- 作成日 : 2024年12月23日
ホワイトニング同意書とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
ホワイトニング同意書は、施術にあたって患者に説明するべき事項や契約内容をまとめた書類です。この記事では、ホワイトニング同意書を作成するケースおよび、同意書のひな形、同意書を作成する際の注意点、同意書により防げるトラブルを解説します。
ホワイトニングの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
ホワイトニング同意書とは
ホワイトニング同意書とは、ホワイトニングを施術する前に患者への説明が必要な重要事項や、明記するべき契約内容を記載した書類です。
ホワイトニングは、保険適用外で数万円の費用がかかります。また、思っていたほど白くならなかった、歯や歯茎に問題が発生した等のトラブルが発生することもあります。
万が一トラブルが発生しても速やかに解決できるよう、重要事項を事前にしっかりと確認し、金額や施術期間といった契約内容を明らかにするのが、ホワイトニング同意書の役割です。
ホワイトニング同意書を作成するケース
歯科医院の多くではホワイトニング同意書が作成されていますが、作成が義務付けられているわけではありません。作成の有無は、歯科医院の判断に委ねられています。
しかし、施術の期間が1ヶ月を超え費用総額が5万円以上の場合は、クーリングオフの対象となるため同意書の作成が必要です。
クーリングオフとは、契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、一定の期間内であれば無条件で契約の申込撤回や契約解除ができる制度です。ホワイトニングにおいては、契約から8日以内であれば、クーリングオフが可能とされます。
クーリングオフの対象になる施術を実施する際は、契約内容や契約日、クーリングオフに関する事項を明記した同意書を作成しましょう。
ホワイトニング同意書のひな形
効果的なホワイトニング同意書を作成するには、いくつかの項目をしっかりと記載する必要があります。そのため初めて作成するときには、どのような文面にしたらよいか悩む方もいるでしょう。
同意書の作成に不安があるときは、テンプレートの利用も選択肢です。以下のリンクからダウンロードできます。ぜひ、ご活用ください。
ホワイトニング同意書に記載すべき内容
ホワイトニング同意書には、重要事項を説明し患者の同意を得られたことを記載する必要があります。
ホワイトニング同意書を作成するにあたっては、以下の11の事項を患者に説明しましょう。
| 項目 | 概要 | 
|---|---|
| 患者の口腔内の状態 | 施術前と施術後の状態を比較できるよう歯の状態や歯の色などを確認 | 
| ホワイトニングの種類と その長所、短所 | ホワイトニングの種類とその長所および短所を説明したうえで、施術方法を患者に選択してもらう | 
| 適応できる場合と、適応外の場合 | 歯の状態や着色の原因、年齢、持病によっては、適用外となる | 
| ホワイトニング剤の歯への作用と 安全性、危険性 | ホワイトニング剤を使用するとエナメル質が荒れるが、正しい使い方をすれば安全性は保たれるとされる | 
| 知覚過敏等トラブル発生の可能性 | ホワイトニング剤は象牙質まで達し、歯の内部まで漂白される。それにより、歯のトラブルが発生するケースがある | 
| ホワイトニング後に生じる 色彩不調和の可能性 | ホワイトニングは詰め物や被せ物には効果がない。そのため、詰め物や被せ物と色が合わなくなるケースがある | 
| ホワイトニング後に 注意すべき飲食物 | ホワイトニングから一定期間は、酸性飲料や色の濃い飲食物の摂取には注意が必要 | 
| ホワイトニング効果の 持続性と後戻り | ホワイトニングは1回では効果が薄い。また、2週間の間に後戻りするケースもある | 
| 処置後のメンテナンス | 後戻りを防止するには、メンテナンスが必要 | 
| ホワイトニングする部位と 具体的手順 | 患者の要望や歯の状態などを考慮したうえで、施術する部位や方法、手順を決定 | 
| 費用 | ホワイトニング費用に含まれる内容や、メンテナンス時の費用について | 
同意書にはチェック欄などを設け、これらの内容を患者に説明し同意を得たことを明記することが肝心です。
ホワイトニング同意書を作成する際の注意点
ホワイトニング同意書を作成する際の主な注意点には、以下の2点があげられます。
- 過不足のない内容を記載する
- コピーを作成する
同意書には、必要な項目を漏れなく記載することと併せて、不要なことを書かないことも重要です。余計な内容が記載されていると、後になって思いがけない責任や義務を負うことになります。場合によっては、予測していない不利益を被るケースもあるでしょう。
また、同意書は一般的に1通作成し、提出先が保管します。しかし、片方のみしか保管していないと、偽造や改ざんが疑われる恐れがあります。万が一トラブルが発生したときに、同意書を証拠として利用したいと考えているのであれば、コピーを取って双方で保管すると安心です。
ホワイトニング同意書により防止できるトラブル
ここまで解説してきたとおり、ホワイトニング同意書にはトラブルを防止する効果もあります。ホワイトニングで発生が懸念される主なトラブルには、以下があります。
- 歯茎や唇を火傷した
- 歯茎から出血した
- 着色が悪化した
オフィスホワイトニングでは、歯に薬剤を塗り特殊な光や熱をあてた反応で、歯を白くする方法です。そのため、薬剤が歯茎や唇に付着した状態で施術してしまうと、火傷をする恐れがあります。
また、薬剤の反応により歯茎から出血するケースもあります。火傷や出血が発生したことによるトラブルを防止するには、同意書作成の時点で、施術内容やリスクを十分に説明することが肝心です。
そのほか、施術後に食べてよい食べ物や飲み物を守らないと、着色が悪化し黄ばみが酷くなるケースもあります。このようなトラブルを防ぐためには、施術後の摂取を注意すべき飲食物を、同意書へ明記してください。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングで同意書に違いはある?
ホワイトニングには、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングがあります。それぞれの概要を以下で確認しましょう。
- オフィスホワイトニング:歯医者で施術してもらう
- ホームホワイトニング:歯科医の指示の下、自宅で行う
オフィスホワイトニングの主な方法は、過酸化水素を歯の表面に塗布し、特殊な光をあてて歯を白くするものです。そのため、先述した火傷や歯茎からの出血トラブルに対応できる同意書を作成してください。
ホームホワイトニングは、歯医者で作成したマウスピースに過酸化尿素を注入し、装着する方法です。マウスピース着脱時の接触などにより歯茎が傷む可能性があることは、同意書を用いて十分に説明するべきです。
また、オフィスホワイトニングと比較し効果が出るまでに時間がかかることも、同意書交付時にしっかりと確認しましょう。
未成年がホワイトニングする場合に保護者の同意は必要?
未成年のホワイトニングは、禁止されているわけではありません。ただし、エナメル質が安定していない未成年の歯は、薬剤による影響を受けやすいとされるため、多くの歯科医院では年齢制限を設けたり保護者の同意を求めたりしています。
保護者の同意を確認するには、保護者の署名と捺印がある同意書の提出が必要です。希望する方は歯科医院の窓口もしくはホームページから書類を取得し、必要事項を記入したうえで窓口に提出しましょう。
記載内容に過不足がないホワイトニング同意書を作成し、トラブルのない施術を実現しよう
ホワイトニング同意書とは、歯のホワイトニングを実施する際に事前確認するべき重要事項や契約内容を記載した書類です。
ホワイトニングは安全性が確立された施術の1つですが、歯茎や唇の火傷や出血、黄ばみの悪化、知覚過敏といったトラブルが発生するケースもあります。トラブル発生時に、大きな問題に発展しないようにするためにも、同意書を用いて事前にリスクや注意点を十分に説明しておくことが肝心です。
内容に過不足がない同意書を作成し、トラブルのないホワイトニングの施術を目指しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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