• 作成日 : 2025年6月30日

キッチンカーに最適な看板とは?デザイン・素材・設置方法まとめ

キッチンカーの売上や集客力を大きく左右するのが「看板」です。看板は、お客様の目を引き、メニューや世界観を一瞬で伝える重要な役割を果たします。しかし、「どんな看板を作ればいいのかわからない」「風で倒れてしまう」「手書きが苦手」といった悩みを抱える人も多いのではないでしょうか?

この記事では、キッチンカーに最適な看板の作り方から設置方法、法律上の注意点までを詳しく解説します。

キッチンカーにおける看板の役割

キッチンカーの看板は、限られたスペースでお客様の目を引き、何を売っているのか、いくらなのか、そしてどんな世界観なのかを“ひと目で”伝える重要な役割を担います。

店の第一印象は”看板”で決まる

固定店舗とは異なり、通りすがりのお客様にとって、キッチンカーは“その場で初めて出会うお店”です。だからこそ、情報が少なかったり伝わりづらかったりすると、それだけで見込み客を逃してしまうおそれがあります。

イベントやフードフェスなど、キッチンカーが並ぶシーンでは、目立って読みやすく、食欲をそそる看板があることで、他店と差をつけられます。

看板が担う3つの役割

  1. 集客効果:遠くからでも「気になる」「近づいてみたい」と思わせる視覚的インパクトが必要です。特に色づかいやフォント、大きさは集客力に影響する大切な要素です。
  2. 情報伝達:どんなメニューがあるのか?価格はいくらか?写真やイラストで視覚的に伝えることで、お客様の“疑問”を先回りして解決する役割があります。
  3. ブランディング:おしゃれ、ナチュラル、ポップ、和風、韓国風など、キッチンカーの「世界観」を表現するのも看板の役割です。ロゴや色味、書体に統一感を持たせることで、お客様の記憶にも残りやすくなります。

看板が整っていないと、どうなるか?

  • メニューが分かりづらく、並ぶ前にお客様が離れてしまう
  • 金額が書かれていないことで不安になり、注文をためらわれる
  • 他店に目移りしてしまい、チャンスを逃す

こうしたお客様を逃す事態を防ぐためにも、キッチンカーの看板は最初に整えるべき重要な営業ツールです。

キッチンカーの看板の書き方やデザインのコツ

お客様がキッチンカーの前を通りかかったとき、わずか数秒で「何を売っているのか」「どれくらいで買えるのか」が伝わる看板が理想的です。そのために載せるべき情報、そしてそれを効果的に伝えるデザインの工夫について見ていきましょう。

看板に書いておくべき5つの情報

  1. 主力メニューと価格
    「何をいくらで売っているのか」が一目で伝わることが重要です。特に看板では、全メニューを載せるのではなく「一番売りたいもの」「人気メニュー」に絞るのが効果的です。
  2. 屋号(店名)
    ロゴやフォントに統一感を持たせることで、お客様の記憶に残りやすくなります。
  3. ビジュアル(写真 or イラスト)
    文字よりも視覚で伝えるほうが、記憶に残りやすくなります。実際の商品写真や、手描きのイラストを使うことで、見る人の食欲と興味を引き出すことができます。
  4. SNSアカウントやQRコード
    InstagramやX(旧Twitter)など、営業情報や出店スケジュールを更新しているSNSの情報も掲載しましょう。QRコードを貼ると、スマホでスムーズにアクセスしてもらえます。
  5. 注文の流れや待ち時間の目安
    セルフオーダー方式か、先払いか、番号で呼ばれるのかなど、注文方法を簡単に示しておくと、初見のお客様も安心です。

※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

看板のデザインのコツ

1. フォントと文字サイズにメリハリをつける

  • 看板メニューは大きく太く
  • 店名はコンセプトによって中~大サイズ
  • 価格や補足情報は見やすさを意識しつつも小さめに

「上から下」「左から右」などの視線の流れを意識して配置を決めると、視認性が大きく向上します。

2. 色は3色程度にまとめる

看板がカラフルすぎると、かえって読みにくくなります。ベース色(背景)、アクセント色(強調)、文字色(白・黒などの背景とコントラストのある色)の3色を基本にデザインすると、整った印象になります。

3. 余白を意識して「詰め込みすぎない」

文字や画像を詰めすぎた看板は、見づらく、逆効果になるおそれがあります。1枚の看板で全情報を伝えるより、「興味を持たせて、近づいてもらう」ことを意識しましょう。

看板レイアウトの例

1.人気No.1!トリュフ塩ロングポテト 600円←主力メニュー&価格
2.トッピング+100円

チーズ/明太マヨ 他

←トッピングやオプションメニュー
3.注文後3分ほどでお渡しします←待ち時間の目安
4.@fuwafuwapoteto / QRコード←SNSへの導線
5.サクふわポテト号←店名や屋号

看板のデザインは、情報を詰め込みすぎず「パッと見て伝わるか」を重視し、誰が見ても、すぐにわかる・近づきたくなる看板を目指しましょう。

キッチンカーの看板の種類と素材の選び方

キッチンカーにおける「看板」は、地面に置くスタンド型だけでなく、車体に貼るタイプや垂れ下げ式などもあり、形も素材もさまざまです。用途や出店スタイルに合わせて適切な種類と素材を選ぶことで、より目を引き、長持ちする看板を作ることができます。

看板の主な種類

1. A型スタンド看板(自立型)

キッチンカーによく使われるタイプで、店舗前に置くことで遠くから視認されやすくなります。取り外しも簡単で、出店場所によって柔軟に移動できます。

  • メリット:高さ・角度が自由に調整でき、両面掲示が可能
  • 注意点:風対策として重しや固定が必要

2. 車体貼付型(固定看板・マグネット)

キッチンカーの側面や後方などに貼り付けて常時表示できるタイプで、屋号やメニューを貼っておけば、走行中も宣伝できます。

  • マグネット式:貼り替えやすく、日替わりメニューに便利
  • カッティングシート:耐久性が高く、ロゴや装飾に向いている

3. タペストリー・垂れ幕タイプ

垂れ下げることで遠くからでも認識しやすく、特にイベント会場での集客に有効です。車体の上や横に設置し、目線の高い位置で視線を引きつけましょう。

  • メリット:軽量で持ち運びしやすい
  • 注意点:風で揺れるため固定方法に注意が必要

4. ボード(黒板・ホワイトボード)

チョークやボードマーカーで自由に書き換えられるので、日替わりメニューや急な価格変更にも対応できます。ナチュラルな雰囲気を演出したい方にも人気です。

  • 黒板:カフェ風の演出に向いているが、チョークの粉が舞う点に注意
  • ホワイトボード:清潔感があり、水拭きで簡単に消せる

看板の素材別比較

素材特徴おすすめ用途
木製温かみがあり、カフェ風やナチュラル系に調和するA型看板・黒板
アルミ複合板軽くて丈夫。屋外対応。色褪せしにくいメイン看板・ラッピングパネル
塩ビシート防水性が高く、印刷が美しい車体ステッカー・バナー
アクリルパネル高級感があり、透明感のあるデザインに向いているロゴパネル・照明付き看板など
マグネットシート取り外しが可能で、再利用しやすい車体用日替わりメニュー
ターポリンバナー・垂れ幕に使われる素材。軽量・防水で丈夫イベント用の大きな宣伝幕

用途別おすすめの選び方

  • 出店場所が毎回変わる場合:軽量で取り外しができるマグネットタイプやA型看板がおすすめ
  • イベント中心の営業スタイル:遠目から見える垂れ幕や大きめのタペストリーが効果的
  • 定番メニューを固定して販売する場合:耐久性の高いアルミ複合板+ラミネート加工で長持ちする看板に
  • 雰囲気重視のカフェ風:手書き黒板+木製スタンドで統一感を出すと印象が良い

キッチンカー自体を“動く看板”として活かす方法

キッチンカー自体を看板として使う方法もあります。移動中にもブランドを広める効果が期待できます。

1. 車体ラッピングやカッティングシートで屋号を明示する

キッチンカーの車体に屋号やロゴをしっかり表示することで、遠くからでもお店の存在を認識してもらえます。カッティングシートは耐久性が高く、屋外でも安心して使える定番の方法です。

より目立たせたい場合は、車体全体を使ったラッピングも有効です。コストはかかりますが、デザイン性とインパクトは抜群です。

屋号は車体の側面と後部に表示すると、どの方向から見ても気づかれやすく、集客力の向上につながります。

2. メニューはマグネット式で貼り替えできるようにする

車体にマグネット式のメニュー表を使えば、日替わりや限定メニューの変更が手軽にでき、急な価格変更にも柔軟に対応できます。ラミネートしたポスターをマグネットクリップで貼る方法も便利です。看板が車体にしっかり固定されていれば、雨風にも強く、安定して掲示できるのも大きなメリットです。

3. ホワイトボードや黒板を車体に固定する

車体のドアや側面にホワイトボードや黒板を設置するのも効果的です。ホワイトボードは清潔感があり、マーカーで簡単に書き換えられます。黒板はチョークアートで温かみや手作り感を演出できます。設置する際はネジ止めやフックで固定し、雨対策としてアクリルカバーを使うと安心です。

4. 印刷したポスターやメニューをラミネートして貼る

ポスターをラミネート加工して車体に貼る方法は、視認性が高くコストも抑えられる便利な手段です。マグネットシートや吸盤フック、クリップでの固定が可能で、アクリルフレームに入れれば防水対策にもなります。インクジェットプリンターとラミネーターがあれば、自宅でも手軽に作成できます。

5. キッチンカーの外観を活かしたブランディング

統一感のあるおしゃれなキッチンカーは、写真を撮られやすく、SNSでの拡散にもつながります。屋号・ロゴ・看板の色味を揃え、バナーやオーニング、のぼりなども一体感を持たせるとより効果的です。背景ボードや撮影スポットを用意すれば、さらに「映え」を演出できます。車体全体もブランドの一部と考え、印象に残る世界観を作ることが、他店との差別化につながります。

手書き看板の工夫とイラスト素材

「デザインに自信がない」という人でも、工夫次第で魅力的な看板を作ることができます。

  • 手書きの文字は大きく・太く・シンプルにする。
  • イラストは無料素材サイト(いらすとや、Canva、ソコストなど)を活用する。
  • 絵や文字は鉛筆で下書きしてからペンでなぞる。
  • 写真や印刷物をラミネートして貼る。

テンプレートを使えば、誰でもバランスよく配置できます。CanvaやPowerPointなどを使ってPOPを作り、ラミネートして掲示する方法もおすすめです。メニュー写真は、自然光を使って明るく撮影することで印象が良くなります。

無料テンプレートと作成ツール

オンラインで無料で使える作成ツールやテンプレートが充実しています。手書き風のフォントやイラストも豊富で、プリントして使えば「手描きっぽく見えるプロ仕上がり」も可能です。

  • Canva(https://www.canva.com/ja_jp/)
    POPや看板に使えるテンプレートが豊富で、ドラッグ&ドロップで直感的に編集可能。日本語フォントも多数。
  • ソコスト(https://soco-st.com/)
    食品系のかわいいイラスト素材が商用利用OKでダウンロード可能。
  • いらすとや(https://www.irasutoya.com/)
    和風、洋風、カフェ風など、豊富なジャンルのイラストが使いやすく、柔らかい雰囲気を出したいときに最適。

看板のサイズと設置方法・風対策のポイント

キッチンカーの看板サイズは、遠くからでも目に留まりやすいよう「A型看板(高さ80〜120cm)」がよく使われます。メニュー部分はA3〜A2程度のサイズが多く採用されています。

スペースが限られている場合は、足元用のミニ看板を設置したり、車体上部にバナーを掲示したりすると効果的です。

看板は遠くからも“読める”サイズに

キッチンカーでよく使われる看板サイズは以下の通りです。

  • A型看板(両面):高さ80〜120cm、横幅45〜60cm程度が一般的。地面に置いて遠くからでも目に入りやすく、車体の前や横に設置すると効果的です。
  • ミニ黒板/ボードタイプ:高さ30〜60cm程度のもの。補足情報や日替わりメニュー表示に便利。
  • 車体バナー・垂れ幕:横幅90〜180cm、高さ60〜90cm程度。上部や側面に設置し、遠距離からの視認性をアップ。

文字サイズは「2〜3mぐらい離れた場所から読めるか?」を基準に考えると良いです。たとえば、主力メニューは10cm以上の文字サイズで書くと遠くからでも読みやすくなります。

看板の設置場所と角度

設置場所で意識すべきなのは、「視線の導線」です。人目につきやすいのは、キッチンカーの前面・側面・入口側で、通行の流れに対して正面を向けると効果的です。ただし、混雑エリアでは邪魔にならない位置に設置する配慮も必要です。

また、看板はやや上向きに傾けると遠くからでも視認しやすくなります。太陽光や照明の反射を避けるため、光源と平行にしないよう角度にも気を配りましょう。こうした工夫だけでも、看板の効果は高まります。

風や揺れに強い設置方法

キッチンカーの看板は屋外で使用するため、風や揺れに対する対策が必須です。転倒を防ぐために重り(サンドバッグや水タンク)を使う、スタンドに固定する、ロープで車体と連結するなどの対策をとりましょう。特にイベント会場や海沿い、ビル風が強い都市部などでは、突風が吹くこともあり、転倒事故や破損につながるリスクがあります。

転倒防止の基本対策:

  • サンドバッグや水タンクで重りをつける
  • 看板の足元にレンガやブロックを置く
  • スタンドと地面をロープやワイヤーで固定する
  • 車体と看板を結束バンドや吸盤フックで連結する

素材の工夫:

  • 軽すぎる素材(発泡スチロールなど)は風に弱いため、強風時は使用を控える
  • アクリル板やアルミ複合板は耐風性に優れ、比較的倒れにくい
  • タペストリー型は揺れやすいため、四隅をしっかり固定し、風が強い日は巻き上げるなどの判断が必要

キッチンカーの看板設置に関する法的ルール

キッチンカーの看板は法律や施設ルールに違反しないことが大前提です。ルールを知らずに設置すると、行政から指導を受けたり、営業停止につながるケースもあるため事前にしっかり確認しておきましょう。

公道に看板を出す場合:道路使用許可が必要

よくある誤解が「歩道や道路脇にA型看板や立て看板を出してもいい」というものです。実際は、公道(歩道含む)に看板を設置するには「道路使用許可」が必要になります。

  • 管轄は出店場所を担当する警察署の交通課
  • 許可申請には、出店場所の地図・サイズ・期間などの情報が必要
  • 許可が下りるまで1週間〜10日程度かかる場合がある

許可をとらずに看板を出した場合、「道路交通法違反」として行政指導や撤去命令、最悪の場合は罰金や営業停止につながることがあります。

商業施設・イベント会場でのルールも確認を

ショッピングモール前や駅前広場、公園、地域イベントなどで出店する場合は、施設ごとに看板設置のルールや制限があります。

  • 看板の大きさや数に制限があることが多い
  • 一定範囲内(キッチンカーの近く)以外は禁止されているケースも
  • 出店申請時に看板の図面提出を求められる場合あり

特にイベントでは、「通行の妨げになる」「他の出店者の視界を遮る」などの理由で注意されやすいため、事前に主催者へ確認をとることが大切です。

消防法に関わる注意点(火気設備周辺)

フライヤーやプロパンガスを使用するキッチンカーでは、火気設備の近くに可燃性の看板を設置するのはNGです。

  • 木製・紙製・布製の看板を火元のすぐそばに設置しない
  • タープ・垂れ幕などがバーナーや排気口の近くにかからないように
  • 地域によっては耐火素材の使用が必要なケースも

安全対策として、消火器の近くに看板を置かない(視界を遮らない)という配慮も求められます。

自治体ごとの条例やルールに注意

日本では、自治体によって屋外広告物に関する「屋外広告物条例」が定められており、

  • 色の制限(景観保全地区など)
  • サイズの上限
  • 明かりの使用可否(ライトアップの禁止など)

などの規制を受ける場合があります。

これらの規制の有無は「市役所の都市計画課」「建築指導課」などで確認できます。出店予定の市区町村ごとに確認をとっておくと、不要なトラブルを防げます。

キッチンカーの魅力を引き出す「看板力」を磨こう

キッチンカーの看板は、来店のきっかけをつくり、売上にも直結します。屋号やメニュー、価格などの情報をわかりやすく、魅力的に伝えることで、初めてのお客様にも安心して立ち寄ってもらえるようになります。

さらに、安全に設置するためには風対策やルールの確認も欠かせません。公道や施設内では許可が必要な場合があり、火気設備との距離や通行人への配慮も大切です。

見やすく、伝わりやすく、記憶に残る看板を整えることで、あなたのキッチンカーはより多くの人の目を引き、選ばれる存在になっていきます。


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