• 更新日 : 2026年1月21日

法務局への登記申請書の書き方は?テンプレートや記入例も紹介

株式会社を設立するには、管轄の法務局で設立登記の手続きが必要です。定款の作成や資本金の払い込みが完了したあとに、会社設立の総仕上げとして登記申請書を作成します。この書類には法律に基づいた厳格な記載ルールがあり、不備があると修正のために何度も足を運ぶことになりかねません。

ここでは、株式会社設立登記申請書の正しい書き方やテンプレートの入手先、法務局へ提出する際の作成ルール、申請の流れについて解説します。

目次

そもそも株式会社設立登記申請書とは?

株式会社設立登記申請書とは、新しい会社を法律的に成立させるために、法務局(登記所)へ提出する申請書類のことです。 この書類を提出し、登記官による審査を経て不備がなければ、会社は法人として正式に認められ、営業活動や銀行口座の開設ができるようになります。

申請書には、これから作る会社の「商号(名前)」「本店所在地」「資本金の額」「役員」といった重要事項を記載します。これらの内容は、定款(ていかん)などの添付書類と完全に一致していなければなりません。一文字でも間違っていると補正(修正)が必要になるため、正確さが求められます。

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法人登記にはどんな書類が必要?

会社設立の登記申請では、申請書本体だけでなく、その内容を裏付ける多くの添付書類をセットにして提出します。 書類に不足があると申請が通らないため、事前にリストを確認して漏れなく準備することが重要です。

一般的には、定款や役員の就任承諾書、印鑑証明書などが求められますが、会社の機関設計(取締役会の有無など)によって必要な種類が異なります。 ここでは、法人登記に必要な書類について解説します。

会社設立を登記する際に必要な書類

登記申請の際に必ず用意するのが「株式会社設立登記申請書」本体です。 この書類は、設立時代表取締役が法務局に対して「この内容で会社を登録してください」と意思表示をするためのものです。申請書には、登録免許税として必要な額の収入印紙を貼った台紙を合綴(がってつ)します。

また、登記事項をデータ化するために、登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)または別紙もあわせて用意します。

登記申請書以外に必要な添付書類一覧

申請書以外にも、記載内容が真実であることを証明するための添付書類が必要です。 まず、会社の基本規則を定めた「定款(ていかん)」は必須であり、公証役場で認証を受けたものを用意します。次に、役員が就任を承諾したことを示す「就任承諾書」や、実印であることを証明する個人の「印鑑証明書」も欠かせません。

さらに、資本金が正しく入金されたことを示す「払込証明書(通帳の写しなどを添付)」や、会社の実印を登録するための「印鑑届出書」も提出します。

法務局へ出す登記申請書の作成ルールは?手書きはOK?

登記申請書は公的な文書であるため、作成方法にはいくつかの形式的な決まりがあります。 ルールを守らないと書類を受け付けてもらえないこともあるため、中身を書く前に形式面での決まりごとをしっかり確認しておく必要があります。用紙のサイズや文字の消し方など、細かい指定が存在します。

ここでは、法務局へ出す登記申請書の作成ルールについて解説します。

パソコン作成が基本だが手書きも可

登記申請書は、パソコンを使って作成するのが一般的ですが、手書きでも問題ありません。 法務局のホームページでWord形式のテンプレートが公開されているため、それをダウンロードして入力すればスムーズに作成できます。パソコンを持っていない場合は、黒色のボールペンやインクを使用して手書きで作成します。

ただし、鉛筆や消えるボールペン(フリクション等)は使用できません。文字は崩さず、楷書で丁寧にはっきりと記入します。

用紙サイズはA4、横書きが原則

申請書や添付書類を作成する用紙は、日本産業規格(JIS)のA4サイズを使用するのが原則です。 紙質は長期保存に耐えられる一般的なコピー用紙や上質紙を選び、感熱紙などの変色しやすい紙は使用しません。文字の向きは「横書き」で統一します。

手書きの場合も、横書き用の便箋やレポート用紙を使用するか、A4の白紙に横書きで記入します。余白等の規定は厳密ではありませんが、書類を綴じるためのスペースを考慮し、左端は少し空けておくと良いでしょう。

複数枚になる場合の綴じ方と契印

申請書が2枚以上になる場合や収入印紙貼付台紙を付ける場合は、ホッチキスで左側を2か所留めて契印(けいいん)をします。 契印とは、ページが続いていることを証明するために、ページのつづり目に印鑑を押すことです。申請書に押印した会社代表印と同じ印鑑を使用し、見開きにした状態で左右のページに印影がまたがるように押します。

製本テープを使って袋とじにする場合は、裏表紙とテープの境目に1か所だけ契印を押せば問題ありません。

記載ミスをした時の訂正方法

記載内容を間違えてしまった場合は、二重線と訂正印を使って修正します。 修正液や修正テープを使ってはいけません。訂正等は、間違えた文字に二重線を引き、その近くに正しい文字を記入します。そして、二重線の上に訂正印(申請書と同じ印鑑)を押します。

さらに余白部分に「〇字削除 〇字加入」と記載するのが正式な作法です。あらかじめ欄外(上部の余白など)に「捨印(すていん)」を押しておけば、軽微なミスがあった場合に法務局側で訂正処理をしてもらえることがありますが、内容は慎重に確認すべきです。

参考:商業・法人登記の申請書様式|法務局 

株式会社設立登記申請書のテンプレート・雛形

株式会社設立登記申請書は、記載内容がある程度決まっているため、一般的にテンプレート、雛形を用いて作成します。

株式会社設立登記申請書のテンプレート、雛形は、次のページからダウンロードすることができます。ぜひ、ご活用ください。

株式会社設立登記申請書の書き方

ここからは、株式会社設立登記申請書の書き方について見ていきましょう。

株式会社設立登記申請書の書き方

① 商号、本店の所在地

商号と本店の所在地を記載します。商号とは法人名のことです。商号の上にはカタカナでフリガナも記載します。本店の所在地は、法人の所在地(住所)を都道府県から記載しますが、最後は「○丁目○番○号」と記載します。

② 登記の事由

登記の事由は、どのような事由で登記するのかを記載する箇所です。「令和○年○月○日発起設立の手続終了」と記載します。日付は、株式会社設立に必要な手続きの全てが完了した日となります。設立時取締役などによる調査が終了した日または発起人が定めた日のうち、いずれか遅い日(登記期間の起算日)となります。

③ 登記すべき事項

登記すべき事項とは、本来登記しなければならない具体的な事項を記載しますが、株式会社設立登記申請書では記載事項が多くなるため、「別紙の通り」と記載します。

④ 課税標準の金額

課税標準の金額の欄には、設立する会社の資本金の額を記載しましょう。この欄に記載する金額が登録免許税の計算の基礎となります。

「金○○万円」という形式で記入しますので、資本金を300万円とするなら「金300万円」と記載します。金額は漢数字ではなくアラビア数字で記入しましょう。「円」の単位もつけます。

⑤ 登録免許税の額

登録免許税とは、登記の際に支払いが必要な税金です。株式会社設立における登録免許税の金額は「資本金×0.7%」または「150,000円」のいずれかの高いほうとなります。計算の結果、100円未満の端数が出る場合は、端数金額は切り捨てです。

(※登録免許税は、市区町村が行う特定創業支援など事業の支援を受ければ、一定の軽減措置が受けられます)

⑥ 添付書類

株式会社設立登記申請書に添付する書類名を記載します。

⑦ 申請の年月日

法務局に会社設立の申請年月日を記載します。

⑧ 本店、代表者の氏名・住所・連絡先

本店の所在地や商号、代表者住所、氏名、連絡先電話番号を記載します。代表者の氏名の横には、登記所に提出した印鑑を押しましょう。代理人が申請する場合は、代理人の氏名や住所も忘れずに記載します。

⑨ 登記所の表示

本店所在地を管轄する法務局名を記載します。

株式会社設立登記申請書に添付する書類は?

申請書本体だけでなく、添付書類の準備も非常に重要です。 添付書類は会社の構成によって異なりますが、不足があると登記が完了しません。印鑑証明書など期限がある書類も含まれるため、計画的に収集する必要があります。

ここでは、株式会社設立登記申請書に添付する書類について解説します。

収入印紙を貼付した台紙

登録免許税の支払いは、収入印紙を購入して納める方法が一般的です。 購入した収入印紙は、A4サイズの白紙(収入印紙貼付台紙)の中央に貼り付け、株式会社設立登記申請書の次(2枚目)に綴じます。

重要な点として、収入印紙に消印や割印をしてはいけません。これは法務局側で処理を行うためです。

登記すべき事項を記録した別紙・CD-R

会社の目的や役員情報など、登記簿に記載される内容をまとめたデータが必要です。 以前は紙の「別紙」での提出が多かったですが、現在はCD-RやDVD-Rなどの磁気ディスクにテキストデータを保存して提出する方法が推奨されています。

データの作成には法務局指定の形式(テキスト形式など)があるため、案内を確認して作成します。

公証人の認証を受けた定款

定款は、法人を設立する前に作成する根本規則ですが、公証人の認証を受けたものを添付します。 定款には、商号や本店所在地、目的や資本金の金額、発起人の情報などを記載しなければなりません。

電子定款を作成して電子認証を受けた場合は、電磁的記録媒体(CD-R等)または、書面に出力したものなどを添付することになります。

設立時代表取締役の就任承諾書

代表取締役が就任を承諾したことを証する書面です。 「私は、設立時代表取締役に選定されたので、その就任を承諾します」といった文言に加え、代表取締役の氏名・住所、就任を承諾する旨などを記載します。

個人の実印を押印するのが通例です。代表取締役以外に取締役がいる場合は別途、設立時取締役の就任承諾書の添付も必要です。

会社実印を押した印鑑届出書

印鑑届出書は、会社の実印(代表者印)を法務局に登録するための書類です。 所定の用紙に、登録したい会社の実印と、届出人である代表取締役個人の実印をそれぞれ押印します。必ず個人の印鑑証明書を添付して提出します。

この届出により、会社設立後に印鑑証明書が取得できるようになります。

発起人の同意書(必要な場合)

発起人の同意書とは、株式の割当て等について発起人全員の合意があったことを証する書面です。 会社の設立時に、発起人が割り当てを受ける株式数や株式の種類、払い込む金額について、定款に記載がない場合に必要となります。

定款ですべて詳細に定めている場合は添付を省略できることもあります。

設立時取締役全員の印鑑証明書

取締役会を設置しない会社では、設立時取締役全員の印鑑証明書が必要です。 就任承諾書に押された印鑑が実印であることを証明するためです。発行から3カ月以内のものに限られるため、取得時期に注意しましょう。

取締役会設置会社の場合は、代表取締役の印鑑証明書のみで足りるケースもあります。

設立時監査役の就任承諾書

監査役を設置する場合は、設立時監査役の就任承諾書が必要です。 発起人以外の人が監査役になる場合などに用意します。

監査役の氏名・住所のほか、就任を承諾する旨などを記載し、押印します。

資本金の払込証明書と通帳の写し

資本金の払込証明書は、会社設立に必要な資金が確実に払い込まれていることを証明する書類です。 「払込証明書」という表紙を作成し、株式数と払込金額を記載して代表者印を押します。

これに、預金通帳の写し(表紙、裏表紙、振込明細ページ)を合わせてホッチキスで留めます。インターネットバンキングの場合は、取引明細画面をプリントアウトしたものでも代用可能です。

株式会社設立登記申請書の作成ポイントは?

書類がすべて揃ったら、提出に向けて最終的なまとめ作業を行います。 書類の並び順や綴じ方には慣例があり、法務局でスムーズに処理してもらうために整理整頓が大切です。

ここでは、株式会社設立登記申請書の作成ポイントについて解説します。

書類を正しい並び順でまとめる

作成した書類は、バラバラにならないようにホッチキスで留めて提出します。 一般的にまとめるときの並び順は、上から「登記申請書」「登録免許税の収入印紙を貼付した台紙」「添付書類(定款、同意書、承諾書など)」となります。

ただし、「印鑑届出書」は他の書類と綴じずに、クリップなどでまとめて提出するのが一般的です。登記申請書、収入印紙貼付用紙、添付書類の順に左側をホッチキスで留め、各ページのつづり目に会社実印で契印します。

準備に余裕を持つ

株式会社設立登記申請書の作成には、各発起人の印鑑証明書を集めるなど、準備に時間を要する場合があります。 

また、作成した書類に不備が見つかると、修正のために時間がかかり、予定していた設立日に間に合わない可能性もあります。そのため、準備をする時間には余裕を持って作成するようにしましょう。

株式会社設立登記申請の流れと申請方法は?

会社設立の手続きは、申請書の作成以外にも多くのステップがあります。 全体の流れを把握しておくことで、どのタイミングで何を用意すべきかが明確になります。

ここでは、株式会社設立登記申請を行う流れと申請方法について解説します。

① 会社設立に必要な基本事項の決定

会社設立をする際、最初にどのような会社にするのかを決める必要があります。

会社設立に必要な情報は「会社の形態(株式会社か合同会社かなど)」「商号、本店所在地」「目的(どのような事業を行うのか)」「資本金」「設立日」「会計年度」「役員」などです。これらは定款や申請書の記載事項となります。

② 法人用実印(代表者印)の作成

法人設立登記には、法人の実印が必要です。 そのため、商号が決まったら早めに法人の実印を作成します。

法人の実印は公的な書類の押印に用いますが、他に銀行印や角印などの印鑑も必要です。はんこ販売店などでは法人設立に必要な印鑑セットで扱っているため、確認することをおすすめします。

③ 定款を作成し公証役場で認証を受ける

会社設立に必要な情報を決めたら、次は定款を作成しましょう。 法人設立登記には定款が必要ですが、作成した定款は公証役場で認証を受ける必要があります。定款の認証を受けるには、本店所在地にある公証役場に事前に連絡を取り、日時を予約しなければなりません。

また、手数料(資本金によって異なる)や定款に貼る印紙代も必要です。なお、定款の認証はオンラインで行うことも可能です(電子認証)。

④ 発起人口座への資本金の払い込み

定款の作成と認証が完了したら、次は資本金の払い込みです。 

法人を設立するまでは法人口座が作れないため、通常は発起人名義の金融機関口座に資本金を振り込みます。このときの入金記録が、のちほど作成する払込証明書の根拠となります。

⑤ 書類作成と法務局への登記申請

最後に登記申請書類を作成し、法務局で登記申請をします。 登記申請後、1週間から2週間前後(※法務局の混み具合や時期で異なる)で登記が完了します。

ただし、不備があった場合は修正が必要なため、さらに登記完了までの時間がかかります。余裕を持って登記申請を行いましょう。

法務局への提出方法は?

登記申請書の提出には、窓口への持参を含めて3つの方法があります。 自分に合った方法を選ぶことで、手間を省いたり、より確実に申請したりできます。

ここでは、法務局への提出方法について解説します。

窓口持参

管轄の法務局の窓口へ、直接書類を持っていく方法です。 もっとも確実な方法であり、その場で形式的な不備がないか確認してもらえる場合があります。不明点があれば窓口で質問できるため、初めて会社設立の手続きをする人におすすめです。

郵送申請

書類を郵送で送る方法です。 法務局へ行く時間がない場合に便利ですが、必ず「書留」「簡易書留」または「レターパックプラス」など、対面受け取りが必要な方法で送る必要があります。封筒の表には赤字で「登記申請書在中」と記載しましょう。

オンライン申請

「登記・供託オンライン申請システム」を利用して、インターネット経由で申請する方法です。 自宅やオフィスから手続きが可能ですが、専用ソフトの導入や電子証明書の準備など、事前の環境設定が必要です。そのため、司法書士などの専門家が利用するケースが多い方法です。

テンプレート活用で効率よく登記申請書を作成しましょう

株式会社設立登記申請書は、記載すべき項目や添付書類が非常に多く、初めて手続きをする方にとっては複雑で難しく感じるかもしれません。しかし、法務局が公式サイトで提供しているテンプレートをうまく活用し、本記事で解説した記載ルールを一つひとつ丁寧に確認しながら進めていけば、専門家に依頼せず自分たちだけで作成することも十分に可能です。

自分で手続きを行えば、設立にかかる費用を節約できるだけでなく、会社の仕組みをより深く理解する良い機会にもなるでしょう。もちろん、手続きに不安がある場合や本業が忙しい場合は、司法書士などの専門家に依頼するのも賢い選択肢の一つです。ご自身の状況に合わせて最適な方法を選び、スムーズな会社設立のスタートを切ってください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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