- 更新日 : 2026年2月27日
広告代理店の事業計画書の書き方・無料テンプレート【簡単解説】
広告代理店の事業計画書は、強みの明確化と実現可能な数値計画を提示することが作成の鍵です。
- 創業動機と実績:自身の経歴や成功事例を基に、なぜその分野で勝てるのかを具体的に記載します。
- 差別化戦略:特定の媒体への特化や独自のターゲット層を定め、競合他社との違いを明確にします。
- 資金と収支計画:設備資金や運転資金の使途を明確にし、客観的な根拠に基づいた売上予測を立てます。
広告代理店は外注先との連携が不可欠なため、信頼できる制作会社やマーケティング会社を事前に確保し、その取引関係を計画書に盛り込むことで事業の安定性をより強力に証明できます。
広告代理店の事業計画書には、創業動機やサービス内容、売上高などを記載します。
事業計画書は融資審査や安定経営を続けるために必要なため、ポイントを理解し実現可能な事業計画書を作成しましょう。
本記事では、広告代理店の事業計画書について、テンプレートを基にした書き方や、作成のコツなどを解説します。事業計画書のテンプレートが必要な場合は、以下からダウンロード可能です。
目次
広告代理店の事業計画書はなぜ必要?
広告代理店は、綿密な計画を立てビジョンを明確にしなければ、競合との差別化が図りづらく、事業の継続が困難になる可能性があります。
特に今は、広告の分野が細分化(ネット、SNS、ユーチュブ、チラシなど)しており、どの分野で何を実現するのかをしっかり説明できる必要があります。
事業計画書の作成をしておけば、進むべき方向が具体的に想定でき、成功するための道筋を立てやすくなるでしょう。また、日本政策金融公庫や民間の金融機関から資金を調達する際にも事業計画書は必要です。具体的な内容で作成することで信頼性が高まり、資金調達がスムーズに進みます。
事業計画書には、創業の目的やコンセプト、競合サービスとの差別化などを詳しく記載します。事業の全体像を明確にし、事業の現状や将来の見通しを具体的に示してください。
広告代理店の事業計画書は、テンプレートやひな形を活用して作成することで、効率的かつ効果的に仕上げることが可能です。
広告代理店の事業計画書のひな形、テンプレートは?

マネーフォワード クラウドは、広告代理店向けの事業計画書のひな形、テンプレートをご用意しております。事業計画書作成の参考として、ぜひダウンロードして、ご活用ください。
広告代理店の事業計画書の書き方・記入例は?
広告代理店を開業するための事業計画書について、各項目の内容と具体的な記入例を解説します。事業計画書の作成を通じて、事業の成功に向けた道筋を明確にし、実現可能な計画を立てましょう。
創業の動機・目的
広告代理店の事業計画書において「創業の動機・目的」は非常に重要な項目です。市場のニーズや自身の経験から感じた動機を明確に示し「なぜ広告代理店を立ち上げたいのか」といった理由を具体的に記載します。
創業の動機・目的は、経営理念やコンセプトに反映されるため、提供するサービス内容にも大きな影響を与えます。金融機関で融資を受ける際にも重要視されるため、自身の想いやビジョンをしっかりと伝えましょう。
そして、「なぜ今、創業するのか?」という内容は是非記載をしてください。一気に動機に具体性を持たせることができます。
(記入例)
Web広告の成長性に注目をしており、今後競争に勝って生き残るにはこの分野での活動が必須と考える。そこで広告代理店を独立開業し、Web広告に特化した事業活動を始めたい。
職歴・事業実績
職歴・事業実績では、広告業界や経営に関する経験、身につけたスキルを詳細に記載します。経営者の職歴や資格のほかに成功事例を盛り込み、事績が具体的に伝わるようにしてください。また、職歴を通じて学んだことも詳細に示します。
経営者の職歴や事業実績を具体的かつ詳細に記載することで、事業計画書の信頼性が高まり、説得力のある事業計画書が作成できます。
(記入例)
〇年〇月 〇〇大学卒業
〇年〇月 株式会社〇〇に就職
〇年〇月 Web広告部門で社内実績No.1。セミナーへの登壇数累計50件超。
取扱商品・サービス
取扱商品・サービスの項目では、下記の内容を具体的に記載します。
- サービス内容:提供するサービス内容を記載
- セールスポイント:自社の商品やサービスの強みを明確に記載
- 販売ターゲット:ターゲット市場や顧客層について具体的に記載
- 戦略:競合との差別化ポイントや、顧客獲得のための具体的な施策
- 競合・市場などの分析:市場のトレンドや競合他社の強み・弱みを記載
すべての項目を具体的に記載することで、自社の強みや市場でのポジショニングを明確にし、事業の実現可能性や成長性を示せるでしょう。
また、サービス価格をある程度明記することにより、具体性を持たせられます。
(記入例)
| 取扱商品・サービス |
|
|---|---|
| セールスポイント |
|
| 販売ターゲット |
|
| 戦略 |
|
| 競合・市場などの分析 |
|
取引先・取引関係
取引先・取引関係の項目では、事業計画書の作成時点で決まっている取引先を記載します。
広告代理店の場合、主な業務はメディアと広告主の仲介であるため、取引先は主に企業となるケースが一般的です。
また、金融機関で融資を受ける場合、取引先のシェアや掛取引の割合も重要です。特定の企業に依存しているケースや掛取引が多いケースは、自社の資金繰りが悪化するリスクがあると見なされることがあります。開業にあたって、数社の広告主が決まっている場合は、具体的に記載すると好印象でしょう。
(記入例)
| 取引先名 | シェア | 掛取引の割合 | |
|---|---|---|---|
| 販売先 | 事業者100% | 100% | 100% |
| 仕入先 | ~~ | ~~ | ~~ |
| 外注先 | 株式会社〇〇(Webデザイン会社) | 100% | 100% |
従業員
従業員の項目では、予定している役員数と従業員数を以下の内容で記載します。
- 常勤役員の人数:事業運営に直接関与する役員の人数
- 従業員数(3ヶ月以上継続雇用者):3ヶ月以上継続して雇用予定の従業員数
- うち家族従業員数:従業員のうちの家族の人数
- うちパート従業員数:パートタイムで雇用予定の従業員数
(記入例)
- 常勤役員の人数:1人
- 従業員:3人
- うち家族従業員数:0人
- うちパート従業員数:0人
広告代理店の場合、運転資金を削減するため、従業員を雇用せず開業するケースもあります。一人法人で開業する場合は役員数にのみ「1人」と記載します。個人事業主で開業する場合はすべて空欄で構いません。
借入の状況
借入の状況の項目は、経営者個人の借り入れ状況を正確に記載します。借入がある場合は、金額の誤りや記載漏れがないよう注意してください。
さらに、返済計画を明確に示すことが重要です。融資担当者は返済計画や事業の収益性を評価したうえで、新たな融資の可否を判断します。具体的な返済スケジュールや年間返済額を記載し、借入金の返済能力を示すことで、金融機関の信頼を得やすくなるでしょう。
記載する借入内容は主に、以下の5つです。
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- カードローン
- 教育ローン
- 事業ローン
(記入例)
| 借入先名 | 内容 | 借入残高 | 年間返済額 |
|---|---|---|---|
| 〇〇銀行〇〇支店 | 住宅ローン | 1,500万円 | 150万円 |
必要な資金と調達方法
広告代理店の開業・運営にかかる必要資金と、資金の調達方法を具体的に記載します。「必要な資金」と「調達方法」はそれぞれが同じ合計金額になるようにしてください。
必要資金は主に「設備資金」と「運転資金」があげられます。
- 設備資金:事務所費用、機材、備品など
- 運転資金:人件費、広告の外注費など
また、資金を調達する方法は主に、以下の3つが考えられます。
- 自己資金
- 民間金融機関や日本政策金融公庫からの借入
- 親族や友人からの借入
オフィスの用意や従業員の雇用は必要資金を増やす要因となります。オフィスや人件費をできる限り削減し、借入なしで事業をスタートできれば、安定した経営が可能になるでしょう。
(記入例)
| 必要な資金 | 調達方法 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 内容 | 見積先 | 金額 | 金額 | ||
| 設備資金 | オフィス初期費用 PC、備品等 | 株式会社〇〇 | 500万円 | 自己資金 | 350万円 |
| 運転資金 | 人件費 外注費用 広告費(広告枠仕入) | 450万円 | 日本政策金融公庫からの借入 | 600万円 | |
| 合計 | 950万円 | 合計 | 950万円 | ||
事業の見通し(月平均)
事業の見通しの項目では、予想される月平均の売上から経費を差し引き、収益を算出します。見通しの根拠を基に、実現可能な計画を記載しましょう。
予測の裏付けとして、市場調査や過去の実績データを活用し、現実的な目標設定を行うことが重要です。具体的な数値に対しての根拠を示し、事業の収益性を予測してください。
(記入例)
| 創業当初 | 1年後 | 見通しに関する根拠 | ||
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 400万円 | 500万円 | (収支計画) <創業当初> 売上高 現職における売上高を参考に、従業員1人あたりの売上高を100万円で計算(代表含む)。 1人あたりの平均売上高100万円/月×4人=400万円 <創業1年後> 売上高 従業員を1人増員予定のため、上記同様の算式により売上高100万円/月を加算する。 | |
| 売上原価(仕入高) | 0万円 | 0万円 | ||
| 経費 | 人件費 | 220万円 | 270万円 | |
| 家賃 | 48万円 | 48万円 | ||
| 支払利息 | 1万円 | 1万円 | ||
| その他 | 6万円 | 9万円 | ||
| 合計 | 275万円 | 328万円 | ||
| 利益 | 125万円 | 172万円 | ||
広告代理店の事業計画書作成のポイントは?
広告代理店の事業計画書を作成する際、テンプレートの項目に沿って記載するだけでは、継続的な事業の安定と成長を見込めません。
成功への道筋を明確にするため、以下の3つのポイントを意識して事業計画書を作成してみてください。
- 受注した業務の発注先を確保し、事業計画書にも記載する
- どの媒体に特化し利益を得るのか、ビジネスモデルを詳しく記載する
- 個人事業主として事業をする場合、法人成りのラインについても検討しておく
受注した業務の発注先を確保し、事業計画書にも記載する
発注先の確保はスムーズな運営に欠かせない重要なポイントになるため、確保した発注先を事業計画書に詳細に記載しましょう。
広告代理店の主なビジネスモデルは、下図の通りです。

広告主の商品やサービスを効果的に広告するためには、ターゲット層に合った広告を制作する必要があります。広告制作には、綿密なマーケティング戦略と高度なデザインが求められるため、ひとりで開業するケースではすべての業務を自社で請け負えないことがあるでしょう。
マーケティングや広告制作を専門業者に外注する場合、信頼できるマーケティング会社やデザイン会社を確保してください。
事業計画書には、確保した発注先の取引実績や専門性などを詳細に記載し、安定したサービスの供給が可能であることを示します。
どの媒体に特化し利益を得るのか、ビジネスモデルを詳しく記載する
専門性を高めることで競合との差別化を図るため、特化する媒体を決めて事業計画書の「取扱商品・サービス」の項目に詳しく記載しましょう。
広告代理店は多岐にわたる媒体を扱えますが、特定の媒体に絞り込むことで競争優位性を確立しやすくなります。インターネット広告専門や紙媒体専門など、経営理念、コンセプト、販売ターゲットに合わせて媒体選定を行うことが重要です。
媒体に特化することで、コスト削減や専門性の向上といったメリットが生まれるため、競合他社との差別化が図れ、ビジネスモデルの具体性も高まります。市場調査や競合分析に基づいた具体的なデータを用いて、説得力のある説明を盛り込みましょう。
個人事業主として事業をする場合、法人成りのラインについても検討しておく
個人事業主として広告代理店を運営する場合、法人化のタイミングを検討し、事業計画書の「事業の見通し」の項目に記載しておくことが重要です。
法人化するメリットは主に、以下の4つが考えられます。
法人化することで、税務上のメリットや信頼性の向上、資金調達のしやすさなどが期待できます。「事業が軌道に乗ったタイミングで法人化を検討」というように、将来を見据えた経営計画を考えていることを示しましょう。
広告代理店の事業計画書作成には無料テンプレートの活用がおすすめ
マネーフォワードでは、事業計画書の作成に関する調査を実施しました。
事業計画書を作成または依頼した経験がある人のうち、Web上の事業計画書のテンプレートを参考・使用した割合は過半数にのぼり、55.5%でした。
事業計画書作成の壁と提出時の実態
事業計画書の作成において最も困難だと感じたセクションは財務・資金調達計画で、35.5%でした。次いで販売戦略・マーケティング計画が30.3%となっています。
また、作成した事業計画書を銀行や投資家などに提出した際、約45%(再提出の指示があった16.6%、内容のフィードバックがあった28.3%の合計)が指摘や再提出の指示を受けており、指摘なく通過した割合は31.7%にとどまりました。
広告代理店の事業計画書においても、資金繰りの見通しや、競合と差別化するための販売戦略を具体的に記載することは重要です。審査での手戻りを防ぎ、作成にかかる負担を軽減するためにも、あらかじめ必要な項目や枠組みが網羅されている無料テンプレートを活用することをおすすめします。
出典:マネーフォワード クラウド、事業計画書に関する調査データ(回答者:809名、集計期間:2026年1月)
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広告代理店の開業を成功させるには、独自の強みや具体的な集客戦略を言語化した事業計画書が不可欠です。テンプレートを活用して各項目を埋めるだけでなく、信頼できる外注先の確保や特化する媒体の選定など、実務に即した根拠を盛り込みましょう。緻密な計画は、融資獲得のみならず将来の安定経営に向けた確実な指針となります。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
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