- 作成日 : 2026年1月30日
「予算管理は中小企業でも必要?」導入すべき理由とメリットとは
「予算管理は、上場企業や大きな会社がやるもので、中小企業ではなかなかできないし、やらなくてもいいんじゃないの?」という質問を受けたことがあります。確かに、個人事業や中小企業では、会計だけでも毎月請求書や領収書を整理したり、帳簿を付けたりと面倒な作業がたくさんあって大変なのに、予算までとなると絶対ムリ!となる気持ちもよくわかります。一昔前なら、これも正解かもしれません。
でも今は個人事業でも中小企業でも簡単に会計から予算管理までできる時代になっています。こちらについては、後述しますので、まずは予算管理をなぜ個人事業や中小企業でもやるべきかを説明します。
目次
予算管理を中小企業がやるべき理由
予算管理は、会社やお店の目標を設定し、目標を数値化し、メンバー全員の個別目標に落とし込み、全員で目標を達成することをきっちり管理しながら経営していくというものです。よくあるイメージとして、予算管理は大企業や上場企業がやるというものです。
実はこのイメージ、正解です。私は、これまで公認会計士として、これまで数十社の上場企業の監査(経理や社内体制のチェックをする仕事)をしてきました。私が担当していた上場企業では予算管理を必ずやっていました。なぜだかわかりますか?予算管理をやらないと、欲しい利益を出すことが難しいからです。
だから上場企業では予算管理をやっています。なぜ、予算管理をしないと利益が出ないかについては後ほどしっかり説明しますが、上場企業では必ずやっているというくらい予算管理は重要です。では、なぜ中小企業で予算管理をやっていない会社が多いのかというと、儲けの秘訣が予算管理ということを知っている経営者が少ないからなのです。
予算管理を中小企業でやったらダメというきまりはどこにもありません。実際、中小企業でも儲かっている会社は予算管理をして利益を出しています。
予算管理って大きい会社がやるもんじゃないの?
利益を出すことに苦労されている社長と話をしていると、よく「それは大手の話だから関係ない」とか「上場企業がやってることをウチにできるわけない」というような捉え方をされる方がいらっしゃいますが、予算管理を大きな会社がやるものだから関係ないというような思考停止にならないでいただきたいのです。もしかしたら、そのような社長のおっしゃるとおり、大手にしかできないやり方かもしれないですが、そこで切り捨ててしまったら、そこから先の成長や改善は見込めません。当然業績もよくならないでしょう。
少しやわらかい頭で以下の話を読んでください。上場企業は多くの株主がいて、利益を出すことに最も注力しています(これは、個人事業でも中小企業でも同じだと思いますが)。
利益を出さないとマーケットから退出しないといけないからです。なので、上場企業は利益を出すために必要なことはすべてやっていますので、上場企業のやり方をマネすることが利益を出すためのヒントとなります。
当然、予算管理もそのうちの一つの経営手法です。ただ、上場企業は優秀な従業員も多く、おカネもたくさん持っているので、そのままマネすることはできません。ここで、先ほどの儲からない社長は、工夫をせずに上場企業のやり方をそのままマネすることがムリとおっしゃっているのですが、それはその通りだと思います。
同じやり方をマネしようとすると、さすがに「うちにはできない」となると思います。
重要なのは、「利益を出すことに最も注力している上場企業がやってる方法が利益を出すための外せないポイントなんだから、中小企業のウチに使えるようにカスタマイズしながら上手にマネする」という発想です。このあたりをうまく学び、やってみて、修正しながら自分のものにしてきた会社が儲かっている会社なのです。
では、中小企業はどのような予算管理をすればいいの?
中小企業が利益を出すためには予算管理が欠かせないということを説明してきました。ここまででなんとなく中小企業でも予算管理が大事なんだと理解していただいているかと思いますが、実際何をやったらいいの?というところが腑に落ちていない方がいらっしゃるのではないでしょうか?上場企業がやっている予算管理は緻密で複雑です。
しかし、中小企業でそこまでやる余裕は全くないはずです。じゃあどうするか?という問いに答えていきたいと思います。中小企業でやるべき予算管理のポイントは、一言でいうと、「シンプルにする」ことです。シンプルにしないと、予算管理にかける手間やコストが大きくなってしまい、運用が難しくなってしまいます。そして、放置されて絵に描いた餅になってしまった予算管理を多く見てきました。
会計をベースにした予算管理を行う
では、どのような予算管理が中小企業にぴったりフィットするかというと、まず、予算管理で重要なのは、作った予算を放置しないことです。予算管理が機能する前提として、PDCAサイクルをしっかりまわすことがもっとも重要ですので、放置されてしまうと意味がありません。
放置しないようにするためには、毎月の実績と予算を比較しやすくするのが大きなポイントとなります。そこで、実績としてもっとも把握しやすく確実なものが会計となります。会計をベースに予算を作っていれば、会計の実績(試算表など)が出れば簡単に予算と比較することができるようになるため、中小企業がシンプルに予算管理をしたいときにオススメの方法です。
シミュレーションしやすくする
予算を作る上で重要なポイントは、シミュレーションを繰り返しながら、経営者のイメージを数値に落としていくことです。
- 売上を100万円増やしたら、利益がどれくらい変わるか?
- スタッフを1名採用したら、どれくらい利益が変化するか?
- 500万円借入をした場合、どれくらいの売上が必要なのか?
このあたりをいろいろなパターンでシミュレーションしながら予算を作っていかないと、実態からかけ離れた予算になってしまいます。エクセルで予算を作る場合は、うまく式を組んだり、シートを使いながら、シミュレーションをしやすい予算作成をしてみてください。
作った予算を社内で共有する
中小企業の予算管理における3つ目のポイントは、社内のメンバーに予算を共有することです。予算は、通常経営者が中心になって作ったり、管理したりすると思います。1人社長や個人事業主でスタッフがいない場合は、これでも問題ないのですが、事業のパートナー(家族も含む)やスタッフが数名でもいらっしゃる場合は、要注意です。それは、実際に日々の事業活動を実行する社内のメンバーが予算の存在を知らなかったり、予算の作成や予算管理にタッチしていなければ、いくらきっちりした予算を作っても実行されないからです。
予算は実行されないと全くもって意味がありません。作った予算を社内のメンバーに共有し、しっかり巻き込むことで、全員で予算を追いかけていって、予算を達成することで、予算管理に大きな意味を持たせることができるようになります。
まとめ
「予算管理=大企業のもの」というイメージを持たれていた方も多いかもしれません。ですが、規模の大小に関わらず、成長企業が利益を出し続けられているのは、徹底した予算管理があってこそです。予算管理体制の構築は、一見するとハードルの高い業務に思えるかもしれませんが、中小企業でも自社の状況に合わせてシンプル化することで十分実践できます。何より大切なのは、経営のゴールとなる利益を意識し、そこから逆算して計画を立て、日々の行動を数字と紐づけて管理する仕組みをつくることです。
特別な知識や複雑な仕組みは必要ありません。まずは会計データをベースにしたシンプルな予算管理からスタートし、社内メンバーと共有しながら、達成を目指していくことが中小企業経営の安定と成長につながります。利益を出している中小企業の多くが、この「自社に合わせた予算管理」を実践しています。
ぜひ、予算管理の仕組み化に向けてひとつずつ構築していきましょう。
この記事を読んだ方におすすめの資料
毎月の予算管理にかかる時間を2時間から5分にする方法
実際に予算管理を始める場合、一般的にはエクセルなどの表計算ソフトを活用してシートを構築いくことになります。エクセルは非常に便利なツールで、会計データがあれば基本的な予算管理には対応できますが、いくつか難点があります。まず1点目は、ファイルの管理が煩雑になってしまうことです。
売上予算は経営者だけでなく、各担当者とのファイルのやりとりが発生することになりますが、エクセルで作っていくと、ファイルのバージョンがわからなくなったり、途中でファイルが壊れるなど、やりとりに非常に手間がかかります。2点目は、作業時間が膨大になってしまいがちなことです。
エクセルでゼロからシートを作成し、運用していくことはかなり大変な作業です。私たちプロでも、1社あたり毎月1〜2時間はエクセルの作業時間を費やしていました。このように、エクセルでの管理・運用は多くの手間と時間がかかり、なかなか本格的な運用に踏み切れない声を多くいただきます。
そのような課題を解消するためにおすすめしたいのが、予実管理システムの導入です。弊社の提供する予実管理システム「Manageboard(マネージボード)」では、会計ソフトとのAPI連携により正確な実績をタイムリーに取得することが可能です。また、複数の予算計画も簡単に作成・管理し、最小限の工数で経営の意思決定精度向上を実現できます。
Manageboardの具体的な機能や導入事例、料金プランについてはこちらの資料で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
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予実管理の煩雑さは大きな課題です。手作業に依存した業務プロセスやデータの連携不足、エクセルによる予実管理に悩む企業も多いのではないでしょうか。
財務会計と管理会計の基本を押さえつつ、予実管理の正確性とスピードを両立させるためのポイントと具体的な解決策を詳しく解説しています。
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