- 作成日 : 2025年5月28日
議事録はエクセルとワードどっち?図表の必要性やテンプレートを紹介
会議の議事録を作成するとき、ワードで作成することも多いのですが、エクセルで作成しても構いません。会議内容を整理したいときや表形式で記録したい場合に向いています。この記事では、議事録の基本から、エクセルを使うメリット・デメリット、具体的な書き方、テンプレートの活用方法までをわかりやすく解説します。
目次
議事録とは?
会議の議事録とは、会議の内容を後から確認できるように記録する文書のことです。
業務上の意思決定や報告内容を文書として残しておくことで、後日の確認やトラブル防止に役立ちます。
議事録の目的
議事録を作成する主な目的は、「会議でどのような話し合いが行われたか」「何が決まったか」を明確にして共有することです。たとえば、会議の場では口頭でのやり取りが中心になるため、誰が何を言ったか、どのような結論になったかを記憶だけに頼っていては、伝達ミスや理解のずれが起きかねません。
議事録があれば、出席者だけでなく、不参加の関係者にも正確に情報を共有できます。
議事録はどのタイミングで作る?
議事録は、会議終了後できるだけ早く作成することが大切です。時間が経ってしまうと、内容の記憶が曖昧になり、発言内容やニュアンスがずれてしまう可能性があります。特に決定事項や次回までのタスクなどは正確に記録しておく必要があるため、可能であれば会議当日中、遅くとも翌営業日までには仕上げるのが理想です。
議事録は誰が作成するのか
議事録は、議長や司会者ではなく、会議の進行を補佐する事務局や議事録係が担当することが一般的です。ただし、会議の種類や社内体制によっては、リーダー自ら記録を取る場合や、参加者が交代で担当することもあります。
議事録係が事前に決まっていないと、記録が曖昧になることもあるため、会議前に誰が記録を取るのかを明確にしておくとスムーズです。
簡単な打ち合わせにも必要?
「10分程度のミーティングだから記録はいらない」と思われがちですが、簡単な打ち合わせでも議事メモを残しておくと便利です。特に、次回までのタスクが発生した場合や、他部署との調整が必要な案件では、内容を明文化しておくことが後々の確認や証拠として役立つことがあります。正式な書式でなくても構いませんが、日付・参加者・要点だけでも記録しておく習慣を持つと安心です。
議事録をエクセルやワードで作成するメリット・デメリット
会議の議事録は、エクセルでもワードでも作成できます。どちらにも特長があり、会議の内容や共有方法に応じて適切に使い分けることが大切です。ここでは、それぞれの違いや向いている場面について整理してみましょう。
エクセルは情報整理や数値、グラフの表現に適している
エクセルは、項目ごとの情報を一覧で整理したいときに便利です。行・列を使って会議内容を分類しやすく、数値の管理やタスクの進捗状況を視覚的に表現するのにも向いています。
また、売上の推移や実績報告など、数値をグラフやチャートで示したい場合にもエクセルが非常に役立ちます。棒グラフや円グラフなどを使えば、変化や割合を視覚的にわかりやすく伝えることができます。
エクセルが適している例:
- 定例ミーティングなどで、報告内容を項目ごとに整理したいとき
- アクション項目やタスクの進捗を一覧化したいとき
- 各部門からの報告を横並びで比較したいとき
- 売上推移や数値の変化をグラフや表でわかりやすく見せたいとき
エクセルを議事録で使用するメリット
- 表形式でスッキリ整理できる
- 数値の記録や進捗管理がしやすい
- グラフやチャートで視覚的に情報を伝えやすい
- テンプレート化が容易で、誰が作っても同じ形に仕上がる
エクセルを議事録で使用するデメリット
- 長文を入力すると見づらくなる
- デザインによっては印刷が難しいことがある
- 改行や段落の整理には向かない
ワードは文章中心の資料作成に適している
ワードは、文章中心の資料作成に適したツールです。自由にレイアウトができ、段落構成や見出しを使って情報を整理しやすいため、報告書や記録文書としての体裁を整えたいときに役立ちます。また、そのままPDF形式に変換したり、印刷用の書式に整えたりしやすい点も大きな利点です。社外への提出資料や、紙で配布する議事録にはワード形式がよく使われます。
ワードが適している例
- 社外向けの報告書形式で残すとき
- 議論の流れや背景を丁寧に記述したいとき
- 印刷やPDF配布を前提とした文書にしたいとき
ワードを議事録で使用するメリット
- 長文でも読みやすくまとめられる
- 段落や階層構造を使って論点が整理しやすい
- PDF化・印刷レイアウトの調整がしやすい
ワードを議事録で使用するデメリット
- 表や数値の整理にはやや不向きである
- レイアウトを細かく調整するのに時間がかかる場合がある
「議論の内容を丁寧に記録したいならワード」、「一覧で整理して効率よくまとめたいならエクセル」と考えると、使い分けのイメージがしやすくなります。どちらも正解であり、会議の種類や使い道に合わせて選ぶことがポイントです。
議事録はどこまで詳細に書けばいい?図やグラフは必要?
議事録は、会議で話し合われた内容を後から正確に把握できるようにするための記録です。すべての発言を逐一書き写す必要はなく、要点を簡潔にまとめることが基本です。
発言者の名前や会話の流れについては、重要な発言や決定に関わる内容を中心に記録すると良いでしょう。誰がどのような意見を述べたか記録されていると、責任の所在が明確になり、後からの確認や対応がスムーズになります。
また、数値や比較が中心となる会議では、グラフや図、表を併用するのも効果的です。特に売上推移やタスクの進捗状況など、数字や比較が中心となる会議では、文章よりも視覚的に情報を示したほうが理解が早まります。
一方、雑談に近いブレストや日常の情報共有などでは、簡易的なメモ程度でも十分な場合もあります。
議事録に記載しておきたいポイントとしては、決定事項、意見が分かれた点、次回までの課題や対応が必要なタスクなどが挙げられます。これらを抜け漏れなく記録し会議の成果をしっかりとまとめましょう。
議事録のエクセル・ワードのテンプレート
会議の議事録は、あらかじめ構成や見出しが整ったフォーマットを活用すれば、書き方に迷う時間が減り、内容の統一感も保ちやすくなります。無料でダウンロードできるエクセル(Excel)・ワード(Word)のテンプレートを紹介します。
自社に合わせてカスタマイズしながらお役立てください。
議事録の必要項目や書き方のコツ
議事録は、一定の構成に沿って記録することで、記載漏れを防ぎ、誰が読んでもわかりやすく整理された資料になります。
議事録の必要項目
議事録に含めるべき基本的な項目は、以下の通りです。
- 会議名(例:営業部定例ミーティング)
- 開催日時・場所(オンライン・会議室など)
- 参加者名・役職(欠席者も含めて記載)
- 議題(番号付きで一覧にする)
- 議論の要点(背景・意見の流れ・検討内容など)
- 決定事項(合意内容・実行方針)
- アクション項目(担当者・対応内容・期限)
要点を箇条書きで整理する
すべての内容を文章で長々と書くのではなく、箇条書きで要点を並べる形式が読みやすく実用的です。特に複数の議題を扱う会議では、情報が混在しやすいため、1項目ごとに内容を短くまとめると良いでしょう。
例:
- 顧客対応の進捗報告:5月中に対応予定の案件は7件
- 新規提案の見積提出期限:6/10(金)まで
- 次回ミーティング日程:6/20(火)13:00~
発言者名を記載するか判断する
議事録には、発言者の名前を記載するケースと、しないケースがあります。たとえば、役員会議やプロジェクト責任者が発言した場面では、後の確認のために誰がどのような発言をしたかを明記したほうが良いでしょう。
一方、日常的な情報共有や自由な意見交換の場では、発言者名を記載せずにそのまま内容をまとめるほうが適していることもあります。会議の目的に合わせて柔軟に判断しましょう。
決定事項とアクションは必ず明記
議事録でもっとも大切なのは、「何が決まったのか」「誰が何をいつまでにやるのか」をはっきり書くことです。決定事項が曖昧だと、後日混乱を招くことがあります。
記載例:
- 【決定事項】次期キャンペーンの開始日は8月1日とする
- 【アクション】○○課長がチラシデザインを6/25までに提出する
このように、記録するだけでなく、誰が・何を・いつまでにを必ず押さえることで、実行に移しやすくなります。
文体や形式を統一する
文体がバラバラだと読みにくく、社内での共有にも支障が出ることがあります。敬体(〜です・ます)と常体(〜である・した)のどちらかに統一する、数字や日付の表記を統一するなど、全体のスタイルを揃えるようにしましょう。
また、あらかじめテンプレートを用意しておけば、誰が作っても統一感のある議事録が作成できます。
読み返しやすさを意識する
議事録は、読み返すことを前提に作る資料です。会議直後だけでなく、1週間後や1か月後に見返しても、内容がすぐに理解できるようにしておく必要があります。議題や決定事項に見出しを付ける、要点を強調する、レイアウトを整理するなど、視認性を高める工夫も効果的です。
エクセルやワード以外の議事録作成ツール
近年では、クラウド対応型やリアルタイム編集機能を備えた議事録作成ツールが数多く登場しており、チームでの情報共有や業務の効率化に役立ちます。ここでは、会議の議事録で活用しやすい代表的なツールを紹介します。
Google ドキュメント
Googleドキュメントは、ブラウザ上で使える無料のドキュメントツールで、複数人で同時に編集できることが最大の特長です。会議中にリアルタイムで記録を取りながら、参加者がコメントを付けたり加筆修正できたりするため、スピード感のある議事録作成が可能になります。
また、自動保存機能や変更履歴の確認もでき、議事録の管理や振り返りにも適しています。PDF形式での出力やリンク共有も簡単です。
Notion
Notionは、文書作成・タスク管理・データベース管理を一体化したクラウド型の情報整理ツールです。テンプレート機能を活用すれば、会議ごとにページを分けて整理したり、チェックリストでアクション項目を追いやすくしたりと、柔軟なレイアウトが可能です。
議事録と関連タスクやファイルをまとめて管理できるので、プロジェクト単位で情報を一元化したい場面に向いています。
Stock
Stockは、議事録やナレッジ共有に特化したクラウドサービスで、使いやすさを重視したシンプルな設計が特長です。会議記録やタスクをあらかじめ用意されたフォーマットに入力するだけで整理でき、検索機能や通知機能を活用することで、情報の行き違いを防げます。
中小規模のチームや、ITツールに不慣れな方でも扱いやすいため、導入のハードルが低いのも利点です。
音声認識・自動文字起こしツール
会議の記録を効率化したい場合には、音声認識による自動文字起こしツールも有効です。ZoomやTeamsと連携できるサービスもあり、話した内容がリアルタイムで文字になり、あとから編集・整理ができるという機能を持つものもあります。
代表的なツール例:
- AI GIJIROKU(AI議事録):日本語の音声認識に強く、録音と同時に議事録が作成されます。
- Otter.ai:英語対応が中心ですが、音声からの文字起こし精度が高く、会話形式で記録可能です。
- JamRoll(ジャムロール):ZoomやTeamsの内容を自動で記録・整理。議事録形式に整える機能もあり
議事録はエクセルもワードも用途に合わせて選ぼう
議事録は、記録の目的や会議の内容に応じて、エクセルでもワードでも構いません。エクセルは、数値や進捗を整理しやすく、定例会議や業務報告に便利です。ワードは、議論の背景や流れを丁寧に記録したい場面に適しています。発言をすべて書き出す必要はなく、要点や決定事項を簡潔にまとめ、必要に応じて図や表を加えると伝わりやすくなります。それぞれの形式を活かして、実務に合った議事録を作成しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
KDDIファイルストレージとは?料金プランや使い方・評判を解説
オンラインストレージサービスは、インターネット上にデータを保存できるサービスです。インターネットが利用できる環境であれば時間や場所を問わず、データをアップロード・ダウンロードすることができます。また、アカウントを持っていないユーザーともファ…
詳しくみるZoomで資料共有する方法は?iPadからの画面共有やできない原因を解説
Web会議ツールとして数多くの企業が利用しているZoomには、資料を共有する便利な機能があります。iPadやiPhoneなどのモバイル端末からも資料を共有できるため、外出先でもスムーズな会議が可能です。 本記事では、Zoomで資料共有する方…
詳しくみる【目的別】Slack連携できるおすすめアプリ・ツール13選!連携方法も解説
ビジネスの現場では、日々のやり取りやタスク管理がスムーズに行えるかどうかが成果に大きく影響します。その中で注目されているのが、ビジネスチャットツール「Slack(スラック)」です。Slackはただのチャットアプリではなく、他の業務アプリケー…
詳しくみるホワイトボードアプリとは?無料から使えるおすすめ7選を比較!
スケジュール共有アプリホワイトボードアプリはオンライン環境でホワイトボードを再現したアプリで、ホワイトボードと同じ感覚でタッチペンやキーボードを使って情報を共有できる点が特徴です。また、画像や動画の張り付け・ファイル共有・ほかのビジネスツー…
詳しくみる【個人向け】容量無制限クラウドストレージ!無料・有料おすすめ7選
容量無制限のクラウドストレージは無料・有料ともにさまざまな種類があります。自分に合ったクラウドストレージを見つけるため、クラウドストレージの基本機能や選び方を理解しましょう。 本記事では、容量無制限のクラウドストレージを探している個人ユーザ…
詳しくみるブログを始めるならどのツールを利用すべき?選ぶポイントやおすすめを紹介
ブログを運営するにあたっては、ブログ作成ツールや準備ツール、記事作成ツールなど各種ツールの活用が欠かせません。 この記事ではブログを始めようとしている方に向けて、どういったツールがあるのか解説します。また、選ぶ際のポイントやおすすめツールも…
詳しくみる