- 作成日 : 2024年9月25日
弁護士が独立開業するには開業届が必要?書き方もわかりやすく解説
弁護士資格を取得し、自身の弁護士事務所を立ち上げるにあたって、税務署に「開業届」を提出する必要があるのか疑問に思う方がいるかもしれません。今回は、弁護士が開業する際にも提出が必要なのかといった基礎的な部分を解説します。
目次
弁護士が独立するには開業届が必要?
開業届の提出が必要になるのは、「不動産所得、事業(農業)所得、山林所得のいずれかの所得を生じる事業を開始した場合」です。
弁護士の所得は「事業所得」あるいは「雑所得」になりますが、「年間の収入金額が300万円超で、かつ取引に関する記帳や書類を保存」していれば概ね事業所得として判断されます(その他、事業の営利性や独立性、継続性なども勘案し、総合的に判断されることになります)。これらの判断により事業所得に該当した場合は「開業届」を税務署に提出しなければなりません。
弁護士が開業届を提出しないとどうなる?
開業届には提出義務がありますが、提出がなかったからといって税法上のペナルティを課されることはありません。また、税務署から開業届が未提出であるとの指摘を受けることもありません。なお、開業届を期限後に提出しても、延滞税等の罰則を課されることはないため遅れても必ず提出しましょう。
ただし、税法上のペナルティがなくても開業届は提出しておくべきです。例えば、金融機関から融資を受ける際、開業届の提出を求められるケースがあります。法人であれば「商業登記」によって会社(事業)を開業したことを公的に証明できます。しかし個人事業主の場合、事業を行っていることを公的に証明する方法がありません。
そこで金融機関は融資審査を行う過程で、事業を継続して行っていることを証明する書類として開業届や確定申告書の提出を求めるのです。同様の理由で、保育園の入園審査でも就業証明書に替わる書類として開業届の提出を求められ、間違いなく事業を行っていることを証明しなければならないケースもあります。
弁護士が開業届を提出するメリットは?
「開業届」を提出するメリットとして、青色申告制度の各種特典を受けられる点が挙げられます。青色申告制度とは、一定要件の帳簿を備え付けそれに基づき所得税を計算・申告する場合に限り、「青色申告特別控除」や「青色事業専従者給与」などの優遇措置を受けることができるという制度です。
青色申告制度を受けるためにはまず「青色申告承認申請書」を提出しなければなりませんが、承認申請を受ける要件として「開業届」を提出しなければなりません。
弁護士の開業届の書き方は?
次に、弁護士の方が開業届を提出する際の書き方について解説します。業種に関係なく共通する書き方については、以下の記事をご参照ください。
職業欄の書き方
開業届には、自身の職業を記入する「職業欄」があります。弁護士の場合、職業欄にはそのまま「弁護士」あるいは「弁護士事務所」と記入します。総務省が作成する「日本標準産業分類」でも、「法律事務所」の事例として弁護士事務所が挙げられています。
屋号の書き方
弁護士の場合「○○弁護士事務所」のように記入します。ただし、屋号を使うことは個人事業主の任意項目です。事務所名などが決まっていなければ、未記入でも問題ありません。また、屋号に株式会社・有限会社などの法人格は使用できないため注意してください。
そもそも開業届とは?
開業届は、正式名称が「個人事業の開業・廃業等届出書」で、個人が事業を始めたことを税務署に知らせるための書類のことです。
所得税を納める方法として、会社員の場合は毎月の給料から天引きされることが一般的です。一方、会社に属さず個人で事業をする場合は、自身で所得税を計算し、確定申告を行う必要があります。
開業届を税務署に提出すると、「個人事業主として所得税を納めます」と税務署に知らせることになります。それ以降、税務署は確定申告に必要な情報を事業主に通知し、また、事業主がきちんと申告・納税しているか管理します。
開業届は誰が提出する?
基本的に手続き対象者は本人となりますので、本人が税務署に対して、開業届を提出します。
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開業届の提出期限は?
開業届は、事業を開始した日(開業日)から1カ月以内に、事業所を管轄する税務署へ提出します。開業日といっても個人事業主の場合は、事業を始めた日があいまいなこともあるでしょう。この点については決まったルールがあるわけではなく、本人が「開業した」と考える日が開業日となります。
したがって、実質的には特に1カ月以内にこだわる必要はないと言えます。事業を始めた年の内に開業届を提出するようにしましょう。
開業届をネットで簡単に作成する方法
マネーフォワード クラウド開業届(サービス利用料0円)の場合、ソフトのインストールなどは一切必要なく、オンライン上でいくつかの質問に答えるだけで簡単に開業届の作成・提出ができます。
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e-Taxソフトで開業届を作成する際は、e-Taxソフトのインストールなどが必要です。
ソフトのインストールが不要でオンライン上で利用できる、マネーフォワード クラウド開業届のような開業届作成サービスは、デザインや使いやすさが初心者向けに設計されているのが特徴です。
開業届はスマホで電子申請・提出がラク!
開業届を提出するには、スマホで電子申告(e-Tax)・インターネット(e-Tax)・郵送・税務署の窓口に持参の4つの方法があります。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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