• 作成日 : 2026年3月11日

法人の登記簿謄本(登記事項証明書)とは?種類や取得方法、手数料などを徹底解説

Point法人登記簿(登記事項証明書)とは?

企業の名称や所在地、資本金、役員などの重要事項を法務局が公証する書類です。

  • 種類:過去3年の履歴を含む「履歴事項全部証明書」
  • 取得場所:全国の法務局、郵送、またはオンラインで誰でも可
  • 手数料(2025年4月〜):オンライン請求(郵送受け取り)は520円、窓口請求は600円

コンビニで出せるのは「内容確認用」のみで、銀行や行政への提出には、法務局が発行する公印付きの証明書が必須です。

法人の登記簿謄本(正式名称:登記事項証明書)は、企業の名称、本店所在地、目的、資本金、役員などの重要事項を公的に証明する書類です。

本記事では、法人の登記簿謄本取得方法や2025年4月からの最新手数料、オンライン申請の注意点まで詳しく解説します。

法人の登記簿謄本(登記事項証明書)とは?

法人の登記簿謄本とは、会社の名称、本店所在地、代表者の氏名、資本金といった法的情報を法務局が記録・公開している公的な帳簿のことです。

現在、私たちが手にする書類の正確な名称は「登記事項証明書」です。かつて法務局がブック形式の「登記簿」を管理し、その写し(謄本)を発行していたため「登記簿謄本」と呼ばれていました。現在はコンピュータ化されたため、磁気ディスクに記録された内容をプリントアウトした登記事項証明書が、かつての謄本と同じ役割を果たしています。

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法人の登記簿謄本が必要とされる場面は?

登記簿謄本は、法人の実在性や現在の法的状況を第三者が確認するために、主に金融、契約、行政手続きなどで必要とされます。

ビジネスの現場で提出を求められる主なケースは以下の通りです。

1. 金融機関・資金調達に関する手続き

融資や口座開設において、法人の実体と代表者の権限を確認するために必須です。

  • 銀行口座の開設・更新:新規開設時だけでなく、法人口座の定期的な情報更新時にも求められます。
  • 融資の申し込み:銀行や日本政策金融公庫などから資金を借り入れる際、審査書類の筆頭となります。
  • 法人カード・決済導入:法人クレジットカードの発行や、キャッシュレス決済サービスの導入審査に必要です。

2. 契約・オフィスに関する手続き

不動産取引や企業間取引において、契約相手としての適格性を証明するために使用します。

  • オフィスの賃貸借契約:事務所や店舗を借りる際、オーナーや管理会社への提出が必須です。
  • 新規取引の開始(与信調査):BtoBビジネスで新規契約を結ぶ際、相手企業から「実体のある会社か」を確認するために提出を求められます。また「反社チェック」で求められる場合もあります。
  • 社用車の購入・登録:法人名義で自動車を購入し、車庫証明や名義登録を行う際に必要です。

3. 行政・法的・許認可の手続き

公的な申請において、法人の基本情報を正しく届け出るために使用します。

  • 補助金・助成金の申請:国や自治体の支援制度を利用する際、申請資格の確認書類として必須です。
  • 許認可の取得・更新:建設業許可や宅建業免許、飲食業許可など、特定の事業を行うための免許申請に必要です。
  • 社会保険・労働保険の加入:従業員を雇用し、各種保険の適用を受ける際の手続きで使用します。
  • 特許・商標の登録:知的財産権を法人名義で申請・管理する際に、登録事項の証明として求められます。

法人の登記簿謄本(登記事項証明書)の種類は?

法人の登記簿謄本には、記載される情報の範囲に応じて「履歴事項」「現在事項」「閉鎖事項」「代表者事項」の4種類があります。

提出先から特に指定がない場合は、概ね過去3年分の変更履歴まで記載される「履歴事項全部証明書」を取得するのが一般的です。

種類記載内容の範囲主な活用シーン
履歴事項全部証明書現在の情報と約3年前までの変更履歴銀行口座開設、融資、重要契約
現在事項全部証明書請求日時点で効力がある最新情報のみ現時点の代表者や住所の確認
代表者事項証明書代表者の氏名・住所・資格のみ代表者の資格証明のみが必要な場合
閉鎖事項全部証明書解散・合併等で閉鎖された過去の記録過去の清算状況の調査など

1. 履歴事項全部証明書

現在有効な登記事項に加え、請求日の3年前の日の属する1月1日から今日までの変更履歴(社名変更や役員交代など)が記載されます。 過去の経緯を含めて企業の同一性を確認できるため、銀行や官公庁への提出用として最も広く利用されています。

2. 現在事項全部証明書

請求日時点で「効力がある情報のみ」を抽出して記載した書類です。 過去の変更履歴は省略されるため、現在の代表者や本店所在地だけを端的に証明したい場合に適しています。

3. 閉鎖事項全部証明書

本店移転や解散、合併などによって閉鎖された古い登記記録を証明する書類です。 現在の履歴事項全部証明書には載らない、さらに古い過去の情報を遡って調査したい場合に使用します。

4. 代表者事項証明書

会社の代表者の氏名・住所・資格(代表取締役など)のみをピンポイントで証明する書類です。 資格証明書として提出を求められることがありますが、利用頻度は他の証明書に比べると低めです。

法人の登記簿謄本の主な記載事項は?

登記簿には、法人の基本情報から組織形態、変更の履歴まで、会社経営における最重要事項が網羅的に記録されています。

特に「履歴事項全部証明書」に記載される主な項目と、その重要性は以下の通りです。

1. 法人を特定するための基本事項

  • 会社法人等番号:各法人に割り振られた12桁の識別番号です(13桁のマイナンバー法人番号とは異なります)。
  • 商号(社名):正式な会社の名称です。
  • 本店・支店所在地:法人の活動拠点となる住所です。
  • 公告の方法:決算公告などを「官報」「日刊新聞」「電子公告」のいずれで行うかが記載されます。

2. 資本金と株式に関する事項

  • 資本金の額:会社の設立時や増資後の出資総額です。
  • 発行可能株式総数その会社が発行できる株式の上限数です。
  • 発行済株式の総数並びに種類及び数:現在実際に発行されている株式の数です。
  • 株式の譲渡制限:株式を譲渡する際に会社の承認が必要かどうか(非公開会社か否か)を示します。

3. 目的(事業内容)

  • 目的:その法人が「どのような事業を行うか」を列挙したものです。

ここに記載のない事業を行うと、銀行融資や許認可申請で不利になる場合があるため、事業拡大の際は変更登記が必要です。

4. 役員に関する事項(経営体制)

  • 役員の氏名・住所:代表取締役、取締役、監査役などの氏名が記載されます。代表取締役については住所も公開されます。
  • 役員に関する事項(就任・退任):いつ就任し、いつ退任(重任)したかの履歴が残ります。
  • 取締役会・監査役設置の有無:その会社がどのような機関設計(組織の形)を採用しているかがわかります。

5. 会社の履歴に関する事項(過去の変更)

  • 設立年月日:会社が成立した日です。
  • 変更履歴:商号変更、本店移転、役員交代など、過去数年間の変更内容が下線付きで記載されます(履歴事項全部証明書の場合)。

法人の登記簿謄本を取得する方法は?

法人の登記簿謄本を取得するには、法務局窓口、オンライン請求、郵送請求の3つのルートがあります。 誰でも全国どこの法務局の情報でも取得可能ですが、利便性とコストの面から「オンライン請求」が推奨されます。

1. オンライン(登記・供託オンライン申請システム)で取得する

オンライン請求は、専用サイトから申し込むことで、証明書を郵送で受け取るか、窓口で受け取るかを選択できる方法です。

手順
  1. 利用登録:登記・供託オンライン申請システム」にアクセスし、申請者IDを取得します。
  2. 物件検索:会社名や本店所在地から、証明書が欲しい法人を特定します。
  3. 請求・納付:必要枚数を選択し、インターネットバンキング等で手数料を支払います。
  4. 受け取り:郵送で届くのを待つか、指定した法務局の窓口へ取りに行きます。

登記・供託オンライン申請システムの利用時間は、原則平日 8:30〜21:00(祝日・年末年始除く)となります。

参考:登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です|法務局

2. 法務局の窓口で請求する

最寄りの法務局(登記所)の窓口に備え付けの「交付申請書」を提出し、その場で発行してもらう方法です。

手順
  1. 申請書の記入:窓口に備え付けの「登記事項証明書交付申請書」に記入します。
  2. 印紙の購入:法務局内にある販売所で手数料分の収入印紙を購入し、申請書に貼付します。
  3. 窓口提出:番号札を受け取り、数分〜十数分待って書類を受け取ります。

即日で現物が手に入るため、急ぎの場合に適しています。会社の本店所在地以外の法務局でも、全国どこの法務局からでも取得が可能です。

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出典:登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式|法務局登記事項証明書 印鑑証明書及び 交付申請書

法務局の窓口およびオンラインシステムの受付時間は以下の通りです。

  • 開庁時間:平日の午前8時30分から午後5時15分まで。
  • 休日:土曜日、日曜日、国民の祝日、年末年始(12月29日〜1月3日)。
    ※オンライン請求自体は夜間も操作可能な場合がありますが、原則:平日 8:30〜21:00(※土日、祝日、年末年始を除く)となり、処理は翌営業日となる場合があります。

3. 郵送で請求する

交付申請書と返信用封筒、手数料分の収入印紙を同封して法務局へ送付する方法です。

手順
  1. 書類準備:法務省ホームページからダウンロードした申請書に記入し、収入印紙を貼ります。
  2. 送付:返信用封筒(切手貼付)を同封し、法務局(宛先はどこでも可)へ送付します。

法務局が遠方にあり、かつPC操作が難しい場合に利用されますが、往復の郵送時間がかかる点に注意が必要です。

参考:管轄のご案内|法務局

【2025年4月改訂】法人の登記簿謄本の取得手数料は?

法人の登記簿謄本の取得手数料は、2025年4月1日の改定により、オンライン請求(郵送)が520円、窓口請求が600円となっています。 取得方法によってコストが異なるため、大量に取得する場合や定期的に必要な場合は、オンラインでの請求が最も経済的です。

請求方法受け取り方法手数料(1通)納付方法
オンライン請求窓口受取490円電子納付(Pay-easy等)
オンライン請求郵送受取520円電子納付(Pay-easy等)
法務局窓口での請求窓口受取600円収入印紙
郵送での請求郵送受取600円収入印紙

※ オンライン請求の郵送受取には、普通郵便の送料が含まれています。速達などを希望する場合は別途費用が必要です。

参考:登記手数料について|法務省

法人の登記簿謄本の取得前に知っておきたい注意点は?

無駄な取り直しを防ぐために、以下のポイントを必ず確認してください。

有効期限は3ヶ月以内

ほとんどの提出先(銀行、官公庁、取引先)において、登記簿謄本の有効期限は「発行から3ヶ月以内」と定められています。 書類自体に有効期限の印字はありませんが、古すぎる書類は現在の実態を反映していない可能性があるため、受け付けてもらえません。必ず提出の直前に取得するようにしましょう。

コンビニのマルチコピー機では取得できない

住民票などはマイナンバーカードを利用してコンビニで取得できますが、法人の登記簿謄本(登記事項証明書)はコンビニでは取得できません。 コンビニのマルチコピー機等で出力できるものは、あくまで「内容確認用の情報」であり、官公庁や銀行に提出する「公印のある証明書」ではない点に注意してください。

変更登記の申請中は取得できない

会社の内容(役員交代や本店移転など)を書き換えている最中(登記申請中)は、原則として、その会社の登記簿謄本を取得することができません。 法務局の事務処理が終わるまでロックがかかるため、急ぎで必要な場合は、登記申請を行うタイミングに注意してください。

法人の登記簿謄本の正しい取り方を覚えておこう

法人の登記簿謄本(登記事項証明書)は、自社の手続きだけでなく、新規取引先の与信管理や実態調査においても重要な役割を果たします。特に「履歴事項全部証明書」を確認することで、過去数年間の社名変更や役員の交代劇など、企業の透明性を測るヒントが得られます。2025年からの新料金体系を把握し、オンラインシステムを賢く活用して、必要な書類を効率的に手配しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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