更新日 : 2025年6月24日

ユニークな福利厚生の最新事例！面白い取り組みや導入のポイントを解説

近年、多くの企業がユニークな福利厚生を取り入れるようになっています。その背景には、人材不足や働き方の多様化、従業員の価値観の変化があります。本記事では、なぜ今ユニークな福利厚生が注目されているのかを解説した上で、具体的な導入事例や企業・従業員それぞれのメリット、導入の成功ポイント、そして最新トレンドまで詳しくお伝えします。自社の福利厚生を見直し、魅力ある職場づくりを目指す際のヒントとしてぜひご活用ください。

ユニークな福利厚生が注目される背景
ユニークな福利厚生の事例
ユニークな福利厚生がもたらす従業員のメリット
ユニークな福利厚生がもたらす企業側のメリット
ユニークな福利厚生の導入に成功するためのポイント
福利厚生の最新トレンド
ユニークな福利厚生は企業の競争力向上のカギ

ユニークな福利厚生が注目される背景

近年では、個性豊かな福利厚生制度を取り入れる企業が増加しています。その理由は、企業を取り巻く環境や従業員のニーズが変化してきたためです。

福利厚生には、法律で定められている「法定福利厚生」と、企業が自由に導入できる「法定外福利厚生」の2種類があります。「法定福利厚生」は、健康保険や厚生年金など、法律上企業が必ず提供しなければならない制度です。それに対し、「法定外福利厚生」は企業が任意で設けるもので、住宅手当や通勤手当などが代表的なものです。

ユニークな福利厚生と呼ばれるものは、こうした一般的な福利厚生を超え、従業員の多様な価値観やライフスタイルに合った、より独創的な制度を指します。例えば、リモートワーク環境を整えるための支援、従業員のメンタルヘルスケア、ペット関連のサポート、趣味や自己啓発活動への支援など、企業の文化や価値観を反映した幅広い制度が導入されています。

企業がユニークな福利厚生を導入する背景には、主に次の5つの要素があります。

人材獲得競争への対応

日本では少子高齢化の進展により、生産年齢人口が減少し、特にIT業界などの特定の産業では、人材を確保することが非常に難しくなっています。そのため企業は、他社との差別化を図り、魅力的な職場環境を提供することが求められています。ユニークな福利厚生は、企業が求職者に対して自社の魅力を効果的に伝える手段として活用されており、求人広告でも盛んにアピールされています。

従業員の価値観や期待の変化への対応

かつての日本企業では、終身雇用や年功序列が当たり前でしたが、現在では従業員の意識が大きく変化しています。特にワークライフバランスやウェルビーイング（身体的・精神的・社会的に良好な状態）、自己成長、仕事のやりがいなどを重視する人が増えています。そのため、一律的な福利厚生ではなく、一人ひとりの従業員の好みやライフスタイルに合わせた「カフェテリアプラン」（複数のメニューから自分に合った福利厚生を選べる制度）や、柔軟性のある制度への需要が高まっています。

従業員のエンゲージメントと定着率の向上

従業員が会社への愛着や忠誠心を持ち、仕事に積極的に取り組む状態を「エンゲージメント」と呼びます。従業員が本当に求めているニーズを満たす福利厚生を提供することで、従業員満足度（ES）が向上し、エンゲージメントが高まります。厚生労働省の調査でも、従業員満足度が高い企業ほど定着率や業績が良いというデータが出ています。ユニークな福利厚生は、企業が従業員を大切にしているというメッセージを伝えるためにも有効です。

企業の文化や価値観の強化

福利厚生は企業の文化や価値観を具体的に示す方法の一つです。例えば、テクノロジー企業が最新のパソコン購入をサポートしたり、ペットを大切にする企業がペット関連手当を設けたりすると、それが企業の特徴的な文化を明確に表現します。さらに、このような独自の制度がメディアなどで話題になることで、企業の知名度やブランドイメージが向上し、同じ価値観を持つ人材を引きつけることにもつながります。

法定福利費の削減

現在、日本では少子高齢化の影響による現役世代の減少で、健康保険や年金保険料といった法定福利費が年々増加しています。

これらの費用が増えることで、企業が自由に設定できる法定外福利厚生の予算が圧迫されています。そのため、企業は限られた予算の中で、費用対効果（コストパフォーマンス）の高い福利厚生を提供する必要があります。高額な住宅手当など従来の制度から、コストが比較的少なくても従業員満足度が高いユニークな福利厚生への注目が高まっています。

また、こうした状況は、大企業だけでなく中小企業にも共通しており、規模が小さくても独自の制度を取り入れることで競争力を高めるチャンスとなっています。

ユニークな福利厚生の事例

ここでは、ユニークな福利厚生を導入している具体的な企業の事例を、分野ごとに詳しく紹介します。それぞれの企業が、どのような意図や目的で制度を導入しているのかもあわせて解説します。

健康・リラクゼーション系

従業員が健康的に働けるよう、身体や心のケアを行うための制度です。健康管理やリラクゼーションを充実させることで、生産性の向上やストレス軽減を目指しています。

昼寝制度（グーグル合同会社）
Googleでは、従業員が勤務中に短時間の仮眠を取ることが認められています。疲れを感じたときに仮眠をとることで集中力を回復し、仕事の効率を高めることを目的としています。科学的にも短時間の仮眠が生産性向上に有効だとされており、働きやすい職場環境づくりにつながっています。
マッサージルーム完備（サイバーエージェント）
サイバーエージェントでは、オフィス内にマッサージ専用のスペースを設置し、専門スタッフが常駐しています。従業員は業務の合間や業務後に無料でマッサージを受けることができます。これは、デスクワークが多い社員の健康維持やストレス緩和を目的としており、従業員の満足度向上や会社への愛着につながっています。

趣味・スキルアップ系

従業員の個人的な関心やスキル向上をサポートするための制度です。自己啓発や趣味への支援を通じて、従業員のモチベーションアップやクリエイティブな発想を引き出すことを目指しています。

書籍購入補助（メルカリ）
メルカリでは、従業員の自己学習やスキル向上を支援するため、毎月一定額まで自由に書籍を購入できる制度を導入しています。ジャンルを問わず幅広い知識を吸収し、新しい発想やアイデアを生むことを目的としています。
趣味手当（アルトワイズ）
アルトワイズは、社員が趣味にかけた費用の一部を会社が負担する「趣味手当」を設けています。社員の個性を尊重し、創造性や独自のアイデアを引き出すことを目的としています。これにより、多様な視点や創造力のある社員を育成しています。

食・暮らし系

日常の生活支援や健康的な生活環境の整備を目的とした制度です。食生活や日々の暮らしをサポートすることで、社員が働きやすい環境を整えています。

野菜支給制度（株式会社ゆめみ）
株式会社ゆめみでは社員の自宅に定期的に新鮮な野菜が無料で届く制度を導入しています。これは社員とその家族の健康増進を促進するとともに、社員が食生活を見直すきっかけにもなっています。
社食無料制度（楽天グループ株式会社）
楽天では社員食堂で提供される食事が無料です。社員が手軽に健康的でバランスのとれた食事を摂ることができるため、社員の健康維持と業務効率向上を目的として運営されています。

家族・子育て支援系

社員が仕事と家庭生活を両立できるようサポートする制度です。出産や子育てなど人生の大切な時期に、経済的負担の軽減や心理的な安心を提供します。

出産祝い金100万円制度（サニーサイドアップ）
サニーサイドアップでは、社員が子どもを出産した際に高額な祝い金（100万円）が支給されます。出産後の経済的な負担を軽減し、安心して育児ができるよう支援することを目的としています。
ベビーシッター利用補助（トヨタ）
トヨタでは、共働きの社員が安心して働けるよう、ベビーシッター費用の一部を会社が補助しています。育児による負担を減らし、仕事への集中力や職場復帰をサポートしています。

エンタメ系

社員が余暇を楽しみ、充実したプライベートの時間を過ごせるよう支援する制度です。社員のリフレッシュを促進し、仕事のパフォーマンスを向上させる狙いがあります。

映画鑑賞補助（GMOインターネット）
GMOインターネットでは、毎月映画館で利用できる鑑賞券を従業員に配布しています。社員の余暇活動を支援し、気分転換やストレス解消を促進しています。
エンタメ利用補助（株式会社アカツキゲームス）
アカツキゲームスでは創造性を育む目的で、福利厚生として「エンタメ利用補助」を提供しています。映画、ゲーム、漫画など多岐にわたるサポートが受けられます。

社内コミュニケーション系

社員間のコミュニケーション促進やチームワーク向上を目的とした制度です。社員同士の交流を深めることで、社内の一体感や連携を強化しています。

飲み会代金会社負担制度（Chatwork株式会社）
Chatworkでは、社員同士の交流を促すため、懇親会や飲み会の費用を会社が負担します。コミュニケーション活性化とチームワーク強化を目的としています。
クラブ活動支援制度（日本ベネックス）
日本ベネックスでは、会社の承認を得たクラブ活動に対して支援を行う「クラブ活動支援制度」を導入しています。社員同士のつながりやコミュニケーションを目的とした制度です。

休暇制度系

休暇制度系の福利厚生は、社員が人生で特別な出来事を経験したときや、個人的な事情が発生したときに休暇を取得しやすくするための制度です。社員の心理的・精神的なサポートを通じて、働きやすい環境を整え、モチベーションの維持・向上を目的としています。

失恋休暇制度（株式会社チカラコーポレーション）
株式会社チカラコーポレーションでは、社員が失恋した場合に特別休暇を取得できます。精神的なショックを和らげ、心身の回復を促すことを目的としています。会社が個人的な事情を理解し、配慮する姿勢を示すことで、社員の会社への帰属意識や信頼感が高まる効果も期待できます。
推し活メン休暇制度（株式会社ジークレスト）
株式会社ジークレストは、社員が自分の好きなアイドルやアーティスト、または趣味のイベントに参加するための休暇取得を認めています。この制度により、社員が趣味を充実させてリフレッシュできるだけでなく、社員同士の交流や話題づくりにも役立っています。

教育支援系

教育支援系の福利厚生は、社員のスキルアップや自己成長を会社が支援する制度です。社員の能力を高めることで、会社の競争力を強化し、社員のキャリア形成にもつながります。

海外MBA留学支援（IGPIグループ）
IGPIグループでは、社員がそれぞれの能力を最大限に活かせるように、海外派遣制度の一環として、海外MBA留学支援を行っています。学費と一部住居費を会社が負担することで、海外MBAの取得を促進しています。
テックカンファレンス・コミュニティへの参加支援（株式会社マネーフォワード）
株式会社マネーフォワードは、国内外のテックカンファレンス・コミュニティへのスポンサーや出展をしており、社員が参加する際の参加費用を会社が負担します。

社会貢献系

社会貢献系の福利厚生は、社員が社会貢献活動に積極的に参加できる環境を整備する制度です。企業の社会的責任（CSR）を果たすだけでなく、社員自身が社会との関わりを深めることで、仕事に対する意欲や社会貢献意識の向上を図っています。

ボランティア休暇制度（ライオン株式会社）
ライオンでは、社員がボランティア活動に参加するための特別休暇を取得できます。社員が自ら社会課題に取り組む時間を会社が支援することで、企業として社会貢献活動を推進するとともに、社員の社会貢献意識を高めています。
マッチングギフト制度（トヨタ自動車株式会社）
トヨタ自動車では社員が募金活動を行った場合、会社が同額をマッチングして寄付する制度を設けています。社員の社会貢献意識や活動を会社が積極的に支援することで、社会的なインパクトを高めるとともに、企業としての社会的責任を明確に示しています。

ユニークな福利厚生がもたらす従業員のメリット

ユニークな福利厚生は従業員に対して、以下のようなメリットをもたらします。

従業員満足度（ES）の向上

従業員満足度（ES）は、働く人がどれほど職場環境や待遇に満足しているかを示す指標です。従業員が「自分は会社に大切にされている」と感じられるような独自の福利厚生を提供することで、職場への愛着やモチベーションが高まります。また、実際に多くの企業で行われている従業員満足度調査でも、特別休暇制度や食事補助、自己成長の支援などが特に人気のある福利厚生として挙げられています。

心身の健康と幸福感の向上

健康サポートやリラクゼーション支援、柔軟な勤務制度といった福利厚生を取り入れることにより、従業員の心身の健康が維持・向上します。特にストレスが多い職場環境においては、メンタルヘルスケアや柔軟な働き方の導入が、従業員が働きやすい環境をつくる上で重要になります。結果的に、従業員は心身ともに健康な状態で仕事に取り組むことができます。

自己成長やスキルアップの促進

資格取得支援や語学留学制度、書籍購入補助といった教育支援系の福利厚生により、従業員は積極的にスキルアップや自己啓発に取り組むことができます。会社が個人の能力開発を支援することで、従業員自身のキャリア形成に役立つだけでなく、仕事に対する意欲や自信にもつながります。

ワークライフバランスの改善

ユニークな休暇制度や子育て支援などの福利厚生により、従業員は仕事とプライベートを両立しやすくなります。ワークライフバランスが整うことで、プライベートの充実感が高まり、職場でのパフォーマンスや仕事への集中力も向上します。

ユニークな福利厚生がもたらす企業側のメリット

従業員だけでなく、企業側にも以下のようなメリットがあります。

従業員の生産性やパフォーマンスの向上

従業員が心身ともに健康で満足度が高い状態で働ける環境を整えると、業務への集中力やモチベーションが上がり、生産性が向上します。実際に、従業員満足度（ES）が高い企業ほど顧客満足度（CS）や業績が良いという調査結果もあります。つまり、福利厚生への投資は企業の業績改善にも貢献します。

従業員の離職率の低下

ユニークで魅力的な福利厚生は、従業員が「この会社で働き続けたい」と感じる理由の一つとなります。離職率が低下すると、新たに人材を採用するコストや教育・研修にかかる費用が抑えられるため、企業にとっても経済的メリットがあります。

優秀な人材の採用力強化

競争が激しい人材市場の中で、他社とは異なる魅力的な福利厚生を提供することは、企業にとって強力なアピールポイントになります。採用活動においてユニークな福利厚生を積極的にアピールすることで、優秀な人材を獲得しやすくなります。

企業ブランドの向上

ユニークな福利厚生を提供することは、企業が従業員を大切にしているという企業イメージを高める効果があります。その結果、社内だけでなく社外からの評価も向上し、「働きがいのある会社」としての企業ブランドを構築できます。これにより、メディア露出の機会が増えたり、口コミによる知名度向上が期待できます。

節税効果の可能性

福利厚生の中には、一定の条件を満たせば税務上の損金（経費）として計上できるものがあります。具体的には、全従業員が対象で社会通念上妥当な範囲内の金額であれば、福利厚生費として法人税の節税にもつながります。制度を工夫すれば、コスト面でもメリットを享受できます。

ユニークな福利厚生の導入に成功するためのポイント

ユニークな福利厚生を導入する際には、ただ制度を取り入れるだけでなく、しっかりとした計画や準備が重要です。福利厚生を効果的に運用するには、次のようなポイントを押さえておく必要があります。

明確な目的を設定する

まず、「何のためにユニークな福利厚生を導入するのか」をはっきりと決めることが重要です。具体的な目的を決めることで、その後の制度設計や効果測定が明確になり、成果につながりやすくなります。
例えば、

特定の部署の離職率を下げたい
採用時に企業の魅力をアピールしたい
社内のコミュニケーションを活発にしたい

など、具体的な目的を設定しましょう。

従業員のニーズを把握する

従業員が本当に求めている制度を導入するためには、現場の声を聞くことが不可欠です。人事や経営層だけの判断ではなく、従業員アンケートやインタビュー、1on1ミーティングなどを通じて、「実際に何を求めているのか」を正確に把握しましょう。
従業員のニーズに合致した福利厚生を導入すれば、利用率や満足度も高まります。

費用対効果を検討する

ユニークな福利厚生を導入するには、当然ながら一定のコストがかかります。そのため、導入する制度の費用対効果（ROI：投資対効果）を慎重に検討する必要があります。例えば、「この福利厚生を導入すると離職率が何％下がるか」「生産性がどのくらい向上するか」など、具体的な数値目標を設定し、それに対する費用が妥当かどうかを検討します。

福利厚生を段階的に導入する

いきなり全社的に導入するのではなく、小規模なグループや部署単位で試験的に運用する「パイロット導入」も有効です。小規模で試験的に運用することで、利用状況や改善点を把握でき、大規模な失敗リスクを避けられます。

社内に制度内容を周知する

どんなに優れた福利厚生を導入しても、従業員が制度の存在や利用方法を知らなければ意味がありません。そのため、新しい福利厚生の内容や利用方法、制度導入の目的などを、社員に分かりやすく丁寧に周知することが大切です。
導入後も継続的に利用促進のコミュニケーションをとることで、制度の浸透と活用を促します。

福利厚生の最新トレンド

近年、企業の福利厚生制度は、社会の変化や働き方の多様化に合わせて大きく変わっています。従来型の一律的な制度から、より個人のニーズや価値観を重視した制度へと移行しています。この章では、現在の福利厚生で特に注目されている最新のトレンドについて詳しく解説します。

ウェルビーイングの向上

最近の福利厚生では、「ウェルビーイング」という考え方が広まっています。ウェルビーイングとは、単に病気でない状態を目指すのではなく、従業員が身体的・精神的・社会的に良好で、充実した状態を維持できるよう支援する考え方です。具体的には、従来からある定期健康診断や人間ドックの補助に加え、社内ジムやフィットネスクラブの利用補助、メンタルヘルスケアの充実、仮眠室の設置といった施策が導入されています。また、ストレスマネジメントのために外部のカウンセリングサービスを提供する企業も増えています。

ウェルビーイングが重視される背景には、健康経営という考え方の浸透があります。従業員の心身の健康を企業が積極的に支援することで、生産性の向上や離職率の低下、従業員のモチベーションアップなどが期待されています。

多様で柔軟な働き方の支援

働き方改革や新型コロナウイルス感染症の流行により、リモートワークやフレックスタイム制など、従業員が柔軟な働き方を選べる環境整備が進んでいます。在宅勤務を支援するために、自宅用のデスクやチェア、通信機器などの購入費用を補助する制度が導入されています。また、勤務地に縛られない働き方として、地方のサテライトオフィスの利用を推進したり、観光地やリゾート地で働けるワーケーション制度を取り入れる企業も増加しています。

こうした多様で柔軟な働き方の支援は、従業員のワークライフバランスの向上だけでなく、地方創生や企業のBCP（事業継続計画）としての効果も期待されています。

D&Iの推進

福利厚生の中でも特に注目を集めているのが、D&I（ダイバーシティ＆インクルージョン）への取り組みです。従業員の性別、国籍、年齢、障がいの有無、性的指向などにかかわらず、誰もが公平に働きやすい職場環境をつくることが重視されています。

例えば、男性社員の育児休業取得の推進、不妊治療や妊活への支援、同性パートナーを持つ従業員への福利厚生適用、外国籍従業員に向けた語学学習支援などが挙げられます。これらの施策を通じて、企業は多様な人材が安心して能力を発揮できる環境を整え、従業員満足度や企業イメージの向上を目指しています。

自己成長やキャリア開発支援の充実

近年では、従業員のキャリア形成や自己成長を積極的に支援する企業が増えています。従業員がスキルアップや資格取得、語学習得などに取り組めるよう、企業が費用負担や教育プログラムを提供する例が目立っています。

具体的には、オンライン学習プラットフォームの無料提供、資格取得費用の負担、副業や兼業の推進、メンター制度や社内研修の充実などが挙げられます。企業が従業員の自己成長をサポートすることで、組織全体の能力が底上げされ、生産性向上や従業員のキャリア意識の醸成につながります。

このように、福利厚生制度は従来の画一的な内容から、より柔軟で個人のニーズを重視した内容へと変化しています。企業は最新のトレンドを取り入れ、自社の文化や従業員のニーズに合った福利厚生を提供することで、企業競争力やブランド価値を高めていくことができます。

ユニークな福利厚生は企業の競争力向上のカギ

本記事では、ユニークな福利厚生が注目される背景や具体的な事例、メリット、導入の成功ポイント、最新トレンドを紹介しました。

人材獲得競争が激しく、多様な働き方や価値観が広まる現代において、ユニークな福利厚生は単なる従業員サービスを超え、企業の競争力やブランド価値を高める重要な施策となっています。ぜひ自社の状況に合った制度設計を行い、従業員と企業がともに成長する職場環境を築いていきましょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修：涌井好文（社会保険労務士）
平成26年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録を行い、以後地域における企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動を行う。退職時におけるトラブル相談や、転職時のアドバイスなど、労働者側からの相談にも対応し、労使双方が円滑に働ける環境作りに努めている。また、近時は活動の場をWeb上にも広げ、記事執筆や監修などを通し、精力的に情報発信を行っている。