金額で済みますが、税務調査の際に発覚した場合は3倍の金額が徴収されます。
収入印紙を貼り忘れていた場合でも契約そのものが無効になるわけではありませんが、請負金額が大きな工事の場合は、過怠税の金額も大きくなるため、印紙の貼り忘れや消印の押し忘れには注意が必要です。
万が一収入印紙を貼り忘れた場合は、税務調査が行われる前に必ず自主的に申出るようにしましょう。
請負契約書の印紙税を節税する方法は?
請負契約書の印紙税は、ちょっとした工夫で節税することが可能です。以下、具体的な方法を2つ紹介します。
契約金額を消費税抜き表示にする
1つ目の方法は、契約金額を消費税抜き表示にすることです。通常、建設工事請負契約書には請負金額が記載されていますが、金額の表示を本来の請負金額と、消費税額をそれぞれ区別して表示する方法です。
例として、請負金額5,000万円の建設工事の場合、5,000万円×10%=500万円が消費税額となります。この時、消費税額を別記載せずに「請負金額5,500万円」と記載すると、5,000万円を超える契約となり、印紙税の金額は軽減後の税額で3万円となります。
一方で、請負金額を5,000万円と記載し、消費税額を500万円と別記載で表示すると5,000万円以下の契約となり、印紙税の金額は1万円となります。
複数の請負契約書を1つにまとめる
2つ目は、複数の請負契約書を1つにまとめる方法です。
印紙税は、1つの契約書ごとに税金が課されます。そのため、1つの請負契約書に複数の契約内容が記載されていても、それらはまとめて1つの文書として取り扱われます。
1つの建設工事において600万円の請負契約と1,200万円の請負契約を締結した場合を例に説明します。600万円の請負契約と1,200万円の請負契約について別々に契約書を作成すると、それぞれに印紙税が課され、600万円の契約には5,000円、1,200万円の契約には1万円で、合計1万5千円の印紙税が課されます(いずれも軽減後の印紙税額)。
これら2つの契約を1つの契約書にまとめると、請負金額は合計で1,800万円となり、印紙税の金額は1万円なので、5,000円の節税が可能です。
電子契約なら請負契約書の収入印紙が不要に
請負契約書には原則印紙の貼付が必要ですが、電子契約で請負契約を締結した場合は印紙が不要です。
印紙税法において、印紙の貼付が必要なのは課税文書を「作成」した場合とされていて、この「作成」とは用紙への記載によるものと定義されています。
電子契約は用紙への記載ではなく、課税文書の「作成」に該当しないため、印紙の貼付が不要です。
建設工事請負契約の印紙税を不要とするには、電子契約システムの導入が効果的です。マネーフォワードのクラウド契約を利用すれば、電子契約で請負契約書を作成できるため、印紙の貼付が不要となり、コスト削減につながります。
請負契約書の印紙は節約や不要にする方法がある
建設工事請負契約書には、原則印紙の貼付が必要で、必要な印紙の金額は請負金額により異なります。消費税額を区別したり複数の契約書を1つにまとめたりすれば印紙の節約になり、電子契約の場合は印紙の貼付そのものが不要となります。
電子契約を行うためのシステムにはさまざまな種類があるため、自社の状況などを考慮して導入を検討すると良いでしょう。建設工事請負契約の印紙税について正しく理解し、コストの削減、業務の効率化を図りましょう。
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