- 作成日 : 2024年6月27日
太陽光発電の定款の書き方は?ひな形を基に事業目的の記載例を解説
太陽光発電システムの事業を行う法人の設立には、定款の作成が必要です。定款には必ず記載しなければいけない事項があり、事業目的もそのひとつです。太陽光発電に関わる事業には発電事業などの許可が必要であり、事業目的には必ずその内容を記載します。
本記事では、太陽光発電の会社を設立する際の定款の書き方や電子申請、便利なテンプレートを紹介します。
目次
太陽光発電における定款とは?
定款とは、会社の基本情報やルールを記載した書類のことです。法人の設立に際して作成が義務付けられ、記載内容も法律で定められています。
ここでは、太陽光発電の事業を始めるに際して必要な定款作成について紹介します。
定款の必須項目(絶対的記載事項)
太陽光発電の事業で法人を設立する際は、定款の作成が必要です。定款には会社の運営に関わる根本規則が記載され、「会社の憲法」のような役割をします。
定款には必ず記載しなければならない絶対的記載事項があり、以下の5点の記載が必要です。
- 事業目的
- 商号(会社名)
- 本店所在地
- 資本金(設立時に出資される価格もしくは最低額)
- 発起人の氏名又は名称及び住所
これらの記載が1つでも抜けた場合、定款全体が無効になります。
発電事業者の許可に定款は必要
太陽光発電システムに関わる事業を行う場合、事業内容により、発電事業者や電気工事業などの許可が必要です。許可申請の添付書類には定款が必要であり、定款の絶対的記載事項である事業目的には、許可が必要な事業内容を必ず記載しなければなりません。
事業目的は会社設立後に変更することもできますが、会社設立後に目的を変更する場合は、株主総会の決議や登記申請といった手間がかかります。
そのため、会社設立時に許認可の必要な事業を行うことが決まっている場合は、事業目的に記載しておくことが大切です。
また、すでに会社を運営していて、新たに太陽光発電の事業を始める場合は、定款変更が必要です。
太陽光発電の定款作成から会社設立の流れ
定款作成から会社を設立する流れは、次のとおりです。
- 会社概要の決定
- 定款の作成
- 定款の認証
- 資本金の払い込み
- 法人登記
まず、会社の概要として、社名(商号)や所在地、資本金などの基本事項を決定します。
次に定款を作成し、株式会社の場合は公証人の認証を受けます。資本金の払い込みを行ってから登記申請書類を作成・申請し、設立登記を行うという流れです。
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太陽光発電の定款テンプレート・ひな形
太陽光発電に関連する会社の定款作成は、テンプレートの利用が便利です。以下のURLから、太陽光発電関連の会社設立に必要な定款のテンプレートをダウンロードできます。事業目的の記載など、定款を作成する際の参考にしてください。
太陽光発電の定款の書き方
太陽光発電に関連する会社を設立する際、必要になる定款の書き方を紹介します。各項目の内容や具体例を説明しますので、参考にしてください。
商号
商号とは、会社名のことです。定款の記載例は、次のとおりです。
(商号)
第1条 当会社は、株式会社〇〇と称する。
株式会社の場合は、商号に必ず「株式会社」の文字を入れましょう。商号は会社のイメージを伝えるために大切なものであり、太陽光発電に関連する事業を営んでいることがわかる名称にするとよいでしょう。
すでに商標登録されている商号は使用できません。また、同一所在地に同一名の会社があると登記できないため、注意してください。
事業目的
事業目的は、どのような事業を行うのかを具体的に記載します。太陽光発電の場合、一例として次のように記載します。
(目的)
第2条 当会社は、次の事業を行うことを目的とする。
(1)太陽光発電システムの販売
(2)太陽光発電システムの設計施工及び請負
(3)前各号に附帯関連する一切の事業
許認可を受ける予定がある事業は、事業目的に必ず入れましょう。定款の変更には手間がかかるため、将来的に行う可能性のある事業も記載するのが一般的です。ただし、予定がない事業目的は記載しないようにしてください。
本店の所在地
本店所在地とは、会社を登記する際に設定する住所のことです。次のように記載します。
(本店所在地)
第3条 当会社は、本店を東京都〇〇区に置く。
本店所在地は、実際に事業が行われている場所を記載します。最小行政区画(市町村、東京都の特別区) の記載で問題ありません。将来、最小行政区画内で本店を移転した場合に、定款を変更する必要がなくなります。
発行可能株式総数
株主総会の決議なしで発行できる株式の総数のことです。定款には、次のように株式数を記載します。
(発行可能株式総数)
第5条 当会社の発行可能株式総数は、〇〇株とする。
定款に記載することで、会社が発行できる株式数に上限が設けられます。定款を変更しない限り、会社はこの株式総数を超えて株式を発行することはできません。
設立に際して出資される財産の価額
設立時に発起人が出資する金額の総額を書きます。例えば、発起人が3人いて、それぞれ200万円を出資する場合は600万円となります。
発起人が出資する金額が決まっていない場合は、事業を運営するために必要な財産の最低額を記載してください。
定款の記載例は、次のとおりです。
第6章 附 則
(設立に際して出資される財産の価額及び成立後の資本金の額)
第〇〇条 当会社の設立に際して出資される財産の価額は、金〇〇万円とする。
2 当会社の成立後の資本金の額は、金〇〇万円とする。
出資される財産の価額は各出資者の出資金の合計であり、そのまま資本金の額となります。
発起人の氏名又は名称及び住所
発起人となっている全員の氏名と住所を記載します。発起人とは、会社を設立するときに会社設立の手続きを行う人のことです。
「氏名又は名称及び住所」は、次のように記載します。
(発起人の氏名ほか)
第〇〇条 発起人の氏名又は名称、住所、発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数及び設立時発行株式と引き換えに払い込む金銭の額は次のとおりである。
東京都〇〇区〇〇町1丁目1番1号 発起人〇〇〇〇 〇〇株、金〇〇万円
発起人の氏名と住所は、発起人の印鑑証明書に記載されている氏名・住所の表記と一致していなければなりません。
太陽光発電の「事業目的」の考え方や記載例
太陽光発電に関連する会社は、事業内容により発電事業者や電気工事業などの許可が必要です。許可を得る場合は、定款の事業目的に必ずその事業内容を記載しなければなりません。
例えば、太陽光発電システムを設置する工事を請け負う場合は、電気工事業の許可が必要です。
ただし、基礎部分や架台部分の設置のみを行う、もしくは太陽光パネルを固定する工事のみを行う場合は「とび・土工工事業」になります。また、屋根と一体になっている太陽光パネルを設置する工事は、「屋根工事業」となるため注意が必要です。
定款の記載例は、次のとおりです。
(目的)
第2条 当会社は、次の事業を行うことを目的とする。
(1)太陽光発電システムの設置工事一式の請負
(2)太陽光発電システムの設計、保守、販売
(3)前各号に附帯関連する一切の事業
事業でどのような許可が必要かを明確にして、事業内容を正しく記載してください。
太陽光発電の定款を電子申請するには
定款は紙で作成するだけでなく、電子定款として電子ファイル形式による作成も可能です。
電子定款は、PDF化したファイルに電子署名をしてデータで保存します。紙の定款は認証を受ける際に収入印紙代がかかりますが、電子定款では収入印紙が必要なく、コストを抑えられる点がメリットです。
会社設立をスムーズに行いたい方におすすめなのが、「マネーフォワード クラウド会社設立」です。電子定款に対応しており、会社設立後の経理や労務の業務を効率化できます。
太陽光発電の事業目的を正しく記載しよう
太陽光発電に関連する事業で法人を設立するときは、定款の作成が必要です。定款は会社運営のルールとなるもので、必ず記載しなければならない絶対的記載事項があります。
太陽光発電の設置工事などは許可が必要になり、定款の事業目的には許可を受ける事業を必ず記載しなければなりません。
以下のURLから、太陽光発電の事業計画書・創業計画書のテンプレートをダウンロードできます。定款のテンプレートとあわせてご活用ください。
定款については、以下の記事も参考になります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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