- 更新日 : 2023年8月29日
個人事業主は共同経営できる?メリットや注意点を解説!
個人事業主の中には、仲がいい友人と共同経営をしたいと考えている人がいるのではないでしょうか。本記事では、共同経営のメリットやデメリットに加え、共同経営の注意点について解説します。
共同経営をする際は、代表者同士で売上・経費を折半する方法や、法人格を持つ会社を設立する方法、有限責任事業組合を設立する方法などがあります。
目次
個人事業主は共同経営できる?
共同経営は一般的にうまくいかないと言われていますが、お互いを信頼して事業を行うのであれば、個人事業主でも共同経営はできます。ただし、経営がうまくいかなかった場合のことを想定して、出資額や売上・経費の配分など、共同経営についてのルールを明確に決めておくべきです。
複数の会社で行う「共同事業」については、こちらを参照してください。
個人事業主が共同経営する方法は?
個人事業主で共同経営を始めたいと考えている人は、売上や経費を折半して事業を行う形態をイメージしているのではないでしょうか。しかし共同経営といっても、さまざまな方法が存在します。
全員が個人事業主になる方法
全員が個人事業主として、共同経営を行う方法です。この方法であれば上下関係がないため、全員が対等な関係で事業を進められます。
ただし、この方法は売上や経費の配分が難しいというデメリットがあります。一人が大きな成果を上げた場合や、一人だけ経費を使いすぎているような場合は、トラブルに発展しやすくなってしまいます。売上・経費ともに全員で折半して、仕事量も公平に分担することを意識しましょう。
代表者のみ個人事業主、それ以外は下請けになる方法
一人が代表者になり、それ以外の人は下請けになる方法もあります。この場合は全員が対等な関係とは言えなくなりますが、それぞれで売上や経費が計算しやすくなるため、お金のトラブルが回避できるでしょう。
代表者のみ個人事業主、それ以外は従業員になる方法
代表者と雇用関係を結ぶという方法もあります。想定されるケースは、仲がいい友人と事業を始めたいと考えているが、友人のスキルが未熟であるといった場合です。このような場合は、雇用関係を締結して、安定した給与を支払う方がいい場合もあります。
法人格を持つ会社を設立する方法
多くの利益が見込める場合は、共同経営者として会社を設立することをおすすめします。会社を設立すれば、社会的信用力が高くなり、多くの人から出資が受けやすくなるからです。
数十万円の設立費用が必要になるほか、決算報告・株主総会が義務づけられていますが個人事業主よりも大きな節税が見込めます。
会社を設立して共同経営を行う場合は、意思決定のスピードを重視するために、出資比率を50:50とするのではなく、51:49とすることが一般的です。51:49とした場合は、出資比率の高い人が最終的な意思決定を行うことになります。
有限責任事業組合を設立する方法
あくまで代表者と対等な関係でありたいと考えるのであれば、有限責任事業組合(LLP)を設立する方法をおすすめします。有限責任事業組合とは、法人格を持たない代わりに権限やルール、利益配分などが自由に配分できる社団のことです。
会社を設立する場合と違って、設立までに要する期間が短いことや、設立費用が安い(資本金が必要ない)ことが大きなメリットです。
共同経営のメリットは?
共同経営のメリットは、以下の通りです。
- 資本金が多く準備できる
- お互いの強みが活かせる
資本金が多く準備できる
多くの経営者は、起業の際に資本金の準備に苦労しています。現在は最低資本金制度が廃止されているため、理論上、資本金は1円でも問題ありません。
しかし、資本金は会社を運営するための手元資金としての意味合いだけでなく、会社の信用力にもつながります。複数の個人事業主で共同経営を始めるのであれば、資本金が多く準備できます。
お互いの強みが活かせる
共同経営はお互いの強みを活かし、弱点を補いながら行っていくものです。例えば、営業が得意な人や作業が得意な人で役割分担を継続していくことで、売上の規模が大きくなっていくでしょう。
共同経営のデメリットは?
共同経営の、デメリットは以下の通りです。
- 経営状況が悪化するとトラブルになりやすい
- 仕事量などにより不公平感が生じやすい
経営状況が悪化するとトラブルになりやすい
共同経営がうまくいかないと言われている最も大きな理由は、経営状況が悪化すると、責任のなすり合いや金銭的な問題からトラブルに発展しやすい点です。トラブルを回避するために、共同経営を始める段階でうまくいかなかった場合の対応を決めておきましょう。
仕事量などにより不公平感が生じやすい
個人の仕事量や営業成果などに極端な差がある場合も、不公平感からトラブルに発展しやすいです。共同経営を行うのであれば、お互いの強みを活かし、弱みをカバーする関係性が必要になります。不公平感が生じないように、日頃からお互いを尊重した人間関係を構築しておきましょう。
個人事業主が共同経営する際の注意点は?
個人事業主が共同経営を行う際には、以下の点に注意しましょう。
- 出資額や売上・経費の配分、権限などのルールを明確に決めておく
- 共同経営を始める前に「共同経営契約書」を作成しておく
出資額や売上・経費の配分、権限などのルールを明確に決めておく
共同経営のトラブルを回避するため、原因になりそうな項目について、事前に決めておくことが重要です。
決めておくべきことは、以下のような項目です。
- 事業の目的
- 共同経営の組織形態
- 共同経営の期間
- 出資額(金額や現物出資)
- 責任と権限
- 報酬の金額
- 報告・連絡について
- 利益配分の方法
- 共通費用の使い方
- 離脱する際の精算方法
- 契約解除の方法
共同経営を始める前に「共同経営契約書」を作成しておく
明確に決めたルールを確認するために共同経営契約書を作成しておきましょう。共同経営を始めるために義務づけられているわけではありませんが、トラブル回避につながるほか、トラブルが生じた際でも契約書を確認しながら話し合いが行えます。
共同経営のトラブルが起きないよう注意する
共同経営がうまくいかない最も大きな理由は、仕事量や金銭面などから生じる不公平感が原因です。トラブルを回避するためにも、共同経営を始める段階で出資額や売上・経費の配分、権限などを明確に定めた共同経営契約書を作成しましょう。
お互いのスキルや魅力に惹かれて共同経営を始めるなら、お互いを尊重した事業を行いたいものです。
よくある質問
個人事業主でも共同経営はできますか?
お互いに強い信頼関係があるなら、問題なく共同経営できるでしょう。また、個人事業主として共同経営を始める方法以外にも、法人格の会社や有限責任事業組合を設立して始める方法もあります。詳しくはこちらをご覧ください。
個人事業主が共同経営をするメリット・デメリットを教えてください。
資本金が多く準備できることや、お互いの強みを活かした経営ができます。一方で、仕事量に不公平感が生じたときや、経営がうまくいっていないときはトラブルが生じやすいため、注意が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
個人事業主が共同経営する際の注意点はありますか?
トラブルが起きたときのために、事前にルールを明確化しておきましょう。特に出資額や売上・経費の配分、経営に関する権限などは、共同経営契約書などにより明確に決めておくことをおすすめします。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会社設立の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
個人事業主と法人の違いの関連記事
新着記事
株式会社の資本金はいくら必要?最低金額や10万円・100万円・1000万円の判断基準を解説
株式会社の資本金とは、会社設立時に出資者(株主)から払い込まれた、会社の事業を運営するための元手となる資金の総額です。現在の会社法では最低資本金制度が廃止され、いくらからでも設立可能ですが、事業計画に基づいて適切な額を定めることが大切です。…
詳しくみる株式会社の作り方ガイド!設立手順、費用、必要書類、登記まで徹底解説
株式会社の設立は起業家にとって大きな一歩ですが、「何から始めればいいか分からない」という方も多いでしょう。 この記事では、実際の設立手続きでつまずきやすいポイントをおさえながら、株式会社を設立する具体的な手順、必要な費用、法人登記のプロセス…
詳しくみる株式会社と合同会社のメリットを比較!設立費用や信用度の違いから最適な選び方まで解説
起業を検討する際、最初の大きな分岐点となるのが法人格の種類選びです。日本国内で最も一般的な株式会社と、近年AmazonやAppleの日本法人も採用しており注目を集める合同会社(LLC)。これらには、それぞれ明確なメリットとデメリットが存在し…
詳しくみる会社移転の手続き完全ガイド!期間・流れ・費用から届出チェックリストまで徹底解説
会社移転(オフィス移転)は、単なる引越しではありません。物件選定から内装工事、さらには法務局や税務署への住所変更届出まで、多岐にわたるタスクが発生する一大プロジェクトです。手続きの漏れや遅延は、事業運営の停滞や代表者への過料請求といったリス…
詳しくみる会社の種類4つの特徴を一覧でわかりやすく解説!有限会社との違いや迷わない覚え方も
起業や法人成りを検討する際、重要な決定事項の一つが「どの会社形態を選ぶか」です。日本の会社法における会社の種類は、大きく分けて株式会社・合同会社・合名会社・合資会社の4種類が存在します。 本記事では、これら4つの会社形態の違いや特徴を一覧で…
詳しくみる会社の目的の決め方は?定款の書き方や事例の検索方法、注意点などをわかりやすく解説
会社設立の手続きにおいて、最も頭を悩ませるのが定款に記載する「会社の目的(事業目的)」です。目的は登記事項であり、適法性や明確性が求められますが、ゼロから考えるのは容易ではありません。 本記事では、会社設立時の目的の基本的なルールに加え、同…
詳しくみる