• 更新日 : 2026年1月30日

パートとアルバイトの違いとは?定義から正社員・派遣社員との違いまで解説【承諾書テンプレつき】

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働き方改革の推進により、職場における雇用形態は多様化しています。しかし、求人票や職場でよく目にする「パートタイム」と「アルバイト」という言葉について、その正確な違いを説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。

結論から述べると、労働基準法などの法律上、パートとアルバイトに明確な区別の定義はありません。 どちらも「パートタイム・有期雇用労働法」における「短時間労働者(パートタイマー)」として同じ扱いに分類されます。

本記事では、呼称の由来や正社員・派遣社員との待遇差、社会保険の加入条件(106万円・130万円の壁)といった実務的なポイントまで徹底的に解説します。

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パート・アルバイトとの違いとは?

労働基準法やパートタイム労働法において、パートとアルバイトという雇用形態に違いはなく、一律に「短時間労働者」として扱われます。

つまり、法律上の権利や義務はどちらの呼称であっても全く同じです。それぞれの定義を見てみましょう。

パートの定義と特徴

パートとは、英語の「パートタイム(Part-time)」に由来し、フルタイムで働く正社員の一部(Part)の時間を担当することを意味します。

  • 主な対象:主婦(主夫)層。
  • 勤務スタイル:平日の日中など、決まった時間帯に長期的に働く傾向が強い。
  • 背景:1960年代、スーパーマーケットの普及に伴い、短時間で働く主婦をターゲットにした呼称として定着しました。

アルバイトの定義と特徴

アルバイトは、ドイツ語で「労働・仕事」を意味する「arbeit(アルバイト)」が語源です。

  • 主な対象:学生、フリーター、副業(ダブルワーク)をする人。
  • 勤務スタイル:夕方や休日、あるいは短期・単発など、学業や本業の合間に働く傾向が強い。
  • 背景:明治時代、学生の間で「学業の傍らで行う仕事」を指す隠語として使われ始めたのが始まりとされています。
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パートとアルバイトはどちらが得?

どちらが得かは「働き方の目的」によって異なりますが、制度上の損得に違いはありません。

どちらの呼称であっても、時給の決まり方や労働基準法の適用、社会保険の加入条件は同一です。

年齢層や呼び方のイメージによる使い分け

一般的に「パート」は主婦層や長期雇用、「アルバイト」は学生や若年層・短期雇用を指す傾向があります。 

インターネットでは「30代でアルバイトと名乗るのは変?」といった声も見られますが、これはあくまで世間的なイメージの問題です。企業側も、昼間の安定した労働力を求める場合は「パート」、夜間や週末の柔軟な人手を求める場合は「アルバイト」として募集をかけるなど、ターゲットとする年齢層によって使い分けています。

同じ職場なのに時給が違う理由

「パートとアルバイトで時給が違う」というケースがある場合、それは呼称の差ではなく「職務内容や責任の重さ」に基づいています。 

労働基準法や同一労働同一賃金の原則により、全く同じ仕事・責任・シフトの柔軟性であれば、呼称の違いだけで時給に差をつけることは不合理とされます。

もし差があるならば、一方は「リーダー業務を含む(パート)」、もう一方は「補助業務のみ(アルバイト)」といった役割の違いが根拠となっているはずです。

パート・アルバイトと正社員の主な違いは?

パート・アルバイトと正社員の最大の違いは、労働時間と契約の期間にあります。

契約期間:有期か無期か

正社員は原則として定年まで雇用される「無期雇用」ですが、パート・アルバイトは半年や1年といった期間を定める「有期雇用」が一般的です。

  • 正規雇用:期間の定めのない契約(正社員)。
  • 非正規雇用:期間の定めのある契約(パート、アルバイト、契約社員など)。

働く日数や時間:フルタイムかパートタイムか

正社員は週5日・1日8時間といったフルタイム勤務が前提ですが、パート・アルバイトは自分の都合に合わせて短時間で働くことができます。

  • パートタイム:1週間の所定労働時間が、同じ事業所の通常の労働者(正社員)より短い状態を指します。

給与・賞与:時給制か月給制か

パート・アルバイトは働いた時間分だけ給与が発生する「時給制」が主流であり、賞与(ボーナス)は支給されない、あるいは寸志程度である場合が多いです。 一方、正社員は「月給制」で、企業の業績や評価に応じた賞与が支給されるのが一般的です。

補足:同一労働同一賃金について 2020年施行(中小企業は2021年)の法改正により、正社員と非正規雇用の間の「不合理な待遇差」は禁止されました。職務内容や責任の範囲が正社員と同じであれば、パートであっても同様の手当や慶弔休暇を支給する義務があります。

パート・アルバイトと派遣社員の違いは?

パート・アルバイトと派遣社員の最大の違いは、雇用主が「勤務先の企業」か「派遣会社」かという点にあります。

パート・アルバイトは勤務先と直接契約を結ぶ「直接雇用」ですが、派遣社員は派遣会社と契約を結び、別の企業で働く「間接雇用」という形態をとります。

雇用形態と指揮命令の仕組み

パート・アルバイトは勤務先の企業と直接雇用契約を結びますが、派遣社員は派遣会社(派遣元)と契約を結びます。

この違いにより、トラブル時の相談先や給与の支払い元が異なります。パート・アルバイトの場合は、雇用主と指揮命令者がどちらも「勤務先の企業」となりますが、派遣社員の場合は、雇用主は「派遣会社」であり、仕事の指示を出す「指揮命令者」のみが「派遣先(勤務先)」となる複雑な構造を持っています。

給与水準と福利厚生の適用元

一般的に派遣社員の方が時給が高い傾向にありますが、福利厚生はそれぞれの「雇用主」の制度が適用されます。

派遣社員は、特定のスキルを求められる業務が多く、交通費の有無や時給設定においてパート・アルバイトよりも高水準になるケースが目立ちます。

一方、有給休暇の付与や社会保険の加入、健康診断などの福利厚生については、パート・アルバイトは「勤務先の企業」の制度を、派遣社員は「登録している派遣会社」の制度を利用することになります。

契約期間と「3年ルール」の制限

派遣社員には原則として「同じ職場で3年以上働けない」という期間制限(3年ルール)がありますが、パート・アルバイトにはこの制限がありません。

労働者派遣法により、派遣社員が同一の組織単位(課など)で働ける期間は原則3年が限度とされています。これに対し、直接雇用であるパート・アルバイトは、企業との合意があれば3年を超えて同じ現場で働き続けることが可能です。

長期的に同じ人間関係や環境でキャリアを築きたい場合は、直接雇用であるパート・アルバイトの方が適していると言えるでしょう。

パート・アルバイトでも有給休暇や社会保険は適用される?

社会保険(健康保険・厚生年金)や雇用保険の加入条件は、パートやアルバイトという名称に関わらず一律であり、呼称によって適用基準が変わることはありません。 

重要なのは、週の労働時間や賃金などの実態が、法律の定める基準を満たしているかどうかです。

有給休暇の付与日数と比例付与の仕組み

パート・アルバイトであっても、半年間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤すれば有給休暇が付与されます。 

週5日以上、または週30時間以上働く場合は正社員と同じ日数が付与されますが、それ未満の勤務日数であっても、労働日数に応じて日数を算出する「比例付与」という制度が適用されます。例えば、週1日だけの勤務であっても、半年後には1日の有給休暇が発生します。「有給休暇は正社員だけのもの」という認識は、労働基準法に抵触する可能性があるため注意が必要です。

社会保険(健康保険・厚生年金)の加入義務と「106万円の壁」

年収や勤務時間、企業の規模によって、パート・アルバイトでも社会保険への加入が義務化されています。 

原則として、正社員の4分の3以上の労働時間・日数であれば加入対象となります。また、それに満たない場合でも、従業員数51人以上の企業(2024年10月からの新基準)で「週20時間以上」「月収8.8万円以上」などの条件を満たせば加入しなければなりません。

なお、2024年に成立した年金制度改正法により、2026年10月を目途に「月収8.8万円以上(年収約106万円)」の要件(いわゆる106万円の壁)は撤廃される見込みです。

これに対し、企業規模に関わらず本人の年収が130万円以上(本人が60歳以上または障害者の場合は180万円以上)になる場合は、家族の扶養を外れて自ら社会保険に加入する「130万円の壁」への対応が必要となります。

出典:社会保険適用拡大対象となる事業所・従業員について|厚生労働省

雇用保険の加入条件と失業手当の権利

週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあれば、雇用保険への加入が必須となります。

雇用保険は、社会保険(健康保険・厚生年金)よりも加入のハードルが低く設定されているのが特徴です。パートやアルバイトであっても、この条件を満たしていれば雇用保険料が給与から天引きされ、万が一退職した際には一定の条件(離職前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること等)を満たすことで失業手当を受給することができます。

また、育児休業給付金や介護休業給付金なども雇用保険制度から支給されます。。

パート・アルバイトで働くメリットは?

パートやアルバイトとして働く最大の利点は、自分のライフスタイルに合わせて労働時間や場所を柔軟に選択できる点にあります。 責任の重いフルタイム勤務である正社員と比較して、私生活を優先した働き方が可能です。

ワークライフバランスを実現しやすい

パートタイム勤務は、勤務日数や時間を自分で調整しやすいため、理想的なワークライフバランスを実現できます。 正社員は1日8時間・週5日のフルタイム勤務が基本ですが、パートやアルバイトは「週3日だけ」「午前中のみ」といった働き方が選べます。これにより、育児や介護、学業、趣味といったプライベートの時間と仕事を無理なく両立させることが可能です。

職種や業務内容の選択肢が豊富である

未経験からでも挑戦できる求人が多く、自分の興味がある職種や業務内容を自由に選べるのが特徴です。 求人サイトでは「パート・アルバイト募集」の枠が非常に広く、飲食、事務、軽作業など多岐にわたる職種から選択できます。正社員採用に比べて選考のハードルも低めに設定されていることが多く、新しいキャリアの第一歩として踏み出しやすい環境が整っています。

ダブルワークや副業による掛け持ちができる

短時間勤務という特性を活かし、複数の仕事を掛け持ち(ダブルワーク)して効率的に収入を得ることができます。 働き方改革により副業が推進されていますが、拘束時間の長い正社員では物理的に掛け持ちが困難なケースが少なくありません。一方、パートやアルバイトであれば、午前は事務、午後はカフェといったように複数の職場を組み合わせることで、リスク分散や多角的なスキル習得も可能になります。

パート・アルバイトで働くデメリットは?

柔軟な働き方ができる反面、収入の安定性や長期的なキャリア形成の面では正社員に劣る場合があります。 雇用契約の性質上、景気や企業の業績による影響を直接的に受けやすい点には注意が必要です。

月々の収入が不安定になりやすい

時給制かつシフト制で働くことが多いため、勤務日数の変動がそのまま月収の増減に直結します。

正社員は月給制で安定した収入が保証されますが、パートやアルバイトは、企業の繁忙期・閑散期や自身の体調不良による欠勤などで、予定していた収入を下回るリスクがあります。特に、固定シフトでない場合は、希望通りのシフトに入れないことが家計に大きな影響を与えることもあります。

賞与や退職金、手当などの待遇差

多くの企業において、賞与(ボーナス)や退職金制度は正社員を対象としており、パート・アルバイトは対象外、あるいは少額の支給に留まります。

「同一労働同一賃金」の導入により不合理な格差は是正されつつありますが、依然として住宅手当や家族手当といった諸手当の面でも正社員が優遇される傾向にあります。生涯年収で見ると、正社員との間には大きな開きが生じるのが実情です。

雇用継続の不安定さとキャリアアップの難しさ

有期雇用契約である場合、契約更新がなされない「雇止め」のリスクがあり、長期的なキャリアを築きにくい側面があります。 

正社員は原則として定年までの雇用が前提ですが、パートやアルバイトは半年〜1年単位の契約更新となることが一般的です。また、任される仕事が定型的・補助的な内容に限定されることも多く、高度なスキル習得や管理職への昇進といったキャリアアップを目指す方にとっては物足りなさを感じる可能性があります。

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パートとアルバイトの違いや多様な働き方を理解しよう

今回の解説を通じて、パートとアルバイトに法律上の違いはなく、どちらも「短時間労働者」として等しく守られていることがお分かりいただけたかと思います。

働き方改革の進展により、正社員に限定されない多様な働き方の選択肢が増えています。重要なのは、「パート」や「アルバイト」といった呼び名ではなく、時給、社会保険の有無、有給休暇のルール、そして将来のキャリアを見据えた仕事内容です。

自分のワークライフバランスを追求しながら、納得のいく条件で働くために、契約時には必ず「雇用条件通知書」を確認し、適切な労務管理が行われている企業を選ぶようにしましょう。

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