- 更新日 : 2026年2月26日
漫画家はいつから開業届の提出が必要?書き方もわかりやすく解説
営利目的で継続して活動するなら、所得税法上、開業日から1ヶ月以内の提出が必須ですが、未提出や期限後でも罰則はありません。
提出義務はありますが罰則はなく、むしろ未提出による融資・節税の機会損失や、職業欄の書き方次第で税負担が変わる点にこそ注意が必要です。
漫画家の仕事で収入を得ている人のなかには、「開業届」の提出を検討されている方もいるでしょう。事業を開始した際に提出する「開業届」は、事業規模や収入の多寡に関わらず必ず提出しなければならないのでしょうか?今回は「開業届」提出の要否やその提出時期などについて解説します。
目次
漫画家はいつから開業届の提出が必要?
営利を目的とし、漫画家を継続して行う意思がある場合、開業届は原則として提出が求めています。所得税法では、「事業開始等の事実があった日(開業日)から1ヶ月以内」に開業届を提出しなければならないと定めています。開業届を提出するタイミングは、漫画家として事業を始めた日(開業日)から1ヶ月以内です。
なお、「開業日」は個人事業主が任意で決められます。漫画家の場合、執筆に必要な道具や作業場を準備した日や執筆依頼を受けた日、初めて原稿を納めた日など、事業開始に至るまでの節目となる日を開業日とするケースが多いようです。
漫画家が開業届を提出しないとどうなる?
開業届の提出は義務ですが、提出しないこと自体に直ちに税法上のペナルティがあるわけではありません。届出を失念していたことに対する延滞税や加算税といった罰金はなく、税務署から届出の失念を指摘されることもありません。提出期限後に開業届を出した場合でも、罰則が課されることはありません。
ただし、個人事業主の場合「開業届の控え」の提出を求められるケースがあります。例えば、金融機関から融資を受ける際です。個人事業主の場合、確実に事業を行っていることを証明する就業証明書のような書類がありません。そこで金融機関は融資審査の過程で、個人事業主が継続性のある事業を行っていることを確認するため、開業届の提出を求めるのです。同様の理由により、子どもの保育園の入園審査などでも開業届が必要になることがあります。
漫画家が開業届を提出するメリットは?
「開業届」を提出する最大のメリットは、「青色申告特別控除」や「青色事業専従者給与」といった所得税青色申告制度の各種特典を受けられる点です。青色申告制度の適用を受けるためには「青色申告承認申請書」を提出しなければなりませんが、当該申請書の提出は「開業届」を提出していることが要件となります。従って、青色申告を希望する場合は、開業届とあわせて青色申告承認申請書の提出が必要となります。
漫画家はインボイス発行事業者の登録も必要?
開業届とあわせて検討が必要なのが「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」への登録です。
出版社と取引するなら登録推奨
出版社や制作会社などのクライアント(課税事業者)は、漫画家から「インボイス(適格請求書)」を受け取れないと、消費税の控除ができず税負担が増えてしまいます。そのため、取引先から登録を要請されることも多くあります。従って、商業誌や企業案件を受ける漫画家は、開業届の提出と同時にインボイス発行事業者の登録を行うことも推奨されます。
一方、個人のファンからの支援や、一般読者への同人誌販売がメインであれば、必ずしも登録の必要はありません。自身の活動方針に合わせて検討しましょう。
漫画家の開業届の書き方は?
次に、漫画家の方が開業届を記入するにあたって注意すべき点を挙げます。なお、開業届は、業種を問わず共通する書き方が多いです。共通する書き方については、以下の記事を参考にしてください。
職業欄の書き方
漫画家の場合、職業欄には「漫画家」または「漫画制作業」と記入することが一般的です。
理由として、政府の「日本標準職業分類」において「画家、書家」の事例に「漫画家」が含まれているためです。デジタル作画やWebtoon制作がメインの場合も「漫画家」で問題ありません。
個人事業税の扱いに注意 職業欄の記載は「個人事業税(年間所得290万円超で発生)」の判断材料になります。「漫画家」は基本的に個人事業税の課税対象外(法定業種に含まれない)とされるケースが多いですが、自身の作品をグッズ化して販売する場合などは「物品販売業」とみなされ、課税対象になる可能性があります。
屋号の書き方
屋号欄には、活動に使用している「ペンネーム」を記入できます。銀行口座をペンネーム(屋号)付きで開設したい場合は、記入しておきましょう。もちろん、実名で活動している場合や、屋号が必要ない場合は「空欄」のままでも問題ありません。なお、ペンネームを屋号にする場合でも、納税者としての「氏名」欄には必ず本名を記載する必要があります。
漫画家が開業届を出す際のリアルな実態とは?
漫画家として開業届の提出を検討する際、他の人がどのように手続きを進めているのか気になる方も多いでしょう。ここでは、株式会社マネーフォワードが実施した開業届の作成・提出経験者を対象としたアンケート調査を基に、リアルな実態をご紹介します。
7割以上が自力で開業届を作成・提出
調査によると、全体の71.3%が「自分で開業届を作成・提出した経験がある」と回答しています。作成時の利用ツールは「国税庁のPDFや紙様式(41.1%)」が最多でしたが、20代男性の66.7%が「e-Tax」を利用するなど、若い世代ほどデジタルツールの活用が進んでいます。また、事前の情報収集を除く作成から提出までの所要時間は、約4割の人が30分未満で完了させています。
手続きのハードルは「制度の理解」
手続き全体を通して面倒・ハードルが高いと感じた点については、「青色申告などの関連書類の理解(21.4%)」や「記入内容の判断(20.2%)」が上位を占めました。書類の作成や入力作業そのもの(11.3%)よりも、制度への理解に悩む傾向が明らかになっています。漫画家として開業する際も、青色申告の仕組みや職業欄の書き方など、事前に制度を正しく理解しておくことが重要です。
出典:マネーフォワード クラウド、手続きで「面倒・ハードルが高い」と感じた点・青色申告承認申請書の提出状況【開業届に関する調査データ】(回答者:812名、集計期間:2026年1月実施)
そもそも開業届とは?
開業届は、正式名称が「個人事業の開業・廃業等届出書」で、個人が事業を始めたことを税務署に知らせるための書類のことです。
所得税を納める方法として、会社員の場合は毎月の給料から天引きされることが一般的です。一方、会社に属さず個人で事業をする場合は、自身で所得税を計算し、確定申告を行う必要があります。
開業届を税務署に提出すると、「個人事業主として所得税を納めます」と税務署に知らせることになります。それ以降、税務署は確定申告に必要な情報を事業主に通知し、また、事業主がきちんと申告・納税しているか管理します。
開業届は誰が提出する?
基本的に手続き対象者は本人となりますので、本人が税務署に対して、開業届を提出します。
\フォーム入力だけで簡単、提出もネットで/
開業届の提出期限は?
開業届は、事業を開始した日(開業日)から1カ月以内に、事業所を管轄する税務署へ提出します。開業日といっても個人事業主の場合は、事業を始めた日があいまいなこともあるでしょう。この点については決まったルールがあるわけではなく、本人が「開業した」と考える日が開業日となります。
したがって、提出期限は『事業開始等の事実があった日から1か月以内』とされています。罰則が直ちに定められているわけではありませんが、青色申告を希望する場合などは関連書類の提出期限もあるため、早めの手続きをすることをお勧めします。
開業届をネットで簡単に作成する方法
マネーフォワード クラウド開業届(サービス利用料0円)の場合、ソフトのインストールなどは一切必要なく、オンライン上でいくつかの質問に答えるだけで簡単に開業届の作成・提出ができます。
\電子申告でラクに開業届を提出/
e-Taxソフトで開業届を作成する際は、e-Taxソフトのインストールなどが必要です。
ソフトのインストールが不要でオンライン上で利用できる、マネーフォワード クラウド開業届のような開業届作成サービスは、デザインや使いやすさが初心者向けに設計されているのが特徴です。
開業届はスマホで電子申請・提出がラク!
開業届を提出するには、スマホで電子申告(e-Tax)・インターネット(e-Tax)・郵送・税務署の窓口に持参の4つの方法があります。
完全無料で使える「マネーフォワード クラウド開業届」で、フォームに沿って必要な情報を入力したのち、スマホから電子申告(e-Tax)が簡単にできます。
インターネットで完結するので、個人事業主やフリーランスの方など、非常に多くの方にご利用いただいております。
\スマホで簡単に開業届を提出/
漫画家の開業届手続きを済ませて創作に集中を
漫画家として継続的な収入を得るなら、最大65万円の控除など節税メリットが大きい青色申告を利用できる開業届の提出が欠かせません。職業欄にはシンプルに漫画家と記載し、屋号にペンネームを活用することで、プライベートと事業を分けたプロとしての体制が整います。
2026年現在はスマホひとつで簡単に電子申告が完了するため、税務署に行く手間もかかりません。インボイス制度への対応も含め、便利な無料作成サービスを使って早めに手続きを済ませ、安心して執筆活動に打ち込める環境を作りましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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