- 更新日 : 2026年3月31日
確定拠出年金の節税効果
目次
確定拠出年金の節税効果
確定拠出年金の加入メリットについては、「確定拠出年金の10のメリット」の項で税制上の優遇があることを紹介しました。では、確定拠出年金には実際にどのような節税効果があるのでしょうか?
今回は具体例とともに、ほかの金融商品にはない確定拠出年金ならではの大きな節税効果について掘り下げていきます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
算定基礎届の手続き完全ガイド
算定基礎届(定時決定)の手続きは、社会保険に加入する全従業員が対象になるため作業量が多く、個別の計算や確認事項の多い業務です。
手続きの概要や間違えやすいポイントに加え、21の具体例を用いて記入方法を解説します。
社会保険・労働保険の実務完全ガイド
これ1冊でしっかり網羅!社会保険および労働保険は、従業員の生活上・労働上のリスクに備えるための公的保険制度です。
本資料では社会保険・労働保険で発生する各種手続き方法を、入社・退職時や妊娠・出産時などのシーン別にまとめました。
健康保険・厚生年金保険 実務ハンドブック
健康保険・厚生年金保険の基本ルールをはじめ、手続きの仕方やよくあるミスへの対処方法について解説した実用的なガイドです。
年間業務スケジュール一覧も掲載しているので、ぜひご活用ください。
社会保険の手続きでよくあるミス 対処方法と防止策10選
社会保険の手続きは、ひとたびミスが生じると適切な対処方法がわからず対応に苦慮するケースが多いものです。
本資料では社会保険手続きでよくあるミスをシーン別に取り上げ、対処方法をステップにわけて解説しています。
優遇税制には3つの種類がある
確定拠出年金の3種類の優遇税制について確認しましょう。
1.掛金は非課税
確定拠出年金で拠出する掛金は非課税となります。企業型確定拠出年金における企業の拠出分は全額が損金算入、個人の拠出分および個人型確定拠出年金の拠出分は全額が所得控除扱いとなります。個人の場合、拠出した掛金の額に応じて所得税・住民税の節税になります。
2.運用益は非課税
預貯金や投資信託などの金融商品の利子や配当などの運用益は一般的に源泉分離課税(※)がありますが、確定拠出年金による運用益には源泉分離課税は発生しません。また、年金資産そのものに課税される特別法人税(年1.173%)もありますが、平成28年度まで凍結中です。
(※)源泉分離課税・・・利子所得等に年率20.315%(所得税15.315%+住民税5%)を課税(一部割引債を除く)
3.老齢給付の場合の所得控除
確定拠出年金には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金としての給付があります。そのなかで、60歳から受け取る老齢給付金には、年金として受給する場合は「公的年金等控除」が、一時金で受給する場合には「退職所得控除」があります。
どれだけの節税効果があるのか
では実際に、具体例を挙げながら確定拠出年金の節税メリットについて見ていきましょう。
4.掛金の拠出による節税メリット
例えば、年間の給与所得から社会保険料などの所得控除を差し引いた課税所得金額が450万円の人がいます。この人が確定拠出年金に加入し、掛金として毎月15,000円を拠出、年間18万円を支払っている場合を考えてみましょう。
確定拠出年金ではこの18万円が非課税となり、課税対象額から除くことができます。課税所得金額が450万円の場合、所得税率(※)は20%、住民税は一律10%なので、非課税分18万円の30%が節税となります。
18万円 × 30%(所得税20%+住民税10%)= 54,000円
つまり、確定拠出年金に毎月15,000円の掛金を拠出することで、加入をせずに毎月同額を貯金した場合と比べて、節税された年間54,000円分を手元に多く残すことができます。もし、このまま確定拠出年金に20年間加入し続けた場合、実に108万円もの節税メリットを享受することができるのです。
(※)所得税率表

5.運用益による節税メリット
今度は、月額1万円で、運用利回りが複利で年率3%の投資信託を運用したと考えてみましょう。確定拠出年金では運用益に対する源泉分離課税(年率20.315%)は発生しません。
このケースの場合、一般の投資信託では10年後には約135万円の積み立て資産となりますが、確定拠出年金で運用すると約139万円となります。最初の差は4万円とわずかなものですが、投資信託が複利で運用される場合、その年の運用で得た利益をそのまま元本として組み入れて翌年の運用に回すことができるため、利益は雪だるま式に増加します。
そのため、
・20年後には約20万円(一般の投資信託306万円/確定拠出年金での運用326万円)
・30年後には約54万円(一般524万円/確定拠出年金578万円)
・40年後だと約120万円(一般799万円/確定拠出年金917万円)
もの差が発生します。上記のケースはあくまで一例ですが、掛金と利回りの設定次第でより大きな節税メリットを得ることが可能です。
まとめ
確定拠出年金の節税効果について、おわかりいただけましたか? もちろん、実際には運用していく上で色んな手数料や投資リスクなどを考慮しなくてはいけないので、これまでに述べた金額をそのまま得られるわけではありません。
しかし、確定拠出年金に加入せずに通常の貯金をする場合に比べて、掛金の拠出時・運用時とダブルで節税効果のある確定拠出年金の方が資産形成上のメリットが大きいことは確かです。確定拠出年金への加入を検討する方は、節税上の観点からも加入メリットを検討してみると良いでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 給与計算
給与収入とは?給与所得・年収・手取りの違いをわかりやすく解説
給与収入、給与所得、年収、手取り。どれも会社から受け取るお金に関する言葉ですが、それぞれ意味は大きく異なります。特に年末調整や確定申告、住宅ローンやふるさと納税の控除上限額を計算す…
詳しくみる -
# 給与計算
ボーナスを貰ってから転職したい人は「賞与基準日」を意識せよ
ボーナスの時期になりました。みなさんの懐は暖まりましたか? ぼくがいた東京国税局では、「期末手当」という名のボーナスが貰えます。給与の約4.3月分が6月と12月の2回に分けて支給さ…
詳しくみる -
# 給与計算
みなし残業は労働基準法違反か?法的根拠と注意点を解説
中小企業などでの導入が多く見られる「みなし残業時間制」。「違法なのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、これは労働基準法によって定められている労働形態です。 ただし、運用に注意を…
詳しくみる -
# 給与計算
住民税<普通徴収と特別徴収の違いとは?>
普段は意識しないことですが、税金には国に納める「国税」と地方に納める「地方税」の2種類があります。 住民税は地方税の普通税に該当し、地方自治体が地方税法に則って徴収しています。 地…
詳しくみる -
# 給与計算
定額減税の給与計算やシミュレーション例をわかりやすく解説
政府の経済政策の一環として、定額減税が導入されることになりました。この制度は、従業員の税負担を軽減し、経済活性化を図るための取り組みです。給与計算の現場では、この定額減税の適用に際…
詳しくみる -
# 給与計算
社員紹介で「報酬金50万円」ゲット 税金は引かれる?
近年、にわかに注目を浴びている「リファラル採用」。社員が自社に適任だと思う知人に声を掛け、人事に紹介し、選考へつなげる採用活動です。「採用氷河期」の今、採用コストを抑え、定着率の高…
詳しくみる




