- 作成日 : 2024年10月18日
申請書はペーパーレスにできる?課題とワークフローシステムを解説
申請書のペーパーレス化は、多くの企業で進められている重要な取り組みです。経費精算書や稟議書、見積書、発注書など、日常的に発生する申請書類をデジタル化することで、コスト削減や業務効率化、セキュリティ強化が期待できます。
当記事では、ペーパーレス化のメリットや導入時に直面する課題、さらにはワークフローシステムの役割について詳しく解説します。
目次
申請書のペーパーレスとは
経費精算書や稟議書、見積書、発注書など、ビジネスシーンで使用されるさまざまな申請書や書類のペーパーレス化が、各業界で進んでいます。ペーパーレス化とは、これまで紙媒体で作成・管理していた書類をデジタル化し、電子データとして管理することです。
申請書のペーパーレス化が推進される理由の1つに、ビジネスにおける有効性の高さが挙げられます。コスト削減や重要書類のセキュリティ強化、オフィススペースの有効活用、そしてテレワークへの対応などを進める上で、申請書のペーパーレス化は欠かせません。
最近では、各企業に対して二酸化炭素の排出量削減の努力が求められています。ペーパーレス化を推進すれば、紙の生産過程における森林破壊を抑え、紙を処分する際の二酸化炭素排出量削減が可能となり、環境保全に寄与することが可能です。
申請書のペーパーレスに必要なワークフローシステムとは
申請書のペーパーレス化にあたって、ワークフローシステムは欠かせないツールです。ワークフローとは、業務の流れや一連の処理を指し、ワークフローシステムは企業内で発生する申請・承認・決裁といった一連の業務をデジタル化できます。ワークフローシステムを導入すれば、申請書に関わる業務手続きのデジタル化が実現します。
ワークフローシステムを導入しておけば、システム連携を通じて後々ペーパーレス化の範囲の拡大も可能です。申請書の作成、管理、共有、そして申請・決裁までをワークフローシステム内で一貫して行えるため、複数システムの導入による利便性の低下を防げます。
ワークフローシステムは、1つの部署でテスト運用した後、ほかの部署へ段階的に導入することもできます。申請書のペーパーレス化を段階的に進めたい企業にとって、ワークフローシステムの導入は非常に有効です。
申請書をペーパーレスにするメリット
申請書のペーパーレス化には、さまざまなメリットがあります。以下に、申請書をペーパーレスにする際の代表的なメリットを紹介します。
柔軟な働き方を実現できる
申請書を紙ベースで作成・管理する場合、出社してオフィスで申請書を作成し、上司に手渡しで決裁を進める流れです。書類を提出する社員や上司が社内にいない場合、業務が滞る恐れがあります。
一方、申請書をペーパーレス化した場合、クラウド上で申請手続きを進められます。在宅勤務をはじめとする多様な働き方に対応できる点も、ペーパーレス化のメリットです。
業務を効率化できる
申請書を紙ベースで作成・管理すると、コピーや印刷、回覧による情報共有、郵送など、業務のさまざまな場面で時間がかかります。また、手作業による集計や目視チェックを行うことで、ヒューマンエラーが発生する可能性も高まります。
一方、申請書をペーパーレス化すれば、書類を印刷する必要がなくなり、クラウドサービスやメールで瞬時に共有できます。電子データであれば書類の検索が容易で、記載内容の編集や修正を迅速に行える点も魅力です。
セキュリティの強化につながる
申請書のペーパーレス化により、紛失・改ざんのリスクを軽減できます。紙の申請書のように物理的に持ち出す必要がないため、紛失を未然に防ぐことが可能です。また、アクセス権限や編集権限を設定することで、第三者による申請書の改ざんも予防できます。
システムによってはアクセス履歴や変更履歴を確認できるため、セキュリティ対策としても紙ベースの場合より高い安全性を確保できるでしょう。さらに、紙ベースの申請書とは異なり、物理的な劣化の心配がない点もペーパーレス化のメリットです。
申請書をペーパーレス化するときの課題
ペーパーレス化には多くのメリットがあり、導入を進める企業が増えている一方で、ペーパーレス化が進まずに悩んでいる企業も存在します。
申請書のペーパーレス化が進まない要因として、以下のような課題が挙げられます。
コストがかかる
申請書のペーパーレス化における課題の1つは、コストがかかることです。申請書をペーパーレス化するためにはシステムの導入が必須になり、自社開発や既存のシステム購入のどちらを選択しても、ある程度のコストがかかります。
大企業の場合、取り扱う申請書の数が膨大なため、導入コストや運用コストの回収は比較的容易です。しかし、中小企業の場合、費用対効果が実感できるまでに時間がかかることが多いです。そのため、「紙ベースで業務を進めたほうが安く済む」と感じてしまい、ペーパーレス化が滞るケースがあります。
紙文化が定着している
申請書のペーパーレス化が停滞するのは、紙文化が根強く定着していることも理由の1つです。例えば、請求書を印刷して捺印・郵送する場合と、PDFをメールに添付して送付する場合では、実際の効力は変わりません。しかし、従来の慣習に則って、紙で請求書のやり取りをしている企業は少なからず存在します。
さらに、資料を紙で残すべきか、デジタルデータのみでよいかという取捨選択が難しいことも、ペーパーレス化が進まない一因として考えられます。
申請書をペーパーレス化して業務を効率化しよう
申請書のペーパーレス化は、コスト削減や業務効率化、セキュリティ向上など、企業に多くのメリットをもたらします。ペーパーレス化を効果的に進めるためには、ワークフローシステムの導入が不可欠です。このシステムにより、申請書類の作成・承認プロセスがデジタル化され、テレワークや多様な働き方にも対応しやすくなります。
ただし、導入にはコストがかかることや、紙文化が根強い企業では移行に時間がかかるといった課題もあります。注意点を確認しつつ、慎重に導入を検討しましょう。
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