- 更新日 : 2026年1月26日
納税証明書(その1)とは?その2との違い・取得方法・請求時の注意点を解説
納税証明書(その1)は、国税の納付状況を証明する公式書類です。
- 納付額と未納額を記載
- 融資・補助金で必須
- 税務署が発行
納税直後は反映待ちで発行不可の場合があり、窓口400円・e-Tax370円の手数料がかかります。
起業や会社設立を進める中で、金融機関や自治体への手続きに必要とされるのが「納税証明書(その1)」です。これは、国税の納付状況を公的に証明する書類であり、滞納の有無を示す重要な資料として用いられます。
本記事では、「その1」と「その2」の違いや取得方法、請求時の注意点などを解説します。
目次
納税証明書(その1)はどんな書類?
納税証明書(その1)は、国税に関する納税状況を証明する正式な書類です。起業や会社設立後の融資申請、補助金手続き、公共事業の入札などに必要とされることが多く、税務上の信用を客観的に示す役割を担います。
国税の納付額と未納額を記載した納税状況の証明書
納税証明書(その1)は、所定の税目について「納付すべき税額」「実際に納付した税額」「未納税額」を明記した証明書です。法人税や消費税などの納税義務に対して、どれだけ納付が完了しているかを一目で確認できます。未納がある場合にはその金額も記載され、納税が完了していれば「未納税額0円」と表示されます。この書類は税務署が発行するため、公的に納税状況を証明する手段として利用できます。
融資申請や補助金交付などで未納がない証明として使われる
この証明書は、融資や助成金の申請において、税金の未納がないことを証明する目的で提出を求められます。日本政策金融公庫や地方銀行への創業融資申請時、また自治体の起業支援金の交付申請でも利用されることがあります。また、建設業などで官公庁の入札に参加する際には、納税証明書(その1)の提出が条件になることも多く、事業の信頼性を示す重要な書類です。
本人または委任された代理人のみが請求できる
納税証明書(その1)は、原則として納税者本人が請求するものです。法人の場合は代表者名義での請求が基本となり、個人事業主であればその本人が請求者となります。代理人が手続きを行う場合は、必ず委任状が必要です。これは、納税証明書に個人情報や企業の財務情報が含まれるためであり、第三者が勝手に取得することは制度上認められていません。税務署では、本人確認書類や委任状の提示を通じて請求資格の確認が行われます。
納税証明書にはどんな種類がある?
納税証明書には国税に関して全部で6種類あり、証明する内容に応じて「その1」から「その4」まで番号で分類されています。以下の表に各種類と証明内容をまとめます。
| 種類 | 証明される内容 |
|---|---|
| 納税証明書(その1) | 納付すべき税額、納付した税額および未納税額(納税額等の証明) |
| 納税証明書(その2) | 申告所得税及び復興特別所得税、または法人税の所得金額(所得金額の証明) |
| 納税証明書(その3) | 未納の税額がないことの証明 |
| 納税証明書(その3の2) | (個人用)申告所得税及び復興特別所得税と消費税及地方消費税に未納の税額がないことの証明 |
| 納税証明書(その3の3) | (法人用)法人税と消費税及地方消費税に未納の税額がないことの証明 |
| 納税証明書(その4) | 証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明 |
納税証明書(その1)と(その2)の違いは?
納税証明書には複数の種類がありますが、混同されやすいのが「その1」と「その2」です。どちらも国税に関する証明書である点は共通していますが、証明する内容と利用される場面が異なります。
納税証明書(その1)は税金の納付状況を証明する書類
納税証明書(その1)は、指定した税目と年度について、納付すべき税額、実際に納付した税額、未納税額を証明する書類です。未納税額が0円であれば、期限内に税金が全て納付されていることが示されます。法人税や所得税など、国税ごとの納税状況を確認できるため、滞納の有無を公的に示す資料として利用されます。
納税証明書(その2)は申告した所得金額を証明する書類
納税証明書(その2)は、税務署に申告した所得金額を証明する書類です。個人事業主の場合は申告所得税および復興特別所得税における所得金額が記載され、法人の場合は法人税の所得金額が記載されます。これは収入規模や事業実績を示す目的で使用され、融資審査における収入証明として提出を求められることがあります。
提出目的によって必要となる証明書の種類が異なる
納税証明書(その1)と(その2)は記載内容が異なるため、提出先の目的に応じて使い分ける必要があります。税金の未納がないことを確認したい場合には納税証明書(その1)が求められ、所得額を確認したい場合には納税証明書(その2)が指定されるのが一般的です。
納税証明書(その1)の取得方法は?
納税証明書(その1)は、所轄の税務署で交付請求するほか、インターネットを利用したe-Taxによるオンライン請求でも取得できます。ここでは、オンラインで申請する方法と、税務署窓口や郵送で申請する方法に分けて説明します。
e-Tax(オンライン)で請求する方法
インターネット経由で納税証明書(その1)を請求する場合は、国税庁の電子申告システムであるe-Taxを利用します。e-Tax上で所定の「納税証明書交付請求」のフォームに必要事項を入力して送信することで申請でき、後日、税務署の窓口で書面の証明書を受け取るか、郵送で受け取るか、あるいは電子データ(電子納税証明書)をダウンロードするかを選択できます。
オンライン請求の場合、発行手数料は1通あたり370円と定められており、クレジットカードやインターネットバンキング等で支払います。手続き後、即日交付とはならず、証明書の準備が整い次第の交付となります。電子データで取得する場合は、e-Tax上でダウンロードできるようになりますが、提出先が電子納税証明書を受け入れている必要があります。なお、代理人がe-Taxで請求することも可能ですが、その場合は事前に電子委任状を作成・登録しておく必要があります。
税務署の窓口・郵送で請求する方法
従来どおり税務署窓口で請求する方法や、郵送で請求する方法もあります。最寄りの税務署で直接手続きを行う場合は、事前に「納税証明書交付請求書」を入手して必要事項を記入し、窓口に提出します。窓口ではその場で手数料分の収入印紙(または現金)を納め、本人確認書類(個人はマイナンバーカードや運転免許証、法人は代表者印の押印された交付請求書など)を提示して請求します。窓口請求の場合、手数料は1通あたり400円となっており、代理人が来庁する場合は納税者本人からの委任状が必要です。証明書は即日で発行され、その場で受け取ることができます。
郵送で請求する場合は、税務署宛に交付請求書と必要書類を郵送します。郵送時の必要書類は、手数料分の収入印紙(交付請求書に貼付)、返信用の切手を貼った封筒(宛先に自分の住所氏名を記入)、そして本人確認書類と番号確認書類の写し(個人の場合)です。法人の場合は法人番号がわかる書類の写しなどを同封します。
税務署に郵送請求が届いてから発行・返送までに通常1週間前後は見ておきましょう。なお、返信用の証明書は原則として納税者本人の住所(法人は本店所在地)宛てに簡易書留で郵送されます。
納税証明書交付請求書の書き方は?
税務署で納税証明書(その1)を取得する際には、「納税証明書交付請求書」という所定の用紙を提出する必要があります。交付請求書は国税庁のウェブサイトからダウンロードできるほか、税務署窓口でも入手できます。納税者や証明書の内容に関する以下の項目(住所・氏名、証明書の種類や年度など)を記入します。
申請者情報
- 納税地(住所)・氏名を記入。
- 個人の場合はマイナンバー(個人番号)も記入。
- 法人の場合は法人番号を記入し、代表者の氏名を併記。
- 代理人による請求の場合は、左上の「代理人記入欄」に代理人の住所・氏名を記入。<
証明書の種類・税目・年度
- 「証明書の種類」欄に「その1」と記入。
- 証明を受けたい税目(例:法人税、所得税など)を記入。
- 対象となる国税の年度(例:令和◯年分)または事業年度を記載。
- 複数年度の証明が必要な場合は、それぞれ別に記入または別様式で申請。
証明事項・通数・使用目的など
- 「証明事項」欄は空欄でも可。必要に応じて「納税額等」などと記載。
- 同じ内容の証明書を複数通希望する場合は、その通数を記入。
- 使用目的欄には、「融資申込」「補助金申請書類」など、提出目的を明記。
- 「税務署整理欄」は税務署が使用する欄なので記入不要。
納税証明書(その1)を請求する際の注意点は?
納税証明書(その1)を取得する際には、申告直後の請求タイミングや郵送時の送付先指定、そして未納税額の有無などに注意が必要です。発行が遅れたり、審査で不利になることを防ぐためにも、事前に確認しておくべきポイントを押さえておきましょう。
申告・納税直後は反映待ちのため証明書が発行されないことがある
納税証明書(その1)は、税務署のデータベースに納付状況が反映されていないと発行できません。確定申告を終えた直後や納税を済ませた直後は、システム上の処理が完了していない場合があります。そのため、申告したばかりの年度の証明書をすぐに請求すると、「納付済」として反映されず未納扱いとなる可能性があります。新しい年度分の証明が必要な場合は、申告から数日〜1週間程度の余裕をもって請求することが望ましいです。
郵送での請求時は証明書の送付先が限定されている点に注意が必要
税務署が発行する納税証明書(その1)は、原則として納税者本人の住所、または法人の場合は本店所在地にしか送付されません。たとえ代理人が取得手続きを行った場合でも、証明書自体の送付先を別住所に変更することはできません。そのため、郵送で申請する際には、必ず納税者本人の住所を宛先とした返信用封筒を準備し、切手を貼付のうえ同封する必要があります。
未納があると証明書にその金額が明記され提出先で不利になることがある
納税証明書(その1)には、未納税額があればそのまま記載されます。そのため、税金の納付が完了していない状態で証明書を取得すると、融資審査や補助金の申請時に不利になる場合があります。特に、日本政策金融公庫や自治体の補助金では、「未納がないこと」が提出要件になることも多くあります。もし未納がある場合には、先に納税を完了させ、税務署のシステムに反映されたタイミングで再度証明書を請求することが重要です。
納税証明書(その1)は事業活動の信頼を裏付ける重要書類
納税証明書(その1)は、国税の納付状況を公的に証明するものであり、融資申請や補助金交付、行政手続きにおいて求められることが多い重要な書類です。「その1」と「その2」の違いを正しく理解し、取得方法や請求書の書き方、注意点を把握しておくことで、必要な場面でスムーズに対応できます。未納の有無や申告時期には細心の注意を払い、確実な取得と提出ができるよう事前準備を整えておくことが、信頼ある事業運営の第一歩となります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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