- 更新日 : 2025年12月19日
雇用保険被保険者転勤届受理通知書とは?保管方法や転勤の手続きも解説
従業員が転勤する際、「雇用保険被保険者転勤届」の提出が必要ですが、その手続きが無事に完了したことを証明するのが「雇用保険被保険者転勤届受理通知書」です。この通知書は、手続きが正常にハローワーク(公共職業安定所)に受理された証拠となります。
特に転勤後の事業所では、この受理通知書を4年間保存する義務があるため、受け取った後の取り扱いが実務上大切になります。人事労務担当者としては、この通知書の役割と手続きの流れを正確に把握しておく必要があります。
目次
雇用保険被保険者転勤届受理通知書とは?
雇用保険被保険者転勤届受理通知書は、事業主が提出した「雇用保険被保険者転勤届」を、管轄の公共職業安定所(ハローワーク)が正式に受理したことを証明する公的な控え(通知書)です。
従業員が同じ事業主の別の事業所へ転勤すると、雇用保険の管轄も転勤後の事業所に移ります。この届出が完了すると、ハローワークから、手続きが完了した証として「受理通知書」が発行されます。
この書類により、被保険者情報が新しい事業所の管轄で正しく更新されたことを確認できます。
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雇用保険被保険者転勤届受理通知書はどこに届く?
雇用保険被保険者転勤届受理通知書は、手続きを行った転勤後の事業所だけでなく、転勤元の事業所にも通知が行きます。
転勤後の事業所への通知用
ハローワークに提出した「雇用保険被保険者転勤届」が正常に処理され、受理されたことの証拠として、転勤後の事業所へ「転勤届受理通知書(事業主・転勤後事業所通知用)」が交付されます。
ハローワークは、この受理通知書とあわせて、新しく発行された「雇用保険被保険者証」および「雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届」の用紙を事業主に交付します。
事業主は、発行された新しい被保険者証を速やかに従業員本人に渡す必要があります。
転勤前の事業所への通知用
ハローワークから「転勤届受理通知書(転勤前事業所通知用)」が転勤前の事業所へ送付されます。これにより、転勤前の事業所は、従業員が正式に転勤処理されたことを確認します。
原則として、ハローワークから転勤前の事業所宛に郵送などで直接送付されます。
この通知書の内容に疑義(例:転勤させた事実がない)がある場合は、転勤前事業所の管轄ハローワークに連絡し、事実確認を行う流れとなっています。
雇用保険被保険者転勤届受理通知書の保管の仕方は?
転勤後の事業所が受け取る「事業主・転勤後事業所通知用」の受理通知書は、法律で保存期間が定められています。
事業主は、その従業員が当該事業所で使用される期間(在籍中)及び使用されなくなった後(離職後)少なくとも4年間、これを保存しなければなりません。
これは、雇用保険に関する手続きが正しく行われたことを示す重要な書類です。なお、書面でなく電磁的記録(電子データ)として保存することも認められています。
そもそも雇用保険被保険者転勤届の手続きはなぜ必要?
雇用保険被保険者転勤届の手続きは、同一の事業主が雇用する被保険者(従業員)が、その事業主の一事業所から他の事業所へ転勤した場合に、雇用保険の被保険者情報を正しく更新するために必要です。
雇用保険の適用は、原則として「事業所」単位で行われます。そのため、従業員が勤務する事業所が変わった場合、どの事業所で雇用保険に加入しているかという登録情報を変更しなければなりません。
転勤届を提出することで、被保険者であった期間が中断されることなく、転勤後の事業所で継続して雇用保険に加入している扱いとなります。
転勤届が必要なケースと不要なケース
ただし、勤務場所の変更がすべて転勤届の対象となるわけではありません。
転勤届の提出が必要なケース
同一事業主のA事業所からB事業所への異動(辞令交付、指揮監督者の変更、給与支給場所の変更などを伴う場合)。
転勤届の提出が不要なケース(転勤と認められない場合)
- 単なる出張や駐在。
- 短期(おおむね2〜3か月程度)の出張や駐在。
※ただし、土木建築業などで有期の工事に従事する場合は、2〜3か月以上でも転勤と認められない場合があります。
転勤届ではない手続きが必要なケース
同一事業主の下であっても、船員と陸上勤務者(船員でない労働者)との間で異動があった場合。この場合は「転勤届」ではなく、異動前の事業所で「資格喪失届」、異動後の事業所で「資格取得届」をそれぞれ提出します。
雇用保険被保険者転勤届の手続き方法は?
雇用保険被保険者転勤届の手続きは、転勤後の事業所の事業主(または代理人)が、転勤の事実があった日の翌日から起算して10日以内に、転勤後の事業所の所在地を管轄するハローワークに提出する必要があります。
提出者:転勤後の事業所
届出を行うのは転勤後の事業所で、 転勤前の事業所が提出することはできません。ただし、本社が事務処理を一括して行うことが認められている場合は、本社で選任された代理人の名で提出することも可能です。
提出期限:事実発生の翌日から10日以内
提出期限は、転勤の事実があった日(通常は辞令などで指示された発令日 )の翌日から起算して10日以内です。 提出が遅れた場合でも、やむを得ない理由(さかのぼって発令があった場合など)が認められれば、受理される場合があります。
提出先と方法
- 提出先:転勤後の事業所の所在地を管轄するハローワーク。
- 提出方法:窓口持参、郵送のほか、電子申請(e-Gov)による届出も可能。
- 手続き・ダウンロード先
雇用保険被保険者転勤届|ハローワークインターネットサービス
雇用保険被保険者転勤届|労働基準監督署
雇用保険被保険者転勤届|e-Gov電子申請
必要な添付書類
雇用保険被保険者転勤届(様式第10号)の提出時には、原則として転勤の事実(年月日など)を確認するための書類が必要とされています。転職辞令(写し)などの書類を準備しておきましょう。
個人番号(マイナンバー)未登録の場合は、個人番号登録届の提出を求められることがあります。
雇用保険被保険者転勤届受理通知書は4年間の保管を
従業員の転勤に伴い「雇用保険被保険者転勤届」を提出すると、ハローワークから「雇用保険被保険者転勤届受理通知書」が交付されます。
この通知書は、転勤後の事業所用と転勤前の事業所用の2種類が発行され、手続きが正式に完了したことを証明する大切な書類です。転勤後の事業所は受け取った受理通知書を資格喪失の日から4年間保存する義務があります。
受理通知書は、新しい被保険者証とともに事業所に交付されます。担当者は受け取った書類を適切に管理・保管し、被保険者証は速やかに従業員本人に交付しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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