• 更新日 : 2026年2月4日

脱・属人的な契約書レビュー。「レビュー待ち」を生まない強い法務体制の作り方

「依頼が口頭やメール、チャットで散発的に届くため、案件のステータス管理や優先順位付けが難しい」
「依頼時に必要な情報が不足しており、確認のための手間が発生している」

事業が拡大し契約件数が増えるにつれて、契約審査の負荷も増大します。法務担当者として、これらの課題に直面する方も多いのではないでしょうか。契約審査に時間がかかれば、そのぶん契約の締結が遅れ、「レビュー待ち」が営業や事業部門のボトルネックになってしまいます。

本来、ビジネスを加速させるはずの法務部門が、ビジネスの足かせとなる事態は避けなければなりません。こうした状況を解消するためには、契約審査依頼の流れを仕組み化し、共通のフローで運用することが効果的です。本稿では、少人数の法務部でも実践できるフローの作り方と、さらに効率化を進めるためのツール活用法を紹介します。

1. 契約審査の課題解決策の全体像

契約審査における属人化や遅延といった課題を根本から解決するためには、「契約審査依頼フローの見直し」と「デジタルの活用」という2つの観点を組み合わせることが重要です。

契約審査依頼フローの見直し

契約審査は一般的に「依頼」「受付」「対応」「コミュニケーション」という4つの工程で進みます。各工程における仕事の進め方を整理して「契約審査依頼フロー」を再定義し、依頼からレビュー完了までのプロセスを見直します。

デジタルの活用

再定義した契約審査依頼フローに合わせて、包括的に対応できる契約管理ツールを導入し、各作業をデジタル化します。

単に契約管理ツールを導入しても、プロセスの整理が不十分であればうまく使いこなせず「標準化されていない依頼」や「過去の審査結果を活用できない状況」は解消されません。一方で、フローのみを見直しても、Excelやメールなど管理手段がバラバラなままでは「転記作業による手間」や「情報の散逸」はなくならないでしょう。したがって、プロセスの見直しとデジタルの活用を両輪で進めることが成功のポイントです。

2. STEP1:契約審査依頼フローの作り方

まずはツール導入の前に、契約審査依頼フローを「依頼方法」「受付方法」「対応時のステータス管理」「コミュニケーション方法」の各観点で整理していきます。

依頼方法の定義

契約審査をスムーズに行うために必要な情報を洗い出し、依頼時に必ず伝えてもらう「必須項目」として定義します。

<依頼時に求めるべき内容の例>

  • 契約書本紙と添付資料
  • 契約書の種類(売買契約、業務委託契約、秘密保持契約など)
  • 会社名など契約当事者の情報
  • 契約金額や契約期間などの主要条件
  • 希望するレビュー期限
  • 依頼者の意図や背景、特に重点的にチェックしてほしい箇所

これらの内容を含んだメールテンプレートや依頼フォームを作成し、社内イントラなどで共有しましょう。「項目を埋めれば自然と完璧な依頼になる」状態を作ることが重要です。また、依頼の窓口をメール/チャットツールなど1つに絞ることも、確認漏れを防ぐためのポイントです。

依頼の受付方法の検討

口頭での受付を避け、前述のフォーマットを活用する形で受付を行います。受付方法は「メール」や「チャットツール」のほか、「契約管理ツールの活用」も選択肢となります。

メールやチャットツールでテンプレートを利用して受け付けることも可能ですが、情報の抜け漏れ防止や、過去案件の検索性に課題が残りがちです。以下のようなメリットがある契約管理ツールの利用が推奨されます。

<レビュー依頼に契約管理ツールを利用するメリット>

  • 依頼時の入力項目を定義できるため、依頼内容の標準化が可能
  • 依頼者が入力必須項目を埋めない限り送信できないため、情報不足を防止できる
  • 受け付けた依頼は自動で案件として管理されるため、メールからExcelへ案件情報を転記する必要がない
  • 契約管理ツールから申請があった際に、普段利用しているチャットツールへ通知を飛ばせるため、見落としも防げる

受付後のステータス管理方法の検討

契約審査の件数が増えるにつれて、どの案件がどの段階にあるかの把握は難しくなります。ステータス管理をExcelなどのアナログな手法で行うと、管理台帳への入力負荷が増えるだけではなく、更新忘れによる属人化や、依頼者からの進捗確認対応といった手間も発生します。

依頼の受付からその後のステータス管理までを契約管理ツールで一貫して行うことで、作業負荷を抑えつつ、組織的な作業状況の管理と依頼者への透明性確保を実現可能です。

<ステータス・優先順位の設定方法>

  • 受け付けた依頼に対して「受付済み」「レビュー中」「差し戻し」「完了」などのステータスを設定する
  • ステータスを依頼者と共有することで、進捗確認の問い合わせを削減しつつ、対応漏れも防ぐ
  • 期日に合わせて優先度を設定し、緊急案件から順に対応できるようにする

受付後のコミュニケーション方法の検討

契約審査を進めるうえで、依頼者への確認事項や追加情報の提供依頼を行う際のコミュニケーションルールも定めておきましょう。

メールやチャットツールでのやり取りは手軽ですが、「あとから経緯を探しづらい」「誰がどこまでやり取りしたか見えない」などの課題が生じがちです。「誰がどのような判断をしたか」という記録を残すという観点でも、案件ごとに履歴管理がしやすい契約管理ツールの活用がおすすめです。

3. STEP2:契約管理ツールで契約審査をさらに効率化

最新の契約管理ツールは、単に契約審査の各プロセスをデジタル化するだけではなく、業務品質を高めるための付加的な機能が備わっています。以下のような機能を活用すれば、契約審査のさらなる効率化が可能です。

AI契約書レビュー機能

最近では、契約書のリスク判定を支援する「AIレビュー機能」を備えるツールも登場しています。最終判断はあくまで法務担当者が行うことになりますが、AIに“一次チェック”や“目安付け”を任せるだけでも、初期工数を大幅に削減可能です。

<AI契約書レビュー機能が実現すること>

  • 契約書内のリスク箇所を特定し、変更条文例を提案する
  • 文章の比較による自社テンプレートとの差分分析を行い、チェックすべき観点を明確にする
  • 業界の特殊性や取引先ごとの注意点など、自社のレビュー基準を学習させ、レビュー精度を高める

紙・電子契約の自動取り込み

契約管理ツールに備わる契約管理機能では、過去に締結した契約書を一元的に管理できます。これにより、過去の類似契約をすぐに参照し、レビューの質とスピードを高められます。

紙の契約書についてはAI-OCRによりテキストデータとして自動取り込みが可能です。また、電子契約については各サービスとの自動連携などで自動的に取り込みます。

これらの機能により、手間なく過去の契約書管理が実現され、条文の検索も可能となります。契約書レビューにおける過去契約の参照も容易となるでしょう。

権限管理による機密情報を含む契約の保護

機密情報を含む契約については、台帳での管理が難しく、担当者のローカル環境で個別にファイルを保管しているケースもあるのではないでしょうか。

契約管理ツールでは、機密情報を含む契約書に対して閲覧制限をかけることが可能です。これにより、全社的な台帳管理と厳格な情報統制を両立できます。個別管理を行う手間やセキュリティリスクはもう発生しません。

4. マネーフォワード クラウド契約・クラウドAI契約書レビューとは

「契約審査依頼フローの標準化」「メール往復・ステータス管理の効率化」「AIによるレビュー工数の削減」をひとつの仕組みで実現したい方には、マネーフォワード クラウドの活用がおすすめです。

マネーフォワード クラウド契約は、契約審査を効率化するための案件管理機能や依頼者とのチャット機能、審査履歴の管理機能などを備えています。また、Slackなどのチャットツールと連携し、通知や承認のフローを通じて作業の抜け漏れを防ぐことも可能です。

さらに「マネーフォワード クラウドAI契約書レビュー」をあわせて利用すれば、AIによるリスクチェックで契約書レビューの品質向上と工数削減を同時に実現できます。

まとめ

契約審査が事業のボトルネックとならないためには「契約審査依頼フローの見直し」と「デジタルの活用」の両面から改善を進めることが大切です。もちろん、いきなりすべてのプロセスを変えることは簡単ではありません。まずは「依頼テンプレートを作ってみる」「受付方法を定める」といった、少ない手間で実施できるところから、改善の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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