- 更新日 : 2025年8月19日
飲食店がX(Twitter)で集客するには?活用方法と成功事例を紹介
飲食店がX(Twitter)をうまく活用すると、費用を抑えながら新規顧客の獲得やリピーターの育成ができます。リアルタイム性の高い情報を発信し、お客様と直接コミュニケーションをとることで、お店のファンを増やせるからです。
しかし、ただやみくもに投稿するだけでは、なかなか集客にはつながりません。この記事では、飲食店がTwitterで集客するための基本的な考え方から、具体的な活用方法、さらには成功事例まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
目次
飲食店がX(Twitter)での集客は本当に必要?
多くの飲食店にとってX(Twitter)での集客は有効な手段です。とくに、リアルタイムな情報を届けたい、あるいは顧客とのコミュニケーションを重視したいお店であれば、その必要性は高いといえます。他のSNSとの特性の違いを理解し、自店がX(Twitter)活用に向いているかを見極めることが最初のステップです。
他のSNSとの違い
飲食店が集客に使うSNSはX(Twitter)だけではありません。それぞれの特性を理解し、使い分けることが大切です。X(Twitter)は情報の「即時性」と「拡散力」に優れており、「今」を伝えるのに最適なツールです。
SNS | 主な特徴 | 飲食店での活用例 |
---|---|---|
X(Twitter) | リアルタイム性、拡散力、テキスト中心 | 空席情報、日替わりメニュー、お客様との交流、キャンペーン告知 |
ビジュアル重視、世界観の表現 | 美しい料理写真、おしゃれな内装、ストーリーズでの限定情報発信 | |
実名制、信頼性、詳細な情報掲載 | イベント告知、店舗の基本情報(営業時間・地図)、常連とのコミュニティ形成 | |
TikTok | 短尺動画、若年層へのリーチ | 調理動画、スタッフの日常、ダンスなどのトレンド企画 |
X(Twitter)発信に向いている飲食店
X(Twitter)の特性をふまえると、とくに以下のような飲食店は活用に向いているといえます。
- 限定メニューや日替わりメニューが多い店: 「本日の限定ランチ」「今週の新作スイーツ」など、リアルタイムで発信したい情報が多いお店は、X(Twitter)の即時性を活かせます。
- 店主やスタッフの個性を出したい店:いわゆる「中の人」として日々の出来事やこだわりを発信することで、お店のファンを作りやすい居酒屋や個人経営のカフェなどに向いています。
- お客様との交流を大切にしたい店:コメントや質問にマメに返信するなど、顧客とのコミュニケーションを重視するお店は、X(Twitter)を通じてリピーターを育成しやすいでしょう。
- キャンペーンを頻繁に行いたい店:「フォロー&リツイートキャンペーン」などを手軽に実施できるため、認知度を上げたい新規オープンのお店などにも適しています。
飲食店がX(Twitter)で集客するための活用方法
飲食店がX(Twitter)で集客効果を高めるには、アカウントの基本設定から日々の投稿、お客様との交流まで、いくつかのポイントを押さえた活用が求められます。単なる情報発信だけでなく、お店の魅力を伝え、お客様との関係を築くための工夫をしていきましょう。
アカウントの基本設定で「どんなお店か」を伝える
まず、プロフィールを見て「どんなお店で、何を味わえるのか」が一目でわかるように設定します。アイコンにはお店のロゴや看板メニューの写真を、ヘッダー画像にはお店の雰囲気や料理が並んだ魅力的な写真を設定するのがおすすめです。プロフィール文には、お店のコンセプト、場所、営業時間、看板メニュー、公式ウェブサイトへのリンクなどを簡潔に記載しましょう。
行きたくなる「シズル感」のある投稿を心がける
投稿の基本は、お客様が「おいしそう」「行ってみたい」と感じるコンテンツです。湯気や肉汁が伝わるような写真や動画、食材へのこだわり、調理シーンの裏側などを投稿すると、お客様の食欲を刺激し、来店意欲を高めます。
メニュー紹介だけでなく、店内の雰囲気、スタッフの紹介、お店の歴史といったストーリーを伝えることも、お店への親近感や興味を引くことにつながります。
お客様とのコミュニケーションでファンを作る
X(Twitter)は、お客様と直接つながれる貴重なツールです。お店に関する投稿をしてくれたお客様には「いいね」や感謝のリプライ(返信)を積極的に行いましょう。質問やコメントに丁寧に答えることで、誠実な印象を与え、お店のファンになってもらいやすくなります。
一方的な宣伝ばかりではなく、双方向のコミュニケーションを大切にすることが、長期的な関係構築につながります。
キャンペーンやクーポンで来店を促す
「フォロー&リツイートで〇〇プレゼント」といったキャンペーンは、アカウントの認知度を一気に高めるのに効果的です。また、「このツイートを見せると1ドリンクサービス」のような、X(Twitter)限定のクーポンを発行することも、直接的な来店動機になります。
こうした企画は、お客様にとってお得なだけでなく、お店側にとっても集客効果を測定しやすいという利点があります。
飲食店がX(Twitter)集客を成功させる5つのステップ
X(Twitter)での集客を成功させるためには、計画的にアカウントを運用していくことが大切です。ここでは、目的設定から日々の運用、改善までの基本的な5つのステップを紹介します。この流れに沿って進めることで、効果的な集客活動ができるようになります。
1. 目的とターゲットを明確にする
最初に「何のためにX(Twitter)をやるのか」という目的をはっきりさせます。「新規顧客を増やしたい」「リピーターに来店してほしい」「お店のブランドイメージを向上させたい」など、目的によって発信する内容が変わってきます。
あわせて、「どんなお客様に来てほしいか」(ターゲット)を具体的にイメージしましょう。たとえば、「20代の女性グループ」と「40代の男性ビジネスパーソン」では、響く言葉や好まれる情報が異なります。
2. 魅力的なプロフィールを作成する
プロフィールは、あなたのお店に関心を持ったユーザーが最初に見る「顔」です。アイコン、ヘッダー画像、プロフィール文を、先ほど明確にした目的とターゲットに合わせて作り込みます。お店の魅力が一目で伝わり、フォローしたくなるようなプロフィールを目指しましょう。
場所や営業時間を正確に記載することはもちろん、お店のこだわりや雰囲気が伝わる一言を加えるのも効果的です。
3. 投稿計画を立て、継続する
X(Twitter)運用で大切なのは「継続」です。思いつきで投稿するのではなく、「平日のランチ前には日替わりメニューを」「週末の夜にはお酒の情報を」といったように、ある程度の投稿計画を立てましょう。
毎日投稿するのが理想ですが、無理のない範囲で、まずは週に数回からでも構いません。定時投稿を続けることで、お客様のタイムラインに表示される機会が増え、お店のことを思い出してもらうきっかけになります。
4. ハッシュタグを効果的に使う
ハッシュタグ(#)は、あなたのアカウントをフォローしていないユーザーに投稿を見つけてもらうための重要なツールです。
「#(地名)ランチ」「#(業態)グルメ」「#(メニュー名)」など、お店や投稿内容に関連するキーワードをつけましょう。これにより、そのキーワードで検索している、関心の高いユーザーにアプローチできます。ただし、つけすぎは逆効果になることもあるため、1投稿あたり2〜4個程度に絞るのがおすすめです。
5. お客様の投稿(UGC)に反応する
UGC(User Generated Content)とは、お客様が作成したコンテンツのことで、飲食店のX(Twitter)運用においては、お客様によるお店の感想や料理写真の投稿などを指します。お店について言及してくれた投稿(メンション)や、お店の名前で検索して見つけた投稿には、積極的に「いいね」や感謝のリプライを送りましょう。自分の投稿がお店に届いているとわかると、お客様は嬉しい気持ちになり、より一層お店のファンになってくれるでしょう。
飲食店のX(Twitter)活用アイデアと成功事例
X(Twitter)での集客効果は、お店の業態や特徴に合わせて発信する情報を工夫することで、さらに高まります。ここでは、業態別に具体的な活用のアイデアと、どのような成功が期待できるかを紹介します。自店に近いモデルを参考に、運用のヒントを見つけてください。
肉料理専門店:こだわりとストーリーでブランド価値を高める事例
岩手県の肉料理専門店「格之進」は、熟成肉に関する深いこだわりや、おいしさの秘密を伝える専門的な投稿で、食への関心が高いユーザーから支持を集めています。生産者の紹介や肉の豆知識などを通じて、単なるメニュー紹介にとどまらないブランドのストーリーを発信。これにより、価格以上の価値を感じさせ、レストランだけでなくECサイトでの商品購入にもつなげている点が特徴的です。専門性を活かしたブランディングの好事例です。
出典: 【公式】格之進|熟成肉とハンバーグ(@kakunofficial)
カフェ:UGC活用と世界観の共有がうまい事例
「コメダ珈琲店」は、新商品の魅力的な紹介はもちろん、お客様による投稿(UGC)の活用が非常に巧みです。公式で「#コメダで過ごす時間」といったハッシュタグを提示し、お客様の投稿を促しています。そして、集まった素敵な投稿を引用リポストで紹介することで、お客様との一体感を醸成しています。これにより、広告にはないリアルな魅力が拡散され、お店の世界観がファンと共に作られている様子がわかります。
出典: コメダ珈琲店(@KomedaOfficial)
居酒屋:キャラクターとキャンペーンで認知を拡大した事例
焼き鳥チェーン「鳥貴族」は、「とりっきー」という公式キャラクターを前面に出した親しみやすい運用が特徴です。キャンペーン情報を発信するだけでなく、キャラクターの日常を描いた投稿や、ユーザーとの気さくなやり取りで、企業アカウント特有の堅苦しさを払拭しています。過去にはユニークなキャンペーンで大きな話題を集めるなど、X(Twitter)の拡散力を活かしてブランドの認知度と好感度を向上させている代表的な事例といえるでしょう。
出典: 鳥貴族 とりっきー広報担当(@_torikizoku)
お客様の口コミを味方につけるX(Twitter)集客術
X(Twitter)集客において、お店からの発信と同じくらい、あるいはそれ以上に強力なのが、お客様による「口コミ」です。このお客様発信の情報をうまく活用することで、広告宣伝費をかけずに信頼性の高いPRができます。ここでは、その具体的な手法を解説します。
お客様の投稿(UGC)を積極的に見つける
まず基本となるのが、お客様がお店のことを書いてくれた投稿を見つけることです。投稿を見つけるには、お店のアカウント宛の「@(メンション)」を確認するほか、お店の名前や愛称、看板メニュー名で検索をかける習慣をつけましょう。
「高度な検索」機能を使えば、特定の期間や画像付きのツイートに絞って探すこともでき、効率的です。
感謝のコミュニケーションでファンを育てる
投稿を見つけたら、必ず「いいね」やリプライ(返信)で感謝の気持ちを伝えましょう。「ご来店ありがとうございます!お写真素敵に撮っていただき嬉しいです」といった一言があるだけで、お客様は「また行こう」「また投稿しよう」という気持ちになります。
この丁寧なコミュニケーションが、お客様をお店のファンへと育てていきます。
口コミを引用・再発信して信頼性を高める
お客様の素敵な投稿は、許可を得たうえで、引用リツイート(引用リポスト)機能を使って「こんな嬉しい投稿をいただきました!」と紹介しましょう。これにより、元のお客様に喜んでもらえるだけでなく、その第三者によるリアルな声を自分のフォロワーにも届けられます。
お店自身が宣伝するよりも客観的で信頼性が高まり、他のお客様の来店を後押しする効果が期待できます。
飲食店がX(Twitter)を安全に運用するための注意点
X(Twitter)は強力な集客ツールですが、使い方を誤るとお店の評判を落としかねない「炎上」のリスクもはらんでいます。楽しんで運用を続けるためにも、あらかじめ注意点を理解し、対策を講じておくことが大切です。
炎上リスクを理解し、ガイドラインを設ける
炎上とは、特定の投稿に対して批判的なコメントが殺到し、収拾がつかなくなる状態を指します。不適切な表現、差別的な内容、お客様への横柄な態度、従業員の不適切な行動の投稿などが主な原因です。こうした事態を防ぐため、複数人で運用する場合は、投稿内容のルールや、非常時の対応方法などをまとめた簡単なガイドラインを作成しておくとよいでしょう。「公の場である」という意識を常に持ち、投稿前には一度立ち止まって内容を見返す冷静さが求められます。
ネガティブな意見への向き合い方
お店を運営していれば、時には厳しい意見やクレームがX(Twitter)で寄せられることもあるかもしれません。そうしたネガティブな意見に対して、感情的に反論するのは絶対に避けましょう。まずは内容を真摯に受け止め、お店側に非がある場合は、誠実に謝罪し、改善策を示すことが重要です。すべての意見に返信する必要はありませんが、真摯なクレームには丁寧に対応する姿勢が、かえってお店の信頼を高めることにもつながります。
X(Twitter)活用で飲食店のファンを増やし集客につなげる
飲食店がX(Twitter)を活用して集客するには、情報を発信するだけでなく、お店の“今”をリアルタイムで伝え、お客様と直接つながることが大切です。投稿を通じて魅力を届け、日々のやりとりを重ねていくことで、お店のファンを育てることができます。
お客様の声に耳を傾けながら、地道に発信を続けることで、認知度が高まり、信頼関係が築かれていきます。その積み重ねが、やがて来店という形につながります。
すぐに効果が現れなくても、焦らず続けることが成功への近道です。今回紹介したポイントや事例を参考に、自分のお店に合った方法でX(Twitter)運用を始めてみてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
グルメサイト離れが起きている?飲食店への影響や集客の戦略を解説
飲食店を探す手段として、Google検索やマップ、InstagramなどのSNSを活用する人が増えています。こうした動きにより、グルメサイト以外の情報源にも注目が集まり、集客手法の選択肢が広がってきました。 本記事では、調査データをもとに「…
詳しくみる飲食店におけるDXとは?推進メリットや成功させるポイント
近年、飲食店におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が注目を集めています。顧客ニーズの多様化や競争の激化の中で、DXは業務効率の向上やサービスの質の向上を促進し、持続可能な経営を実現するための手段として不可欠です。本記事では、飲食店…
詳しくみるランチ営業は儲からない?成功のヒントや夜営業へのつなげ方を解説
「ランチ営業は儲からない。夜と比べて利益が出にくい」と言われることがありますが、一概にそうとは言い切れません。夜の営業とは異なる利益構造や特性を理解し、戦略的に取り組めば、売上の確保だけでなく、飲食店のファンを増やし、夜の営業を活性化させる…
詳しくみるゴーストキッチンとは?仕組みや営業許可取得方法など解説
この記事では、ゴーストキッチンの基本概念から開業までのプロセスを解説しています。まず、ゴーストキッチンとは何か、そしてその仕組みについて詳しく説明します。その後、営業許可の取得方法や自宅での開業の可否、さらにメリットとデメリットを分析。最後…
詳しくみるバーの集客方法とは?成功させるポイントや流行るバーの特徴を解説
バー(BAR)の集客方法とは、誰に、どのように来てもらうかを戦略的に設計することです。近年は、スタンダードなバーに加えて、カラオケバーやスポーツバー、ワインバーなど多様な業態が登場し、競争も一層激しくなっています。お客様をどう引き寄せ、リピ…
詳しくみる飲食店が迷惑行為を防止する方法と迷惑行為をされてしまった場合の対処法を解説
飲食店において、迷惑行為は業務やお客様に深刻な影響を及ぼす可能性があります。無断キャンセル、騒音、過度な飲酒など、様々な迷惑行為が発生し、店舗の雰囲気や他のお客様のご迷惑となることがあります。この記事では、飲食店が迷惑行為を防止するための具…
詳しくみる