• 更新日 : 2026年2月19日

育休中の副業はいくらまで可能?給付金の減額ライン・確定申告・注意点を解説

Point育休中の副業はいくらまでなら給付金に影響しない?

育休中の副業は可能ですが、自社における就労での賃金が育休前賃金の80%以上になると育児休業給付金は停止されます。

  • 自社における就労で80%以上の賃金を得ると給付金停止
  • 月10日または80時間以内
  • 日数や時間に関しては副業もバイトも合算される

働くこと自体は可能ですが、就業日数・時間・賃金が基準を超えると給付金は支給されません。

育児休業中に少しでも収入を得ようと、副業を検討する方は増えています。しかし、「育休中に副業をしても問題ないのか」「いくらまでなら給付金が減らないのか」など、不安や疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

本記事では、育休中の副業に関する基本的なルールから、育児休業給付金の支給条件、副収入による影響、税金や申告の手続きや注意点を解説します。

育休中に副業はしてもいい?

育休期間中でも収入が減る中、副業を検討する人は少なくありません。法律的に許されているかどうか、勤務先との関係性などを正しく理解することで、トラブルなく副業に取り組むことができます。

法律では育休中の副業は禁止されていない

育休中に副業を行うことは、法律上禁止されていません。育児・介護休業法や労働基準法では、育休期間中の副業を一律に制限する条項は設けられていないため、育休取得中であっても法的には副業を行うことが可能です。育児休業制度の本来の趣旨は、育児と仕事の両立支援にありますが、副業が必ずしもその目的に反するとは限りません。

ただし、厚生労働省は公式に「育児休業中は育児に専念する期間である」との見解を示しており、過度な就労や長時間労働を伴う副業については、あまり推奨していません。そのため、実際に副業を始める場合には、一時的または短時間で行える業務に留め、育児とのバランスを取りながら進めることが求められます。

参考:育児休業中の就労について|厚生労働省

会社の就業規則を必ず確認しよう

法律上副業が可能であっても、副業を始める際は勤務先の就業規則を確認することが不可欠です。育休中であっても雇用関係は継続しており、多くの企業では副業について何らかの制限や申請義務を就業規則に定めています。

たとえば、「副業禁止」や「副業は事前に許可を得ること」と明記されている場合、たとえ育休中でもそのルールに従う必要があります。無断で副業を始めた場合、就業規則違反とみなされ、懲戒処分を受ける可能性も否定できません。自社の事業と競合する内容の副業や、企業イメージを損なう恐れのある業務はトラブルの原因となります。

副業を検討する際には、まず会社のルールを確認し、不明点があれば人事部門や上司に相談の上、必要な手続きを行いましょう。誠実に対応することが、安心して副業に取り組むための第一歩です。

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育休中に就業できる日数・時間の上限は?

育児休業給付金を受けながら副業をしたい場合、働ける日数と時間には制限があります。これらの上限を超えてしまうと、給付金が支給されない可能性があるため、就業ルールを正しく理解しておくことが重要です。

月10日または80時間以内が原則

育休中に副業を行う際は、「月に10日以内」または「80時間以内」という就業上限を守る必要があります。これは育児休業給付金の支給要件として明確に定められており、たとえ本業以外であっても、月11日以上の勤務かつ80時間超の労働が確認された場合、その月の給付金は支給されません。

この制限は、副業が短時間かつ断続的なものであることを前提としており、育児に支障をきたさない範囲での労働を許容する目的で設けられています。働く場合は、勤務日数・労働時間の記録を細かく把握し、条件を超えないよう管理することが大切です。

副業先での勤務も全て合算される

この就業制限は、本業の職場に復帰せず副業のみを行っている場合でも同じように適用されます。副業先が複数ある場合や、アルバイト・パートを掛け持ちしている場合でも、それぞれの就業日数と労働時間は合算して判断されます。

たとえば、ある月にA社で5日、B社で6日勤務した場合、合計で11日となり、月10日を超えてしまうため、その月の育児休業給付金は支給されません。同様に、就業時間も合計で80時間を超えれば不支給対象となります。これらはハローワークへ提出する支給申請書類で確認されるため、記録の整備と正確な申告が必要です。

副業の就業実績はすべて対象と見なされるため、育休中であっても「働きすぎ」が給付金の受給資格に影響することを意識し、労働日数と時間をしっかりコントロールすることが求められます。

育休中に副業でいくらまで稼げる?

育休中に副業や短期アルバイトなどで収入を得ることは可能ですが、その金額によっては育児休業給付金が減額されたり、支給されなくなったりする場合があります。ただし、その対象となるのは、育休中に得た雇用保険の被保険者となっている本業の会社での「就労による賃金」です。そのため、雇用保険の被保険者とならない会社でのアルバイトや副業は対象となりません。

就労により受けた賃金が月収の13%を超えると減額の対象に

育児休業中に得た賃金が、育休開始前の賃金月額の13%を超えると、育児休業給付金は減額されます。これは、本業への一時的な出勤による賃金が対象となります。

育休開始から180日間は、給付金として月収の67%が支給されます。就労による賃金が13%加わると、合計80%になり、給付金制度の上限に達するため、それを超えない範囲であれば減額はされません。13%を超えた場合は、超過分に応じて給付金が段階的に減額される仕組みです。本業で一時的に就労した月だけ部分的に調整されるため、毎月の働き方と賃金を意識しておく必要があります。

賃金が月収の80%を超えると支給停止

育休中の賃金が育休開始前の月給の80%に達すると、その月の育児休業給付金は支給されなくなります。

さらに、育休開始から181日目以降は、給付金の支給率が50%に下がるため、代わりに満額支給が可能な賃金の上限は30%程度まで緩和されます(50%+30%=80%)。この期間であっても、80%の基準は維持されるため、働き方には継続して注意が必要です。

給付金の維持を希望する場合は、「働いて得た賃金の合計が、元の月給の80%未満」であることを意識して計画を立てることが大切です。本業の会社から受けた賃金のみが対象となる点に注意しましょう。

賃金と育児休業給付金の関係(休業開始時の月給に対する割合)

賃金が元の月給の割合給付金の扱い支給内容(計算式)
13% 以下満額支給減額なし(全額受給可能)
13% 超 ~ 80% 未満一部減額給付金額 = 月給×80% − 賃金
80% 以上支給停止給付金は支給されない(0円)

育休中の副業とアルバイト・パートの扱いは同じ?

育休中に収入を得る方法として、「副業」「アルバイト」「パート」といった形態が検討されることがありますが、育児休業給付金の支給の可否を判断する10日や80時間といった数字に関しては、これらの名称の違いによる取り扱いの差は基本的にありません。重要なのは、実際に「就労」したかどうかという点です。

呼び方ではなく「就労の事実」で判断される

育休中に行った業務が、副業かアルバイトかパートかという雇用形態や名称の違いにかかわらず、育児休業給付金の判断ではすべて「就労」として一律に扱われます。たとえば、副業として業務委託の仕事を請け負った場合も、別の会社でパートタイム勤務をした場合も、どちらも「働いた日」としてカウントされます。

そのため、1ヶ月あたりの就業日数が10日を超えたり、80時間を超えたりすると、給付金の支給要件を満たさなくなり、その月の給付金は支給されません。これは「アルバイトだから大丈夫」「パートは軽い仕事だから問題ない」といった判断ではなく、あくまでも労働の実態に基づいて判定される点に注意が必要です。

複数の仕事も合算して判断される

育休中に複数の副業やアルバイトを掛け持ちする場合、それぞれの勤務日数や就業時間は合算して判定されます。たとえば、月に5日間ずつ2つのアルバイトに従事した場合、合計10日であればギリギリ要件内となりますが、もう1日追加されて11日となると、その月の育児休業給付金は支給対象外になります。

つまり、「副業」「アルバイト」「パート」といった名称や雇用形態にかかわらず、育児休業給付金への影響は“すべての就労を合算して”判断されるという点をしっかり押さえておく必要があります。呼び方に惑わされず、実態ベースで管理・申告することが求められます。

育休中の副業と確定申告(税金)の関係は?

育休中に副業収入が発生した場合、金額によっては確定申告が必要になります。育児休業給付金そのものは非課税ですが、副業で得た収入は課税対象であり、所得税や住民税が関わってくる点に注意が必要です。

副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要

育休中に副業で得た所得が一定額を超えると、確定申告の義務が発生します。会社員の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要とされています。この「所得」とは、収入から必要経費を差し引いた後の金額です。たとえば、副業で年間25万円の収入があり、5万円の経費がかかった場合、所得は20万円となります。このようにギリギリのラインでは申告が不要ですが、20万1円以上になると申告が義務となります。

副業がアルバイトやパートといった給与所得であっても、年間20万円を超える場合は同様に確定申告が必要です。一方で、所得が20万円以下であれば原則として申告は不要ですが、医療費控除ふるさと納税など、別の理由で確定申告を行う場合は、副業収入が少額であっても合わせて申告する必要があります。また、育休中で本業からの給与が支払われていない月がある場合も、申告対象になる可能性があるため注意が必要です。

申告漏れにはペナルティも、住民税で会社に知られる可能性もある

確定申告が必要な状態で申告を怠ると、追徴課税や延滞税といったペナルティが課されることがあります。副業を継続する予定がある方や、将来的に再申告が求められるリスクを避けたい方は、早めに手続きを済ませるのが安心です。

また、確定申告によって副業収入に対する住民税の計算が行われるため、注意が必要です。会社員の場合、通常の住民税は本業の給与から天引きされていますが、副業による収入分が増えると、住民税額が上がり、その通知が会社にも届くことがあります。これにより、会社に副業が知られてしまう可能性があります。

副業収入に関する確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの期間に行う必要があります。育休中であっても、収入がある以上は納税の義務がありますので、必要であれば税務署や税理士に相談し、法的に正しい手続きを踏むよう心がけましょう。

育休中に副業をする際の注意点は?

育児休業中に副業を始める場合、制度上の条件や申告義務、育児との両立まで多方面への配慮が求められます。ここでは、実践時に押さえておきたい注意点を解説します。

副業の選び方は「競業避止」と「信頼性」で判断する

副業の内容によっては、たとえ会社の副業規定に形式的に違反しなくても、信頼関係を損ねるリスクがあります。問題になるのが、本業と競合する事業に関与することや、企業イメージを損なうような活動です。

同業他社での就業、会社で得た情報を活かした副業、またはSNS等を通じて不適切な発信を行う副業は、会社側が懸念を抱きやすいです。育休中でも社員としての誠実義務や信頼維持の責任は継続していることを踏まえ、副業の選定には慎重を期す必要があります。収入だけでなく、企業との関係性や今後のキャリアにも配慮して行動することが重要です。

育児休業給付金の就業申告は正確に行う

副業をした場合、その日数や収入については、ハローワークへの申告が必要です。申告漏れや過少申告があると、意図せずして不正受給となる恐れがあり、後日発覚すれば給付金の返還や加算金(最大2倍)が求められる可能性もあります。

副業の形態にかかわらず、日数や時間を正しく記録し、申請書類に反映させるようにしましょう。

税金・社会保険の手続きにも注意が必要

前述のとおり、副業収入が発生した場合、年間所得が20万円を超えると確定申告が必要となります。申告を怠ると延滞税などの追徴課税が発生するうえ、住民税額から会社に副業が発覚するリスクもあります。

また、従業員数51人以上の会社で週20時間以上・月収8.8万円以上といった社会保険の加入条件を副業で満たすと、保険料の支払い義務が生じる可能性があります。副業の働き方は保険加入ラインを意識し、必要があれば社会保険への影響についても確認しましょう。

育児との両立を前提に、無理のない働き方を

育休は育児に専念するための制度です。副業のしすぎで育児や健康に悪影響が出てしまっては、本末転倒です。特に乳児の育児は負担が大きいため、在宅でできる、短時間で完結する副業を選ぶことが望ましいでしょう。

また、1日の作業時間や週の稼働日数をあらかじめ決めておくことで、無理なく副業と育児を両立できます。家族の協力も得ながら、生活リズムを崩さずに取り組める体制を整えることが大切です。

育休中の副業はルールを守って計画的に取り組もう

育休中に副業を行うこと自体は可能であり、適切にルールを守れば収入を得ながらスキルアップすることもできます。会社の規定と育児休業給付金の条件を遵守しつつ、自分の収入目標に合わせて「育休中に何日まで働くか」を計画することが大切です。給付金が支給される日数や時間の上限を把握し、税金(確定申告)などの手続きも含めて準備を整えれば、育休期間を有意義に活用できるでしょう。育児と副業のバランスに配慮しながら、無理のない範囲で副業に取り組んでみてください。


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