- 作成日 : 2025年8月25日
Evernoteが2023年に値上げ!新プランと代替アプリの選び方を解説
Evernoteは2023年5月1日から大幅な料金改定を実施し、個人向けプランの月額料金が大幅に値上げされました。パーソナルプランは月額680円から約1,100円に、年額プランは9,300円となり、従来より約1.1倍~1.3倍の値上げとなっています。
さらに、2023年12月4日から無料プランで作成できるノート数が無制限(正確にはアップロード容量制限)から50個に大幅削減され、実質的に無料利用の制限が厳しくなりました。この記事では、Evernoteのプラン改定の詳細から最適なプランの選び方、そして代替アプリまでを解説します。
目次
Evernoteのプラン改定
Evernoteのプラン改定について、その背景と具体的な変更内容を詳しく解説します。
値上げの背景と目的
料金改定に伴う値上げの背景として「安定的なパフォーマンスの提供」と「AI機能をはじめとした新機能の追加」があると公式リリースで説明されています。Evernoteは2022年にイタリアのBending Spoons社に買収され、その後段階的にサービスの改良と価格の見直しが行われました。
2023年5月以降順次AI機能が追加されて更なるサービスの向上が期待されており、新たに搭載されたAI機能には、「AI検索」や「AI編集」などが含まれていると公式が発表しています。これらの機能強化が値上げの主な理由として挙げられています。
参考:Evernote の価格プラン改定と今後の機能強化に関するお知らせ
プラン変更の影響
2023年5月1日から、改定後の価格が適用されています。なお、改訂前のプランを利用していたユーザーは、次回更新日から新料金が反映されるため、既存ユーザーも段階的に新料金が適用されています。
特に大きな変更として、従来の「プラス」プランが廃止され、利用者は自動的に「パーソナル」プランに移行されました。これにより、旧プラス(月360円)から新パーソナル(月680円)への事実上の値上げが発生しています。
Evernoteの新プランと変更点
現在のEvernoteのプラン構成と各プランの特徴について詳しく説明します。
現在のプラン構成
Evernoteは現在、以下の4つのプランを提供しています
- 月間アップロード容量:60MB
- 作成可能なノート数:50個まで
- ノートブック数:1個のみ
- 同期可能デバイス:1台のみ
- 月間アップロード容量:10GB
- 同期可能デバイス:無制限
- ノートブック:無制限
- ウェブクリップ機能
- AI機能の利用
- パーソナルプランの全機能
- 月間アップロード容量:20GB
- タスク管理機能
- カレンダー連携
- プロフェッショナルプランの全機能
- チーム向け共有機能
- 管理者機能
参考:プランを比較して無料で始めましょう | Evernote
参考:Evernote Teams – あなたのビジネスのためのEvernoteの力
無料プランの大幅制限
2023年12月4日以降、無料版で作成できるノート数は大幅に削減され、ノートブック数の制限も強化されました。
この変更により、従来の無料プランでEvernoteを活用していたユーザーは、有料プランへの移行か他のアプリへの乗り換えを迫られています。
参考:Evernote Freeのノートとノートブックの制限 — 2023年12月
AI機能の追加
AIを活用して必要なノートを探せる「AI検索」や書かれた内容を見やすく書き換える「AIノートクリーンアップ」という機能が増えました。最新版では「AIノートクリーンアップ」は「AI編集」へと変更され、より精度の高い編集ができます。
これらのAI機能は有料プランでのみ利用可能で、特にパーソナルプラン以上での提供となっています。
Evernoteのプランの選び方
自分に最適なEvernoteプランを選ぶためのポイントを解説します。
利用目的による選択基準
簡単なメモ取りが中心の場合
無料プランでも可能ですが、50個のノート制限があるため、長期利用には不向きです。軽い利用であれば検討できますが、継続的な利用を考えるならパーソナルプランが推奨されます。
情報収集とウェブクリップが必要な場合
ウェブクリップ機能は無料プランでも利用できるものの、パーソナルプラン以上のほうが便利に利用できます。パーソナルプランは月間10GBのアップロード容量があるため、画像やPDFファイルを多く保存する場合にも対応可能です。
ビジネス利用でタスク管理も行いたい場合
プロフェッショナルプランがおすすめです。高度なタスク管理機能とAI編集により、より効率的な業務管理が可能になります。
チームでの共有が必要な場合
チームプランを選択することで、複数メンバーでのノート共有や管理者による権限設定が行えます。
コストパフォーマンスの検討
個人ユーザーに人気が高いPersonalプランは、2023年5月以降、年額9300円となっています。従来と比較して大幅な値上げとなっているため、費用対効果を慎重に検討する必要があります。
年額払いを選択することで月額払いよりも安くなりますが、それでも従来の価格と比較すると高額です。割引キャンペーンを活用することも一つの方法です。
他ツールとの連携を考慮した選択
Evernoteの強みの一つは、外部連携の豊富さにあります。Evernoteで第二の脳を作ることは完全に諦めて、外部サービスに散財した情報を統合し、横断検索できるようにするところにEvernoteのほとんど唯一の存在価値があります。
既に他のツールとの連携が確立されている場合は、その連携を維持できるプランを選択することが重要です。
変えたくなったら?Evernote代替アプリ
Evernoteの値上げを受けて、多くのユーザーが代替アプリを検討しています。主要な代替アプリとその特徴を紹介します。
Microsoft OneNote
特徴と利点
Microsoft社が提供するデジタルノートアプリです。Microsoft 365の各種プランやWindows11などに標準搭載されており、アカウントさえ所持していれば誰でも無料で利用できます。
最大の魅力は完全無料で利用できる点と、Evernoteに比べてより柔軟でカスタマイズ性が高い点です。
参考:Microsoft OneNote デジタル ノート アプリ | Microsoft 365
移行時の注意点
Microsoft Officeとの親和性が高い反面、他のサービスとの連携ではEvernoteに劣る場合があります。
Notion
特徴と利点
注目度が急上昇しているアプリがNotionです。ドキュメント作成や表計算、タスク・プロジェクト管理など、それぞれ別のツールを併用する必要があった業務を1つに集約できる万能アプリとして知られています。
無料プランでも個人利用には十分な機能が提供されており、データベース機能により情報を構造化して管理できます。
参考:あなたのニーズを叶えるAIワークスペース。| Notion (ノーション)
移行時の注意点
多機能すぎて学習コストが高く、簡単なメモ取りには過剰な場合があります。
Obsidian
特徴と利点
Evernoteからの移行先として、マークダウン形式でノートを作成・管理できるObsidianも選択肢のひとつです。
ノートはマークダウン形式でローカルに保存されており、マークダウン対応のアプリで簡単に開けるため、将来的なリスクが低い利点があります。
参考:Obsidian
移行時の注意点
マークダウン記法に慣れる必要があり、初心者には学習コストがかかります。
代替アプリ選択時の考慮点
移行の手間
代替製品はいくつかあるものの、移行の手間がかかるためEvernoteを使っているという声もあります。長年蓄積したデータの移行は大きな作業となるため、移行ツールの有無や移行の簡単さを確認することが重要です。
機能の比較
単純な代替ではなく、自分の利用方法に合った機能を持つアプリを選ぶことが大切です。それぞれノートアプリと言っても用途が違うので実は競合していないのではないか?という指摘もあり、用途に応じた最適なアプリを選択することが重要です。
将来性の検討
法人解散や料金改定などの発表を受けて、Evernoteからの移行を検討するユーザーの声も多い状況を踏まえ、長期的に安定して利用できるサービスを選ぶとよいでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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