- 作成日 : 2024年12月3日
契約書作成の相談窓口は?選び方のポイントや流れを解説
契約書の作成は、専門家に相談することをおすすめします。専門家に相談することで、リスクを抑えた契約書の作成が可能です。依頼・相談できるのは、弁護士か行政書士、もしくは司法書士です。
本記事では、契約作成の相談窓口や選ぶときのチェックポイント、相談の費用などを解説します。作成を依頼する場合の流れも説明しますので、参考にしてください。
目次
契約書とは
契約書とは、契約締結を証明する文書のことです。法令で書面の作成が義務づけられているときは、契約書を作成しなければ契約自体が無効になる可能性があります。
それ以外の契約については、契約書を作成しなくても契約自体は成立します。 契約は、口頭でも成立させることができるためです。
ここでは、契約書を作成する目的や作成場面、注意点を紹介します。
作成の目的
法令に作成義務の定めがない限り、契約の成立に契約書の作成は必要ありません。しかし、実際にはほとんどの企業が契約書を作成しています。
契約書を作成する目的は、契約内容を確認するためです。作成の過程で内容を吟味し、リスクも踏まえながら取引するかを検討することができます。
また、契約書を作成することで証拠を残すことも作成の目的です。 口頭では曖昧にしてしまう項目も、書面を作成することで、認識の相違がないことを確認できます。「言った言わない」のトラブルを防止できるでしょう。
作成する場面
企業が契約書を作成する場面は、主に人事関連と取引関連です。
人事関連では、雇用の際に作成する雇用契約書や労働条件通知書、従業員の個人情報の取扱い同意書などがあげられます。また、従業員が子会社や関連企業に出向する際には、出向契約書を交わすことになるでしょう。
取引関連では、自社の商品・サービスを提供するときや提供を受けるとき、企業同士で提携するときなどに契約書を作成します。
作成の注意点
契約書を作成する際は、以下の点に注意しましょう。
- 権利義務を明確にする
- 第三者が見てもわかる内容にする
- 必須事項の記載漏れに注意する
契約書を作成するときは、発生する権利と義務を明確にすることが重要です。第三者が見てもわかるような内容にして、解釈に相違が出ないようにしなければなりません。
記載事項が法律で決まっている場合、記載漏れがないかのチェックも必要です。たとえば、雇用契約書(ないしは労働条件通知書)では労働契約の期間や従事する業務内容など、必ず記載しなければならない記載事項があります。
契約書の作成時は専門家に相談した方がよい?
契約書は企業の取引で重要な役割を持ち、その作成には十分な注意が必要です。単に合意の内容を書面に残すという目的だけでなく、リスクを防止する役割があります。契約書の内容に不備があると、損害賠償請求や契約の不履行などのトラブルが起こる可能性があります。そのため、作成時には専門家に相談した方が安心です。
合意の内容が反映されているか、自社に不利な条項はないか、法律と整合しているかなどのチェックが必要であり、これらの事項を自社だけで確認するのは難しいでしょう。
専門家に相談して契約書を作成することで、リスクを抑え、不測の損害を防止できます。
契約書作成の相談窓口は?
契約書作成の相談先として適しているのは、弁護士か行政書士です。基本的に、これらの専門家のみが契約書作成を代行できるためです。ほかに、一定の契約書の場合は司法書士に相談できます。
ここでは、契約書の相談先について解説します。
弁護士
弁護士は法律の専門家であり、契約書について法的な観点からアドバイスできます。契約書は後日の紛争に備えてリスクのない内容で作成する必要があり、弁護士であれば、契約書の条項について専門的な知見に基づく的確なアドバイスをもらえるでしょう。
弁護士の多くが契約書業務を扱っていますが、弁護士によって得意分野は異なります。相談する際は、自社の業界に精通しているかどうかの確認も必要です。
行政書士
行政書士は、権利義務に関する書類を作成できることが法律で規定されており、契約書作成の相談ができます。ただし、弁護士のような法律相談はできません。そのため、契約書の法的リスクについてのアドバイスは期待できないでしょう。
行政書士に相談する場合は、比較的シンプルで法的リスクが低い契約書に関する相談が向いています。行政書士は弁護士に比べてコストが抑えられるため、「シンプルな契約書だが作成に慣れていないため、専門家に相談したい」というときは行政書士がおすすめです。
司法書士
司法書士は、登記申請などの司法書士業務の依頼を受けていれば、それに付随して契約書を作成できます。
たとえば、不動産の売買では所有権移転登記申請をするため、売買契約書の作成が可能です。契約書作成と登記申請を同時に依頼できるというメリットもあります。
そのため、契約に登記申請が伴う場合は、司法書士に相談するのもよいでしょう。
契約書作成の相談先を選ぶポイント
契約書作成を相談できるのは弁護士か行政書士、もしくは司法書士ですが、これらの専門家であれば誰でも良いというわけではありません。専門家でも契約書業務をあまり行っていない場合、適切なアドバイスを受けられない可能性があります。
契約書作成の相談先を選ぶポイントをみていきましょう。
契約書作成の実績が豊富
契約書作成の相談は、契約書作成の実績が豊富な専門家を選びましょう。経験が豊富であればさまざまな契約書のケースを扱っているため、複雑な問題やイレギュラーな事項にも知見があり、より的確なアドバイスが期待できるでしょう。
契約書作成の実績があるかどうかは、事務所のホームページで確認できます。「事務所紹介」や「取扱実績」などの項目をチェックしてみましょう。
依頼する契約書の分野に精通している
専門家ごとに得意な分野は異なるため、企業法務や契約書業務に強いか、依頼する契約書の分野に精通しているのかといった確認も必要です。契約書作成の実績が豊富でも、自社が相談する契約書の分野に実績がなければ有益なアドバイスが期待できません。
そのため、契約書作成の実績をチェックする際、どのような分野の契約書を多く作成しているかも同時に確認しておきましょう。
対応が迅速
対応が迅速かどうかもチェックのポイントです。相談してから作成を依頼することになった場合、連絡や報告が遅いと取引にも影響してくるでしょう。
契約書作成では内容確認や修正などでやり取りをすることも多く、依頼先の専門家が多忙な場合などは、契約書が完成するまで予想外の時間を要する可能性もあります。
事務所のホームページで完成までの目安を確認するか、あらかじめ問い合わせておくとよいでしょう。メールで無料相談を行っている事務所もあり、その際の対応の早さも判断の基準になります。
契約書作成の相談は無料でできる?
専門家に契約書作成の相談をする場合、事務所によっては初回の相談が無料のケースもあります。また、自治体が専門家の無料相談窓口を設けている場合もあるため、無料で相談を受けたい場合は住まいの自治体に問い合わせてみてください。
依頼する契約書の分野に実績のある専門家を選ぶ場合、有料の場合もあるでしょう。弁護士の場合、法律相談の費用相場は1時間あたり5,000円〜1万円程度です。行政書士に相談する場合は1時間あたり3,000円〜5,000円程度、司法書士は1時間あたり5,000円前後が相場です。
契約書の作成代行を依頼する場合の流れ
契約書作成を専門家に依頼する場合について、弁護士を例に一連の流れをみていきましょう。
- 取引内容の関係資料を用意する
- 相談を予約する
- 関係資料を持参して相談したのち、契約を締結する
- 弁護士が契約書案を作成する
- 依頼側で契約書案を確認し、必要な場合は修正を依頼する
- 完成した契約書を受け取る
基本的に、契約書書案は依頼から約1週間で作成します。契約書の完成は、依頼から約2週間程度です。期間は、契約内容や事務所によって異なります。
契約書の作成は専門家に相談しよう
契約書作成に際して相談する専門家を選ぶときは、契約書作成の実績があるか、依頼する契約書の分野に精通しているかを確認しましょう。作成の期間は取引に影響するため、迅速に対応してもらえるかの確認も必要です。
相談には費用がかかりますが、事務所によっては初回が無料の場合もあるため、チェックしてみてください。
自社に適した相談先を選び、リスクを抑えた契約書を作成しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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