- 更新日 : 2024年4月24日
労働法とは?概要や事業者が気をつけるべき点をわかりやすく解説
労働法とは、労働基準法や労働組合法、男女雇用機会均等法などの働くことに関する法律の総称です。労働者を保護し、労働者の権利を守るために定められています。
働法にはどのような種類があるのか、また、使用者や労働者は何に注意すべきかまとめました。労働法改正のポイントや、労働に関する公的な窓口についても紹介します。
目次
労働法とは
労働法とは、労働基準法や最低賃金法、労働組合法、男女雇用機会均等法などの労働に関する法律の総称です。労働法は、労働者の権利を守り、保護するために作られています。つまり、労働法について知ることで、労働者は自分自身の権利を守れるようになります。
なお、労働法が保護する労働者とは、正社員だけでなく派遣社員や契約社員、パート・アルバイトなどのすべての働く者です。一方、事業者は労働法の保護を受けないため注意が必要です。
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労働法に含まれる法律
労働法に含まれる主な法律は、以下をご覧ください。なお、このうち、労働基準法と労働組合法、労働関係調整法の3つは「労働三法」とも呼ばれます。
| 法律名 | 概要 |
|---|---|
| 労働基準法 | 労働条件に関する最低条件を定めた法律 |
| 労働組合法 | 労働組合を作り、使用者側と話し合う権利について定めた法律 |
| 労働関係調整法 | 労働者側と使用者側の間に生じた争いごとに対して、外部組織が介入・解決する手続きについて定めた法律 |
| 労働契約法 | 労働者と使用者間の契約や労働条件の変更などについて定めた法律 |
| 男女雇用機会均等法 | 雇用管理のあらゆる段階において性別を理由とした差別を禁じ、婚姻や妊娠・出産などを理由とした不利益を禁じる法律 |
| 最低賃金法 | 労働者に支払う最低賃金を定める法律 |
労働基準法
労働基準法は、1947年に制定された労働条件に関する最低条件を定めた法律です。労働時間は1日8時間まで、1週間に40時間まで、時間外や深夜に働くときは通常の2.5割増、休日勤務は3.5割増の給料を受け取れるなどの細かなルールが決められています。
詳しくは以下をご覧ください。
労働組合法
労働組合法は、労働者が団結して労働組合を結成し、使用者との間で団体交渉やストライキなどを行う権利について定めた法律です。労働者と使用者が交渉において対等な立場に立ち、労働者の経済的地位の向上を実現することを目的としています。
現行の労働組合法は1949年に制定されていますが、ベースとなる旧労働組合法は1945年に制定されました。詳しくは以下をご覧ください。
労働契約法
労働契約法は、労働者と使用者の間の契約締結や、労働条件の変更などの基本原則や民事上のルールを定めた法律です。適切な労働契約を締結することで、労働者が不当な扱いを受けないようにし、個別の紛争を予防することを目的としています。
労働契約法は2008年に施行された比較的新しい法律です。詳しくは以下をご覧ください。
労働法について使用者が注意すべき点
労働法を守り、雇用者と適切な関係を築くためにも、使用者は以下の点をすべて網羅する労働契約書を作成し、書面にて交付しなくてはいけません。
- 労働契約期間
- 労働契約を更新する際のルール
- 労働場所、労働の内容
- 労働時間、休憩時間、休日・休暇のルール、残業の有無など
- 賃金の決め方、支払方法、締め日・支払日
- 退職・解雇のルール
労働契約書を締結することで、労働者は使用者に従う義務は生じますが、どのような業務命令でも従わせられるのではありません。すべての業務命令は、労働法に反しないものであり、なおかつ命令に従うことで労働者が不利益を被らないものであるべきです。
また、常時10人以上の労働者を雇用している場合は、就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なくてはいけません。就業規則では、以下のルールを定めます。
- 始業時刻、終業時刻
- 休憩時間、休日・休暇、交替勤務制の場合は就業時転換のルール
- 賃金のルール
- 退職のルール
就業規則の内容は法令や労働協約に反しないのは当然のこと、作成・変更するときは、必ず労働者側の意見を聴かなくてはいけません。
労働法について労働者が注意すべき点
労働者は、労働法を遵守し、適切な労働環境を維持するためにも、以下の事柄に注意することが求められています。
- 使用者から提示された労働条件が労働法に準じていることを確認する
- 就業規則の内容が労働法に準じ、なおかつ作成・変更において労働者の意見が反映されているか確認する
- 勤務先が労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険の各制度に加入し、適切に適用されているか確認する
- 労働条件や就業規則、保険などに労働法に反する状況が見られる場合、ハラスメント行為が見られる場合などは、労働基準監督署などに相談する
法令違反やハラスメントの相談先については、後で詳しく説明します。
直近の労働法改正のポイント
2024年4月、労働基準法が改正され、労働条件明示のルールが以下のように変わりました。
- すべての労働者に対して、労働契約締結時と有期労働契約の更新時において、就業場所と業務変更の範囲を明示する
- 有期契約労働者に対して、有期労働契約の締結時・更新時において、更新上限の有無と内容を明示する
- 有期労働労働者に対して、無期転換申込権が発生する契約の更新時において、無期転換申込みの機会と無期転換後の労働条件を明示する
労働法は種類が多く、いずれの法律も頻繁に改正されています。適正な条件で働くためにも、こまめに厚生労働省のホームページをチェックして情報を入手してください。
参考:厚生労働省 2024年4月から労働条件明示のルールが変わります
労働に関する公的な相談窓口
労働に関する悩みやトラブルは、適切な窓口を選んで相談することが大切です。労働条件やハラスメントなどについては、各都道府県の労働局内に設置されている「総合労働相談センター」に相談してみましょう。労働者・使用者のいずれも利用できる窓口です。面談だけでなく電話でも相談できるため、気になる点があるときは問い合わせてみましょう。
労働条件や、職場の安全性・衛生については、「労働条件ほっとライン」に相談できます。平日夜間や土日祝日も電話を受け付けているため、利用しやすいのではないでしょうか。
仕事を探している方は、ハローワークで相談してみましょう。ハローワークでは、雇用保険の給付や求人票の労働条件が異なるときなどの相談も受け付けています。
参考:厚生労働省 ハローワーク
労働局の「雇用環境・均等部(室)」では、職場での性別による差別やハラスメントに対する問題に対応しています。また、「需給調整事業課(室)」では、派遣労働者の待遇や、ハローワーク以外の求人票の労働条件が異なるときなどの相談を受け付けています。
参考:厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)、需給調整事業課(室)
労働組合に加入したことで使用者側から不利益を被ったときや、労働者個人と企業側の間で起こった労働条件を巡る問題については、「労働委員会」に相談できます。各都道府県に設置されているので、事業所のある都道府県の労働委員会に相談してください。
参考:厚生労働省 労働委員会
法的問題に発展したとき、あるいは発展しそうなときは、「日本司法支援センター(法テラス)」に相談できます。法テラスでは弁護士による無料法律相談や、弁護士費用の立替などにも対応しています。
労働法についての知識を深めよう
日本では労働者の権利を守るためのさまざまな法律が制定されています。
しかし、法律が制定されているだけで、自動的に労働者の権利が守られるのではありません。労働者自身が法律について正しく知り、自己の労働条件や職場環境に目を向けることが必要です。ぜひ労働法についての知識を深め、労働者として正当な権利が保護されるようにしていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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