• 更新日 : 2026年1月20日

自己都合退職の失業保険はいつから・いくらもらえる?最新のルールを解説

自己都合退職でも失業保険を受給できます。自己都合退職は会社都合退職に比べて、最終的に受け取れる金額の総額や、必要な雇用保険加入期間(被保険者期間)などの点で差がある点が特長です。そのため、退職を検討している方は、自己都合退職のデメリットや失業保険をいつからもらえるかなどの点を理解して、事前の準備を進めておくとよいでしょう。

本記事では、自己都合退職の失業保険について詳しく解説します。

目次

自己都合退職でも失業保険はもらえる?

自己都合退職であっても、失業保険(失業手当)は、受給条件を満たせば受け取ることが可能です。

この記事では、自己都合退職の場合の失業保険の制度(失業とは?)、いつから支給が始まるのか、いくらもらえるかの計算方法、そして受給のメリット・デメリットまでを、2025年最新の情報に基づいてわかりやすく解説します。

自己都合退職でも失業保険をもらえる条件は?

自己都合退職でも、失業保険(正式名称は雇用保険の基本手当)は、以下の3つの条件をすべて満たせば受け取ることができます。

  • 離職日以前2年間に被保険者期間(働いていた期間)が12ヶ月以上あること。
  • ハローワークに来所して求職の申し込みを行い、働く意思と能力があること。
  • 離職理由が「自己都合」であること(会社都合や正当な理由のある自己都合退職とは区別されます)。

関連資料|退職願

自己都合退職の失業保険はいつから支給される?

自己都合退職の場合、失業保険の支給が始まるまでには、会社都合退職と比べて約1〜3ヶ月の期間が追加されます。

  • 待期期間=働いていない7日間
    離職票をハローワークに提出し、求職の申し込みをした日からすべての人に適用されます。この期間中は失業保険は支給されません。
  • 給付制限期間=原則2ヶ月または1ヶ月・3ヶ月
    給付制限期間は待期期間の翌日から開始します。

関連資料|社労士が解説! 2025年4月以降施行 雇用保険法の改正内容解説ガイド

 2025年(令和7年)以降の給付制限期間の変更点

2020年10月(令和2年)から、正当な理由のない自己都合退職であっても、給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月に短縮されました。さらに、2025年(令和7年)4月以降の最新ルールでは、この給付制限期間が5年間で2回目までの自己都合退職であれば、原則として1ヶ月へとさらに短縮されています。

支給開始は、この「待期期間(7日間)+給付制限期間(1ヶ月または2ヶ月・3ヶ月)」の期間が明けたあとの、最初の失業認定日からとなります。

ただし、5年間のうち3回目以降の自己都合退職や、懲戒解雇などの場合は、引き続き3ヶ月の給付制限期間が適用されるため、注意が必要です。退職を検討される際は、最新の改正雇用保険法の内容をふまえて計画を立てることが大切です。

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自己都合退職の失業保険の金額・期間の計算方法

失業保険で最も気になるのが「いくら」「どのくらいの期間」もらえるかという点です。正確な支給額や給付期間は個々の状況で異なりますが、計算のステップを理解することで、概算の目安がわかります。

賃金日額と基本手当日額の計算

失業保険の金額は、まず「賃金日額」を算出し、次に「基本手当日額」を決定するという2ステップで計算が進みます。

自己都合退職の失業保険はいくらもらえる?

失業保険で受け取れる基本手当日額は、離職直前の6ヶ月間の給与総額(賞与を除く)をもとに計算されます。

基本手当日額:離職直前6ヶ月の賃金総額 ÷ 180日 × 給付率(約50%〜80%)
失業保険の総支給額:基本手当日額 × 所定給付日数(90日〜150日)

この給付率は、賃金が低い人ほど高く(約80%)、高い人ほど低く(約50%)なるように設定されています。また、基本手当日額には年齢ごとの上限額が設けられているため、給与が高い人も上限額以上の支給はありません。

自己都合退職の所定給付日数と受給期間

失業保険を受け取れる「所定給付日数」は、雇用保険の加入期間と離職時の年齢によって決まります。自己都合退職の場合、所定給付日数は90日、120日、150日のいずれかとなります。

被保険者期間1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
自己都合退職原則支給なし90日90日120日150日
会社都合退職90日90日〜180日120日〜240日180日〜270日240日〜330日

自己都合退職の所定給付日数は、会社都合退職と比べて全体的に短く設定されていることがわかります。

自己都合退職の支給総額シミュレーション

たとえば、35歳で雇用保険加入期間が10年、退職直前6ヶ月の月収が30万円(総額180万円)だった場合の概算シミュレーションを考えてみましょう。

  1. 賃金日額
    180万円 ÷ 180日 = 10,000円
  2. 基本手当日額
    賃金日額10,000円に対する給付率は※約50%強となり、基本手当日額は※約5,500円〜6,000円程度となります。
  3. 所定給付日数
    35歳、加入期間10年のため120日。
  4. 支給総額
    基本手当日額(例:5,800円)× 120日 = 696,000円

※2025年7月時点の給付率表に基づく
※具体的な数字は年によって変動

この概算の金額は、自己都合退職後の生活設計や転職期間の目安を立てるのに役立ちます。

関連資料|雇用保険被保険者証 未交付時の対応マニュアル
関連資料|休職中退職時の失業保険 計算シミュレーションシート

そもそも失業保険とは?

失業保険(失業手当)とは、雇用保険制度の一部であり、労働者が離職し、働く意思と能力があるにもかかわらず仕事が見つからない期間の生活を安定させ、再就職活動を支援するために支給される給付金です。

関連記事|特定理由離職者とは?失業保険の受給条件や対象範囲をわかりやすく解説

雇用保険の「基本手当」としての失業保険の位置づけ

雇用保険には、失業したときに受け取れる「基本手当」のほかに、再就職が早く決まった場合に支給される「再就職手当」や、教育訓練を受けた場合に支給される「教育訓練給付金」など、さまざまな給付があります。一般に「失業保険」や「失業手当」と呼ばれるものは、この基本手当を指します。基本手当は、求職活動期間中の生活を支えるという重要な役割を担っています。

自己都合退職と会社都合退職で失業保険の扱いはどう違う?

自己都合退職と会社都合退職では、失業保険の給付開始時期と所定給付日数の2点において大きな違いがあります。

項目自己都合退職(一般的なケース)会社都合退職・特定理由離職者
待期期間7日間7日間
給付制限期間原則1ヶ月(5年間に2回まで)または3ヶ月なし(待期期間の翌日から支給対象)
所定給付日数90日〜150日(加入期間・年齢による)90日〜330日(加入期間・年齢による)

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自己都合退職の失業保険をもらうメリット・デメリット

失業保険をもらうことには、再就職活動を助けるメリットがある一方で、デメリットも存在します。

メリット

  • 生活費の不安を和らげられる
    再就職活動中の一定期間、収入が得られることで、生活の基盤を保てます。
  • 精神的な余裕が生まれる
    焦らずに自分に合った仕事を選べるようになり、ミスマッチを防ぐことにつながります。
  • 再就職への集中
    求職活動に専念する時間と費用を確保できるようになります。

デメリット

  • 給付が始まるまでの期間が長い
    自己都合退職の場合、給付制限期間があるため、受給開始までには時間が必要です。
  • 国民健康保険料の支払いが発生
    会社員のときは給与から引かれていた社会保険料を、自分で支払う必要があります。
  • 再就職手当の受給を考慮する必要がある
    早く再就職すると、失業保険の残りの日数に応じて再就職手当を受け取れる場合があります。失業保険を全て受け取るか、再就職手当を狙うか、計画的に考える必要があるでしょう。

関連記事|再就職手当(再雇用手当)とは?もらえる条件や金額、期間、デメリットなども解説
関連資料|従業員が語らない『本当の退職理由』

自己都合退職で失業保険をもらう条件と手続きは?

自己都合退職で失業保険を受け取るためには、単に退職するだけでなく、働く意思があることや、ハローワークでの具体的な手続きが求められます。

自己都合退職の失業保険の受給資格

失業保険の受給資格を得るには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 離職日以前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あること(賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1ヶ月とカウントします)。
  • 65歳未満で離職したこと。
  • 働く意思と能力があり、積極的に求職活動をしていること。

特に、働く意思と能力があることは重要な要件です。病気やケガですぐに働けない状態にある場合や、専業主婦(夫)になる予定で求職活動をしない場合は、受給資格を満たしません。

働く意思とは?

失業保険は、「失業の状態」(働く意思と能力があるのに仕事が見つからない状態)にある人を支援するための制度です。そのため、ハローワークでは4週間に一度の失業認定日に、前回の認定日以降原則2回以上の求職活動実績(セミナー参加、職業相談、求人への応募など)が必要となります。

求職活動の実績がなければ、失業認定を受けられず、失業保険も支給されません。積極的にハローワークの職業相談やセミナーを活用し、転職活動を進めることが大切です。

自己都合退職の失業保険を受け取る手続きの流れ

失業保険を受け取るまでの手続きは、以下の5つの手順で進めます。

  • 会社からの書類受領
    退職後、会社から「離職票」を受け取ります(通常、退職後10日〜2週間程度)。
  • ハローワークで求職の申し込み
    離職票とマイナンバーカードなどの必要書類を持参し、ハローワークで求職の申し込みと離職票の提出を行います。
  • 待期期間(7日間)
    この期間は失業保険の支給対象となりません。
  • 雇用保険受給説明会への参加
    受給資格や手続き、今後の流れについての説明を受けます。
  • 給付制限期間
    自己都合退職の場合、この期間は支給が停止されます。この期間も求職活動は可能です。

この流れを経て、給付制限期間終了後の最初の失業認定日から、失業保険の支給が始まります。

妊娠・出産・育児などで受給期間延長はできる?

妊娠・出産・育児、病気やケガなどの理由で、すぐに働くことができなくなった場合、働ける状態になってから失業保険の受給を開始できるようになります。

最大3年間(本来の受給期間1年とあわせて最長4年間)の延長が可能です。

受給期間の延長申請は、働けなくなった日の翌日から1ヶ月以内に行うのが原則です。自己都合退職後に妊娠・出産などの予定がある場合は、この延長制度をふまえて申請することが重要です。ただし、現在は働けるようになってからの事後申請も可能となっています。

公共職業訓練・求職者支援制度を利用した場合

自己都合退職であっても、公共職業訓練(ハローワークの斡旋による職業訓練)を受けると、給付期間や給付の扱いに有利な変化があります。

給付制限期間の免除

公共職業訓練の受講が決定すると、自己都合退職による給付制限期間(1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月)が免除され、訓練開始日から失業保険の支給が始まります。

給付期間の延長

訓練期間が所定給付日数を超える場合、訓練終了まで失業保険の支給期間が延長されます。

また、雇用保険の受給資格がない人が、求職活動を続けながら訓練を受ける場合は「求職者支援制度」を利用でき、「職業訓練受講給付金」(月10万円など)を受け取れる場合があります。これらの制度をふまえて、計画的な再就職プランを立てることができます。

関連資料|社会保険・労働保険の手続きガイド ‐入社・退職・異動編‐
関連記事|求職者支援制度とは? 給付金の条件や職業訓練の内容、手続きを解説

【働き方別】自己都合退職の失業保険Q&A

失業保険に関しては、働き方や退職後の活動について疑問を持つ方も多くいらっしゃいます。また、人事・総務担当者として、従業員からの質問に正しく対応することも大切です。

自己都合退職でもアルバイトはしてもいい?

自己都合退職後、失業保険の受給中にアルバイトをすることは可能ですが、以下の点に注意が必要です。アルバイトをする場合は、事前にハローワークで具体的な条件を確認しましょう。

給付制限期間中

給付制限期間中(1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月)は、アルバイトをしても失業保険の受給資格には影響しません。ただし、労働時間や収入が一定の基準を超えると、失業保険の受給資格自体を失う場合もあるため、ハローワークへの事前相談が推奨されます。

給付期間中

失業保険の支給期間に入ってからのアルバイトは、原則としてハローワークへの申告が必要です。

1週間の労働時間が20時間未満かつ31日以上の雇用見込みがない場合は、「内職・手伝い」として収入額に応じて基本手当が減額されるか、支給が先送りされることがあります。1週間の労働時間が20時間以上になると、再就職したとみなされ、失業保険の支給が停止されます。

パート・アルバイト・契約社員・勤続1年未満の場合

正社員以外の働き方や、勤続期間が短い場合でも、失業保険を受け取れる可能性があります。

パート・アルバイト・契約社員

これらの働き方でも、雇用保険に加入していた期間(原則として1週間の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあること)が、離職日以前2年間に12ヶ月以上あれば、自己都合退職でも失業保険の受給資格があります。

勤続1年未満の自己都合退職

雇用保険の被保険者期間が1年未満の場合、自己都合退職では原則として失業保険の受給資格がありません。ただし、出産や介護、体調不良などやむを得ない理由で退職した場合は被保険者期間が1年未満でも受給できることがあります。

フリーランスとして独立する場合や副業・Wワークの場合

自己都合退職後に、フリーランスとして独立する場合や副業・Wワークをメインにする場合は、「働く意思と能力」の要件を満たさないと見なされ受給できません。

フリーランスとして独立

独立開業準備期間であっても、すぐに事業を始める意思があり、積極的に求職活動をしない場合は、「失業の状態」に該当しないと判断されます。

副業・Wワーク

退職後も続けている副業・Wワークが週20時間以上の場合は「就職状態」であるため失業保険を受給することはできません。

失業保険を受け取るためには、再就職を目指して求職活動に専念していることが求められます。

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企業が自己都合退職の従業員に説明すべきポイントは?

人事・総務担当者は、自己都合退職する従業員に対して、失業保険に関して以下の点を説明しておくことで、従業員の不安を和らげ、後のトラブルを防げます。

離職票の交付タイミング

離職票は退職日から10日〜2週間程度かかること、ハローワークへの提出に必須であることを伝えましょう。

給付制限期間の基本ルール

自己都合退職の場合は、給付制限期間(原則1ヶ月または3ヶ月)があるため、すぐに支給が始まらないことを明確に伝えましょう。2025年最新の短縮ルールにも触れると、より親切な説明になります。

離職理由の正確な記載

自己都合退職か会社都合退職か(もしくは特定理由離職者か)が、正確に記載されているかをチェックします。離職理由については、従業員の認識との齟齬がないようにすることが、後のトラブルを防ぐことにつながります。

従業員が異議申し立てをする可能性がある場合は、会社都合と自己都合の明確な判断基準をふまえて対応する必要があります。

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失業保険の仕組みを理解し計画的な転職活動を

自己都合退職でも失業保険は受け取れますが、会社都合退職と比べて給付制限期間があることや、所定給付日数が短いことを理解しておく必要があります。特に2025年(令和7年)の法改正により、給付制限期間が短縮(原則1ヶ月)されるなど、制度は変化しています。

失業保険の制度を正しく理解し、いつから、いくらもらえるかを計算した上で、給付期間を有効活用することが、より良い再就職への円滑な計画につながります。企業側も、この制度を正しく従業員に説明することで、円満な退職とバックオフィス業務のスムーズな処理を保てます。

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