- 更新日 : 2024年12月12日
SNS運用マニュアルの作り方!テンプレートを基に炎上対策や目標の例を解説
SNS運用マニュアルとは、企業のSNS運用担当者に必要なガイドラインのことです。SNSを安定して運用するために欠かせません。マニュアルを作成することで企業イメージを統一でき、炎上対策もできます。
本記事では、SNS運用マニュアルを作成するメリットや作り方を解説します。マニュアルのテンプレートも紹介しますので、チェックしてください。
目次
SNS運用マニュアルとは?
SNS運用マニュアルとは、企業のSNS運用担当者が用いるガイドラインのことです。SNS運用の方向性を定め、リスクを回避する役割があります。マニュアルに沿ってSNSを運用することで、SNSを活用したマーケティングができます。
運用の方針や方向性を定めておくことで、複数の担当者がいる場合にも投稿内容や品質を一定に保つことが可能です。炎上などのトラブルも避けられるでしょう。
SNS運用マニュアルを作成するメリット
SNS運用マニュアルを作成することで、次のようなメリットがあります。
- 企業イメージが統一される
- 炎上対策になる
- 投稿のムラを防ぐ
- 引き継ぎがしやすい
詳しくみていきましょう。
企業イメージが統一される
SNS運用のマニュアル化により、企業イメージを統一できることがメリットです。SNSの投稿内容は企業のイメージに結びつきますが、マニュアルがなければ、複数の担当者が思い思いのテーマで投稿をしてしまうことにもなります。投稿ごとにテーマや言葉遣い、雰囲気が変わるとイメージがつかめず、「よくわからない会社」と思われる可能性もあるでしょう。
投稿内容や文体、テーマなどをマニュアルに定めて運用すれば、企業イメージの統一を図れるでしょう。ユーザーに強く印象づけることができ、ブランディングを図れます。
炎上対策になる
SNS運用マニュアルは、万が一炎上した場合の対策もできます。SNS運用はユーザーと気軽にコミュニケーションできることがメリットですが、ちょっとした言葉の選び方や誤解などで炎上することがあり、そのようなリスクは常に考慮しておかなければなりません。
炎上が起きたときの対処法をマニュアルに記載しておくことで、企業や商品・サービスのイメージダウンを最小限に抑えられます。
投稿のムラを防ぐ
マニュアルで投稿の頻度やタイミングを決めておけば、投稿のムラを防止できます。頻度やタイミングを決めておかない場合、何度も投稿する日もあればまったく投稿しない日もあるなど、ムラが出てしまいます。SNSを活用した集客や潜在層へのアプローチといった本来の目的を達成できません。
タイミングを明確に定めておけば、ユーザーとの接点を継続的に作り出せます。自社やブランドの認知や顧客獲得といったSNS運用の目的を達成できるでしょう。
引き継ぎがしやすい
運用マニュアルがあれば、担当者が変わったときでもスムーズに引き継ぎができます。マニュアルがない場合、担当者が変わるたびに引き継ぎの資料を作成するという手間をかけなければなりません。引き継ぎの資料だけでは、担当者によって投稿の品質が変わるということもあるでしょう。
マニュアルを備えておけば、誰が担当になっても投稿のクオリティを維持できるというメリットもあります。
SNS運用体制の整え方、チームの作り方
SNS運用マニュアルの作成に際して、まず運用体制の整備が必要です。
ここでは、運用体制の整備とチームの作り方について解説します。
複数人の体制を整える
SNS運用の担当者は他の業務も兼任していることがほとんどで、負担を軽減するためには1人が担当するよりも複数人の体制を整える方がよいでしょう。そのため、マニュアル作成よりも前に運用体制の整備が必要です。
チームを編成する場合はメンバーの役割を決め、タスク管理表を作るなどそれぞれが行う業務を明確にしておくことが大切です。
チームの一例
運用体制の一例として、次のような担当者を配置するとよいでしょう。
- 責任者:投稿コンテンツの最終確認をする
- メイン担当者:投稿コンテンツの作成とユーザー対応を行う
- 副担当:投稿コンテンツ作成をサポートする
責任者は投稿を最終的にチェックするなど、チームを管理する役割があります。
メイン担当者は、日々の投稿を行い、ユーザーのコメントへの返信やSNS運用の効果測定など、運用のメイン業務を担います。SNSに精通し、ターゲット層に近い年代の人が向いているでしょう。
副担当は、画像・動画の作成・投稿やメイン担当者不在時の対応など、サポート業務を行います。
SNS運用マニュアルのテンプレート-無料ダウンロード
初めてSNS運用マニュアルを作成する方は、テンプレートの利用が便利です。以下のURLからダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
SNS運用マニュアルの書き方
SNS運用マニュアルを作成する際は、手順を踏むことが大切です。まずは運用するSNSを決め、目標設定を行いましょう。
SNS運用マニュアルの書き方を解説します。
運用するSNS
運用するSNSは、どのような年代、属性の人をターゲットとするかで変わります。主なSNSごとの特徴や利用している年代、属性は次のとおりです。
| SNS | 主な年代・男女比率 | 特徴 |
|---|---|---|
| X(旧Twitter) | 10代~50代 男女がほぼ同率 | 拡散力が高い |
| 10代~40代 女性ユーザーが多め | ビジュアルによる訴求効果が高い | |
| 30代~40代 男性ユーザーが多め | ビジネス関連の内容が多い | |
| YouTube | 10代~60代 男女がほぼ同率 | 動画で多くの情報を伝えられる |
SNSの目標設定
SNS運用は、目標設定が大切です。何を目的としてSNSを運用するのか、KGIとKPIを定めましょう。
KGI(Key Goal Indicator)とは重要目標達成指標のことで、設定した目標を数値化して測定するための指標です。KGIの達成率を図るものが、KPI(Key Performance Indicator)です。重要業績評価指標とも呼ばれ、KGIを達成するための中間目標として設定します。
KGIは、企業の課題に合わせて、「認知度向上」や「売上アップ」、「顧客ロイヤリティの向上」など、最終目標となるものを設定します。
KGIの達成に向けて設定するKPIはSNSによって異なり、X(旧Twitter)を例にすれば、インプレッション数(投稿がユーザーに表示された回数)やいいね数、リポスト数、フォロワー数などがあげられます。
たとえば、ファン獲得をKGIに設定した場合、KPIにフォロワー数を設定することで、目標の数字を獲得できれば最終目標(KGI)を達成できたことになります。
ターゲットオーディエンス
SNS運用では、ターゲットオーディエンスの設定が大切です。ターゲットオーディエンスとは、企業のブランドに合った属性や興味を持つ人々のことです。
ターゲットオーディエンスを適切に設定できればコンテンツの方向性が定まり、自社の製品・サービスを利用する可能性の高い人々へ向けて適切なメッセージを発信できるようになります。
ターゲットオーディエンスの設定には、人口統計情報や心理的属性、ニーズ・要望などの要素で分類していく方法があります。
SNS投稿テーマ
SNS投稿のテーマもマニュアルに設定します。テーマをあらかじめ決めておけば、複数人が投稿して投稿内容がSNSの運用目的から外れるといった事態を防止できます。
投稿のテーマを探す担当者の負担を減らすため、曜日ごとにテーマを設定したり、季節のイベントや記念日などに各テーマを決めておいたりするとよいでしょう。
SNS投稿のトンマナ
投稿に統一感を持たせるために、投稿のトンマナ(トーン&マナー)の設定も大切です。トンマナは、投稿に一貫性を持たせるためのルールを指します。企業イメージやアカウントの世界観など、ユーザーに与える印象を統一させるためのルールです。
誰が投稿しても同じ世界観を出せるよう、担当者のキャラクターや言葉遣いを決めて、マニュアルに盛り込んでおくとよいでしょう。
SNS投稿画像・動画ルール
投稿だけでなく、投稿に添付する画像や動画のサイズ・形式もルール化が必要です。ルールを定めておけば、投稿ごとに確認する手間を省けます。
利用するSNSの投稿に合った形式やサイズを記載しておきましょう。形式の変換やサイズの変更に使用するソフトもマニュアルに記載しておけば、慣れない人が担当になったときもスムーズに対応できます。
SNS投稿頻度・時間
投稿日や投稿頻度、時間も決めておきましょう。頻度や時間を決めておかないと、他の業務が忙しいときに投稿しないということにもなりかねません。マニュアルに定めておくことで更新の停滞を防ぎ、コンスタントな投稿ができます。
投稿時間は、ターゲットとするユーザーがSNSを見る時間帯に合わせることで、ユーザーに見てもらう機会を増やせるでしょう。
SNS投稿内容のチェックフロー
SNSに投稿する前に内容をチェックする体制を作り、フローをマニュアルに盛り込みましょう。
チェックをしないと、不適切な表現や誤字脱字がある状態で投稿してしまう可能性があります。チェックフローがあっても、何かの手違いで投稿ミスが起こることはありえるでしょう。そのような場合に備え、投稿ミスをした場合の対応についても事前に決めておく必要があります。
コメント・炎上対策
ユーザーからのコメントへの対応方法や、炎上対策の記載も必要です。コメントへの返信でユーザーと直接コミュニケーションをとることはファン獲得のために有効ですが、全コメントへの返信は難しいこともあるでしょう。そのため、マニュアルで対応の基準を決めておくことをおすすめします。
万が一炎上が起きた場合の対策も定めておきましょう。迅速に適切な対応ができれば、速やかに鎮静させることも可能です。
利用規約を策定する
SNS運用に関する利用規約の策定も行いましょう。禁止行為や免責事項、トラブルに対する企業側の対応などを明記し、自社のWebサイトで公開しておきます。規約の公開により、企業とユーザー間のトラブルを未然に防止できます。
万が一、ユーザーとのトラブルやクレームが発生したときも、利用規約があることで適切に対処できるでしょう。
SNS運用マニュアルに盛り込む炎上対策の例
SNS運用マニュアルに盛り込む炎上対策は、防止策と炎上した場合の対応方法の2つです。
それぞれの内容を見ていきましょう。
炎上の防止策
炎上の防止策として、次のポイントを盛り込みましょう。
- ダブルチェックを取り入れる
- 企業として取り扱わない話題を決めておく
- 政治や社会問題などデリケートなテーマに注意する
- 炎上しやすいワードを把握する
投稿は必ず複数人がチェックすることが大切です。1人の判断で投稿すると、間違いが起こりやすいでしょう。
このほか、実際に炎上した事例を分析し、同じようなことが起きないような対策を検討することも防止策になります。
炎上した場合の対応方法
炎上してしまった場合の対応方法も、マニュアルに記載しておく必要があります。対応する手順の一例は、次のとおりです。
- 冷静になって事実を確認する
- 適切なタイミングで投稿を削除する
- 全体の方針が決まってから謝罪する
- 再発防止と信頼の回復に努める
炎上したからと慌てず、まずは事実確認を行います。個人判断で火消しを行おうと、投稿を削除しないことが大切です。証拠を消そうとしたと思われ、炎上が加速してしまうことにもなりかねません。
事実確認を行ってから適切なタイミングで事情説明や謝罪を行い、投稿の削除は炎上が収束した段階で行うようにするのがよいでしょう。
SNS運用マニュアルを作成して安定した運用を行おう
企業がSNS運用を始めるときは、マニュアルの作成が必要です。マニュアルがあることで適切にSNSの投稿ができ、運用の目的を達成できます。マニュアルを作成する際は、運用体制を整備し、担当者を決めて運用にあたりましょう。
マニュアルには運用の目標設定や投稿のテーマ、投稿頻度・時間の設定など、記載すべき項目を適切に盛り込んでください。
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