- 更新日 : 2025年1月31日
引継ぎマニュアルの作り方は?コツやスケジュールの無料テンプレも
引継ぎマニュアルは、業務内容や注意点を明確に記載し、後任者がスムーズに業務を引継げるようサポートするための重要なツールです。この記事では、引継ぎスケジュールの無料テンプレートや引継ぎマニュアルの具体的な内容と作成手順、効率的に作成するコツについて解説します。後任者に分かりやすく業務を引き継ぎたい方や、引継ぎによる業務の停滞を防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
引継ぎマニュアルが求められる理由
引継ぎマニュアルは、業務の工程や注意点を記載したマニュアルです。マニュアルを読んだ人が迷わずに作業を進められるように、事前準備や手順が詳細に記載されています。
引継ぎ内容をリスト化した業務引継ぎ書と実践向けの引継ぎマニュアルの2つがあれば、トラブル発生時や疑問が生じた場合にも慌てずに対処できます。
引継ぎマニュアルを作成する主なメリットは、下記の通りです。
|
引継ぎが不十分だと、後任者が業務内容を把握するまでに時間がかかります。引継ぎマニュアルがあれば、後任者はスムーズに業務を進められるでしょう。
また、引継ぎを口頭で行う場合、伝え漏れや聞き漏れによるミスが起こりやすくなります。すべての情報を文書として残しておくことで、引継ぎ後に確認のために前任者に連絡を取る必要がなくなります。
業務の引継ぎによって、プレッシャーや不安を感じる後任者は少なくありません。引継ぎマニュアルが正しく機能すれば、後任者の負担軽減と業務品質の維持につながります。
引継ぎスケジュールの無料テンプレート
引継ぎスケジュールを立てることで、引継ぐ業務の全体像をイメージしやすくなります。伝え忘れや聞き漏れの防止にも効果的です。
引継ぎスケジュールの作成には、以下の無料テンプレートの活用がおすすめです。
引継ぎマニュアルの内容と作り方
引継ぎマニュアルの作成は、業務の全体像の把握から始まります。後任者が迷うことなく業務を引継げるように、必要な項目をしっかり埋めておきましょう。
ここでは、引継ぎマニュアルの作り方と書き方のポイントを詳しく解説します。
業務の全体像と目的
引継ぎマニュアルには、どのような業務を何の目的で行うのかを記載します。後任者に該当業務に関する知識がない可能性もあるため、自社にとっての必要性や社会的意義が伝わるように、簡潔かつ分かりやすくまとめることが大切です。
フローチャートを用いると、業務の開始から完了までの全体像を掴みやすくなります。他社や他部署との関わりが深い業務の場合は、円滑に業務を継続できるようにそれぞれの関係性を記載しておきましょう。
スケジュール
引継ぐ業務を洗い出してスケジュールに落とし込みます。定期的に発生する業務もあれば季節ごとの業務もあるため、年間・月間・週間の3つに分けてスケジュール表を作成しましょう。
業務の全体像を把握するために、担当業務を年間スケジュール表に記載します。納期や締め切り日も併せて記載すると、着手すべきタイミングや優先順位をイメージしやすくなります。ガントチャート形式でまとめたり矢印で対応期間を示したりするのも効果的です。
月ごとに発生する業務は、月間スケジュール表に詳細を記載します。集計作業や月次レポートの作成などの業務内容、納期と報告先などをまとめましょう。後任者の備忘録としても活用できます。
週明け・週末・曜日ごとに発生する業務があれば、週間スケジュール表も作成しましょう。週間スケジュールをもとに業務を進めることで、後任者がルーティンワークに慣れるまでの負担を軽減できます。 |
業務の引継ぎを効率よく進めるために、業務が発生するタイミングや関係部署が一目で分かる状態にしておきましょう。
業務内容と作業手順
スケジュール表に記載した業務ごとに、事前準備と実際の作業手順を資料にまとめます。ノウハウや注意点も記載することで、引継ぎ後の業務をスムーズに進めやすくなります。
併せて記載すべき項目は、下記の通りです。
|
パスワードや使用するフォーマットなどが分からないと、作業に遅れが生じるおそれがあります。後任者が迷うことなく作業を進められるように、しっかりと準備しましょう。
対応中の作業や案件
対応中の作業や案件を引継ぐ場合、後任者への負担が大きくなります。できるだけ負担を軽減するには、Excelなどのツールを活用して業務状況を明確化することが大切です。
対応中の作業や案件を把握できるように、下記の内容についてまとめましょう。
|
業務を途中で引継ぐにあたって懸念点があれば、後任者に確実に伝わるように追記しましょう。
イレギュラー業務・トラブル対応
引継ぎ後にイレギュラーやトラブルが起こった場合、後任者が中心となり対応する必要があります。業務経験が浅いと適切な対策を講じるまでに時間がかかり、問題が大きくなるおそれがあります。早期に問題を解決できるように、トラブル事例や対処法、連絡すべき部署や担当者名などをマニュアルに記載しましょう。
起こりうるイレギュラーやトラブルを事前に知ることで、後任者は心構えができるようになります。万が一の場合にも、慌てずに適切な対応を取れます。
資料・データの管理方法
関連資料やデータをすぐに取り出せるように、ファイリングやフォルダ分けをすることが大切です。紙ベースの資料は保管しているキャビネットの棚番号やファイル番号をマニュアルに記載し、データはファイルサーバー名とフォルダ名を記載します。
秘匿性が高い情報を取り扱う場合は、閲覧に鍵やパスワードが必要です。資料・データの閲覧や管理に関するルールも明記しましょう。
社内・社外の情報や連絡先
社内の関連部署や取引先の連絡先をまとめておくと、引継ぎ後の業務をスムーズに進められます。業務内容やトラブル対応の説明の中で連絡先について触れている場合も、すぐに把握できるように連絡先一覧にも必要な情報を記載しましょう。
連絡先の一覧に記載すべき主な内容は、下記の通りです。
|
業務との関連性も記載すると、連絡を取る優先順位をイメージしやすくなります。
引継ぎマニュアルを作成するコツ
引継ぎマニュアルを作成するコツは、以下の通りです。
業務を滞りなく進められるように、順番通りに手順を記載しましょう。取り組む順番通りの説明があれば、迷いが生じにくくなり業務効率がアップします。どのような状態を「業務完了」とみなすのかを明確にすることもポイントです。
知識の有無やリテラシーの高さは人によって異なるため、誰にでも分かるような言葉を使うことが大切です。専門用語が多い場合は、言葉を正しく理解できるように用語集も一緒に作成します。
理解度を高めるためには、図や写真を使って説明するのが効果的です。文章だけで説明するより、手順をイメージしやすくなります。操作画面の画像を添付するのも効果的です。
重要な事柄や伝えたいことは、文章の始まりに記載するのがポイントです。まずは結論を示した上で、補足事項を説明します。文章が長すぎると重要な部分を見逃しやすくなるため、簡潔にまとめることが大切です。 |
引継ぎマニュアルは、誰が引継いでも問題なく作業を完了できるように作成しましょう。質の高い引継ぎマニュアルがあれば、後任者も安心して作業を進められます。
引継ぎスケジュールは無料のテンプレートを活用しよう
業務を引き継ぐ際、引継ぎマニュアル・引継ぎスケジュールは後任者がスムーズに作業を進めるための道しるべとなります。特に、業務内容の属人化を防ぎ、引継ぎ後のミスやトラブルを最小限に抑えるためには、詳細な手順書が必要です。さらに、引継ぎスケジュールを作成する際には、無料で利用できるテンプレートを活用することで、全体像を簡単に整理し、伝え漏れや聞き漏れを防ぐことができます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド5選【部署別紹介】
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
経理担当者向け
①Excel関数集 32選まとめブック
経理担当者の方をはじめ、ビジネスパーソンが知っておきたい便利なExcel関数集を初級~上級までギュッと網羅。新人社員の研修用などにもお使いいただけます。Google スプレッドシートならではの関数もご紹介しています。
②勘定科目・仕訳辞典(税理士監修)
勘定科目・仕訳に関する基本知識、および各勘定科目の仕訳例を具体的かつ網羅的にまとめた、50ページを超えるガイドを無料で提供しております。お手元における保存版としてでだけでなく、従業員への印刷・配布用としてもぜひご活用ください。
人事労務担当者向け
①入社・退職・異動の手続きガイドブック
書類の回収・作成・提出など手間のかかる入社・退職・異動(昇給・昇格、転勤)の手続き。
最新の制度をもとに、よくある質問やチェックポイントを交えながら、各手続きに必要な情報をまとめた人気のガイドですす。
②社会保険・労働保険の手続きガイド
企業において社会保険および労働保険の加入・喪失手続きは必ず発生し、手続きを誤れば保険事故が発生した際に従業員が不利益を被る可能性があります。
各保険の基本的な手続き方法を入社・退職・異動のシーン別にギュッとまとめた分かりやすいガイドです。
総務・法務担当者向け
契約書ひな形まとめ30選
業務委託契約書や工事請負契約書…など各種契約書や、誓約書、念書・覚書、承諾書・通知書…など、使用頻度の高い30個のテンプレートをまとめた、無料で使えるひな形パックです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
Web制作に役立つWBSテンプレート!作り方やタスク変更の注意点を解説
Web制作にあたって、プロジェクトマネージャーやWebディレクターはWBSやガントチャートを作成します。タスク漏れを防ぐことや役割分担が明確になること、スケジュール・進行管理を共有できることなどが、主なメリットです。 本記事では、Web制作…
詳しくみる臨時休業のお知らせの書き方|無料テンプレ・例文も紹介
突然の臨時休業は、企業やお店にとって避けられない場合があります。休業の際に適切な告知を行うことは、顧客や取引先に混乱を与えず、信頼関係を維持するために重要です。しかし、どのように伝えればよいのか、悩む方も多いのではないでしょうか。 この記事…
詳しくみる読者アンケートは社内報にも必要?効果や質問項目・テンプレを紹介
社内報は、企業内の情報共有やコミュニケーション促進に欠かせないツールです。一方で、社内報を作っても、読者である各従業員に読まれない内容では効果が上がりません。従業員にとって価値のある社内報を作成するためにも、従業員の声を拾い上げる読者アンケ…
詳しくみるユーザーストーリー作成のためのテンプレート|作成手順も紹介
ユーザーストーリーはユーザーの視点に立って「誰が」「なぜ」「何をしたいのか」を簡潔に記述することで、開発チーム全体の理解を統一するための手法です。 当記事では、ユーザーストーリーの基本的な概念やユースケースとの違い、メリット、そして具体的な…
詳しくみるプロジェクトの振り返り報告書の書き方は?無料テンプレート・例文つき
プロジェクトの振り返りには、プロジェクト報告書の作成が必要であり、記載内容次第で今後のプロジェクトに役立てられます。では、今後のプロジェクト構築に役立つプロジェクト報告書には、どのような書き方があるのでしょうか。 今回は、プロジェクトの振り…
詳しくみるマンダラチャートとは?活用のメリットと作成方法・テンプレを紹介!
マンダラチャート(マンダラート)は、目標達成や問題解決を視覚的に整理できるツールです。9×9のマス目で構成され、中央に目標を記入し、その周囲に関連する要素や具体的な行動計画を書き込むことで、達成への道筋を明確にします。当記事では、マンダラチ…
詳しくみる




